キャラクタークリエイトのフィクサー 作:エリちゃん助ける
目覚めてから煙草を吸って考える。私は転生し、マフィアを結成した。この世界は僕のヒーローアカデミアの世界だ。つまり、世界総人口の約八割が超常能力“個性”を持つに至った超人社会である。“個性”を悪用する
私、伽羅創造も"個性"をもっている。私の"個性"はキャラクタークリエイト。つまり、キャラクターを作る"個性"だ。
この"個性"は私自身にも私以外にも有効だ。私の好きなように身体を作り変え、設定した力を得られる。自分に使った場合、肉体を変化させるのは永遠で、キャラクターに設定した"個性"は一日数度までしか使えない。外見だけだ。
逆に他人に施す場合はまた違う。しばらくキャラクタークリエイトを解除しないと、身体はその状態で固定される。しかし、"個性"は違う。"個性"は一日しか有効ではなく、継続するためには私の体液を摂取しないといけない。つまり、"個性"を利用すればいろいろとできるということだ。例えば"無個性"で虐められたり、虐待されたりして捨てられた少女達と契約して依存させ、自分の物にするとかできる。
例えば今、私の隣で一糸まとわぬ姿で寝ている彼女。彼女は昨日、自殺を図ったところを説得して契約し、連れ帰って私の物として作り変えた美少女だ。彼女に与えたキャラクターは文豪ストレイドッグスの泉鏡花だ。
昨日は作り変えた彼女の長くなった綺麗な黒色の髪の毛をベッドの上に広げ、身体を大の字にして天上の染みを数えてもらった。私の"個性"でキャラクターの力まで与えるとなると深い繋がりが必要で、私のDNAというか個性因子を叩き込まねばならない。故に"個性"まで与えるのなら相手は女の子になる。
「……おはよう、ございます……」
「ああ、おはよう」
「……どうぞ……」
煙草を吸いながら挨拶をして、彼女の頭を撫でると少し嬉しそうにしてから、身体を震わせながら無表情で腕を差し出してくる。
「これは?」
「煙草、腕で消さないの……?」
「なるほど。やりたいのかな?」
「ちっ、違う……熱いし痛いから……」
「じゃあ、やらなくていいよ。それよりもお風呂に入ろうか」
「はいっていいの?」
「ああ、一緒に入ろう」
ベッドから出て彼女をお姫様抱っこで抱き上げて風呂場に移動する。裸のままなのでそのまま浴室に入って彼女の身体を綺麗に洗っていく。
「これが私……綺麗……」
「そうだ。その身体の名前は泉鏡花」
「泉鏡花……それがこれからの名前……"個性"もあるの?」
「"個性"の名前は夜叉白雪。仕込み杖を持った女性の異形・夜叉白雪を具現化する力だよ。そちらは後で訓練すればいい」
「はい」
「では、次は私の身体を洗ってくれ」
彼女の身体を綺麗に洗ってから、私の身体も洗ってもらう。続いて一緒に暖かな湯船に浸かるのだが、嬉しそうにしている。
「どうした?」
「初めて入った。こんなに気持ちいいものだったんだ……」
「今まで入っていなかったのかね?」
「水のシャワーだけ……」
「なるほど。ヒーローは助けてくれなかったのかね?」
「親はヒーローだった。仕事の鬱憤を無個性の私で晴らしてたの」
「それは辛かったね。まあ、ここでも似たようなものかもしれない。なにせ身体を私に捧げないといけないのだから」
「大丈夫。"個性"を貰えるなら、これぐらい平気……」
学園でも相当虐められていたようだ。今の世界では"個性"がないと徹底的に虐められる。特にヒーローの子供で無個性となると致命的だろう。普通なら親が頑張るのだろうが、ろくなヒーローじゃないようだ。
「まあ、いいさ。これからのことの方が大事だ。私達は仕事をしていてね。基本的には護衛や逃がし屋だったり、運び屋、そして殺し屋だ。表の仕事としてはヒーロー免許も持っているし、会社の運営もやっている」
「それは……」
「そう、私達はマフィアだ。日本ではヤクザというのかもしれない。まあ、表で護衛として働くのもいい。給料を貯めて一定金額を支払って自由になるのもいい。その場合、"個性"はなくなるだろうが、新しい姿はあげよう。前の子はそうして我が社に就職して今は自由に過ごしている。もちろん、その姿は返してもらうがね。もちろん、末永く私と一緒にいてくれてもいい」
「……考えてみる……」
「それでいい。どちらにしろ、私達を裏切らないならいい。さて、話はこれくらいにしてでようか」
鏡花のお腹が鳴った。彼女は恥ずかしそうに顔を隠すのではなく、怯えている。なので、彼女を抱き上げて風呂から出てタオルで彼女を拭って、ドライヤーの使い方を教えていく。自分も含めて身体を綺麗に拭き終わったら、彼女に黄色い帯の赤い着物を着せる。もちろん、これは新品だ。流石に前の鏡花のを着せるわけにはいかない。
「綺麗……こんな高そうなの、私なんかに……いいの……?」
「ああ、もちろんだとも。むしろ、それが泉鏡花の私服でもあるからね。後はメイド服か」
「メイド……ご主人様?」
「そうだね。さて、食事を取りに行こう。おそらく、君の好物になるだろう湯豆腐を用意してある」
「湯豆腐……なんでか、凄く嬉しくなる……」
「キャラに引っ張られることがあるからね。ただ、引っ張られすぎないように、ロールプレイしきらないようにするといい。原作では彼女は裏切って生き延び幸せになったかもしれないが……君を待つのがそうだとは限らないよ」
「はい。肝に銘じておきます」
「いいこだ」
彼女を連れて脱衣所から出る。寝室を通りすぎてリビングに行くと、可愛い私の娘の二人が湯豆腐を用意して待っていてくれた。
「お父様、準備はできております」
「おかーさん、はやくはやく!」
「では、紹介しよう。彼女は新しい泉鏡花だ」
「いっ、泉……鏡花……です?」
まだ自分の名前だとしっくりとこないのだろう。だが、しばらくすればそれも慣れるだろう。少なくともプロフィールは暗記させるし、これから訓練してもらう。
彼女、泉鏡花のプロフィールはこの通りだ。まずは年齢が14歳。誕生日が11月4日。身長が148cmで体重40kg。血液型はB型で好きなものは兎、豆腐、紫陽花、おばけ。嫌いなものは犬、雷、蠅。異能もとい"個性"は夜叉白雪となる。最低でもこれは覚えてもらう。
「私はアビゲイル・ウィリアムズ、移動などを担当しているの。よろしくお願いするわ、三人目さん」
金髪碧眼の美少女。身長152㎝で髪の毛も長い。彼女は窮極の門(ヨグ=ソトースの門)を通じてあらゆる空間にアクセスすることができる。ただし彼女以外が門をくぐる際は、その門やその向こうに広がる世界に正気を持っていかれないだけの強靭な精神力を必要とする。
「三人目……」
「わたしたちはジャック・ザ・リッパー。裏切り者を処理する仕事をしているよ。だから、おねーさんが裏切ったら、わたしたちが殺すことになるかもね。実際に一人目はわたしたちが処理したし」
銀色の髪の毛をショートした金色の瞳を持つ。身長は134cmでこの中では一番小さい。そして、彼女の力は女性を殺すことと電子機器に及ぶまでに情報を消去できる。つまり、私が"個性"を与えた者を処理するのにはとても適している。後は彼女達に発信機を取り付ければいい。ちなみにアビゲイルことアビーもジャックもFateと呼ばれる者のキャラだ。
「っ!?」
「ですが、本来なら発信機を飲ませるのですが、私は考えました。もっと手っ取り早く裏切り者を処理する方法を思い付きました。これを飲んでいただきますわ。これを飲む事で私のゲートも問題なく使えるようになりますから」
アビーが取り出したのは何かの肉片だ。
「さあ、飲んじゃってよ。大丈夫、わたしたちも飲んでるから」
「裏切ったら自動的に内部から喰い破ってくれますの」
「う、うん……」
鏡花が恐怖に震える。二人はいざとなったら殺してしまう気だろう。殺気を浴びながら飲み込んていく。これで彼女はアビーのゲートも無事に通れるようになる。何故ならアレは名状しがたき者達の肉片だからだ。その肉片は彼女達に寄生して守ってくれる。
「さて、物騒な話は終わりにして食べようか」
皆で湯豆腐を食べると、鏡花はとても美味しそうに無表情が崩れて笑顔をみせる。これで彼女も幸せになってくれるかもしれない。彼女が殺し屋になってしまってもいい。夜叉白雪は殺戮に特化しているの。それに名状しがたき者に寄生されたことで、殺人に対する忌避感も少なくなるだろう。
泉鏡花
私は望まれずに生まれてきた。家ではヒーローの両親に虐待され、学校でも虐められてきた。どちらも無個性というのが理由の一つ。別の人に助けを求めてもヒーローである両親がそんなことをするはずがないと言われ、どうしようもなかった。
それに自殺をしようとして、何度か手首を切ろうとしても怖くてできなかった。だから、確実に終われるように飛び降りた。そのはずが、いつの間にか物凄く怖い空間を通った気がして気絶した。次に気付いたら別の場所に連れてこられていて、目の前に若い男性が話をしてくれました。
内容は簡単に言えば契約して身体を差し出せば新しい人生を歩ませてくれるというものでした。どうせ死ぬつもりだったし、夢かもと思って契約したら身体を作り変えられた。
髪の毛が長くなった上に身体が小さくなり、ガリガリだったのがほどよい感じになった。顔を手で確かめると綺麗な肌に変わっていた。その後、ベッドに連れていかれて天上の染みを数えることになりました。物凄く痛く気が付いたら眠っていたのです。
目覚めると煙草を吸われていたので、何時もの通りに腕を差し出したら、必要ないと言われました。
その後は久しぶりにお風呂に入れてもらって、身体を洗ってもらいました。湯船に入れてもらえてとても気持ち良くてよかったです。その後の食事もとても美味しくて幸せになりました。ただ、変なのを食べた後なので特にです。湯豆腐は至福の食べ物でした。
「アビー、鏡花を彼女の部屋に連れていってあげなさい」
「わかったわ。ジャックはどうするのかしら?」
「わたしたちはおかーさんに可愛がってもらうよ」
「了解よ。それじゃあ、鏡花はこちらに……」
「ほぇ?」
幸せを噛みしめていると、アビゲイルさんに手を掴まれて連れていかれる。
廊下をしばらく歩いていくと、鏡花と書かれた部屋がありました。
「今日からここが貴女の部屋です」
「私の……いいの? 床下収納庫とか……」
「……どんな部屋に住んでいたの?」
「床下収納庫で寝起きしてた……虫がいっぱいで……寒くて……」
思い出すだけで身体が震えて、アリやムカデが寝ている身体の上を這っていく感触とかを思い出していると、アビゲイルさんが抱きしめてくれた。
「もう大丈夫よ。これから温かいところで寝れるからね……」
「……」
こくりと頷くと、嬉しそうに微笑んでくれてから、部屋の襖を開けてくれます。そこは和室になっているようで、畳の部屋でした。中に入ると凄く広くて置かれている調度品もたぶん凄く高いです。
「ここにある物は自由にしてくれていいからね。そこのタンスの下に新品の和服が、上にメイド服が入っているの。こっちは下着類。使い方はわかるわよね?」
「和服はあまり……」
「じゃあ、一緒に勉強しましょう。前の鏡花が色々と残してくれているはずよ」
「前の鏡花さん?」
「そうですわ。貴女は三人目なのよ。一番目は設定に引っ張られたのか、裏切ったからジャックに粛清されたわ」
「っ!?」
「二人目は寿退社よ」
「こ、寿退社? もしかして、ご主人様の……?」
「いえ、別の人が好きになったので、姿を別の人に変えて別の部署に移動したのよ」
「できるんですか?」
「身体の切り替え分の代金を支払い終わっていれば可能よ。裏切りさえしなければ基本的には自由にさせてもらえるわ。それと妊娠の心配もない、といいたいけれどわからないから一応この薬箱の中に入っているわ」
渡された薬箱の中には生理用品や避妊薬が入っていた。使い方はわからない。
「えっと、それと本棚には二人目が残してくれた者が引き継ぎ書を作ってくれています。和服の着方とかもあります。これですね」
渡してくれた本には着付けのこととかが書かれていた。本棚をみると、沢山の日記がある。
「基本的にはこれを読めばわかるわ。じゃあ、着替えましょう。それで、やってみたいことがあるの!」
「なに?」
「あ~れ~って奴よ」
「わかった」
色々と遊びならが教えてもらった。とりあず、契約を犯さなければ問題ないみたい。
私が交わした契約は衣食住を保証し、"個性"を持つ新しい姿を与える代わりに一定金額を支払うまでは身体を差し出してお仕事をするということ。お金を支払い終わった後は私の意思で契約を更新するかを決められる。ただし、色々な守秘義務が発生し、外部に漏らすと殺される。また契約中に裏切ると殺される。
身体を差し出すことは"個性"の維持に必要とのことなので、私が望んだことでもある。"個性"がいらないなら、別に身体はいらないらしい。他の人とすることもない。
「鏡花はこのまま鏡花でいますか?」
「?」
「いえ、泉鏡花というのは"個性"を与えられるキャラクター、アバターの一つとして登録されているのよ。つまり、"個性"がいらないというなら、別の姿になることにならないといけないわ」
「もしかして、これからの境遇もかわる?」
「ええ、そうよ。今の鏡花の待遇はお父様の愛人としての立場があるから、かなりいい暮らしができるわ。でも、泉鏡花を止めるのなら、事務員とか色々とあるけど……」
「この姿じゃ駄目なの?」
「お父様の"個性"はそこまで便利じゃないの。"個性"を与えられるキャラクターをクリエイトするのには枠があるの。そして、その枠は前の人が訓練した力が引き継がれるのよね」
「それって無個性の私でよかったの?」
「逆です。無個性じゃないといけないのよ。"個性"をすでに持っていると反発して死ぬ場合があるわ」
「つまり、無個性の人達が時間をかけて鍛えあげた力が私の中にあるの?」
「そうなの。身体の記憶と"個性"は受け継がれていくのよ。素敵よね。それでどうするの? 今ならすぐにお父様にいって別の人にも変えてもらえるわ」
「はい。私は泉鏡花のままがいいです」
私でも役に立てる。そう思うと嬉しくなる。それに何度も願っていた"個性"が貰えるのなら、身体を差し出すくらい我慢できる。
「わかったわ。部屋にはDVDとかもあるので色々と勉強するといいの。でも、その前に鏡花、貴女……殺し屋になるつもりはあるのかしら?」
「殺し屋……」
「あなたの"個性"は殺戮特化なの。すでに数十人は殺しているわ」
殺し屋……人を殺す……怖い……と思うのだけど、不思議とそうは思わない。
「大丈夫?」
「大丈夫です」
「だったら、貴女のご両親をまずは殺しましょうか……」
「え?」
「今まで散々虐待されてきたのです。報復すべきでしょう? 大丈夫、手筈は後処理まで含めてすべてこちらで処理するから、貴女は手を下すだけよ。それに無関係な人を殺すより、恨みがある人からの方がいいでしょう? それと殺すのは依頼を受けて、その人をしっかりと調べてからだからほぼ大丈夫よ。あと殺しが嫌だったら、基本的にお父様のメイドとして護衛になってもいいわ。こちらは襲撃されたら相手を殺してもらいますけど」
「大丈夫。不思議と忌避感がない」
「そう。それはいいことね。"個性"の訓練をしたら復讐、報復しにいきましょう」
楽しそうに暗い笑みを受かべるアビゲイルさんは怖いと思う。
「次は訓練しましょう。こっちよ」
「はい」
ビルの中を移動して、エレベーターで最上階の居住フロアから地下へと下がる。そこで戦闘訓練を行うらしいです。
「では、まずは夜叉白雪をだします。最初はこの携帯電話を使います」
「携帯電話……ガラケー?」
「そうです。これを持ちながら電話をかけるみたいにしてください。まずは試してみましょう」
「でてきて、夜叉白雪」
声をかけると、私の背後に仕込み杖を持った女性の異形が出現する。本当にでてくるなんて思わなかった。これが私の"個性"……すごく嬉しくなって涙が溢れてくる。
「さて、それじゃあ的をだすわね。それと罰ゲームもあるから気を付けてね」
アビゲイルさんの姿が魔女の帽子にをかぶった不気味な姿へと変化していた。肌の色が白くなったいて、手に持つ魔導書からとっても不気味な触手の化け物が呼び出されている。
「これが的よ」
「ば、罰ゲームって……」
「触手プレイよ。身体中を犯してあげる」
「っ!?」
流石にそれは嫌だ。怖がりながら迫ってくる触手の塊に必死に夜叉白雪に命令する。
「倒してっ!」
「駄目ね。もっと具体的に斬り裂けとかいった方が良いわ。そうね、この触手を嫌いな両親と思って具体的に斬るイメージをして伝えるといいわ」
「殺って、夜叉白雪」
言われた通りにイメージすると、夜叉白雪が空中を駆け抜けて触手の向こうに通り抜けると斬り刻まれた。すごい。思った通りの場所を斬り裂いてくれた。
「この触手、一応対刃仕様なんだけど……まあいいわ。どんどんいくわ。夜叉白雪に頼るんじゃなくて、自分の身体もちゃんと意識して動かさないとだめよ」
無数の触手が夜叉白雪を超えて殺到してくる。すると身体が勝手に避けてくれる。
「常に考えて夜叉白雪に指示をだしつつ、自分も戦闘できるようにしてね。それが最低条件よ」
空中に無数の穴が空いて、そこから沢山の名状しがたき者達が現れてくる。それを頑張ってひたすら倒す。身体も夜叉白雪もが思った通りに動いて、とても楽しくなってくる。本当にこの身体は私の物じゃない。まさに生まれ変わった感じ。
「良い感じです。では次のステップに入るからね。次は人の急所を狙いましょう。暗殺者として一撃必殺が基本だから」
「ん」
「鏡花自身もお願いね」
仕込み刀を渡される。不思議と使い方がわかるので、ひたすら戦っていく。だんだんと動きを思い出すかのように研ぎ澄まされていく。身体の違和感がなくなり、歯車がかみ合っていくのかどんどん殲滅速度が上がっていく。
「夜叉白雪の力は切断。相手の硬さなどを無視して斬れるレベルまですでに昇華されている。前任者の鏡花がそこまで仕上げてくれているの。そこまで最低でもいってね」
「頑張る」
「二次元だけではなく、三次元軌道で戦って。壁を蹴ったりすればいいから」
必死に動いて戦っていると、油断して触手で吹き飛ばされて壁に激突する。同時に夜叉白雪で斬り倒す。ただひたすら戦っていく。
気絶するまで頑張ったら、アビゲイルさんにお風呂に連れていかれて身体を洗われました。その後、美味しいご飯をもらって食べたら寝室に連れていかれました。
そこから数日間はひたすら戦闘訓練をしていくと、最初は表情が動いていたのに無表情になってきた。でも、どんどん強くなっていく。相手の触手も強くなってきていて困る。全方位から襲い掛かってくるから、本当に大変。それにご主人様への奉仕もある。こちらは慣れてきたのもあるけど、マッサージまでしてもらえてとても気持ち良くしてもらえる。お陰で次の日にはスッキリして訓練ができる。
戦闘訓練以外にも日記を呼んだり、今までの録画されていたものからご主人様が喜ぶことを勉強したり、作法の勉強をしたりする。
新しい生活が始まって一ヶ月。戦闘能力はかなり上がったからか、呼び出された。
呼び出された先はビルの最上階で、広い執務室みたいなところだった。ご主人様の他にはアビゲイルさんもいる。
「アビーから戦闘能力はかなり高くなったと聞いている。そんな訳で仕事をしてもらう。基本的に護衛と暗殺などの仕事をやってもらう」
「鏡花はどれがいいかしら?」
「わからない……」
「両親はどうするのだ? 殺したいなら、後処理させるが……」
「いい、です……もう、かかわりたくないから……」
もう思い出したくもないから、これでいい。
「わかった。殺しはどうだ?」
「わからない……」
「なら、どちらでもいい護衛という仕事にしよう。アビー、戦闘がありえる護衛の仕事はあるか?」
「とある会社の役員が裏の機密を知ってしまって逃亡したいとのことよ」
「代価は何時も通りかな?」
「もちろんよ。その情報と姿、身分を含めて全て貰う契約をしているわ」
「ならよし。鏡花はその役員の護衛。アビーはサポート。後は部隊を動かしておいてくれ。それと鏡花」
「はい」
「これが鏡花の個性使用許可証と装備の許可証だ」
渡されたのは私の顔写真が写っている許可証。
「前の鏡花が習得した個性使用許可証だ。年齢は気にしないでくれ」
「わかりました」
「そもそも、お父様の力で年齢なんて自由自在だから、あまり気にしなくていいわ」
「この力でアンチエイジングの商売もしているからね。お金持ちの方々には好評だよ。さて、今は仕事の話だ。移動はアビーがやってくれる。装備は渡した物で大丈夫だ。後処理も専門の者がいる。なので襲ってくる奴を返り討ちにすればいい。詳しい内容はこちらに書いてある」
「はい」
受け取った封筒をもらい、退室する。それから、アビーさんに連れられて段取りや色々と教えられながら護衛対象との待ち合わせ場所に移動する。
今、私は護衛対象は中年男性だった。彼の手を引いて裏路地を走っている。相手は追手を差し向けてきているようで、最初に乗っていた車が襲撃されて破壊された。そこを夜叉白雪で地面を切断して地下へと逃げ出し、下水道を通って裏路地にでてきた。
「はぁっ、はぁっ……」
「大丈夫ですか」
「なんとか……これで撒けたと思って、いいんですか……?」
「わかりません。聞いてみま……夜叉白雪っ!?」
上から降ってくる人影が見えた瞬間、夜叉白雪を使って切断する。上から降ってきた人は上下に別れて左右に落ちた。
「ひぃぃぃっ!?」
思わず人を殺してしまった。動揺しているはずなのに身体は勝手に動いて夜叉白雪を使って、私達を運ぶ。その瞬間、さっきまで居た場所に無数の弾丸が打ち込まれていく。
『手助けはいるかしら?』
別の路地裏についたと同時に携帯電話から聞こえてくる声に考える。正直言って手助けが欲しい。護衛対象が邪魔だから。
「欲しいけど……もうちょっと頑張ってみる」
『それなら、いい方法があるの。前の子は夜叉白雪を放って自分で護衛していたわ。だから、こういうだけでいいの。攻撃してきた相手を殲滅してって』
「攻撃してきた相手を殲滅して」
そう言うと、夜叉白雪が壁をすり抜けて消えていった。携帯電話を耳にあてていると、悲鳴が聞こえてくる。
「なっ、なにがどうなっている!」
「多分、追手を始末してる」
「一方的な殲滅なのだわ」
空間に穴が空いて、そこから魔女ルックの不気味な姿のアビゲイルがでてくる。
「先の曲がり角を曲がり、右にいけば車を用意してあるわ。車までいけば今回はゴール。って、計画だったけれど下水道まで使うと思わなかったから、時間が経ちすぎたわ。他のヒーローが駆け付ける前に撤収よ」
「うん」
「わ、わたしはどうなるのだ!」
「貴方はこれを飲んでくださいな」
「な、なんの薬だ!」
「睡眠薬よ。流石に私達の本拠地に機密保持の観点から案内するわけにはいかないの。だから、眠ってもらうわ。それと新しい身体については要望通りにするから、安心してくださいな」
「もし、飲まなければ……」
アビゲイルさんは首を切る仕草を行う。それに青ざめた表情をした男性は薬を受け取って飲み込んでいく。すると意識を失って倒れる。
「さて、ゲートを開くから連れて帰って。私はヒーロー共が来る前に死体を処理するから」
「うん、わかった。でも、運べない」
私の力は普通の人と同じだから、そこまで筋力がない。
「引きずるぐらい簡単なはずよ。その身体は普通の人間よりかなり強く作られているのだから」
「……本当だ」
試してみたら、本当に引きずれた。なので、黒いゲートを通って進んでいく。すると私が斬り殺してきた変な生物がいっぱいいる。普通なら発狂しそうなのにそんなこともない。その生物は手(触手)をあげてフリフリと挨拶をしてくる。その後、案内してくれる。
案内に従って外にでると、たぶん会社のビルに到着した。そこには窓のない部屋で、沢山の黒いスーツを着た人達がいて、怖い。でも、ご主人様とジャックもいるので合っていると思う。
「ご苦労だったね。よく頑張ってくれた。後はこちらで預かろう」
「はい」
ご主人様が頭を撫でて労ってくれる。両親はいくら頑張っても褒めてくれずに殴られるばかりだった。頭に手をやられると殴られると思って怖いけれど、褒めてくれるのはすごく嬉しい。
アビゲイル
鏡花の後始末を行うために目的の場所に転移すると、眼下では依頼人の会社に子飼いか雇われた連中を処理する。彼等は手足が別れていたり、身体が半分になったり、頭がなくなったりしている。
「痛い痛い痛い痛い!」
「腕っ、腕がぁぁぁっ!」
「今楽にしてあげるわ」
額にある鍵穴が現れ、手元に黒い鍵を呼び出してから虚空に突き刺す。そして鍵を回して空間の扉を開ける。
「肉と骨、血は食べていいわよ」
その空間から無数の名状しがたき者達が出現し、死体を喰らっていく。もう片方の手にも鍵を呼び出して、門を開く。そこから配下の黒服さん達を呼び出して相手の持ち物を回収させる。
「ウィリアムズ様、まもなくヒーローが駆け付けてきます」
「撤収よ」
彼等の持っていた銃器などを黒服達持たせてすぐに帰らせる。
「証拠は一切残さず綺麗に食べなさい」
周りを全て触手で埋め尽くしてから彼等を回収して撤退する。これで髪の毛に至るまで証拠はない。コンクリートの地面なども消しているのだから。それと監視カメラとかは事前に潰してある。
「さて、帰りましょう」
門を開いて帰るタイミングでヒーロー達が通報を聞いて駆け付けてきた。残されているのは弾痕で壊れた一部のみ。目撃者がいたとしても消している。
帰宅するとお父様がすでに処置を終えて、手に入れた情報を精査していた。
「戻ったわ」
「ご苦労様。そいつを何時も通り二、三日したら我が社の支部に飛ばしておいてくれ」
「ええ、わかったわ」
クライアントをヨーロッパにある支部に飛ばして、あちらの部下に任せる予定。彼はこれからあちらで我が社の社員として新しい生活を初めてもらう。アフターサービスも充実しており、彼の家族もちゃんと送ってある。
「それで何をしていたの?」
「"個性"を使った人体実験だ。どうやら麻薬なども作っているようだな」
「潰すの?」
「潰す。そして、会社は乗っ取る。何時もやっている通りね」
「そう」
私達の会社が大きくなっている理由は簡単。逃がし屋として依頼を受けて、逃げたい人から相手の会社の弱みを教えてもらう。他にも社の機密情報とかを抜き出したりしてから、逃亡してもらう。それが終わったら新しい生活をプレゼントするの。
後はこちらでその情報を使って相手の会社を脅したり、一部の情報を公開して経営陣を新しくする。相手が靡かなかったら、拉致してタイミングをみて皆殺しにする。拉致したら配下をトップと同じ姿にして告発とかをしてから、残しておいた死体で自殺に偽装する。基本的に殺す方法を門で飛ばして空から落とせば転落した死体になる。
「製薬会社か。これは錬金術師が喜びそうね」
「ああ、欲しがっていた。それで邪魔をしてくれた連中だが……」
「日本のヤクザみたいよ。どうやら、製薬の機械を購入したりしていたみたいね」
「なるほど。麻薬か何かか」
「喰らった奴から覗いた情報では"個性"を消す弾丸や、それを無効化する血清を作っているみたいね。それも時を戻す"個性"の子供を斬り刻んでは再生させているみたい。素敵よね」
「全構成員に告げてくれ。連中を見張って行動を調べろってね。そいつを掻っ攫う。楽しみだろ?」
「ええ、楽しみね。久しぶりの抗争だわ。他の子達も呼びましょう」
「そこまでの戦力が必要だとは思わないんだが……まあ、いいか。戦闘員は戦争の準備をしていこう。だが、メインはアビーとジャック、鏡花だ。キャロルはくるかわからんしな」
「たかが日本の落ち目なヤクザを潰すぐらい、過剰戦力だと思うわよ。ラヴィニアはきてくれるかしら?」
「彼女はリビングデット作りにはまっているらしいね。ふむ。その戦力を送り込むのも面白そうだ」
「リアルバイオハザードね!」
すてきよね。とっても楽しみだわ。でも、誰かはお留守番しないといけないわね。お父様の護衛は必要だもの。やっぱり、リアルバイオハザードで見学するのが一番いいかしら? まあ、情報収集が先ね。後は