中央歴1643年七月五日
あの悪名高いイシュタムは現在軍門に下ったニグラート連合ギゼル共和国の最南端の軍港であるキンコー湾港を中心に行動していた。
そこではイシュタムの兵士達が常日頃から飲酒をしては街に来て暴力を振るい、駆逐艦で近くの漁村に向け面白半分に艦砲射撃を行っていた。
とんでもない行為だが本国は無視を決め込んでいる。
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ニグラート連合キンコー湾港都市ノーデンス
まだ日も登りきらぬ時間、グラ・バルカス兵が目を光らしている中、数人の掃除夫が箒と籠を持って歩いている。
彼らはそのまま山に入るが掃除夫という仕事上、人の多くない時間に行動するのと焼却場が山にあるのでグ帝兵士は特に疑問にも思わない。
焼却施設に着いた彼らは隠していた魔信機に何か話しかけると、パイロットスーツに着替えた掃除夫達が箒と籠に乗り込みキンコー湾に飛び立った。
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同時刻
作戦開始が告げられる。
ギゼル共和国近辺の古城や集落から抵抗組織に属する共和国兵のワイバーンロードにギルドのワイバーンや巨大火喰い鳥が次々に飛び立っていく。
マギカライヒ共同体からもワイバーンロードや三葉機にムーから購入した魚雷*1を積んだ雷撃機25機が飛び立っていった。
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この作戦の最初の一撃はレーダーサイトからであった。
レーダー員はウイスキー片手に眠っていたが爆音の目覚ましで彼は永遠の眠りにつく。
他の見回りの兵士は驚いて上を向くと箒や籠に乗った人影が超低空飛行で湾内を飛んでいる。
魔導士達は爆雷を落としてレーダーサイトを破壊すると、火炎弾を放ち兵舎を焼き始めた。
この時点で警報が鳴り響き、寝間着のまま銃座に着くが大した練度もない彼らが即座に対応するのは難しく、給弾すらままならない有様であった。
そうしている内に火炎弾が甲板に被弾し火災が起きる。
そんな蜂の巣をつついたような騒ぎの中魔導士と入れ替わる様に、ワイバーンロードや雷撃機が大挙してやって来たのだ。
まず最初に狙われたのがペガスス級空母シェアトであり、飛び起きたパイロットが発艦しようとしたが頭がさえておらず艦橋に激突、救助最中にワイバーンロードの火炎弾を受け炎上後、魚雷3発が命中し爆沈。
これによりイシュタム指令のメイナードは戦死した。
メイサは対空射撃で雷撃機を数機撃墜するも火炎弾を受け炎上、撃墜し損ねた雷撃機が魚雷を抱えたまま激突し爆発浸水、キンコー湾に着底した。
総仕上げに海からは海賊を中心とした上陸部隊が突入する。
どう猛さにおいてはイシュタムの比ではない彼らは艦船に横付けしマスケットと剣を構えて白兵戦を始めた。
捕虜という考えは毛頭ない彼らは降伏してきたイシュタム兵を袈裟切りにして海に叩き落としたという。
その後イシュタム兵を殲滅すべく山狩りが行われた。彼らがその後どうなったかは書くまでもないだろう。
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ムー北西部
中央歴1643年七月五日午前10時
国境線沿いにパーパルディア侵略以前の第三文明圏国旗を掲げた軍団が進んでいた。
『グラ・バルカス戦において功績を挙げた属領は再独立を約束する』
破格ともいえる皇帝の勅命に属領は沸き立った。
長く辛い時代がようやく終わる。
属領の腕利きの物は皆挙って志願し、隠し持っていた家宝の鎧を丹念に磨きこんだ。
おまけにパーパルディアとしてでは無く、自国の国旗を持ち自分の国として戦場に立てると聞き感涙を流すものまでいたという。
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遠くにグラ・バルカス占領下の町が見える。
魔導砲による一斉射撃の後、騎兵隊が槍を構え突撃し歩兵もそれに続いた。
ムー大陸における三方面からの反攻作戦は今口火が切られたのだ。
次回は今作戦のグラ・バルカス側の反応回になります。