大ドイツ国召喚   作:イブ_ib

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やったねコルヒ君!相手にされるよ!


ラテ・アルマイ攻略作戦

 要塞長コルヒ・ミールは余裕の面持ちで空調の効いた指令室でコーヒーを嗜んでいた。

 

 

 というのも……

 

 ドド──ン! ドド──ン! 

 

 パーパルディア外征軍司令部

 

「良いか諸君! 真の列強というのはあのような要塞など造作もなく攻略出来て初めて真の列強と言うのだ!」

 

 外でドイツ製カノン砲*1が景気よく砲撃している最中、ベルトランは麾下の兵士に大演説を行った。そうパーパルディアはマジノ線ばりの要塞を攻略しようとしているのだ。

 

 属領軍の他にロデニウス連合、アルタラス、フェン等が同盟軍として渋々付き合っている。

 

 それで三日三晩要塞に向けて砲撃を繰り返している訳だが、与えられている被害は微々たる物だ。

 

「砲撃では思った様な効果は得られませんね……、ここはいっそ……坑道を掘ってそこから侵入してみても良いんじゃないでしょうか? 幸いコチラには穴掘りのプロがいますし」

 

 ヨウシは作戦を提示する。

 

 コチラにはクイラの炭坑夫を主体としたドワーフの工兵が送られてきている、彼らを使い要塞の中にまで穴を掘りそこから爆破、侵入するというものだ。

 

「うむ、成程戦場は何も地上と上空だけではないという事だな。よろしい、同盟軍総出で奴らの尻を蹴り上げようではないか! それと悟られないために属領軍の総突撃を何回かに分けて行え」

 

「はっ……かしこまりました」

 

 この日から掘削作業が始まった。小柄で力強いドワーフ達は固い土を難なく掘り進めていき、エルフの魔法で空気の入れ換えを行う。作業は順調そのものであった。

 

 一方で地上は地獄そのものであった。

 

 

「うおおおおッ!」

 

「エドリン王国万歳!!」

 

「手柄をあげて俺達の国を取り戻すんだ!」

 

 属領兵が合図と共に要塞へ突撃を繰り返していた……が、要塞に取り付く前に埋められた地雷や火点の機銃掃射でいたずらに死体を積み上げるだけであった。

 

 ◇◆◇◆◇◆◇◆

 

「同盟国軍の奴らは近代的な戦いというモノを知らんのだろう、だからこうして悪戯に死者を出す。哀れなものよ」

 

 その日の夜もいつもの様にコルヒは部下達と愉快に談笑している最中……

 

 

 

カツンッ……

 

 地下で掘り進んでいたドワーフは要塞の一角まで掘り進んだ、洞窟から野戦司令部まで引かれた電話でベルトランは指示を出す。

 

「よし……そのままだ、この位置だと……ここか……」

 

 航空写真と掘った位置を照らし合わせる。

 

「そのまま右方向に掘れば大型砲塔にたどり着くはずだ」

 

《しかし土が固いですな、所々コンクリートで掘るのに随分時間が掛かりますぜ》

 

「問題ない、夜が明けたら航空機を投入して誤魔化すからその間に掘れ!」

 

 ◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 夜明け

 

 空にはムーの旧式爆撃機とパーパルディアのFi167が雲霞の如く襲来する。

 

 要塞内はけたたましくサイレンが鳴り響き、対空砲が迅速に砲撃を始める。

 

「レイリングのアンタレスは何をやっている!? 電話も無線も通じないぞ!」

 

 近接信管で時代遅れの複葉機は落ちていくが、数機が森に向けて焼夷弾を放ち要塞を火に包んでいく。

 

「くそったれの蚊蜻蛉が、防火扉を閉めろ! 換気を回せ!」

 

 換気システムにより切削音が掻き消されたのは好機であった。

 

 昼過ぎ……

 

《砲塔と思しき地下部に到達しました!》

 

「でかした! 後は爆弾の設置だ! 穴を広げてありったけの爆弾を詰めろ!」

 

 

 工兵たちはありったけの爆弾を要塞沿いに、それこそドイツ製の航空爆弾からクイラ軍の黒色火薬までを一日かけありったけ置きその量なんと50トン。

 

「工兵は洞窟から退避せよ。翌正午に起爆する」

 

 ◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 退避した後は要所要所に土嚢で蓋をし、入り口からは数百メートル離れて爆風に備える。

 

「果たして……あれであの要塞を破壊する事が出来るのでしょうか……」

 

「分からん、しかしまぁあれだけあれば何とかなるだろう……そろそろだな」

 

 ベルトランはドイツ製腕時計で時刻を確認する。

 

 

 

 ◇◆◇◆◇◆◇◆

 

「要塞長、如何なされましたか?」

 

「いや……今朝あれ程の航空機がやって来たのに砲撃の一発も寄越さないとは奇妙だとは思わないか?」

 

「どうせ弾切れという所でしょう」

 

 副官は笑い飛ばし、席について資料をまとめる。

 

「すぐ昼だってのに真面目な奴だ」

 

 コルヒは壁時計に目を見やる、分針は既に三分前であった。

 

 ◇◆◇◆

 

「あれだけ撃って来たのに今日は全く撃ってこないな」

 

「まぁ何もしてこないのはいい事だ、要塞内の奴らはともかく俺らみたいな塹壕にいるような奴はな……そろそろ昼だ、交代が待ち遠しいぜ」

 

 兵士は腕時計を見る、正午まであとに二分であった。

 

 ◇◆◇◆

 

「患者の容体は安定してきましたね」

 

「ええ、今回の戦闘は焼夷弾による火傷や呼吸気管の損傷が酷かったので、今度の補給では呼吸器系の機器を持ってきて貰う様に頼みましょう……もう昼ですね、患者も大丈夫ですし先に昼食をとってきて大丈夫ですよ」

 

「はっ、では軍医殿。先にご飯を頂いてきます」

 

 軍医は腕時計を見る、昼まで一分を切っていた。

 

◇◆◇◆

 

ベルトランの腕時計が正午を示すのを見て、手元にある起爆スイッチに手を伸ばす。

 

「爆破!!」

 

ベルトランは起爆スイッチを捻った。

 

 

*1
10.5cm sK 18




MMD動画の方もなんとかせんとなぁ
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