神聖ミリシアル帝国
ルーンポリス
外務省
既に会議室には列強国の外交官が集まっていた。
ミリシアルはリアージュ。
ドイツからはリッペンドロップ。
ムーは列強担当部長のカラミス。
パーパルディアからはエルトの副官であるハンス。
エモールからはモーリアウル。
今回の集まりの大きな目的は、今大戦における一致団結を図る列強同盟締結及び戦時条約の締結。
そして現時点でグ帝に勝利した場合、グ帝に何を求めるかという情報の共有である。
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「本日皆様に集まって頂いたのは他でもなくグラ・バルカス帝国についてであります。グラ・バルカス帝国に対しての要求を各国、まとめていますお手元の資料をどうぞ」
ドイツ
〇グラ・バルカス本土を列強による分割統治
〇皇族の退位
〇戦争指導者の処罰
〇戦争犯罪人の処罰
〇陸海空軍の解体
〇賠償金は最低無利子1000億ライヒスマルク払う事
神聖ミリシアル帝国
〇グラ・バルカス本土を列強による分割統治
〇皇族の退位
〇戦争指導者の処罰
〇戦争犯罪人の処罰
〇陸海空軍の大規模軍縮
〇陸海空軍の技術の開示
パーパルディア皇国
〇グラ・バルカス皇帝は皇帝ルディアスが兼任するものとする
〇グ帝皇帝、指導者層及び外交官の公開処刑
〇陸海空軍の兵器の引き渡し及び技術の開示
〇毎年指定数の奴隷を献上すること
〇賠償金として3千パソ支払う事
ムー
〇賠償金5千マンダを支払う事
〇グラ・バルカス帝国軍の軍縮
〇皇族を政治から離し象徴のみとする
〇戦争指導者の処罰
エモール王国
〇グラ・バルカス帝国軍は、ラヴァーナル帝国戦時に列強国の求めに応じ
軍事力の必要数を指定個所に投入しなければならない
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「成程、まぁこれぐらいは妥当ですな」
「少なくとも皇帝の座から引きずり落とす事が最低ラインだな」
「兎に角今は粗削りですし追々細かく決めましょう。」
今度は戦時条約についてだが、こちらはかなり揉めた。
この世界においても第2文明圏と第3文明圏とでは降伏方法が違うのだ、一纏めにしろと言って簡単にできるものではない。
これのついてはドイツがハーグ陸戦条約とジュネーブ条約を基にした戦時条約を提案した。
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遂に最後の目玉である列強同盟の締結となった。
「五列強同盟」
軍事的相互支援が盛り込まれた同盟だが、技術レベルが滅茶苦茶な同盟がきちんと機能するのか神のみぞ知る所である。
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「・・と、戦時条約を決めましたがグラ・バルカスもこれに同意しなくては意味がない」
「我々の方から伝えるのも癪ですな」
「向こうの方から連絡を寄こさないものか。」
するとリッペンドロップは発言する。
「それなら我々に考えがあります。少々手荒な方法になりますがね。」
そう言い彼は不気味に笑った。