キャラクタークリエイトのフィクサー 作:エリちゃん助ける
鏡花の初仕事から翌日。製薬会社の方は資料が集まった。事前に依頼が来た時に潜入させていた部下に情報の裏付けを頼んでいる。
「おかーさん、電話だよ~」
「ああ、ありがとう」
ジャックから電話を受け取ってでる。彼女は俺の膝の上に座ってくる。
「私だ。そちらの首尾はどうだ?」
『裏が取れました。これからどうしますか?』
「何時もの通り、必要な情報を集めて証拠を回収して戻っておいで。それからご本人達とお話ししようか」
『了解です』
私の"個性"キャラクタークリエイトで製薬会社の社長の姿に変えて部下と一緒に潜入している。本人は今朝の出社前にこちらまでご同行してもらった。アビーがいれば簡単だ。
「ジャック」
「なに~?」
「仕事だ。護衛を頼む」
「りょうか~い」
ジャックの姿が霊体化などで消えたらいいのだろうが、流石にそんな能力は付与できない。なので普通についてきてもらう。それとメイド達にもついてきてもらう。このメイド達は色々な手段で集めた。ここ以外、いくところのない子達でもある。といっても、彼女達は"個性"があるので、姿を変えてメイドとして働いてもらっている。当然、銃器の戦闘訓練をしっかりと積んでもらってもいる。
廊下に出てから、地下へと移動する。そこには製薬会社の社長がいらっしゃる。部下の一人を助けた人の姿に変えて面談だ。
「どういうつもりだ! ここを出せっ!」
「貴方の会社は調べさせてもらった。色々とやってしまったようですね。彼が色々と教えてくださった」
「わっ、私は知らんっ! 他の奴が……」
「ああ、もはやあなたが知っていたかどうかは関係ない。こちらの要求は一つ。会社の資産を全て頂くということだけだ」
「なんだと!?」
「それと経営陣には全員、贖罪のために自殺して頂く。我々に全てを譲ってからね。なに安心してくれ。君の家族の生活は最低限、保証してやる。拒否権はない」
「そんなこと、できるはずが……」
「それができるんだ。おい」
「はい」
「解体しないの? つまんな~い」
メイドの一人に洗脳の"個性"を持つ子がいるので、そちらに頼もうとしたが……ジャックに任せてもいいか。
「じゃあ、ジャックの好きにしていいよ。ただし、殺さないことと契約書にサインさせるんだ」
「任せて~」
「何人かはやりすぎないように見ておいてくれ」
一部を残して移動する。廊下を歩いているとアビーがやってくる。彼女には秘書のようなこともやってくれている。
「今日の予定は?」
「お偉い政治家さんとの会談があるわ」
「どうせ金の無心だろう」
「じゃあ、こちらで対応しておくわ。それと連中が欲しいのはお金じゃないわ。おそらく、情報よ。それにお金を渡すのは危険すぎるわ。後を辿られたら話にならないのよ。そう教えてくれたのはお父様じゃない」
「そうだな。しっかりと覚えてくれていて嬉しいよ」
アビーには会社の裏を担当してもらっている。だからこそ、色々と確認しなくてはいけない。ご褒美にアビーを抱き寄せて口付けをして唾液をたっぷりと飲ませてやる。アビーも美味しそうに飲み干して、足りないとばかりに舌を入れてくる。
しばらく堪能しているといきなり床がなくなって落ちていく。落ちた先は寝室だった。そのまま身体をベッドに横たえさせられると、アビーが第三再臨状態で俺の上に乗ってくる。普段は第一再臨状態なのだが、戦闘などはこちらだ。第三状態だとかなりエロイSになる。つまり、搾り取られる。だが、第一再臨だと逆に可愛くて大人しいし、どちらかというとMだ。額の鍵穴を弄るととても気持ちがいいらしい。
楽しんだ後、シャワーを浴びて汗を流してから部屋に戻ると、アビーが俺の体液を採取して水筒に入れている。
「アビー、それは?」
「ラヴィニアとキャロルに渡すのよ。彼女達にも必要だからよ」
嫌な予感がする。これを逃したら大変なことになるかもしれない。
「それを使ってクローンとか作るのはやめてくれよ」
「なっ、なんのことかしら……?」
「待てこら」
アビーの頬っぺたをぷにぷにしながら聞く。それでも答えないので性的に尋問していく。そしたら、吐いてくれた。
「いや、あれよ? クローンを作って裏切ろうなんて思ってないのよ? 本当よ? でも、ほら、お父様が亡くなったら大変じゃない? その対策として記憶転写型クローンを作ってるの。キャロルの"個性"なら作れるみたいだから……」
そういえばそうか。キャロルは本名、キャロル・マールス・ディーンハイムといい、彼女は戦姫絶唱シンフォギアGXのキャラクターである。
彼女は見た目こそ幼い少女そのものだが、錬金術の奥義にて精製したホムンクルスにオリジナルのキャロル・マールス・ディーンハイムの記憶を転写、複製するという手法で数百年にも及ぶ長き時を生きており、膨大な時間を錬金術の統括、習得と、自らの計画遂行の為の暗躍に費やしてきた。
戦闘手段としては錬金術によって
これが公式の設定だ。それらの力を"個性"として錬金術に落としこんである。といっても、ここで色々な問題がある。記憶や思い出なんてものは得られない。ましてや錬金術は学問みたいなものだ。一から訓練するしかない。そのため、色々とやってもらった。
まず、環境を整えるために欧州でマフィアを潰して乗っ取り、そこで色々と悪事をやっていた連中を実験台にして記憶転写やクローン技術を完成させる。あとはその技術を使い、ひたすら自分のクローンを作って錬金術を訓練し、記憶と技術を回収する。
クローンの死体はラヴィニアの錬金術によって死体として戦う力を得ていく。つまり、我が誇る錬金術師は二人だ。二人の錬金技術は相乗効果もあり、欧州でかなりの技術を会得している。彼女達にとってクローンの作成など朝飯前だ。
「俺の予備のクローンを作るのは別にいいが、目覚めさせるなよ」
「いっておくわ。でも、いいの? "個性"を維持する方法を得られたらお父様を殺して会社を乗っ取っちゃうかもしれないわよ?」
「構わない、といいたいが……俺が死んだ時点で終わりだからな」
「"個性"だけがなくなるんじゃないの? それもお父様のクローンで解決できるのに」
「俺が死ぬか死んだ時点でキャラクタースロットが破棄される。さて、ここで問題だ。破棄されたらそのキャラクターはどうなる?」
「当然、デリートされ……ちょっと待って。ねえ、デリートされたら、私達の身体ってどうなるの?」
「短い時間の奴なら大丈夫だろうが、長い時間をその姿で固定されている奴はどうだろうか? おそらく老化は始まり、身体の力も落ちるだろう。だが、"個性"を得るまでに深く繋がり、俺の個性因子を採取し続けているお前達はどうなるか、わからないな」
「わ~素敵なことね」
引き離されるとか、そんな次元ではない。おそらく鏡花はともかく、すでに何年、何十年もその姿で活動している彼女達には影響は大きいだろう。
「君達は私から逃げられないよ。"個性"を返すなら別だがね」
「お父様の変態。まあ、逃げるつもりもないけれど」
「だろうね。逃げるなら自分から言うはずはないからね」
「はいはい。私達としても今が楽しいから別にいいわ。それでお父様はこれからどうするの? できれば鏡花のことをみてあげて欲しいわ。初仕事を終えたご褒美もまだよね?」
「そうだね。じゃあ、デートに連れていってこようかな」
「護衛の手配はしておくわ」
「いらないんだけどね」
「絶対に駄目よ。お父様に死なれたら困るのは私達なんだから。それに運命共同体みたいなものなのだから、絶対に逃がさないわ」
「やれやれ、どっちが囚われたのかわかりやしないね」
「そんなの、私達に決まってるじゃない」
お手上げだ。大人しく護衛を連れていこう。まあ、普段から一人になれる場所なんてないのだけどね。まずジャックかアビーが傍にいるし、どうしても離れないといけない時はこれでもかっていうぐらいの防備を整えて、私の傍にはアビーの使い魔達が屯している状態になる。見た目がメイド服なので問題ないが、正体を知っていると正直気分がいいものではない。もちろん、そのメイド服を着た子達からも不平不満がでる装備だ。戦闘がある時は防御用としてアンクルとかにして身に着けるのは仕方ないと思っているようだが。
「ちなみに何人動員するつもりだね?」
「完全装備を五十人ね。これでも鏡花がいるからましな方よ。それとデートプランが決まったら教えてちょうだいね」
「彼女の希望次第だが、湯豆腐だろうな」
「鏡花ならそうでしょうね。料亭を予約しておくわ」
「よろしく。私は鏡花をデートに誘いにいくとしよう」
「いってらっしゃい。って、遊んでいるジャックを護衛にしましょう。それで大概、どうにかなるわね」
アビーは過保護だし、やっぱり対象が移るラヴィニアには戻ってきてもらわないと駄目だね。