ドーン! ドドーン!
魔導砲がグ帝領の町を破壊する。
「行けッー‼足を止めるな!」
後方の皇国軍将校の命令と共に属領軍兵士が剣で突撃を仕掛けるが町にはシェイファー戦車と機関銃隊が待ち構えており、大多数が返り討ちにあってしまう。
パーパルディア外征軍司令シウスは指令テントで報告を聞いていた。
「第一陣攻撃隊壊滅しました」
「砲撃が不十分だったかな?」
「町の中に戦車がいる様です、こちらも戦車を出しますか?」
「その必要はない、爆薬があっただろう。それを属領兵に使わせろ」
「戦車を撃破したものは本人と家族に名誉皇国民章を授ける‼行けェー‼」
第二陣の属領兵にマスケットと爆薬を渡す。
「突撃ィーー‼」
機関銃の掃射により数人がなぎ倒されるも爆薬が炸裂し建物が倒壊し煙幕の代わりとなって兵士の手助けとなる。
「キエェェーーー!!!!」
ドガーン‼
肉迫してきた兵士が機関銃を自分諸共爆破する。
「撃て!撃て撃て!」
シェイファー戦車が前進してくるのでマスケットを撃ち込むが虚しく弾き返されてしまう。
「ウオォォーーー!」
兵士が履帯近くに爆雷を投げ履帯を切ることに成功する。が、大砲はいまだ健在、後方からはもう一台シェイファー戦車が確認出来た。
「敵戦車いまだ健在、増援を確認したとのことです」
「使えん奴らだ、戦車を投入しろ」
「はっ‼」
指示が出ると同時に空襲を警戒して被せていた迷彩網を取り払って現れたのはA7Vに酷似した3台の戦車であった。
ドイツから輸入したトラクターとムーの戦車を参考にして作ったものである。
エンジンはミリシアルからもらった魔導エンジンのコピー品だ。
戦車はギアを入れゆっくりと前進し町に進入する。
◆◇◆◆◇◆
「履帯がやられたか…?」
シェイファー戦車の車長がのぞき窓から様子を伺う。
(まさか捨て身攻撃をしてくるとは思わなかった…!)
吹き飛ぶ機関銃兵を思い出しながらも、震える声を抑えて指示を出す。
「援軍が間に合ったようだ、このまま応戦し持ち堪えれば…なんだあれは…?」
車長は衝撃を受ける、パーパルディア国旗を掲げた古めかしい戦車がこちらに向かってくるのだ。
「なんの冗談だ!」
車長は37㎜弾を装填し射撃したと同時に意識が吹き飛んだ。
パーパルディア戦車の搭載していたムーの小型艦艇用の47㎜砲はシェイファー戦車の装甲を正面から破壊したのだ。
ちなみにシェイファー戦車の弾はパ皇戦車が柔らかすぎたため貫通した。
「うおぉぉ!!!グ帝の戦車を倒したぞ!パーパルディア万歳!!!!!!!」
皇国兵は歓声を上げ、帝国兵を追い立てる。
パ皇戦車はもう一台も撃破し、前進する戦車に対抗する術のないグ帝兵は壊走を始めていく。
こうして昼過ぎには完全に町を制圧し、皇国旗が翻ったのだ。
◆◇◆◆◇◆
ドーソン基地
「アルー基地まで近づいたが…現在のわが軍の状況ははっきり言ってギリギリである。」
エーリッヒ・フォン・マンシュタイン歩兵大将が地図を広げ、会議を行う。
「現在我が西方軍集団は機甲戦力で押し上げロウリア方面軍で地均しをしているが、本国との距離が遠く戦力の補充が難しい。アルーを奪還した後は戦力の回復に努め、一時防戦に努める事になるだろう。」
アルー奪還作戦は間近に迫っていた。
パ皇戦車
各国の技術を使ったキメラ。
見た目はまんまA7V。