キャラクタークリエイトのフィクサー 作:エリちゃん助ける
泉鏡花
あの凄い戦いから私は前の私の人に連絡を取り、修行をつけてもらった。沖田桜さんは本当に強くて、私では勝てない。それでも様々な技術を数日だけで覚えられたのは、この泉鏡花の身体が桜さんが使っていた技術を覚えていたかららしい。
本当に蓄積されて経験というのは凄い。最初は桜さんもそうやって覚えてきたらしいけれど、アビゲイルさん達はもっと凄いらしい。
「入ってこい」
「はい」
目の前の巨大な扉を開けて中に入る。そこは教室であり、私が入ると数十人の視線が一斉にやってくる。続いて可愛いとか小さいとか言われる。その視線が少し怖い。でも、我慢して頑張らないといけない。
「うぉっ、すげぇ美少女じゃねえかっ! しかも着物を着てる!」
「ヒーローコスチュームが着物なんやね……」
「あれ、あの子っ!」
「挨拶しろ」
「泉鏡花。私はヒーローが嫌いだから、よろしくしなくていい」
私を苦しめてきたヒーローの両親と助けてくれなかったヒーローなんて大っ嫌い。だから、そのヒーローを目指すこの人達も嫌い。
「え?」
「ヒーロー科なのにヒーローが嫌い?」
「ウチと同じ名前?」
「こいつは八百万の護衛として入学してきている。だから、授業は受けるが、基本的に八百万についていると思え。他に何があるか?」
「ない。邪魔なら斬るだけだから」
「そうか。八百万、こいつのことは任せる」
「はい、任せてください。鏡花ちゃん、こちらにいらしてください」
てててと歩いて護衛対象の八百万百の後ろの席に座る。何時でも斬り殺せるようにしておく。
「よし、授業を始める」
私はご主人様に連れていかれた屋敷のことを思いだす。
ご主人様に連れられていった巨大な八百万の屋敷で私は彼女と先生と出会った。大金持ちの家に生まれ、何不自由なく優しい両親と過ごしてきた彼女を妬む気持ちがあるのが自分でもわかる。
詳しい話をご主人様が教えてくれた。内容としてはこないだの事件を受けて雄英高校は全寮制にすることになったらしい。その許可を得るために面談にしにきているらしい。私はそんな彼女の護衛として雄英高校に通うことになるかもしれないとのこと。聞いただけでも嫌だけど、命令だから仕方がない。拒否して嫌われたくない。
「それで、全寮制のことですが……」
八百万百の両親と八百万百が座り、その対面にイレイザーヘッドが座っている。私はご主人様と共に八百万家の後ろに立っている。
「うむ。それなのだが、度重なる
「はい。なんでしょうか?」
「百に護衛をつけさせてもらう」
「それは……」
「護衛をつけることが最低条件だ。彼等が私の雇うことになる者達だ」
「お初にお目にかかります。イレイザーヘッド。私は
ご主人様が手を胸に充てて頭を下げるので、私も右手にケータイを握り、左手に仕込み刀を持ちながら同じように頭を下げる。
「今回、護衛対象である八百万百様がまだ学生とのことで、同性であるこちらの泉鏡花を担当に当てさせます。もちろん、彼女以外に大人の護衛を複数配置させていただきます」
「受け入れられなければ……」
「当然、転校させる。もしくはプロを雇って英才教育させようと思う。何も雄英高校に拘る必要は無いからな」
相手の人は苦々しい表情をしている。ご主人様は気にせず私の頭を撫でてくるのでイレイザーヘッドを見ながら、頭ご主人様に擦り付ける。
「それは校長と話さなければいけません」
「うむ」
「こちらが受け入れてくれた場合の警備の人員と装備です」
「拝見します。対人捕獲用地雷、対空迎撃装備、装甲車……人員の装備はPDWに対物狙撃銃ですか。戦争でもするつもりですか?」
「相手は戦争を仕掛けています。失礼ながら、雄英高校の防御力は低いです。それとこれらは武力による威圧でもあります。雄英バリアでしたか、それを常時展開すればすくなくとも地下と上空を警備すればましでしょう。校内には一部メイドに偽装した警備人員を配置しますので、ワープ系にも対応できるようにしております。銃火器を使用するのは戦闘時にわざと大きな音をさせることで互いに異変を気付かせる意味もあります」
「しかし、過剰すぎでは?」
「いえ、今の雄英高校の状態を考えると世間がドン引きするぐらいの警備でいいのですよ。次に破られた時はこれほどの警備をやっておいて駄目だったので、次は戦略兵器を用意しないと駄目だと言えばいいのです。もちろん最初はゴム弾や麻酔弾など威嚇から開始しますし、これらの装備は偽装して配置しておきます。地雷に関しては体育祭で使われた物を改造して配置するぐらいですから問題ないでしょう」
「それは……」
「確かにここまで過剰な戦力を警備にあてるとなれば世間も認めるしかないでしょう。政府の許可も得ています。後はそちらの許可しだいだ」
よくわからないけれど、私が雄英高校に通うことは決定みたい。でも、学校にはいい思い出はない。それに高校なんて私の学力は足りないと思う。
「それにお忘れかもしれませんが、相手は核を使ったのですよ。爆心地は汚染で大変なことになっています」
「わかりました。持ち帰って検討してみます。しかし、政府が良く許可を出しましたね」
「もちろん常に人が待機し、緊急事態と認められた時にしか対空迎撃装備や装甲車とかは使えません。基本的には個人が携帯できる火器がメインになります。それも雄英高校の事務員として生徒からはわからないようにしておくように言われました。その為に外見年齢的に問題ない彼女となります」
「彼女の“個性”はなんでしょうか」
「それは契約が完了次第お教えいたします」
「わかりました」
「では、今日はこれまでにしましょう」
その後、イレイザーヘッドが帰ってから、私達も自宅の宿舎に戻った。それからご主人様や先輩達に教えてもらいながらいっぱい勉強したけれどわからないことが多い。こればかりは身体を使った技術と違って引き継がれないので痛い。うぅ、頭が痛い……先生達が怖い。間違ったらお仕置きでお尻を叩かれる。
そんな訳で私は嫌々だけれど雄英高校にいる。一応、警備主任に師匠である桜さんがいて、他にも用務員として清掃しているメイドさんや雄英高校の外に装甲車で待機している黒服さん達がいるのであまり心配せずに課題をやるように言われています。私が警戒するのはワープ系の人や彼等を突破してやってきた人達だけなので、そういう手合いはアビゲイルさんで慣れているので大丈夫。
やっている課題は算数です。ドリルです。十二人の敵がいて、八人斬れば残り何人でしょうかという問題です。答えは……六人? 全員斬れば関係ないし、必要なのかな?
「これで授業は終わりだぜ」
ちょうどチャイムが鳴ったのでドリルを閉じる。教科書も一度しか買ってもらえなかったし、その教科書も同級生に破り捨てられたからほとんど勉強できていない。
「終わった~!」
「じゃあ、さっそく……質問タイムだよ!」
どうしようかと考えていると、すぐに囲まれました。警戒して仕込み刀を握りしめます。
「泉鏡花ちゃんでいいよね? 私、麗日お茶子」
「ウチは耳郎響香。同じ名前だけどよろしく」
確かに同じ名前。まだ鏡花と言われて自分の事だと思い出している状況だけど、それでも同じ名前だとは思える。
「私は蛙吹梅雨。梅雨ちゃんって呼んでね」
「う~」
沢山の人が私を囲んできて怖い。虐められた時の事が思いだされて身体が震えてきそうになる。それを無理矢理抑え込んで仕込み刀を握り込む。
「皆さん、泉さんが困っておられますわよ。それより、今日の予定ですが……なにかあるんですわよね?」
「搬入作業があるってご主人様がいって、ました」
「「「ご主人様!?」」」
「おいおい、ご主人様ってなんだよ!」
「そういえば、彼女、夜にみたことがある。男性をご主人様って呼んでた……」
「まじかよ……」
夜に見た事……誰? わからない。
警戒していると、扉が開いてご主人様と師匠が入ってきた。私はすぐに飛び上がって、天井を蹴ってご主人様に抱き着こうとしたら師匠が抜刀したのか、目の前に刀が迫ってくる。すぐに仕込み刀を引き抜いて防ぐ。
「「ええ!?」」
「和服美少女きたぁああああ!」
「って、斬りかかった!?」
「ふふふ、まだまだ甘いですね」
「残念、です」
刀を仕舞ってからご主人様に抱き着くと頭を撫でてもらえる。そのまま頭を擦りつけて甘える。やっぱり、ご主人様の側が一番落ち着く。
「うわ、女の顔をしてる……」
「甘えん坊ですね」
「かまわないさ。それよりも、八百万さん」
「はっ、はいっ!」
「これから鏡花は校内を散策させて地理を覚えこませるので、少し連れていきます。代わりこちらの沖田を置いておきますのでご安心ください」
「そうです。沖田さんにお任せください~」
「わかりました」
「鏡花、マスターは弱いですからしっかりと守るのですよ」
「頑張る」
「まあ、他の人もいるから問題ないさ。むしろ鏡花の勉強だからな」
「しっかりと学ぶのですよ」
頷いてから、ご主人様の手を引いて外にでる。校内を師匠がつけた印がある地図に従って見て回り、逃走経路の確認や装甲車の位置や地雷の位置などを確認していく。雄英高校の教室であるパワーローダー先生たちもついてきています。メイドさん達もすぐに敷地内を探索し、お掃除しだしています。彼女達が持つ清掃道具に偽装されたカートや鞄にはPDWや狙撃銃などが入っていたりする。
「森の中にも監視装置と防衛装置を設置しておくんだ。それと森の中は警戒が薄いと思ったら逆に厳しかったりするから気を付けるように」
「なるほど……」
ご主人様と一緒に雄英高校の広い敷地を探索していく。いくつかに逃げ込むポイントを作ってあるので、それを覚えるように言われる。
「あの中年野郎っ、美少女にご主人様って!」
「犯罪じゃ……」
「確かにそれっぽい感じがする……」
「保護すべきなのでは……?」
「まあ、鏡花はマスターの彼女ですからねえ~」
「なっ!」
「犯罪でしょ!」
「いえ、大丈夫ですよ。マスターは結婚していませんし、不倫もくそもありません。鏡花の年齢も高校生なので問題ありません。二股三股は当たり前にしていますけどね~沖田さんもその一人ですし~」
「不潔です!」
「最低ね!」
「うらやましすぎるぞ!」
アビゲイル
ビルの屋上。時刻は深夜。私の目の前にはノリノリの魔法少女の恰好をした錬金術師と黒いワンピースにローブを着た錬金術師。そして、魔女の恰好をした私。つまり、三人の魔法少女がここにいる。
「時は来た!」
「……来たの……?」
「来たんじゃないかしら? 攻撃許可はもらってないけれど、包囲して監視部隊も狙撃部隊も配置してあるから……」
「兵器の実験許可はもらったんだ。なんら問題はない」
「そうよね! 楽しいカーニバルを始めましょう!」
テンションが高いキャロルの言葉に答えてから、私も楽しく遊ぶ準備をする。アメリカでもいっぱい遊んだけれど、やっぱり遊ぶのは楽しいわ。
「……そんなことはないと思う……」
「ラヴィ~?」
「なんでもない」
「くっくっく、アビーやってくれ」
「任せて」
別の場所に待機させていた裏稼業の人達の10tトラック。それを巨大な触手に複数投げさせる。投げる先には門を開いて空間転移させてヤクザのアジトの中にプレゼントするわ。
投げた力のまま門を潜ったので、そのまま床を破壊して施設の奥へと入っていく。
「さあ、まずは一手だ。この程度で落ちてくれるなよ、日本のヤクザ共」
「……無理……」
「さあさあ、ラヴィーの素敵な玩具達の出陣よ!」
10tトラックが壊れると、その中に詰め込まれたゾンビ共が動き出し、生きとし生ける者共に襲い掛かっていく。本物の死体から作られてゾンビと生きた状態でゾンビにした連中が暴れだす。当然、相手側は混乱したまま……なんてことはなく、襲撃に慣れているのか、すぐに立ち直って戦闘を開始していく。
「ゾンビ、思ったより強いわ」
「"個性"をもっているし、脳のリミッター解除してる……それに指揮官を置いてある……」
「指揮官は魔女かしら? 流石はラヴィーね!」
魔女。魔法少女の慣れの果て。絶望した彼女達は災厄を振りまく
「どんどんいくぞ」
「任せて」
日本のヤクザの支部にもゾンビ共を送り込んで皆殺しにしていく。ゾンビは殺されたらイブン・グハジの粉末をばら撒くようにされていて、殺されたヤクザ共の死体もゾンビ化する。さらに噛みついて体内にイブン・グハジの粉末が入ると魂が実態化して肉体と肉体がぶつかって変なゾンビが生まれる。つまり、ゲームでいう感染するみたいな感じになるわ。
「しかし、なかなかしぶといわね」
「……手ごわい……」
「流石に対応してくるか。だが、ヤクザなどなにするものぞ!」
キャロルの指の間にはそれぞれ結晶体が握られていた。それを地面に叩き付けて割ると、中から鳥の形をした不思議な生物が現れた。
「流石に位相結界は再現できていないが、それでも兵力としては十分だ。行け、アルカノイズ。数十体のキャロルによる数百年の研鑽の結果をみせてやれ」
飛び上がったアルカノイズ達は空から螺旋の槍みたいな姿になってヤクザの家に飛び込んでいく。
しばらく様子をみると予定通り、相手側は迎撃に戦力を裂いている
「そろそろ潮時ね」
「そうだな。オレ達が動く時だ」
「……いってらっしゃい……気を付けて……」
「いってきま~す」
「ああ、任せろ」
私が門を開いて目標が閉じ込められている部屋に移動する。しかし、そこには誰もいない。
「流石に優先順位はわきまえているか」
「そうみたいね。残念だわ」
「ならば狩り立てるとしよう」
「頑張ってお父様に褒めてもらうのだから、ちゃんと捕まえましょう」
「そうだな。お父様のために本気をだそうか。アリストテレス!」
キャロルが四大元素の風を利用して巨大な竜巻を発生させ、地下施設の奥深くから全てを吹き飛ばして空にあげる。
「開いて、異界の門」
私は大量の触手を呼び出して吹き飛ばされた人の形をした物を貫いていく。狙うのは一人の子供だけだ。他は容赦する必要はない。それに狙撃されているのか、敵がどんどん殺されている。
「獲物はかかったか?」
「ええ、巣穴からでてきたわ」
「では行こう」
配置しておいた監視用の異界の物を基準にして門を二つ開いて二人で通る。すると更地になった裏路地にでてきた。そこでは小さな女の子を抱えている二人の男がいる。その二人は必死に狙撃を交わしている。地面を崩壊させたり、盛り上げさせても使われているのは対物ライフルで特別製なので貫通してくる。
「ちっ、どうなっている」
「おそらく、こちらの情報が筒抜けだったのでしょう。裏切り者がいたのかもしれません」
残念ながら裏切り者なんていない。外見が同じで中身が別人なだけなのだから、裏切ってはいないわ。
「こんにちは、すぐに終わらせましょうね」
「残念ながらここまでだ。お前達はこの先にはいけない」
私とキャロルが帽子をなおしながら、挟み撃ちで対峙する。キャロルの方は沢山の結晶体をばら撒いてアルカノイズを召喚していく。私も名状しがたき者達を呼び出していく。
「餓鬼か……」
「何者でしょうか?」
「こいつらは知っている。魔法少女とかいう変な連中だ。おそらく、大陸のマフィアだ」
「マフィア……」
「正解よ。ご褒美に投降を許してあげるわ」
「早く決めろよ」
「どうしますか?」
「決まっている。現状だと逃げられそうにない。大人しく降伏しよう」
「なら、手をあげてそれぞれ距離を取ってもらおう」
「わかった」
二人がそのまま離れていく。流石に目的の子は降ろさないわね。
「その娘も降ろせ。どんな"個性"をもっているかわからないからな」
「それと"個性"を教えてもらおうか」
「貴方達は近付いて拘束なさい。下手な動きをしたら殺しなさい」
名状しがたき者達を向かわせて、全員を拘束するために近付くと針の男が針を飛ばし、もう一人の男が地面を破壊する。その瞬間、対面のキャロルがニヤリと笑う。
「喰らえ」
地面が半径数十メートルにわたって地下から現れた巨大生物、クジラの口に飲み込まれる。まるでパックマンっていう昔のゲームみたい。
「にしても土のクジラって……面白いわね」
「そうだろうそうだろう。ラヴィニアとの合作だ。普段は霊体化していて、必要な時に実態化する。後はアビー、頼む」
「任せて」
内部に門を開いて潜り、中に入るとクジラの中は無数の死体に溢れていて、三人に襲い掛かっている。二人は女の子を守るように立っているので、彼女の下に門を開いて触手で絡め取ってもらっていく簡単なお仕事よ。
「ひぃっ!?」
「なっ!?」
「狙いはエリか! くっ!」
「それでは確かに頂戴したわ」
エリと呼ばれた子は時を戻す"個性"を発動させたようだけれど、私にはきかない。ヨグ=ソトースは時や空間を操るのだから、私の力にそんな物は効かない。同系統の能力なのだから、使い慣れているほうが勝つのが当然なの。
「分解してやる!」
周りを一気に分解するけれど、瞬時に再構成される。相手の能力は対象の分解・修復が可能らしいけれど、それって錬金術と同じなわけで……つまるところキャロルの得意分野なの。ラヴィニアはどちらかというと薬を作るほうだけれどね。
「時を止める? 分解する? 再構築する? そんなのは元から知っているの。なら、対策として天敵である私達が相手をするのは当然よね」
「ああ、まったくだ。ラヴィー、出番だ」
「……バジリスクの毒とアビーの眷属を……混ぜた粉末。人間には毒……あと……ボツリヌストキシンA……青酸カリの約682,000倍の威力」
ラヴィーが注射器でクジラに注入すると、内部で毒のシャワーが発生したみたい。生きながら溶かされるみたいね。
「そいつはどうだ?」
私が目標の幼い女の子を抱きながら話していると、キャロルが聞いてきた。
「気絶してるみたいよ?」
「貴様等、そこを動くな!」
「あら」
周りをみれば沢山のヒーロー達が集まってきていたわ。流石にこれだけ派手に破壊したらヒーローだってでてくるわね。住宅地の一角が消し飛んだのだから当然ね。
「あいつ、どっかで見たことがあるな」
「……№2ヒーロー……エンデヴァー……」
「オールマイトが引退したから№1よ。それとオールマイトのサイドキックだった人もいるみたいね」
日本に居なかったキャロルの言葉に情報収集をしっかりとしていたラヴィニアが古い情報を答える。それを私が訂正してあげる。
「ふむ。お披露目としてはいい機会だろう。どうだ?」
「そうね。お父様も喜んでくれるでしょう」
「ああ、お父様のために動くとしよう。ラヴィーもいいか?」
「……どうせ……いってもきかない……それに戦力はいっぱいある……」
「では、はじめよう」
「皆様、盛大に踊ってください。我が手に
大量の門を開いて無数の名状しがたき者達を呼び寄せる。
「来い
キャロルも自らの人形とアルカノイズを大量に呼び出す。
「……こわい……」
ラヴィーは私の後ろに隠れた。当然、友達だし、可愛いから許すわ。確保した女の子を任せたらいいしね。
「さあ、あーそーびーまーしょ!」
「盛大にな」
「……帰りたい……」
「ふざけおって……」
私達の言葉にエンデヴァーさんが怒り心頭のように炎を噴き出します。
「と~りま~せと~りま~せ、ここはど~この街だ~」
「なんだ?」
「あ、やばい」
「
骨董品のようなランタンを持った無数の人影が現れ、周りに霧が充満してくる。何時の間にか街並みが幻術によって1850年代のロンドンへと変わっている。そして、ランタンからは強酸性のスモッグが発生してより周囲を霧で覆っていく。この霧は呼吸するだけで肺を焼き、目を開くだけで眼球を爛れさせる。一般人は数分以内で死亡するでしょう。
「このタイミングでくるか、ジャックめ!」
「……撤退っ、撤退よ! 巻き込まれて殺されるわ!」
「……帰ろ、絶対帰る……強化してあるから私達でも死ぬ……」
幻影の“個性”によってロンドンの街を再現し、毒ガスの“個性”で生み出した強酸性の霧で覆いつくして方向感覚を迷わせる。霧を吹き飛ばさないと勝機がないけれど、次々と霧を発生させるランタンが投げ込まれてくる。それにジャミングも行われている。
ジャック・ザ・リッパー、ただしい意味でわたしたちといっている彼女はお父様が無数の人をキャラクタークリエイトし、魔法少女が絶望して魔女に転じる時に生み出される大量のエネルギーを使うことで作り出した"複合個性"。
それに加えて解体聖母と呼ばれる"個性"や情報抹消という"個性"を持っている。私と同じく大量の人の"個性"のデータを集めて膨大なエネルギーを使うことで完成されている。故に裏切り者を解体する始末屋。特に女性に対しては天敵という性能を持つ。強酸性の毒物はこれ以外にもラヴィーによって様々な種類を使うことができる。例えば眠らせることもできたりする。
「敵味方識別信号とかないのか?」
「ある訳ないわ。あってもジャックは無視するから、止められるのはお父様だけよ」
「そうか。なら、目的は達したのだから撤退だ」
結晶体を地面に叩き付けて転移を発動する。私達を一旦分解してまた別のところに再構築する技術。私のとは別の力。世界を解き明かしている錬金術師だからこそできる移動技術。
「あはっ♪ わたしたちはジャック・ザ・リッパー。よろしくね♪ それじゃあ、解体するよ♪」
エンデヴァー達によって霧が吹き飛ばされるまで八分。その間に被害を受けた49人。その内の23人が身体をバラバラに解体されて肉片となり、残りは全身や身体の一部が爛れたりして緊急搬送される。それ以外にもアルカノイズや名状しがたき者達の死体が沢山転がるという地獄が現れました、ま~る