中央歴1639年5月30日
ロウリア王国東方征伐軍本隊
その数4万
飛竜50騎
騎馬兵5000騎
弓兵5000人
歩兵3万
本隊の隊長を任された副将アデムは
無事先遣隊と合流することが出来た
「ジューンフィルア!!貴様ら先遣隊はずっとここに留まっていたのか?威力偵察はどうした?」
「いえ、クワトイネ軍の攻撃が予想以上に激しく威嚇、偵察兵を送ったそばから・・・」
「ったく・・・臆病風に吹かれおって
まぁ良い、この魔獣さえいればどんな軍もイチコロだからな・・・ 」
そう言うとアデムは高台へ登り兵達へ叫ぶ
「よぉし!皆!よく聞け!これより我々はクワ・トイネの城塞都市エジェイを陥しに向かう!占領した暁にはギム同様略奪、強姦、殺人なんでも好きにして良い! 絶対に生きて町から出すなよ!」
そう叫ぶとアデムはヒッヒッヒッと気味の悪い声で笑った
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
エジェイの高台に設置された聴音機はこちらに向かう飛竜の羽音をキャッチした
「飛竜がこちらに接近中!!対空砲用意! 」
兵士達は訓練通り、手際よく持ち込まれた機関砲の用意をする
連絡を受けたロウリア兵もバリスタを用意するが、ドイツ軍のと比べればまるで小弓であった
◆◇
「来たぞー!!ロウリアだー!!」
望遠鏡で見張っていた公国兵が叫び、鐘を鳴らす、飛竜は空に舞い、兵達は隊列を組み、敵を迎え撃つため持ち場に着く
ザッザッザッザッ!!
ここからでも聞こえるぐらいの足音が
平野にこだまする
「なんと言うことだ・・・!この数は防ぎきれるかわからんぞ・・・!」
ノウは司令室から望遠鏡で覗き見る
すると伝令兵がシュミットからの連絡を持ってきた
[我々は精鋭な貴軍のとっても素晴らしい戦いを後方から眺めています、どのような戦いになるか楽しみにしてますね]
「野郎!!こんな時まで嫌味か!」
ノウは怒り狂い紙を破り捨てた
「もう怒った!ドイツ軍にもロウリア軍に攻撃しても良いと連絡しろ!
そんなに言うならドイツ軍の戦いを見てやる!」
◇◆◇◆◇◆◇◆
前列はジューンフィルアの先遣隊が進む
その様子をジューンフィルアは不安な面持ちで眺める
上空では両軍の飛竜による空戦が始まっているが両軍共50騎である為互角の戦いだ
「くそ、早く倒してくれ 、じゃないとこっちも危ない・・・」
上空に気をつけながら兵を進め、遂に城壁にいる公国兵を弓の射程圏内にとらえる
「弓隊!ヨーーイ!!」
弓隊が弓を引き、今まさに射らんとするその瞬間
ダラララララララララ
城壁の隙間から五つ程の閃光がはしり
先遣隊の兵士をズタズタに引き裂く
「なっぬっ?!なんだぁ!?!」
「盾を構え!亀甲隊形!急げ!」
急いで盾を構えるも、そんなの御構い無しとばかりに、大型三脚に載せ、照準器を装備したMG34が兵士達を薙ぎ払う
エジェイ城門
「あまり撃ちすぎるな、出来る限りエジェイに敵を留めさせるようにと命令が来ている」
「なぜ? 我々ならあれぐらいの兵ならすぐにでも殲滅できよう」
「どうやら軍は機甲師団を用いてギムを陥とすようです、そのギムにいるロウリア兵を出来る限りこのエジェイの方に気を反らせておくというわけですな」
「ふん、我々ならロウリアなど1週間と経たずに滅ぼせると言うのに、怖気付いているのか?」
「この新世界、何が起こるかわからないから軍も慎重にならざるを得ないのでしょう」
◆◇◆◇深夜◆◇◆◇
ギムの町から四キロ地点
アウトバーンの近くに作られた
基地には、戦闘機に爆撃機
更には、1号戦車、2号戦車 、ハーフトラックに装甲車を有する、エトヴィン少佐率いる機甲師団2万が集結していた
そのほかにもクワ・トイネ公国軍2万、
クイラ王国派遣軍3万が集まっていた
「いや、こう見ると余りにドイツ軍は凄まじいですな」
クイラ王国派遣軍将軍のハセルは眼下に広がるドイツ軍の機甲師団についての話に公国軍騎士団団長トーシャも頷きながら答える
「この軍勢されいれば、古の魔法帝国軍でさえも打ち破れる気がするな」
「まったくその通りですな!」
◇◆◇◆◇◆◇◆
そして遂に
クワ・トイネ公国、クイラ王国、ドイツ国 による連合軍の一大反攻作戦が開始された
◆◇◆◇明け方 ギム◆◇◆◇
「ふぁああ・・・寝みぃ・・・」
歩哨の兵が眠そうにしていると、向こうの空から砂の粒のような物がこちらに向かって飛んできた
「!!!大変だ!」
歩哨は飛ぶ様に駆け出し、通信小屋に駆け込む
「もしもし!!敵だ! 敵が攻めていたぞ!もしもし!もしもし!!」
そうしている間にも、ごま粒大だったものがしっかり形がわかるぐらいにまで大きくなる
「はい!こちら司令部!どうした!」
「いま 正体不明の飛竜を確・・・
うわぁ!!!こっちに来るぅ!!!
QWAAAAAAAA!!!!!!
バガァァァアアンン!!!
「・・・おい!どうした!?応答せよ!応答せよ! ・・・まずい!」
「敵襲だ!! 起きろ! 敵襲だ!!」
寝ている兵を叩き起こしにかかる
「パンドール様!起きてください!敵襲です!」
「何ッ!? エジェイはどうしたのだ?!」
「ハッ! 確認したところ、敵はエジェイに篭りっきりで膠着状態になっているとのことです!」
「では何故ここが攻撃されてるのだ?!」
「街道から外れた森林地帯から侵攻してきたものと思われます、まったくの予想外でした!」
「兵力は! クワ・トイネは防衛に当てるのが精一杯ではないか?!」
「どうやらクワトイネ公国はクイラ王国とドイツ国と連合を組んで攻め込んできたようです」
「なんて事だ! えぇい! 返り討ちにしてくれる!すぐに反撃にうつれ!」
「はっ!」
◇◆◇宿舎◇◆◇
「ほら!ボヤボヤするな!敵が来るぞ!」
寝ぼけナマコの兵を叩き起こしていると
「飛竜が来るぞー!!」
凄まじい速さで数騎の灰色の飛竜が飛んでくる
バリバリバリバリバリバリ!!!
翼から発射された光弾は準備をしていた飛竜小屋に吸い込まれ、空の戦士は空を飛ぶ事なく生き絶える
◇◆◇◆◇◆
「奇襲成功!戦車隊前進せよ!」
混乱をきたした陣地に機甲師団が突入する、それに続いて公国、王国の兵達が続く。
「ダメです!飛竜もやられ、兵も混乱から回復できていません!」
「なんという事だ!」
向こうからは着実に連合軍が迫って来ている、混乱から立ち直った者は迎撃にあたるがバリスタでは戦車どころか装甲車にさえ傷一つ与えられない、
「突撃ーー!!仇討ちだ!」
「いけっー!皆殺しにしたれー!!!」
クワ・トイネ軍はロウリア兵がいれば降伏しようがしまいが関係なく殺していた、まぁギムの町事件があるから仕方ない
◆◇◆◇◆◇
敵兵の怒号がここまで聞こえる、ギムは
もうじき陥ちるだろう
「将軍!ギムはもうダメです!もはや撤退の他ありません・・・!」
「・・・撤退・・か、わかった、 動ける兵は全て本土へ撤退!ギムは放棄する!
全ての将兵に伝えろ!」
「ハッ!」
「では将軍、こちらへ!」
「うむ」
パンドールが馬に乗ろうとした瞬間
ヒュルルルル・・・
ズバーン!!
すぐ近くで榴弾が落ちた様だ
爆音でパンドールの乗っていた馬は混乱し、そのままパンドールを振り落とす、
パンドールは落馬した衝撃で気を失ってしまった
◇◆◇◆◇◆◇◆
連合軍はギムの奪還に成功し、幸運な事に将軍であるパンドールを捕まえる事が出来た
パンドールは手首足首を縄で縛られ、
目の前ではドイツとクワ・トイネ、クイラの将軍が、パンドールの処置をどうするか話し合っていた
「ロウリアの将軍など即刻処刑すべきだ!」
「いや、しかしまず国の指示でやったか、将軍個人で行ったかそれを調べてからでないと」
「私は炭鉱の最下層で働かせれば良いと思っている」
どちらにせよパンドールのその後はロクでもない無い物と言うことは決まっていた
「おい、貴様 このギムの虐殺を命じた奴は誰だ?」
「・・私は命令していないしされてもいない、ギムを攻めたのはアデムが率いた先遣隊だ、恐らく奴が指示したのだろう
奴は苛烈な性格だからな、それに亜人に対し人一倍嫌っていた」
「ケッ! それでアデムとやらはどこにいる」
「アイツは今エジェイを攻めている、
もっとも今は苦戦しているようだがな」
「・・そうか、まぁ貴様の命をどうするかはまたそのうち考えてやる」
そういうとトーシャは部下に
「おい、こいつをマイハークに連れて行って丸太に縛り付けて群衆の前にだして見世物にしろ、最終的な処罰を決めるのは戦争が終わってからだ、それまで殺すのだけはやめろ、わかったな」
「はぁ!」
「御二方も異論ないですな?!」
「「構いません」」
◆◇◆◇◆◇◆
遂にギムを陥とした連合軍、クワ・トイネ公国軍、クイラ派遣軍の2カ国は
エジェイを攻めてるアデムを処刑すべく
進撃を開始する、一方ドイツではロウリア王国の本格的な侵攻作戦を考えていた
一大反攻作戦って言葉の響きいいですよね、
一大反攻作戦
オデッサ
っ! 頭が!