グラ・バルカス帝国領レーダーサイト
レーダー員は猛烈な速度で迫ってくる航空機の反応があるのを見逃さなかった。
「ン!鳥かな」
BOMB!
レーダーサイトは破壊され、ジェット機が地をなめる様に飛んで行った。
バルクルス基地 戦線監視所
「ーーーッ!!なんだあれっ!」
「司令部ッ!未確認機が!どこの国だ?!プロペラがない!」
「早すぎる対空砲が間に合わんッ!」
「つうか電探からなんも連絡がなかったんだが!?」
BOMB!
「重砲陣地がやられたぞ!おい!」
かつてアルーの街を耕した重カノン砲がロケット弾によりあっけなく吹き飛ばされる。
「落ち着け、落ち着いて持ち場につけ!」
部隊長は動揺する兵士を宥め双眼鏡で敵が来るであろう方角をにらむ。
「!!」
突如草むらから幾つもの爆発が起こり爆炎はそのまま上空へ飛び立ち、こちらへ落ちてくる。
VUO!!VUOVUO!
『こちら第四連隊、連隊長が戦死した!指示を!』
『重砲部隊は各自の判断で撃て!指揮所は壊滅した!』
「チクショー戦闘機は!戦車はまだか!」
既に眼前には地面を覆いつくさんばかりのドイツ装甲師団が迫っていた。
バルクルス基地
ガオグゲルはパース大佐からの報告を聞いていた。
「ムーから帰還してきた偵察機によるとアルーの転車台において列車砲が確認されたと、幸いまだ準備はされてない用ですがこのままだとこの基地は列車砲の射程内です、至急爆撃機で破壊する必要があります。」
「現状航空機が圧倒的に不足しており、列車砲という絶対護衛機が雲霞の如くいるであろう所にはいかせられん。取り合えずグテイマウンの行きかけに爆撃してもらうよう頼んでおいたから安心しろ」
「はっ」
ヒュルルルルルルルルルル
「は?」
ドォン!!!
すさまじい衝撃にガオグゲルが椅子から転がり落ちる。
「!!???!???!!」
基地には大穴が空き一部防空壕が崩れ落ちていた
大慌てで戦車や兵士が配置につくが、そんなのお構いなしに数分おきに巨弾が降り注ぎ戦車は衝撃波でひっくり返り、兵士は吐血し絶命する。
その後間髪入れずに聞きなれぬ飛翔音と共にプロペラのない航空機が大挙して飛来しロケット弾を発射し格納庫や兵舎に攻撃を加える。
「そんな・・・歩哨からは何の報告も・・・」
パース大佐は混乱した様子で腰を抜かす。
「攻撃だ!地下壕に向かうぞ!」
◇◆◇◆◇◆◇◆
ヒノマワリ王国 ハルナガ京
≪戦神は目覚めた、繰り返す、戦神は目覚めた≫
バルクルス基地からの通信を受けた駐屯基地は迎撃準備をはじめ、現地民が働いている外務省は大混乱に陥っていた。
「なっなんだ!もうドイツがここまで来たというのか!?」
ダラスは外務省から飛び出して空を見ると、既に雲霞の如く爆撃機が迫ってきているのが見える。
「あっあうあう!うわあぁ!!どけ!蛮族!俺が先だ!!」
ダラスは職員を押しのけ、一目散に防空壕に飛び込んだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆
神聖ミリシアル帝国軍航空隊
爆装ゲルニカ40機がハルナガ京を目指し飛んでいる。
同盟国軍はグラ・バルカスに戦わずに降ったヒノマワリ王国を、同様に戦わずに降った国に見せしめとして焦土化する事を決めた。
「世界の調停者たる我が帝国ではなく蛮族と手を取る!正に万死に値する!無限の炎の中で苦しみながら朽ちるがいい!!」
今となっては誰が言ったがわからないが、この様な意識で任務にあたっていた者も少なくなかった。
爆弾は制統府や王宮、貴族屋敷、住宅街に満遍なく降り注ぎ、その後焼夷弾が投下されハルナガ京は火の海となった。
翌日・・・
瓦礫の山となった統治軍地下司令室から一機の連絡機が飛び立ったが、残敵掃討のために出ていたTa 152に捕捉されあっけなく撃墜されたという。これがオル・ブーツだとわかるのは暫くしてからである。