前回、キングタウロス校の生徒で、真夏の兄、【ヘラクレス】の異名を持つ【緑坂冬真】の弟子と名乗る炎林頂が、真夏をキングタウロス校に入れるべく椎名達の前に現れた。バトスピで決着をつけることになるが、結果はリリモンの効果をフルに発揮させた真夏の勝利に終わる。だが、そのバトルを裏から【ヘラクレス】が覗いていて………
「し、師匠!!!」
「はっは、どうやった炎林、俺の妹は強かったやろう?」
「す、すみません!妹さんをキングタウロス校に引き込めなくて……!」
「ん?あぁ、ええのええの、そんなこと無理やし」
「え、えぇ!?」
そう、真夏がジークフリード校を辞めることは不可能なのだ。いや、正確には不可能ではないのだが、単純に引越しの手続きなどがこの街ではかなり複雑且つ面倒で、いろんなところで経費もかかる。真夏は1人暮らし。【ヘラクレス】は兄としても別にこのままでもいいと思っていた。
「で、でも、師匠、『妹がここに居てくれたらなぁ』っていつも言ってたじゃないですか!?」
「あぁ、あれはお前がそのうちそれを理由にジークフリード校に向こうて来れる思てずっと口ずさんどっただけや」
「……いやいや!どういう意図!?」
全く【ヘラクレス】の考えてることがわからない炎林。【ヘラクレス】の目の前にいる椎名も同様だ。だが、流石兄妹と言ったところか、真夏は理解していた。頭の良い雅治も同様にそれを理解する。
「はぁ、つまりはここに来るための口実が欲しかったんやろ?【ヘラクレス】さん?」
「あら、バレちゃった?」
「いや、さっき全部自分でトリックバラしてもうとるやないかい!!!なんでこんなまどろっこしいことすんねん!」
「いや、ほら、あれやで、真夏ちゃん口実なかったら怒るおもてな、………でも心配しとったんやでぇ!連絡もくれんと、……………おっ!」
「………?」
【ヘラクレス】は久し振りに自分の妹に会いたかっただけのようだ。中学を卒業してから真夏は一回も兄と連絡を取っていなかったのだ。それは流石に兄としては心配になるだろう。それで彼は頑張って弟子である炎林で口実を作ろうとしたのだ。その結果が今日という日だ。真夏を引き抜くために炎林はジークフリード校に訪れ、それを迎えに来るかのような形で如何にも偶然であるかのように真夏を見に来たのだ。一瞬でバレたが、
話の腰を折るかのように、【ヘラクレス】は自分の横にいた椎名に顔を向ける。椎名も何事かと思い、アホ毛がピクッと動く。真夏はなにかを察したように「やばい」と口ずさむ。
「君、1年生か?」
「え!?……あ、はい、芽座椎名って言います……けど」
「めざしいな………いいやないかぁ!!可愛い名前しとるよ!どうや?こんど一緒にデートでも、」
「こーーーらぁ〜〜〜兄さん!!!」
【ヘラクレス】は椎名をナンパする。彼は大の女好きだった。そもそも彼はすごくルックスが良い。彼のためのファンクラブさえできているほどだ。椎名は苦笑いで済ますが、真夏はもどかしかった。思いっきりツッコミたかったろうが、バトル場からじゃ観客席には声しか届かない。不完全燃焼だ。雅治は「この人をなんとか椎名から遠ざけねば」と心の中で模索しだす。椎名を取られたくない嫉妬心からだ。
「いやぁ、真夏ちゃんの友達にこんな可愛ええ子がいるなんてなぁ、」
「は、はは、い、一応ありがとうございます?………デートはちょっと嫌だけど、バトルはしたいな!真夏のお兄ちゃんは【ヘラクレス】って呼ばれるほど強いんでしょ?」
「ガーーン!……なんか遠回しにふられとるやん!
胸を釘で打ち付けたようなショックを受ける【ヘラクレス】。椎名の無神経で発した言葉が、彼の心をおもいっきり傷つけてしまった。
ーだが、
「………………でもええんか?俺はバトルでは女の子でも容赦はできへんで?」
「「………!!」」
さっきまでおちゃらけていた【ヘラクレス】だったが、バトルのこととなると急に態度が豹変した。その場にいた椎名と雅治は背筋が凍りつくようなプレッシャーを感じる。ただこれだけで彼が強者であると認識してしまう。
椎名はそれでも、「いいよ!」と了承するように答えようとしたが、その前に言い出したのは雅治だった。前に出てくる雅治を見て、【ヘラクレス】は、その顔をゆっくりと思い出していく。
「じゃあ、そのバトル、僕がやってもいいかな?」
「………お前さんは確か【朱雀】の親友の、」
「長峰雅治です、よろしくお願いします!」
「ちょ、ちょっと待って!バトルするのは私じゃ!?」
「ごめんね、椎名、今日は僕にやらせて欲しい」
「……んーーーー、まぁいっか!頑張ってね!」
「うん!」
「はぁ、なんかもうバトルすることになっとるし、………まぁええか、バトル場に行くでぇ長峰」
正直、椎名は自分が【ヘラクレス】とバトルしてみたかったが、その相手が雅治ならば、バトルは必ず面白くなると思い、今日は一歩後ろに下がり、彼に枠を譲った。因みに【ヘラクレス】も本当は女の子の椎名とバトルしたかった。まぁここでカリカリ文句垂れるのもどうか思い、なにも言わなかったのだが、
一方で雅治は、椎名が自分にかけてくれた『頑張ってね!』の一言が嬉しすぎてモチベーションが急上昇する。絶対に勝とうと心に誓った。まぁ、いいところを見せたいのだろう。【ヘラクレス】と、雅治はバトル場に降り、逆に真夏と炎林は椎名のいる観客席まで上がってきた。
「ごめんなぁ、椎名、…兄さんが」
「いやいいよ!面白いお兄ちゃんじゃん!」
「頑張ってください!!師匠!!」
申し訳なく思ったのか、真夏は椎名に頭を深々と下げて謝った。当の本人は全く気にしていなかったが、
炎林は全力で【ヘラクレス】を応援する。
【ヘラクレス】と雅治はBパッドを展開させ、バトルの準備をする。
「一度でも【ヘラクレス】と呼ばれるあなたとバトルがしたかったです」
「本当かいな?めざっちにいいところを見せたいだけとちゃうか?」
「な!?違いますよ!……ていうか【めざっち】って、」
確信を突かれて頬を赤らめる雅治。否定しているが、本心だ。だが、【ヘラクレス】とバトルがしたいという思いも、また本心であるには違いないことであって、
【ヘラクレス】は完全に椎名をマークしてしまう。椎名のアダ名がまた一つ増える。
「ほな、いくで!」
「はい!」
「「ゲートオープン!界放!!」」
2人のバトルが始まる。先行は雅治だ。
[ターン01]雅治
《スタートステップ》
《ドローステップ》手札4⇨5
「メインステップ!僕はアルマジモンを召喚だ!」
手札5⇨4
リザーブ4⇨0
トラッシュ0⇨3
雅治が最初に召喚したのはアルマジロ型の黄色の成長期スピリット、アルマジモン。その召喚時も使用する。
「召喚時効果!3枚オープン……!」
オープンカード
【イエローリカバー】×
【パタモン】×
【フルーツチェンジ】×
勢いよくめくられるが、それは全て外れ、手札が増えることはなかった。寧ろ相手にデッキの中の情報アドバンテージを提示してしまうことになる、
雅治には椎名や司のような引きの強さは備わっていない。自分のセンスの無さを、彼は明晰な頭脳と推理力で補っているのだ。
「仕方ないね、ターンエンド」
アルマジモンLV1(1)BP2000(回復)
バースト無
やることを全て終えた雅治はそのターンを終えた。次は期待がかかる【ヘラクレス】のターンだ。
[ターン02]ヘラクレス
《スタートステップ》
《コアステップ》リザーブ4⇨5
《ドローステップ》手札4⇨5
「ふ〜む、黄色か、……じゃあ後手に回るのは無しやな!」
そう言って、【ヘラクレス】はメインステップへと移行し、手札のカード達を抜いていく。
「メインステップや!召喚!カッチュウムシ!……そして緑の成長期スピリット!テントモン!」
手札5⇨3
リザーブ5⇨0
トラッシュ0⇨2
ヘラクレスが召喚したのは甲冑を着た小型のカブトムシと、緑の成長期スピリット、てんとう虫型のテントモンが現れた。このテントモンこそが、彼のデッキの軸となる重要なカードだ。その効果は他の成長期スピリット達とは一風変わった効果であり、
「テントモンの召喚時!ボイドからコア1つをテントモンの上に置く!……それによりLVも2に上昇や!」
テントモン(2⇨3)LV1⇨2
テントモンは他の成長期スピリットとは違った召喚時を持っている。それは緑属性なら当たり前のコアブースト効果。テントモンにコアが1つ追加で送り込まれた。それは同時に新たな力を与えられたのに等しいのであって、
ー黄色のデッキとの長期戦は不利になる。そう考えた【ヘラクレス】は速攻で決着をつけようと自分のデッキを高速回転させる。可能な限りだが、
「アタックステップ!テントモンのLV2効果、【進化:緑】発揮や!こいつを手札に戻し、成熟期のカブテリモンに進化させるで!」
「な!?……も、もう進化を!?」
テントモンはその変わったコアブースト効果により、後攻の第1ターン目から【進化】を行える異例なカードだ。
データのベルトに巻かれて、テントモンが進化する。新たに現れたのは立派な一本の頭角を持つ成熟期スピリット、カブテリモン。4本の手、4本の羽を広げて、主人である【ヘラクレス】の前に現れた。
「す、すごい!もう進化した!」
「せやな、兄さんのデッキにとってこのくらいは朝飯前や」
素直に驚く椎名。この動きを何度も目の当たりにしているからか、真夏は特に驚くことはなく、冷静な口調で喋る。そうでなくとも、有名になりすぎた【ヘラクレス】のこの動きは、ほとんどの人々に知られてしまっている。雅治も同様。驚くのは成長期と成熟期の2枚を初手に握っているその引きの強さだ。
「カブテリモンの召喚時かアタック時、相手のスピリット1体を疲労……対象は当然、アルマジモンやな!」
「くっ!」
アルマジモン(回復⇨疲労)
カブテリモンの巻き起こす緑の風が、アルマジモンを疲れさせる。カブテリモンの効果の真骨頂はこれからだ。
「アタックステップは継続や!いけ!カブテリモン!LV2のアタック時効果で、疲労状態の相手スピリットをデッキのいっちゃん上に戻すで!今度は消えな!アルマジモン!」
「……ぐっ!まさかこんなに早くこの2枚を揃えてたなんて……っ!!」
カブテリモンは4本の腕を胸部に集めてエネルギーを溜めて、それを一気に射出。避けきれないアルマジモンはこれに命中。すると、アルマジモンはデジタルの粒子となって雅治のデッキの一番上に置かれてしまった。
デッキトップバウンス効果。カブテリモンの最も厄介な効果だ。何か事前に対策カードをデッキに入れない限り、あまり防ぎ辛い効果だ。
「流石だぜ!師匠!第2ターンからあの【進化】を繋げるなんて!」
強すぎる自分の師匠の引きの強さに思わず声を荒らげる炎林。だが、この引きの強さは必然のもの。彼ほどの実力の持ち主は、それを当たり前のように実行してしまう。
「さぁ、アタック継続中やで!」
「……ライフだ」
ライフ5⇨4
カブテリモンの4つの拳が、雅治のライフを1つ砕き切った。
「次やな、カッチュウムシ!」
「それもだ!」
ライフ4⇨3
カッチュウムシの高速体当たりが炸裂。また雅治のライフが砕けた。雅治はこのターンで、スピリットと、ライフを2つを同時に失ってしまった。たった2ターン、たったの2ターンで、その実力の差がはっきりとわかってしまう。
「まぁ、こんなもんやろ、ターンエンドや」
カブテリモンLV2(3)BP8000(疲労)
カッチュウムシLV1(1)BP1000(疲労)
バースト無
(くっ……!……強い、…椎名の前でこれ以上無様な姿は見せられない。次のターンで一気に挽回するんだっ!)
余裕の顔でターンを終える【ヘラクレス】。散々鳴り響いていた虫達の羽音がようやく静かになった。
雅治は次のターンで挽回の機会を狙う。
[ターン03]雅治
《スタートステップ》
《コアステップ》リザーブ3⇨4
《ドローステップ》手札4⇨5
《リフレッシュステップ》
リザーブ4⇨7
トラッシュ3⇨0
「いくよ!メインステップ!天使キューリンと、戻ってきたアルマジモンをLV1ずつで召喚!」
手札5⇨3
リザーブ7s⇨2
トラッシュ0⇨3s
かの有名なスピリット、クーリンをモチーフに作られた黄色のスピリット、キューリンと、カブテリモンによりデッキの上へと戻ってしまったアルマジモンが召喚される。
雅治はアルマジモンの効果を再び発揮する。
「アルマジモンの召喚時効果!カードをオープンっ!!」
オープンカード
【天使キューリン】×
【パタモン】×
【舞華ドロー】×
またもやはずれ、3枚のカードは無残にトラッシュへと送られてしまう。だが、雅治は涼しい顔のままアタックステップへと移行する。
「アタックステップ!いけ!アルマジモン!」
アルマジモンが体をボールのように丸めて転がっていく。【ヘラクレス】は自分の手札をじっくりと眺め、考える。その結果は、
「………ライフで受けるで」
ライフ5⇨4
ライフの減少を選択。弾丸のように加速したアルマジモンが【ヘラクレス】のライフを1つ砕いた。
雅治は本当ならもっとライフを減らしておきたかったところだったが、場にいる天使キューリンは自身の効果によりアタックを行うことができない。仕方なくここはターンを終えることになる。
「エンドステップ……トラッシュにある舞華ドローの効果を発揮、僕のトラッシュにソウルコアがあるため、これを回収する………ターンエンド」
手札3⇨4
天使キューリンLV1(1)BP1000(回復)
アルマジモンLV1(1)BP2000(疲労)
バースト無
トラッシュから舞い上がるように、舞華ドローのカードが雅治の手札へと回収された。雅治はアルマジモンの召喚の際に、コストの支払いをソウルコアで払っていたのだ。
「ふ〜〜ん、舞華ドロー……ね」
[ターン04]ヘラクレス
《スタートステップ》
《コアステップ》リザーブ1⇨2
《ドローステップ》手札3⇨4
《リフレッシュステップ》
リザーブ2⇨4
トラッシュ2⇨0
カッチュウムシ(疲労⇨回復)
カブテリモン(疲労⇨回復)
「メインステップ…………(さぁ〜〜て、どないするかな、アルマジモンのサーチ効果を使うたっちゃうことは今あいつの手札には【進化】も【アーマー進化】もないか、………はたまた引き運の悪さを利用して誘ってるのか……まぁええ、罠だったらだったで、一回乗っかってみよおっと)」
思考を張り巡らせる【ヘラクレス】。その結果、このターンで一気にライフを減らしにかかる判断を下した。
「テントモンと山賊親分ヒゲコガを召喚や!……不足コストはカブテリモンからな」
手札4⇨2
リザーブ4⇨0
カブテリモン(3⇨1)LV2⇨1
トラッシュ0⇨4
【ヘラクレス】は【進化】の効果で手札に戻ってきたテントモンを再召喚すると同時に、髭を長く生やした山賊のようなスピリット、山賊親分ヒゲコガが召喚される。
さらに、【ヘラクレス】はテントモンの召喚時効果でコアを1つブーストすると、すぐさまアタックステップへと移行する。
「アタックステップ!ヒゲコガでアタックや、その効果でボイドからコア1つヒゲコガに置き、相手のスピリット1体を疲労、対象はもちろんキューリンや」
山賊親分ヒゲコガ(1⇨2)
「ぐっ!……」
天使キューリン(回復⇨疲労)
ヒゲコガは自分の持つ古びた剣を振り回す。それで起きた大きな風がキューリンを襲う。キューリンは思わず横になってしまった。戦っているとは思えない程にとても緩い顔つきで、
天使キューリンには、破壊時に自分のライフを1つ回復する効果がある。だが、疲労を得意としている【ヘラクレス】相手では、その効果を存分には使えない。おまけにそれがアタックできないときたものだから、まさにやられるがままだった。
「アタックは継続中やで、」
【ヘラクレス】がそう言いつつもヒゲコガがそのでかい腹を揺らしながら走って来る。目指すは雅治のライフだ。このターン、【ヘラクレス】のフルアタックが通れば、彼の勝利に終わる。
だが、雅治は待っていた、このタイミングを、【ヘラクレス】が勝ちに来るためにカブテリモンのLVを下げてまでスピリットを展開して来ることを、そして手札のカード1枚を抜き取る。【ヘラクレス】はその動作を見て、「後者やったか」と、察したように呟く。
「それを待ってた!フラッシュマジック!舞華ドロー!相手のスピリット1体のBPをマイナス3000し、0になったらそれを破壊、デッキから1枚ドローできる………僕はこの効果でテントモンを対象にする!…テントモンのBPは2000、よってそれを破壊し、僕はカードを1枚ドローする」
手札4⇨3⇨4
リザーブ2⇨1
トラッシュ3s⇨4s
テントモンは眩い黄色の光に包まれて、そのまま爆発してしまう。それでもまだフルアタックされれば雅治のライフは尽きてしまうのだが、
「わかっとるよ、舞華ドローの効果はな、それだけじゃあまだ足りんでぇ、(まぁ、ここで意気揚々と使うたんやからまだ何かあるんやろうなぁ)」
テントモンBP2000⇨0(破壊)
【ヘラクレス】のこの予想は完璧に的中している。雅治はさらにもう1枚のカードを抜き取る。それはこの状況を一変させるカードだった。
「フラッシュタイミングで、手札にあるサブマリモンの【アーマー進化】発揮!アルマジモンを手札に戻し、1コスト支払うことでこれを召喚する!……サブマリモンを召喚!」
リザーブ1⇨0
トラッシュ4s⇨5s
サブマリモンLV1(1)BP4000
「……!!…ほぉ、珍しい、…アーマー進化かいなっ!」
アルマジモンに独特な形をした卵が頭上に投下される。アルマジモンはそれと衝突し、混ざり合う。そして新たに現れたのは、まるで小型の潜水艦のようなスピリット。鼻先のドリルを回転させながら、青のアーマー体、サブマリモンが浮上した。
「おぉ!アーマー体!しかも青!」
これに反応したのは椎名だった。同じ青を使うからか共感したのだろう。そして、雅治はその召喚時の効果を使用する。
「サブマリモンの召喚時効果!相手のコスト4以下のスピリット1体を破壊!僕はヒゲコガを破壊する!」
「……!!……コスト破壊っ!」
地中を泳ぐように移動するサブマリモンは、その下部に取り付けられたミサイルを発射する。行く先は走って向かって来るヒゲコガだ。ミサイルはヒゲコガの足元までくると上へと飛び上がり、ヒゲコガの腹の側で爆発する。ヒゲコガは耐えられず、ミサイルと共に爆発した。
【ヘラクレス】は少し驚いていた。何かしらの反撃が予想されたこのターンだったが、まさか黄色のデッキから青属性の特徴であるコスト破壊が飛んでくるとは思ってもいなかったのだ。
「これはちょいとしてやられてしもたなぁ、……でもアタックステップはまだ終わらへんでぇ!カブテリモン!」
「……!!…ライフで受ける!」
ライフ3⇨2
4枚の羽を羽ばたかせ、飛翔するカブテリモン。上空から雅治のライフを叩きつけるように破壊した。
「…ターンエンドや……」
カッチュウムシLV1(1)BP1000(回復)
カブテリモンLV1(1)BP5000(疲労)
バースト無
[ターン05]雅治
《スタートステップ》
《コアステップ》リザーブ1⇨2
《ドローステップ》手札4⇨5
《リフレッシュステップ》
リザーブ2⇨7
トラッシュ5⇨0
天使キューリン(疲労⇨回復)
サブマリモン(疲労⇨回復)
「メインステップ!パタモンを召喚!」
手札5⇨4
リザーブ7⇨4
トラッシュ0⇨2
雅治の場に、新たなる成長期スピリットが現れる。それは小さな哺乳類型で耳が羽のように発達したスピリット、パタモン。雅治はその召喚時効果を使用する。
「パタモンの召喚時!カードをオープンする!」
オープンカード
【イエローリカバー】×
【アルマジモン】×
パタモンはデッキから2枚オープンし、その中の「成熟期」「完全体」を加える効果があるが、今回も失敗に終わる。カードはトラッシュ送りとなった。だが、
「まだだ!僕はアルマジモンを召喚!」
手札4⇨3
リザーブ4⇨2
トラッシュ2⇨3
三たび現れるアルマジモン。雅治はデッキへと手を伸ばし、その召喚時を発揮させる。
「召喚時効果!」
【エンジェモン】○
【アンキロモン】○
【ペガスモン】○
「よし!僕はこの効果で「アーマー体」の【ペガスモン】を手札に加える!」
手札3⇨4
ようやくゲットに成功する。下手な鉄砲も数打ちゃ当たるとはまさにこのことだ。雅治は手札にあるペガスモンのアーマー進化の効果をメインステップで発揮させる。
「ペガスモンの【アーマー進化】発揮!対象はパタモン!対象のスピリットを手札に戻し、1コスト支払うことで召喚できる!……希望の光差す天馬!ペガスモンを召喚!」
リザーブ2s⇨1
トラッシュ3⇨4s
ペガスモンLV1(1)BP5000
パタモンに羽のついた卵が頭上に投下される。パタモンはそれと衝突し、混ざり合う。そして新たに現れたのは、まるでペガサスのような姿をした聖獣型の黄色のアーマー体、ペガスモン。その優雅な姿に、【ヘラクレス】は目を見開く。
「ほぉ、立派なもんやな〜〜」
「ペガサスだぁ!カッコイイ!!」
椎名は初めて目の当たりにするペガサスに興奮する。この間ユニコーンのような姿をした晴太のエグゼシード・ビレフトを目の当たりにしたからだろう。
ー雅治はそのペガスモンの力を存分に発揮させる。
「ペガスモンの召喚及びアタック時効果!相手のスピリット1体をBPマイナス3000!対象はカブテリモンだ!」
「………!!」
カブテリモンBP5000⇨2000
飛翔するペガスモンの額から放たれる聖なる光線がカブテリモンを貫く。カブテリモンは力をそれに奪われてしまう。そしてこの効果はアタック時にも発揮できるのであって、
「アタックステップ!ペガスモンでアタック!再び効果を発揮!カブテリモンのBPをマイナス3000!0になったカブテリモンを破壊する!」
「ぐっ!!」
カブテリモンBP2000⇨0(破壊)
再び放たれる聖なる光線。カブテリモンは遂に全ての力を奪われる。そして力尽き、倒れ、大爆発した。
「すごい!雅治!あのカブテリモンを破壊した!」
「ふん!師匠のカブテリモンを破壊したくらいで何をそんなに喜ぶことがある」
「?……エースじゃないの?」
「違ぇよ!カブテリモンなんて序の口!本当はまだまだ強いのがいるんだぞ!」
「……せやで椎名、兄さんはこんなもんやあらへんよ……ちょっと腹立つけど」
3人の会話からまだ【ヘラクレス】が本気ではないことが示唆される。これでほぼ互角だと言うのに一体どれほどの力を身につけているのだろうか。底が知れない。
「ペガスモンのアタックは継続!」
「ライフで受けるでぇ」
ライフ4⇨3
ペガスモンは両脇から宇宙空間を広げると、そこから流星群のようなものを発射させる。【ヘラクレス】のライフはそれに砕かれて1つ破壊されてしまった。
「続け!サブマリモン!」
「それもライフやで」
ライフ3⇨2
今度はサブマリモン、地中を泳ぐように推進し、ドリルのような鼻先を回転させながら、バリアに衝突し、【ヘラクレス】のライフを1つ破壊した。
「よし!エンドステップ!トラッシュの舞華ドローを回収して、ターンエンド!」
手札4⇨5
天使キューリンLV1(1)BP1000(回復)
アルマジモンLV1(1)BP2000(回復)
サブマリモンLV1(1)BP4000(疲労)
ペガスモンLV1(1)BP5000(疲労)
バースト無
雅治はブロッカーを2体残し、そのターンを終える。
[ターン06]ヘラクレス
《スタートステップ》
《コアステップ》リザーブ7⇨8
「ドローステップ………!!…なんや、もう終わりなんか」
手札2⇨3
「なに!?」
今、確かに彼はそう言った「終わり」だと、【ヘラクレス】はドローしたカードを見て、察したのだ。このターンでバトルが終わることに。だが、現在、【ヘラクレス】の場には低コストスピリットのカッチュウムシ1体しかいない。こんな状況から少ない手札で一体なにをしようというのか、
《リフレッシュステップ》
リザーブ8⇨12
トラッシュ4⇨0
「メインステップ、………そうそう、長峰、さっき俺は『バトルに関しては女の子にも容赦せん』って言うたけどなぁ、……………俺は男にはもっと容赦しないねん。念頭においとくんやなぁ」
「………!!」
さっき会った時と同じような感覚を雅治は味わっていた。とてつもないプレッシャーだ。それと同時に、雅治はドローステップでの言葉が嘘ではないことを見抜いてしまう。彼は本気だ。本気で終わらせるつもりだ。ブロッカー2体をどけ、さらに残った自分の2つのライフを減らすつもりだ。
ーそして【ヘラクレス】はドローステップで得た1枚のカードをゆっくりとBパッドに置いていく。
「ちょっとだけ力を見せてやるでぇ、………アトラーカブテリモンをLV2で召喚や!!!」
リザーブ12⇨3
トラッシュ0⇨6
「……!!」
地中から勢いよくスピリットが飛び出してくる。それは先のカブテリモンが進化し、完全体となった姿。体は赤みを帯び、羽がなくなるが、そのかわり頭角が日本の国産カブトのような逞しいものに変わる。
赤き稲妻をその頭角に纏う緑の完全体スピリット。アトラーカブテリモンが【ヘラクレス】の場に誕生した。雅治も当然このスピリットのことは知っている。【ヘラクレス】でのバトルでは必ずと言っていいほど召喚され、フィニッシャーになっているのだから。
「す、すごい、」
椎名もそのアトラーカブテリモンのとてつもない威圧感に飲まれそうになる。炎林はその右横で「やっちまってください!師匠!」と大きな声で叫ぶ。左横では真夏がそれを「うるさい」と一蹴する。
「アトラーの召喚時発揮!相手のスピリット2体を疲労させるか、疲労状態のスピリット2体を手札に戻す!俺はアルマジモンと天使キューリンを疲労させるで!」
「くっ!」
アルマジモン(回復⇨疲労)
天使キューリン(回復⇨疲労)
アトラーカブテリモンの4本の腕から放たれる赤き稲妻が、アルマジモンとキューリンを襲う。2体を吹き飛ばし、疲労を負わせる。そして【ヘラクレス】はアタックステップに入る。
「アタックステップ!アトラーでアタックや!効果でアルマジモンとキューリンを手札に!」
「…………」
手札5⇨7
アトラーが再び4本の腕から赤き稲妻を放つ。アルマジモンとキューリンは今度は耐えきれずに、デジタルの粒子となってしまって、雅治の手札へと戻ってしまう。
「そ、そうか……思い出した。こ、これが噂の【キングスロード】、王者の道、……か……っ!」
【キングスロード】。【ヘラクレス】がバトルを決めにかかる時、必ずと言っていいほど、相手のスピリットが全て疲労しているか、手札に戻っているかのどちらかであり、その様がまるでスピリット達が彼に道を譲っているように見えることから、このようなターンを王者の道、【キングスロード】と呼称されるようになった。
ー今がまさにその状況だ。だが、雅治もただでは転ばない。手札のカードを1枚引き抜く。
「でもまだ負けない!フラッシュマジック!回収していた舞華ドローを使用する!対象はカッチュウムシ!BPは0になる!…よって破壊し、カードをドローする!……よし!これで………」
手札7⇨6⇨7
リザーブ3⇨1
トラッシュ4s⇨5s
舞華ドローがここに来て再び炸裂。カッチュウムシが光に包まれて、爆発してしまう。これで【ヘラクレス】のスピリットは1体。雅治の残った2つのライフを破壊できずに終わる。……………かと思われた。
「………なんや、もう抵抗は終わりか?」
カッチュウムシBP1000⇨0(破壊)
「!?!…………な、なにを、………!!?…そうかっ!……アトラーは!!」
「え!?なに?防げないの?」
「周りを駆除したくらいじゃ、アトラーは止まらないっちゅうこっちゃ」
雅治はアトラーカブテリモンのもう1つの効果を思い出した。それはフィニッシャーとなる決定力をあげるカブテリモン系特有の効果であって、
観客席の椎名もその効果を知らない。今回、それを目の当たりにできたのは幸運中の幸運と言っても過言ではないだろう。
「さぁ、どう受ける気や?」
「…………ライフだ」
ライフ2⇨1
負けを悟ったように迫り来る赤き甲虫の4本の拳をライフで受け止める雅治。それは砕かれ、いよいよ残り1つ。そしてここからが赤き甲虫の真骨頂だ。
「アトラーが相手のライフを減らした時、相手のライフを「完全体」の数1体につき、さらに減らす。今回はアトラーが1体、よって追加でもう1つもらうでぇ!……レッドホーンフィニッシュ!!!」
その赤き一本の頭角に同じく赤き稲妻を纏い、雅治のライフに突進するアトラーカブテリモン。その勢いで雅治の最後のライフを串刺しにし、破壊。【ヘラクレス】が圧倒的な力の差を見せつけて雅治に勝利した。それに伴い、残ったスピリット達がゆっくりと消滅していく。アトラーカブテリモンはその中で勝利を祝うように奇声を上げ続けた。その姿はまさに王者の咆哮。
(ま、負けた、なんて人だ、まさかここまでだなんて、……この僕がずっと掌で転がされていた………っ!)
このバトル、一貫して見ると、ずっと互角のバトルに見えなくもないが、そうではなかった。【ヘラクレス】は常に雅治のほとんどの行動を読み取り、動いていた。互角になっているように見えたのは、【ヘラクレス】自身が敢えて雅治の罠に乗っかったから、雅治がどんなバトラーなのか見たかっただけだ。そうでなければ、第4ターンでスピリットなど展開せず、素直にカブテリモンの効果で再びアルマジモンをデッキトップに戻していたことだろう。雅治もバトルを続けていくうちに、薄々それを感じとっていた。
雅治は膝をつく。悔しさや、脱力感に襲われたからだ。雅治は今日、改めて自分の弱さを痛感した。【ヘラクレス】はそんな彼の目の前までいく。
「ふぅ〜〜なかなかスリリングやったでぇ、またやろうや、」
「……はい、お見事でした……っ!」
そう言って手を差し伸べる【ヘラクレス】。雅治もその手に合う手で掴み、立ち上がる。2人が互いの実力を認め合った証拠だ。
その握っている手を離すと、【ヘラクレス】は疲れを癒そうとしているかのように、ゆっくりと腰を伸ばす。
ーそして、ここに来た時同様の大きな声で、
「はぁ、疲れたなぁ…………よし!炎林!今日のとこは帰るでぇ!」
「えぇ!?もう帰るんですか!師匠!?」
「おう!久しぶりに妹の顔も見れたし、可愛い子もおるし、もう満足や!」
急に帰ると言い出す【ヘラクレス】。炎林は少しだけ驚くが、自分の師がそう言うのだ。帰るしかあるまい。炎林は観客席を降りる。
「じゃあなぁ!真夏ちゃーーん!!めざっち〜〜〜〜!!!また会おうね〜!!!」
「二度と来んなやぁ!!この変態!!!」
「ははっ、………じゃあねぇ!!!真夏のお兄ちゃん!!!」
「いや、椎名、受け答えせんくてええねん!!!!!」
そう言って大きな声で高笑いしながら、【ヘラクレス】は満足げな顔で第3スタジアムを炎林と共に出て行く。ジークフリード校とキングタウロス校の急な交流はこれにて幕を閉じた。
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「つ、疲れた……」
その後の下校時のことだ。真夏は疲れ切った顔をしながら椎名と雅治の横を歩く。ツッコミ疲れたのだ。自分の兄が突然自分の学校に訪問して来たのだ。当然といえば当然だが、
いろんな意味で兄を遠ざけるためにジークフリード校にきたが、それが仇となった。久しぶりに兄のオーラを浴び過ぎて余計に疲れてしまった。
椎名は真夏がよく人に対してツッコミに回るのがよくわかった。あんなに変わった兄がいればどうしてもそうなってしまうのだろう。真夏が今まで苦労してたのがわかる1日だった。
ーそして椎名は何かを思い出したように掌を合わせるようにを叩く。
「……あっ!そういえば、雅治、今日私に何か言おうとしてなかった?」
「あっ!」
すっかり忘れていた。雅治は椎名に今度の休みにショッピングならぬデートに誘おうとしていたことに。
「あっ、えぇっと、そうだね、」
「?」
(頑張りやぁ)
雅治は困惑していた。急にふってきたものだから言葉がパッと浮かばない。いや、「一緒にショッピングしない?」と言うだけなのだが、真夏も再び心の中で応援する。雅治にアドバイスしたのは彼女だ。真夏自身も恋愛経験はないのだが、
やはり相手が好きな女の子だと言いだし辛いものがある。胸の心音が頭に響いてうるさい。
ーそれでも意を決して告げる。
「その、………僕と今度の日曜!!!ショッピングしてくれませんか!!!!!!?」
言った。大きい声で不自然だが、言えた。なんとか言えたが、対する椎名の反応は。
「え!?そんなデカイ声で言うこと?……まぁいいけどさ!」
深い意味を全く理解していないが、一応元気な声で了承する椎名。雅治は心の中で飛び上がった。とても嬉しかった。真夏も心の中が晴れやかになる。今まで溜まったストレスが浄化されたかのように。
椎名はそんな2人の顔を見て不思議に思う。
「?……真夏も行く?」
「い、いやいや、行かれへんよ〜……あたしその日用事あんねん!!」
「そ、そうなの?」
(服……何着て行こうかな?)
嘘だ。真夏は絶対尾行する気だ。椎名は真夏の異様なテンションの高さに少し驚いた。理由は一生かけてもわからないだろうが、
緑坂真夏。関西出身の女子高生。基本はツッコミ役だが、この手の話だとボケに回ることが多い。周りがおかしな連中ばかりで気づいていないだけで、本当は彼女自身も十分変わり者だ。
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場所は変わり、ここは電車の中。炎林と【ヘラクレス】は帰宅中。腰掛けに座っている。炎林は疲れ切ったのか、周りの人達など気にせず鼾をかいて寝ていた。【ヘラクレス】はなんとかそれを起こそうと試みるも、これがなかなか起きなかった。彼はもうどうでもよくなり、一旦炎林のそばを離れ、違うところに座り、1人落ち着く。
(今日はなかなかええもん見れたな、【朱雀】の親友の長峰に、【めざっち】。……今年の【界放リーグ】では、【朱雀】とあの2人のどっちかが上がって来るやろなぁ……………いや、長峰は参加せんやろ……じゃあ、ジークフリードからは【朱雀】と【めざっち】の2人か………ふふ、おもろなって来たでぇ!!)
今日のことを振り返りながらそう考える【ヘラクレス】。毎年行われる界放市の6つの学園によるバトスピ祭り【界放リーグ】。その学校の代表者は学園毎に2名だ。その選出方法は学園内での選抜予選大会で決めるのだが、【ヘラクレス】は椎名と司の2名が勝ち上がって来ると予想。彼は最初に椎名を見た時から見抜いていた。椎名がかなりのバトスピセンスの持ち主であると、雅治が参加しないと思った理由はわからない。妹の真夏は絶対に参加しないだろうと思ったのか、名前すら考えなかった。それは真夏が自分と比べられるのが嫌なのを知っているからである。大会など特に滑降な比較場所だろう。
【ヘラクレス】は胸の高鳴りを感じていた。【朱雀】の司とはジュニア時代ではバトルは一切していなかった。ジュニアクラス、又は中学生の大会では、3年生は受験で忙しくなるため、大会に参加できないのだ。そのため、必然的に1、2年生で争われることになる。それ故に年が2つ離れていた【朱雀】と【ヘラクレス】は対戦できなかった。今年ようやく念願の対戦ができることは、彼としては楽しみの極みのようなものであって、
ー【ヘラクレス】は大の女好きだが、それ以上に熱いバトルがなによりも好物だった。
今回、彼がジークフリード校に来たのは、真夏のことももちろんあるが、それ以上に【朱雀】のバトルを一目見たかっただけだった。結果としては会えなかったものの、ひょっとしたら【朱雀】以上かもしれない人物である椎名に出くわした。【ヘラクレス】は確信していた。彼女なら絶対に選抜予選を勝ち抜き、【界放リーグ】本戦に出場して来ると、
ーだが、椎名はまだその【界放リーグ】の存在すら知らない。
〈本日のハイライトカード!!〉
「はい!椎名です!今回はこいつ!【アトラーカブテリモン】!!」
「アトラーカブテリモンは、リリモンと同じく緑の完全体!召喚時とアタック時に相手のスピリット2体を疲労させたり、手札に戻したりできるよ!私も【ヘラクレス】とバトルしてみたかったなぁ!」
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
今回登場した【キングスロード】王者の道。
ですが、正確な英訳は全く違う単語です。この物語の中では英訳ではなく、ただ単にそう呼ばれるようになった。と言う解釈でお願い致します。
ヘラクレスと炎林も後で設定に書き足しておきます。時間があればどうぞご覧になってください!
いよいよ貯めていたストックを全部投稿し終えました。次回は10日後くらいになる可能性もあります。ご了承ください。タグの通り、この作品はだいたい1週間で投稿します。短くて2日、長くて10日くらいの間隔でやってみせます。
オバエヴォの第1章の物語も、次回からゆっくりと傾いていきます。