我らの仕事は配管工   作:トマボ

5 / 13
なけなしの最後の10連もまた爆死しますた。
一度精神をログアウト致します(泣


配管工のカルデア事情 2UP

農家の朝は早い。

 

 

朝はまだ日の登らない内から土を耕し始め、時には一日中土地や作物の管理に費やす。

氷の大地で作物を育てるなど夢物語と誰もが言うだろう。

 

しかしながら忘れないでもらいたい。

 

そんな夢や物語の中で語られる英雄達が今、この場所にいるのだということを

 

 

 

 

 

_______

 

 

 

 

 

 

 

標高約6千メートル。その極寒の地において取り残された人類は、緩やかに、だが、確実に物資の残量という時間的問題とも向き合っていた。

 

カルデアにおいての食料プラントと言えば、機械的な施設や魔術を電力で補った物を想像するであろうか。

 

大きな施設故に植物や畑の作物などを栽培するのに適した部屋も存在するだろうが、マスターのように最近ここへ来たものにとっては、まだ施設の全容は把握しきれていないのが現状である。

 

先日マスターとの新たな契約を交わした英霊達。世界を救わんとする者達によって呼び出された赤い弓兵は、現代知識に富んだ英霊であるため、まだまだ余裕はあるとは言え確実に迫る食料事情を職員から聞き出し、屋内の施設の一角を案内してもらい、早速作業に取り掛かり始めた。

 

 

 

封印指定の魔術の産物を解き放ち、

 

右手に鍬を

 

左手に杓子を

 

 

褐色肌で土を弄る姿と白いタオルが良く似合う。

 

 

誰もがそれを見て思う。

 

お前はどこの英霊なんだと。

 

そしてその後直ぐに思い出して心の中で謝る。

 

あ、すまん。もっとヤベーのが居たわ、と。

 

しかしまだ、ソレを知る由もなかった厨房の戦士は、美味しい食と、皆の笑顔の為に鍬を振るう。

 

それは少しでも人間らしく、生きている喜びを知るための一役。

 

彼は世界の救済を誰よりも志した正義の味方。

 

抑止で一番働くと言われる守護者。

 

誰もやらないからではなく、自分の意思で農具を構えて事をなす。

 

 

何故なら彼は、今はまだ闘い始めたばかりの誰よりも、世界の命運を、人の命を背負うことの重さを知っているから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________

 

 

 

 

所変わって白銀の世界。

 

赤い弓兵が栽培を始めた作物がまだ芽吹き始めている段階で、マスターと数名のスタッフ達は、業務の合間を縫っては、足繁くその場所を訪れていた。

 

いくら近場とは言えと、時には吹雪き、視界さえまともに確保できないような天候ともなる氷の大地へわざわざ踏み出して、いったい何がある言うのだろうか。

 

礼装とコートを着込んでコソコソと行動するマスターとその他数名。

 

偶々その様子を廊下で見かけた赤い弓兵は、その様子を探っていた。

 

彼は今回は本当に偶然見かけただけなのだが、普段からサーヴァント達は思い思いにカルデア内部を見回りながら、警戒をしていた。

 

内部の裏切り者が出たが故の今の状況だと言うなら尚更だ。

 

たいそうな事をやらかした相手が今更誰か一人に影で囁きかけるようなことは考えずらいが、不穏な影を見逃しておく理由も特に思い至らない。

 

だが、その偶然こそが、彼にとっての不運であったことは間違いない。

 

ああ、これだからリアルラックというのは…度し難い(んなぁ〜)

 

 

 

彼はまず周りのものから探ってみた。

 

 

ロマニは答えた。

 

ーーあー、アレね。次は胡麻団子が良いなぁ。

 

 

ダ・ヴィンチは答えた。

 

ーー是非とも解析したい所だが、モンテボーレが食べたいからね!私から言えることはないよ!

 

 

他の職員にも聞いた。

 

ーー助かってますねぇ。美味しいですし。リクエストも聞いてもらえるんですよ!

 

 

所長は知らなかった。

 

ーーえ?何よそれ。ちょっと!?聞いてないわよ私!

 

 

 

 

 

しかし、割と早い段階で面倒になってきたので彼は夕食後、マスターの部屋へと乗り込んだ。

 

すると、ノックをするとセンサーに反応したのか、閉め忘れていた横開きの自動扉はパシュッと音を立てて開いた。

 

中にいたマスター、藤丸は入ってきた彼から何かを背後に隠すようにしながら慌てていたのが目に取れる。

 

 

「ええい!まどろっこしい!単刀直入に聞くぞマスター!君たちはいったい何を隠しているんだ?」

 

「な…なんのことかなエミヤさん。何も隠してなんてない…よ?」

 

 

明らかに上ずった声で答える藤丸。

 

 

「嘘が下手だなマスター。ならばその背後に隠した物はなんだ?」

 

「ぅえい!?な、なんにも隠してないよ!?」

 

 

 

「ほほう?そうか、だがよーく見えているぞ。これでも千里眼持ちなのでね。君が背後に隠したそのシュークリームを!」

 

 

「ッ!?!?………ち、違うんだよ。これは…そう!貰い物なんだ。」

 

 

「ふむ?ラベルにマスターの名前が書いてあるが?その、リクエスト者名というのはなんだねマスター?」

 

 

「あ、アー!これは、手頃な容器がなかったから!偶々ね、偶々コレを…」

 

 

 

言い訳にも苦しいであろう証拠品を必死に誤魔化そうとするマスター。

 

しかし、彼もまた厨房の戦士。

 

目の前のマスターを含めて、自分の作る料理を笑顔で食べ、美味しいと伝えてくれている物達の健康管理も医療部門(ロマニ含む)の職員と相談しながら考えているのだ。

 

明らかに彼にだけは隠そうとする意志が見て取れているとしたら、疑う余地もない。

 

 

そのため、彼は、過去彼が心の底から憎しと思ったことがあるかもしれない人物達による、とある胡散臭い部活動に沿うことにした。

 

 

 

 

彼、エミヤはマスターの返答を聞き、考えながら下げていた顔をあげ、心底楽しそうに言った。

 

 

「ふむふむ。あくまでシラを切ると。そういうことかねマスター。ならば、良いだろう。明日の朝食を楽しみにしていると良い。」

 

 

「いったい何を!?」

 

 

突然態度が変わったエミヤに対し、なんとかこの場を乗り切ろうと画策していた藤丸は、動揺する。

 

 

「ああ、簡単なことだ。皆の健康を考え、君の大好物……大好きなピーマンを存分に使った朝食を用意しておこうじゃないか!」

 

 

 

 

そして、思っていたよりも酷い事を言い出した。

 

 

 

 

「待って…。」

 

 

「ん?何か言ったかね、マスター。少し耳が遠いようだ。」

 

 

 

耳をかくように戯けるエミヤ。こいつは本当に正義の味方なのだろうか。

 

 

 

「待って…ください。」

 

 

「ああ、待とうじゃないか。君から何か言いたいことがあるのなら聞こうじゃないか。」

 

 

 

「僕は…無力だ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその後洗いざらいはかされて意気消沈した様子のマスターを前にして、エミヤは答える。

 

 

「はぁ…そんなことかマスター。わざわざ隠さなくともそこまで細かく言うつもりは無いとも。それに私も頼まれれば間食のリクエストぐらい聞くぞ?」

 

 

マスターの語った言葉に少し驚愕しながらも、あくまで平静を保ったように、エミヤは言った。そしてその様子にマスターは、安心したように息を吐く。

 

 

「はぁ〜良かった〜。てっきりオカン…ごほん!エミヤは怒るかなーって思ってたよ。

なら早速リクエスト頼んで良いかな?今度みんなでマシュと一緒にお茶を誘うんだ!その時にスコーンを作って欲しいな!」

 

 

「ああ、良かろう。マスターの優しさに免じて腕によりをかけて作るとも。」

 

 

「わぁ!ありがとうエミやん!」

 

 

全身で跳ねるように喜ぶマスターを見ながら、用事を終えたエミヤは部屋を後にすることにした。

 

そして去り際に一言。

 

 

 

 

「はっはっは。だが、明日の朝食のメニューに変更は無いので残さず食べるように。」

 

 

 

「ちくしょう!?地獄に落ちろ、アーチャー!?(泣)」

 

 

 

「私の台詞だぞ、それは。では、さらばだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マスターの語った内容。

 

 

だが、エミヤは直接その場所へ赴くのは後にすることにした。

 

何故なら彼もまた、料理人として、僅かなプライドがあった。

 

その事が本当なら…否、本当なのだろう。目にはまだ見ていないが、実際にすぐ側にその場所はあるのだから。

 

飢えに苦しむ人々を助けるためにその腕を振るってきた。

 

しかし、圧倒的に足りなかった。

 

 

 

 

 

マスターの言うとうり、畑から、泉から、まるで湧き出すように、食料が出てくるのなら、どれだけ嬉しいことか。

 

人々の幸福を願う彼自身も多いに喜ぶべきことだ。

 

 

 

しかし、それが、問題でもあった。

 

 

 

無尽蔵に湧くのは良い。

 

 

だが、皿に乗った完成品の料理が出てくるとはどうゆう了見だ?

 

人々のためを思って作られていることに変わりはない。

 

だから、その場にいる者は敵ではない。

 

 

けれど、エミヤは料理人として、その味に挑戦しよう。

 

 

いずれマスター達のシェアを奪い返したその時は、共に料理を作りたいと願う。

 

 

だから、その時まで待っていろ。◯ノキオとやら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーその頃の配管工

 

 

 

「あの、どうされたんですか?…え?上下水道の多くが魔術で通されているから配管工事が出来ない、ですか?」

 

 

廊下で項垂れ、眼鏡の似合う後輩系女子に心配されていた。

 

 

「はぁ…。私にはまだ職人魂といものは理解し辛いところではありますが…。そうですね、ならば、魔術を覚えると言うのはどうでしょうか!」

 

 

これぞ天命の一言であった。

 

彼は盾の乙女に深く深く感謝の意を込め、頭を下げ、その場を後にした。

 

 

「あはは、とは言っても魔術回路が……って、アレ?いない!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




帰ってきてから書くとか無理ゲ。

そんな亀更新の駄文です(定期
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。