大ドイツ国召喚   作:イブ_ib

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キールセキの戦い

中央歴1643年七月一日 午前10時

 

 キールセキ駐屯地

 

現在駐屯地は聴音機部隊からの敵機襲来の報を受け、マリン改の出撃準備と対空砲の用意を始めていた。

 

「敵爆撃機20!敵戦闘機30!第4観測地点を通過しました!」

 

 

「大部隊だな。奴さんキールセキを更地にするつもりか」 

 

 

ホクゴウ指令は軍帽を被り直し指示を飛ばす。

 

「航空隊は旧式も一緒に34機全機飛ばせ。」

 

 

「はっ!」

 

 

◆◇◆◇  

 

「前方から敵機、おおよそ30機。」 

「何れも複葉機だ、後方機銃で何とかなるんじゃないか?」

「前に辛酸舐めさせられたのを忘れたのか?生意気な蛮族は皆殺しにするんだよ」

 

急速に接敵後、すれ違いざまに射撃を行いドックファイトが始まる。

 

数は同数だが旧式とマリン改がそれぞれ半々なため、次々と落とされていく。

その中の数機がアルデバランに向かって突撃していく。  

 

「戦闘機隊!敵を撃ち漏らしてんぞ!」

アルデバランの機銃手は苛立ちながら射撃を開始するが、突撃してきたマリンは機体を引き上げる事無くアルデバランへ突っ込んでいく。

 

「キ・・キチガイめ!!」

 

そのままマリンはアルデバランに激突し諸共墜落した。

しかし僅か一機落としたところで戦局に変わりはない。

 

「降下地点上空に到達!降下開始!」 

 

「皆さん!今作戦は我々空挺団の働きにかかっています!なので!!一番戦果を上げた隊にガオグゲル指令から極上のムー女が送られます!!皆さんのご健闘を祈ってますよぉ!  投下開始ぃ!!」

 

兵士達は順序良く、しかし手柄を上げるため我先にと機体から飛び降りていった。

 

 

◇◆◇◆◇◆ 

 

「指令ぇ!!何か降ってきてます!!」

「パラシュートだ!」

  

指令室にいる士官達は次々と窓の外を覗き込む。

 

「すわ!落下傘で兵士を落としたのか!陸戦部隊に出撃準備だ!急げ!!」

 

トラックの荷台に乗った兵士達が基地内を駆け回り配置につき、ホッチキス Mle1914重機関銃に酷似した機関銃を設置し、野砲の準備が進む。

 

 

敵のパラシュートはできる限り基地に近くに落ちてきている。

 

「装甲車大隊は兵士を載せて投下予定位置に急行しろ!」  

 

パラシュートで落とせる武器などたかが知れている、精々別々に投下した小銃ぐらいだろう。

 

 

◆◇◆◇◆

 

◆◇◆◇◆  

ア・プチの兵士は順調に降下し、着地後速やかに別途投下した小銃と機関銃を回収し侵攻を開始する。 

 

すると前方にムーの装甲車が歩兵を伴ってやって来た。

 

「前方に装甲車!」

 

そう言うや兵士は八九式重擲弾筒の様な物を取り出し弾を発射し装甲車に命中、装甲車自体には被害はないが周辺の歩兵がなぎ倒される。  

 

 

◆◇◆

 

「ぐっ!曲射砲か!?奴ら落下傘でそんな物を落としてきたのか!?撃て!!撃て撃て!!!」 

 

グ帝兵の隠れているであろう茂みに向け機関銃を撃っていると茂みから麻袋が放り投げられた。

 

「いかんっ!後t・・・!」

指示を出す直前に大爆発が起こり装甲車を吹き飛ばした。

 

◆◇◆

 

既に37㎜砲も組み立てを完了し、キールセキ近郊の畑まで迫って来ていた。   

 

ムーも戦車を展開したが、練度の差が桁違いのため37㎜砲に撃破される。  

頼みの綱である機関銃部隊ですらグ帝機関銃の性能の違いから撃ち負けてしまう。

 

遂に市街地に突入した。

ムー兵は路面電車を盾にしたり入り組んだ路地での強襲を行うが、対戦車ライフルや短機関銃が猛威を振るった。 

 

 

◆◇◆

 

キールセキ駐屯地

 

「もはやこれまでか・・・」

 

 

既に戦闘機隊との通信は切れ、地上部隊の報告は絶望的なものばかり。

鹵獲戦車も投入したが大した戦果も得られぬまま撃破された。

 

「降伏旗を上げよ」

 

「しかし!グ帝は捕虜を見せしめに処刑する奴らです!降伏など嬲り殺されに行くような物です!!」

 

「このまま戦い続ければ無駄に兵を死なせるだけだ。ならば降伏し僅かでも生き残る道を見出すのだ」

 

 

◆◇◆  

 

駐屯地に掲げられた降伏旗を眺めながらバルべは呟く。

 

「やっと降伏しましたか。さっさと降伏していれば良かったものを」

 

 

駐屯地の飛行場にホウゴウを始めとした将兵が集められており、それを勝ち誇った様に見ながらバルべは口を開いた。  

 

「貴方達は負けました、しかしご安心を・・・この町の住人は我々が面倒を見て上げますよ・・フフフ・・」

 

「その言葉に偽りはないな、彼らは非戦闘員だ。」

 

「勿論です・・非戦闘員には手を出しませんよ・・非戦闘員にはね・・・」

 

 

「そして、我々はどうするのかな?やはり処刑かね?」

 

ホウゴウは挑発気味に問う。

 

「まさか!皇帝陛下の軍がそんな事をするとでも?必死に戦った貴方達は敬意を表して自由の身にしてあげますよ・・」

 

◆◇◆ 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キールセキで身ぐるみ剥がされ我々は現在、徒歩でオロセンガまで撤退していた。

 

一日中アンタレスが死体に群がる蠅の様に我々を狙ってくる。

ホウゴウ指令は一昨日の機銃掃射で戦死した、オロセンガまでまだ遠い。

 

ここは地獄だ・・・。

 

 

 

◆◇◆◇◆

キールセキ

 

「さて蛮族は行きましたね・・・では・・・・」

 

バルべは並んだ兵士に演説を行う。

 

「此度の戦いで我が隊にも戦死者が出ました・・・彼らを殺した奴らの中には非戦闘員に紛れた卑劣なレジスタンスがいます・・・」

 

演説中、兵士達はこの後の出来事を想像しニヤついている。

 

「これよりレジスタンス狩りを開始する!!どんな手段をとっても構いません、レジスタンスを根絶やしにしなさい!!」

 

その言葉を皮切りに兵士たちは己の欲を曝け出し住民達を襲い始めた・・・

 

 

 

 

 

 

 

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