椎名がエニー・アゼムとバトルをしてから約一週間が経過した。あれ以降エニー・アゼムもバーク・アゼムも椎名達の前から姿を一切見せなくなり、一時態勢を整えようとしているのが確かに伺えて………
敵のいる場所がわかるわけもなく、椎名達は再び平和で平穏な日常を過ごす事になった…………ただ、それは当然ただの平穏ではなく……
……なんとも騒がしい平穏な日々である。
******
季節は5月、気温は暑すぎず寒すぎず、ただ散って行った桜並木の桜だけがアスファルトの上に残り、刹那さを感じさせるこの季節。椎名と真夏は鞄を持って学園に向かって登校しており………
「結局エニー・アゼムはいつやって来るんやろな?」
真夏が横を歩く椎名に聞いた。
「さぁね、なんか別の方法で完全復活するみたいなニュアンスだったけど………まぁいつやって来たってまた返り討ちにするだけだ……」
すっかりクールな性格が板について来た椎名。他の仲間達とある程度は絡むようになったはいいものの、この一見冷めたような振る舞いと態度までは改善されていなかった。
「あんたやっぱ変わったなぁ」
「え、そう?」
「変わった変わった!!…全然ボケんくなったし」
真夏もそんな椎名の変化を感じないわけがない。別に無理して前の明朗快活な椎名に戻って欲しいわけでもないが、やはりどこか違和感は拭えず………
……そんな時……
「いた………」
「「?」」
「ついに見つけた………」
2人の背後から声がした。女の声だ。2人は声のする方へと振り向いた。それはこの学園の女子生徒、おそらく1年生。肌が椎名と同じくらい白くて、髪色も金髪で、長い後髪がシュシュで2つに分かれているのが特徴的。背は椎名よりも若干低いくらいか……
……だが、一番印象的なのはその来ている上着が制服ではなくジャージであるという事。
「やっぱそうじゃん!!…私1年の【岬 五町(みさき こまち)】って言いまス!!……椎名先輩っスよね!!くぅ〜〜っ会えて光栄だぁっ!!」
「お、おぉそうなの……」
五町という1年少女の勢いに思わずたじろぐ椎名。この時点で彼女から椎名への憧れが強く感じ取れる。だがこれだけではない。五町は椎名に頼みたいことがあって………
「早速っスけど、この私を、岬五町をあんたの弟子にしたください!!」
「…………は?……私の!?」
「はい!!」
気合い十分、明るい口調で単刀直入に椎名にそう言い放った五町。流石に困惑する椎名。それもそうだろう。誰でも急に現れた人物に「弟子にしてくれ」と言われたら戸惑うに決まっている。
「椎名先輩は私の憧れなんっス〜〜〜!!…界放市どころか世界丸ごと救った英雄で、顔も良いしスタイルも良いしミスコン2連覇してるし、兎に角憧れてまス!!私を弟子にして!!」
「はっはっは!!なんや面白いやっちゃな、後半ほぼルックス褒めただけやけど」
椎名をべた褒めする五町。
理由はどうあれ、彼女が椎名に弟子入りしたいのは本気のようであり、その嘘をつかない性格なのがこの時点で確かに2人に伝わって来ていて………
「1年生、残念だけど私は弟子を取る趣味はないよ」
「え〜〜!!そこをなんとか!!」
「そもそも、私とは関わらない方がいい」
椎名は素っ気ない態度で五町を突き放す。
椎名側としても理屈にはなっている。今ここで交友を広く持てば、必ずいずれ訪れるであろうエニー・アゼム達との戦いに巻き込んでしまう事になる。
気にし過ぎている気もするが、椎名はそれが堪らなく嫌なのだ。
……しかし……
「じゃあ『姐さん』って呼んでもいいっスか?」
「今の会話の流れでなんでそうなる!?」
五町は椎名の話を聞いていないのか、ニコニコ笑いながら全く的外れな事を言い出した。
「なんか、昔のあんたに似とるな」
「え、私ってこんなんだった?」
真夏にそう言われ、少しだけ戸惑いを見せる椎名。
………俄かには信じられない。昔の自分は客観視に見てもうちょっとマシだっただろ。
そんな事を頭の中で咄嗟に考えた。
「ニッヒッヒ!!…やったね、これで私は姐さんの弟子だ!!」
「いや、だからなんでそうなるんだよ……」
両手を挙げながら満面の笑みで微笑ましく喜ぶ五町。どんどん勝手に話を進め、もう既に椎名の弟子になった気分でいる。
「まぁええやん、可愛い後輩がまた1人増えたんやし」
「………はぁ、めんどくさいな……」
「そう言わずに、先ずは私とバトルしてくれ!!………と、言いたいところっスけど、私今日【代表バトル】に出ないといけないのでこれで一旦失礼しまっス!!」
「代表バトル?…あんたそれに出るくらい強いんか?」
「はいもちろんっスよ!!…なんせ私は姐さんの弟子っスから!!」
【代表バトル】……月に一度行われるバトルの成績優秀者によるバトルスピリッツを行うジークフリード校の学校行事。椎名達も何度もそれをやった事がある。
特に同じ年代は椎名と司がバトルした時の記憶が根強く残っているはずだろう。
そんな代表バトルにこの五町は参戦すると言うのだ。この時点で既に彼女がそれなりの実力者である事が理解できて…………
「んじゃ!!そういう事で!!…絶対観に来てくださいね〜〜!!」
まるで嵐。
五町は吹き抜ける風のように椎名達の前から走り去っていった。
「………また変な奴が出た………」
「岬 五町かぁ〜〜また妙なんが現れよったな」
それぞれそう言葉を漏らした椎名と真夏。
椎名自身、前々から気づいていた事ではあったが、椎名は何故か妙に変な人物に絡まれる事が多い。3年になった今ではめっきりなくなった物だと思っていたが、今回の件でそれがまだ自分にはあると改めて自覚を持った。
「で、どないすんねん、観に行くか?」
「追い回されるのも面倒だからね、……一応行くよ……」
あの元気溌剌少女に後々追いかけられるのも面倒だ………そう思い結局椎名は今日の昼、めんどくさいと思いつつも、五町の代表バトルを観戦することにした。
******
そしてその昼頃、今月の代表バトルが幕を開けた。それぞれの学年の生徒は各々の学年のバトルを見物しようとする中、3年の椎名と真夏は1年生がバトルを行う第3スタジアムに足を運んでいて………
椎名はこの学園のカリスマ的存在だ。人気も格段に高い。1年生の目に止まれば忽ちそこに湧いてくる。そのためか、真夏と共に観客席の端っこでこっそりとバトル場を眺めていた。
「このスタジアムも随分懐かしく感じるな」
「そやな〜〜……あんたと朱雀の代表バトルもここでやりよったな」
感慨深い思い出話をする椎名と真夏。
今思えばあの2年前の椎名と司の代表バトル。あのバトルで当時同じ年代には負けないと思われていた超エリートの司に椎名が勝った事で椎名は少しずつ有名になっていった。
ある意味で言えば椎名のオリジンなのかもしれない。
と、その時だった。
「あ、姐さん〜〜!!…私ここっスよ〜〜!!」
「げっ……五町……」
椎名を見つけたバトル場にいる五町が大きな声で自分の存在をアピールする。別にそれ自体は悪くもないし、咎められる事でもない。
ただ、その相手が芽座椎名だと話が大きく変わってくる。
「え?あれって3年の芽座椎名先輩じゃない!?」
「うっそ〜〜ここ1年のスタジアムなのに!!」
「わざわざ観に来てくださったの!?」
「うぉぉぉぉお!!芽座椎名先輩だぁ!!」
椎名が「やばい」と思った頃には時すでに遅し………
周りの生徒が五町の振り向いた方を振り向き、瞬時に椎名の存在に気づく。そして憧れの椎名先輩に近づこうとどんどんどんどん2人の周りに1年生が群がっていく。極力バレないようにしようとしていたのが台無しだ。
「ちょちょちょっ!!…多すぎ……!」
「あんた人気えらいことになっとったんやな………」
椎名自体、元々界放リーグで活躍して以降から人気が高かったが、界放市をDr.Aから救ってからはその人気にさらに拍車がかかり、皆の憧れの存在的となっていた。
「椎名先輩!!真夏先輩もどうぞ前の席へ!!」
「どうぞどうぞ!!」
「へ?…あ、おいちょっと」
何人かの1年生に手を引っ張られて強制的に移動させられる椎名と真夏。向かった先はバトル場が見やすい1番前の席。2人はそこに着席させられた。
「……これは案外結果オーライとちゃう?」
「んーーー別に前に行きたかったわけじゃないんだけどなぁ」
そう言葉を漏らす椎名と真夏。そんな彼女らを周りの1年生が幸せそうに眺めていた。
「さっすが姐さん!!人気もバリ高ッス!!」
「おい五町、私の事はいいから目の前の相手に集中しろ〜〜!…後、私を姐さんって呼ぶな!!」
「はい姐さん!!」
結局椎名の事を「姐さん」と呼称する五町。そして言われた通り、そのシュシュで2つに纏めた長い金髪を揺らしながら、今回の代表バトルの相手の方へと振り向く。
「………ま、まさかあの椎名先輩がこんなしがない1年生などのバトルを観に来られるとは………感激だ」
そう感慨深く呟いたのは今回の代表バトルで五町とバトルを行う1年生の男子、今は亡き銃魔のような四角いメガネが特徴的。その名は………
「よし、勝負だメガネ!!」
「メガネじゃない!!嵯峨根、【嵯峨根教(せがね きょう)】だ!!…何度言ったらわかる岬五町!!」
思いっきりメガネと呼称する五町。それを否定する嵯峨根。言い方から、この2人は既に知人同士であるのが伺えて…………
因みに、嵯峨根の事を簡単に説明すると、エリート思考で真面目でメガネだ。
「いやいや、聞き間違いだってちゃんと言ったよ……せ、メガネ」
「言い直した挙句間違えるんじゃない!!合っていただろう、舐めてるのか貴様!!……俺はジュニア時代からのエリートなんだぞ!!」
「え〜〜だからなんだよ〜〜」
せがねとメガネ。確かに語呂は似ているし、発音もほぼ同じだ。ただ、五町はわざとやっている。理由はただ1つ、堅物で真面目な嵯峨根を弄るのが楽しいから。
「今日この日、小生意気な貴様を倒す時が来た!!…さぁBパッドを展開しろ!!」
「私もそのつもりだ!!勝って姐さんに良いところを見せるぞっ!!」
「あの方は貴様の姉じゃないだろうこの下郎が!!」
そう言い合いながら2人は懐から取り出したBパッドを展開し、バトルの準備を瞬時に行う。
「岬五町、タイマン張らせてもらうぜッッ!!」
右手の拳を固めて対戦相手である嵯峨根の方へと向けながらそう言い放つ五町。
これは所謂彼女の決まり文句。これを言うと言わないではバトルに対するモチベーションが全く異なってくるのだ。
「行くぞ!!」
「おうよ!!」
「「ゲートオープン、界放!!」」
コールと共に、殆どが1年生で埋め尽くされたこの広大な第3スタジアムにて、今月の代表バトルが幕を開ける。
先行は椎名達も一応注目する岬五町だ。
[ターン01]五町
《スタートステップ》
《ドローステップ》手札4⇨5
「メインステップッ!!……よし、早速来た……行くぞメガネ!!私の相棒を見せてやるよ!」
「相棒だと?」
強く宣言する五町。嵯峨根は何度も五町と絡んではいたものの、クラスが違うため、彼女のデッキが何なのかまではわからない。
仮にも今月の代表バトルに選ばれる程だ。油断しているつもりもないが………
「よし、行くぞっ!!」
手札5⇨4
リザーブ4⇨0
トラッシュ0⇨3
五町が改めてメインステップを続行し、その「相棒」と呼称するカードをBパッドに置いた。
………すると……
スリー!!
ツー!!
ワン!!
「召喚!!」
「…な、何事だ!?」
無機質な機械音の謎のカウントダウン。そして五町の召喚の合図で白い煙がスタジアム中に充満する。
突然の出来事に会場中が驚愕する。それに何が起こっているのかを理解しているのは五町と同じクラスの人間くらいなものだ。
そして煙が晴れると………
「仮面ライダーフォーゼ ベースステイツ!!」
【仮面ライダーフォーゼ ベースステイツ[2]】LV1(1)BP2000
「っ……仮面スピリットだと!?」
煙が発生した中心五町の場にはスピリットがいた。
それもただのスピリットではない。1枚1枚がデジタルスピリット以上のレアカードである仮面スピリットだ。
見た目も特徴的なものが多い仮面スピリットだが、五町の持つ仮面スピリットは白い。まるで宇宙服を模しているかのよう………
「……よぉ〜しっ!!……宇宙キターーー!!!」
「ふざけてるのか貴様………!!」
「まぁまぁ、固いことは気にしなさんなって」
相棒であるフォーゼの召喚にテンションが上がったか、五町は両手を天に上げ、そう力強く叫んだ。場のフォーゼも同様に五町と同じポーズを取った。
嵯峨根はそれに対して苛立ちを覚えている。別にふざけているわけではない。これもまた彼女のお決まりのセリフであって……
「白い仮面スピリット……」
「宇宙キタって、来てないやんけ……」
そう言葉を漏らした椎名と真夏。しかし、ツッコミどころ満載の五町とフォーゼのバトルはまだ始まったばかりだ。五町はフォーゼの効果を発揮させる。
「改めてベースステイツの召喚時効果!!…4枚オープン!!」
オープンカード↓
【ロケットモジュール】◯
【仮面ライダーメテオ】◯
【仮面ライダーなでしこ】◯
【ランチャーモジュール】◯
五町のデッキの上のカードが捲り上げられる。効果は成功、五町はその中の【ロケットモジュール】を1枚手札へと加え、残りをデッキの下へと戻した。
「まぁこんなもんか……よし、ターンエンドだ!!…あんたの番だぞ、メガネのダンナ!!」
【仮面ライダーフォーゼ ベースステイツ[2]】LV1(1)BP2000(回復)
バースト【無】
「誰がメガネのダンナだ!!…そんな仮面スピリットなんぞに臆したりはせん、俺のターン!!」
白の仮面スピリットフォーゼを呼び出し、幸先の良いスタートを切った五町はそのターンをエンドとする。次は嵯峨根のターン。
五町のフォーゼに気を取られている者も多いが、嵯峨根もまた彼女と同じように代表に選ばれてこの場に立っている事を忘れてはならない。
嵯峨根はメガネを指先で定位置に戻すと、自分のターンを開始する。
[ターン02]嵯峨根
《スタートステップ》
《コアステップ》リザーブ4⇨5
《ドローステップ》手札4⇨5
「メインステップ、ロクケラトプスとネクサス、竜の尻尾奇岩を配置!!」
手札5⇨3
リザーブ5⇨0
トラッシュ0⇨3
【ロクケラトプス〈R〉】LV2(2)BP5000
【竜の尻尾奇岩】LV1
嵯峨根が最初に呼び出したのは立派な3本の立派な頭角を持つ四足歩行の恐竜のようなスピリット、ロクケラトプス。さらに背後には竜の尾のように唸る奇妙な形をした岩。
「おっ…あのメガネは赤みたいやな!」
「……花火さんと同じタイプか」
この時点で嵯峨根が赤属性のデッキである事が伺える。しかもこのタイプは椎名が憧れている存在、一木花火と似ている。
「ターンエンドだ」
【ロクケラトプス〈R〉】LV2(2)BP5000(回復)
【竜の尻尾奇岩】LV1
バースト【無】
一旦は様子見か、嵯峨根もすぐさまそのターンをエンドとする。次はフォーゼを召喚した五町のターン。
[ターン03]五町
《スタートステップ》
《コアステップ》リザーブ0⇨1
《ドローステップ》手札5⇨6
《リフレッシュステップ》
リザーブ1⇨4
トラッシュ3⇨0
「メインステップ、ベースステイツのLVを2へ!」
リザーブ4⇨3
【仮面ライダーフォーゼ ベースステイツ[2]】(1⇨2)LV1⇨2
五町の場に存在するフォーゼにコアが新たに追加されそのLVが上昇する。そしてここからが仮面ライダーフォーゼの真骨頂だ。
五町はそう言わんばかりに手札のカードを切る。
「さらにブレイヴカード、ロケットモジュールを召喚し、フォーゼと合体!!ベースステイツの効果でコアを追加!!」
手札6⇨5
リザーブ3⇨1
トラッシュ0⇨2
【仮面ライダーフォーゼ ベースステイツ[2]+ロケットモジュール】LV2(2⇨3)BP7000
「っ……ブレイヴだと?」
フォーゼの腰にあるドライバーにオレンジ色のスイッチが配備される。フォーゼはさらにさりげなくコアブーストを行い、コアを増やす。
見た目も殆ど変わらないこの合体。しかし、その本領を見せる時は五町のアタックステップであって………
「アタックステップ!!…フォーゼ ベースステイツでアタック!!そしてロケットモジュールのスイッチオン!!」
「っ!?」
♬ロオケット、オン
フォーゼがそのスイッチのボタンを押すと、無機質な機械音のメロディと共に、右手にオレンジ色のロケットが出現。フォーゼはその噴射を利用し、空を飛翔する。
「ロケットモジュールの効果、相手はコスト6以下のスピリットでブロックできない!!」
「なに!?」
「ロクケラトプスじゃブロックは不可!!…いけ、ライダーロケットパァンチッ!!」
「……っ」
ライフ5⇨4
ロケットモジュールにより、凄まじい勢いで前方へと飛翔するフォーゼは眼前のロクケラトプスをそれで殴って吹き飛ばし、そのまま嵯峨根のライフまでもを叩く。
ロケットを装着した拳の一撃が嵯峨根のライフ1つを粉々に砕いた。
「まぁざっとこんなもんかな?…ターンエンドだ!」
【仮面ライダーフォーゼ ベースステイツ[2]+ロケットモジュール】LV2(3)BP7000
バースト【無】
「……ライフ1つでいい気になるなよ!!」
合体を使いこなすという仮面スピリットでは少し変わった特徴を持つフォーゼ。ただ、そんなものを警戒していたら自分のバトルができなくなるのを知っているのか、嵯峨根は恐れずに自分のバトルを行なっていく………
[ターン04]嵯峨根
《スタートステップ》
《コアステップ》リザーブ1⇨2
《ドローステップ》手札3⇨4
《リフレッシュステップ》
リザーブ2⇨5
トラッシュ3⇨0
「メインステップ…竜の尻尾奇岩のLVを2へアップし、2体目のロクケラトプス、さらにデジタルスピリット、ティラノモンを召喚!」
手札4⇨2
リザーブ5⇨0
トラッシュ0⇨2
【竜の尻尾奇岩】(0⇨1)LV1⇨2
【ロクケラトプス〈R〉】LV1(1)BP3000
【ティラノモン】LV1(1)BP5000
「おぉ、恐竜の型のデジタルスピリットか!」
嵯峨根側の場の地底が蠢いたかと思うと、そこから勢いよく飛び出してきたスピリットが1体。
それは赤の成熟期スピリット、ティラノモン。体色は赤く、見た目はその名の通り肉食恐竜のような見た目をしている。
ティラノモンは現れるなり大きな咆哮を力強く張り上げる。その猛々しい様を前にして、五町は怯えることなく寧ろ喜んでおり………
「ふざけてられるのも今のうちだぞ、アタックステップ!!…竜の尻尾奇岩のLV2効果で全ての地竜スピリットのBPを+3000!!」
【ロクケラトプス〈R〉】BP5000⇨8000
【ロクケラトプス〈R〉】BP3000⇨6000
【ティラノモン】BP5000⇨8000
嵯峨根がアタックステップに移行した事により、竜の尻尾奇岩の効果が適応される。3体の地竜スピリットの力が増幅し、それを主張するようにより力強い咆哮を張り上げる。
「ロクケラトプス1体、ティラノモンの2体でアタックッ!!」
嵯峨根の支持を受け、走り出すロクケラトプス1体とティラノモン。目指すは当然五町のライフ。
五町は前のターンでフォーゼがアタックしたため、ブロッカーが場には存在せず………
「私で受ける!!……っ」
ライフ5⇨4⇨3
ティラノモンの鋭い爪の一撃が、ロクケラトプスの頭角の突き刺さる体当たりが五町のライフをそれぞれ1つずつ破壊する。
「やるな〜〜!!…ほら、もっと来いよ!!」
「っ………エンドだ」
【ロクケラトプス〈R〉】LV2(2)BP5000(回復)
【ロクケラトプス〈R〉】LV1(1)BP3000(疲労)
【ティラノモン】LV1(1)BP5000(疲労)
【竜の尻尾奇岩】LV2(1)
バースト【無】
余りにも好戦的な態度を見せる五町に一瞬だけ呑まれる嵯峨根。その事もあったかここでターンを切ってしまう。ただ、ブロッカーを残しておきたい状況ではあるため、最善の手ではあった。
「あら来ないのか?じゃあ今度はこっちの番だな……!」
バトルを楽しげな表情で行う五町の次なるターンが幕を開ける。
[ターン05]五町
《スタートステップ》
《コアステップ》リザーブ3⇨4
《ドローステップ》手札5⇨6
《リフレッシュステップ》
リザーブ4⇨6
トラッシュ2⇨0
【仮面ライダーフォーゼ ベースステイツ[2]+ロケットモジュール】(疲労⇨回復)
「メインステップ!!…今度はこれだ!!…ドリルモジュールを召喚し、フォーゼに合体!!フォーゼの効果でコアブーストッ!!」
手札6⇨5
リザーブ6⇨4
トラッシュ0⇨2
【仮面ライダーフォーゼ ベースステイツ[2]+ロケットモジュール+ドリルモジュール】LV2(3⇨4)BP10000
「ダブル合体だと!?」
フォーゼの腰にあるドライバーに新たなスイッチが配備される。これもまたフォーゼの装備の1つであって……
だが、嵯峨根が驚いた事はそんな事ではない。
通常、ブレイヴとはスピリット1体につき1つまで合体できる。このフォーゼはこの基本ルールを無視して2つのブレイヴと合体している。嵯峨根はそこに驚いていて……
「へへぇ!…フォーゼの武器、モジュールは同型のブレイヴなら4つまで合体できる!!」
「っ……なんだその貴様に似つかわしくない効果は……!!」
「お前が何言ったって構わないさ、私とフォーゼは一心同体なんだから!!……アタックステップ、フォーゼでアタック!!」
五町は今一度アタックステップへと移行し、2つのスイッチを持つフォーゼ ベースステイツでアタックを仕掛ける。
フォーゼはドライバーに装備したスイッチを押し、捻る。
…すると…
♬ロオケット、ドリルオン!
また無機質な機械音のメロディがそこから響くと、右腕のロケットに加え、今度は左足の先に黄色いドリルが装着される。
「ロケットとドリルは2つ揃ってより強力な力となる!!…ロケットはドリルがある時、アタック時にブロックされなくなり、ドリルは手札バウンスをデッキ下バウンスに変更する!!」
「っ……!!」
「私はこの効果でティラノモンをデッキ下に送る!!」
2つ以上の組み合わせでより強力なスピリットへと成長していくフォーゼ。ロケットはコスト制限が取り払われ、ドリルはデッキ下バウンスになる。
フォーゼはロケットで上空に飛び上がり、嵯峨根の場のティラノモンに狙いを定めると、そのままロケットを傾け、足先のドリルを回転させながら急降下する。
「ライダーロケットドリルキィックッ!!」
気合いと共に技名を叫ぶ五町。フォーゼはそのままティラノモンをドリルキックで貫き、ティラノモンをデジタル粒子に変換させ………
るかと思われたが………
「あれ?」
気が抜けた声が漏れる五町。
それもそのはず、何せ、ティラノモンはドリルには貫かれず、フォーゼをそのまま巨大な腕ではたき落したのだから。
「馬鹿め、俺のネクサス、竜の尻尾奇岩の効果により、地竜スピリットはバウンスされない!!」
「…んだよそれぇ!!ずるっ!!」
「貴様の勉強不足のせいだろ!!」
その理由は嵯峨根の配置したネクサスカードにあった。竜の尻尾奇岩は白属性の十八番であるバウンス効果の耐性を地竜スピリット全域にばら撒く効果を備えている。
LV1のティラノモンがドリルでデッキ下に戻らなかったのもそのためだ。
「まぁいいや、アタックが終わったわけじゃない、どちらにせよブロックはできない!!」
「たかが1点……ライフで受ける」
ライフ4⇨3
叩きつけられて地面にめり込んだフォーゼ。腰の状態を確認しながらゆっくりと起き上がり、気合いを入れてまたロケットで飛び上がり、ドリルキックで嵯峨根のライフを1つ砕いた。
「ん、じゃあターンエンドだ!」
【仮面ライダーフォーゼ ベースステイツ[2]+ロケットモジュール+ドリルモジュール】LV2(4)BP10000(疲労)
バースト【無】
致し方なくそのターンを終える五町。ティラノモンを除去出来ず、結局ライフしか破壊できないターンになってしまった。
だが、それ以上に厄介なのは次のターン、嵯峨根のフルアタックで五町の残り3つのライフが尽きてしまう事であって…………
「フンッ……馬鹿が、他のスピリットを1体も召喚しないとは、それとも事故か?」
「おいおい、そういう事言うと負けフラグが立っちゃうぞ〜〜!!」
「……減らず口を……もうこのバトルは俺の勝ちだ!!」
勝ちを確信した嵯峨根は自分のターンシークエンスを勢いよく始めて行く。
[ターン06]嵯峨根
《スタートステップ》
《コアステップ》リザーブ1⇨2
《ドローステップ》手札2⇨3
《リフレッシュステップ》
リザーブ2⇨4
トラッシュ2⇨0
【ロクケラトプス〈R〉】(疲労⇨回復)
【ティラノモン】(疲労⇨回復)
「メインステップ、俺は2体目のティラノモンをLV2で召喚しよう!!」
手札3⇨2
リザーブ4⇨0
トラッシュ0⇨2
【ロクケラトプス〈R〉】(2⇨1)LV2⇨1
【ティラノモン】LV2(3)BP7000
「っ…2体目か!!」
追い討ちをかけるように2体目となるティラノモンを呼び出す嵯峨根。これで数の差は圧倒的なものとなる。
「アタックステップッ!!竜の尻尾奇岩の効果を起動し、計4体のスピリット全てのBPを3000アップ!!」
【ロクケラトプス〈R〉】BP3000⇨6000
【ロクケラトプス〈R〉】BP3000⇨6000
【ティラノモン】BP5000⇨8000
【ティラノモン】BP7000⇨10000
数も増え、BPも上昇し、着実と力をつけて行く恐竜軍団。
準備は万端。嵯峨根は五町にとどめを刺すべくついにアタックを本格的に仕掛ける。
「行け、LV2のティラノモンでアタック!!」
力強い二本の脚で駆け出すティラノモン。目指すは当然五町のライフ。竜の尻尾奇岩のバウンス耐性を与える効果はタイミングを選ばない。
故に五町が白特有のバウンス効果を持つカードを持っていたとしてもそれは通用せずに終わる。そしてこの数の差。
………五町の負けか……
……会場中の殆どの人物がそう思われた中、五町は手札のカードを1枚抜き取り、発揮させる。
……これもまた白特有のカードであって………
「甘いぞメガネ!!…フラッシュマジック、アルテミックシールド!!」
手札5⇨4
リザーブ4⇨1
トラッシュ2⇨5
「っ!?」
「このカードの効果により、このバトル終了後、アタックステップが終わる!!」
「な、なんだと!?」
「そのアタックは私に来い!!………っ」
ライフ3⇨2
五町の元へと接近してきたティラノモンの爪の一撃がまたもや彼女のライフを1つ引き裂いた。
衝撃の勢いで僅かばかりに仰け反る五町。だが、これで条件は満たした。発揮させていたアルテミックシールドの効果が起動する。
「アルテミックシールドの効果でアタックステップが終了!!」
「くっ………!!」
ティラノモンのアタック終了後と共に吹き荒れる猛吹雪。これは嵯峨根がターンのエンドを宣言するまでは収まることはない。
彼は五町に是が非でもターンエンドを迫られていて………
「……小癪な、ターンエンドだ………」
【ロクケラトプス〈R〉】LV1(1)BP3000(回復)
【ロクケラトプス〈R〉】LV1(1)BP3000(回復)
【ティラノモン】LV1(1)BP5000(回復)
【ティラノモン】LV2(3)BP7000(疲労)
【竜の尻尾奇岩】LV2(1)
バースト【無】
致し方なくそのターンをエンドとする嵯峨根。それと共に五町の放ったアルテミックシールドによる猛吹雪が晴れ上がる。
次は嵯峨根のアタックを凌いだ五町のターン。
だが………
「だが、貴様の場のスピリットはブロックされないとは言え1体、シンボルも1つ!!……更なるスピリットを呼ぼうと、それらにもブロックされないと言う効果がないのなら恐竜軍団が俺のライフを守る!!」
「ん〜〜まぁ確かにな」
自分のこれだと思う意見を豪語する嵯峨根に対し、五町は楽観的な表情を見せる。
彼女とてこのままでは勝てないことは理解はしている。だが、五町のデッキにはある。このライフレースを覆す驚異的な【最強のフォーゼ】が…………
「なぁメガネ、今は強くても、頭の中が凝り固まってると、この先勝てないと思うぞ」
「っ……なんだと!?…この無礼者、俺はエリートだぞ、ジュニア時代で俺が幾多の賞を勝ち取ったと………」
「関係ない……」
「っ!?」
「関係ないねそんなもん………姐さん、私の尊敬する椎名先輩は、初めはなんの知名度もありはしなかったのに自分の実力だけで高みに登ってきた………あんたみたいに初めから自分の事をエリートなんて豪語してる奴が上に行けるとは私には思えないね」
「っ………戯言を……」
「戯言かどうかは私のターンを見てから言うんだな!!…行くぞメガネ!!」
五町はこれまでにはない、少しだけ真剣な表情で嵯峨根に言った。
今の椎名はこれを聞いてどう思っただろうか。五町は椎名を客観的に見て考えたのだろうが、実際の椎名は1人で強くなったわけではない。仲間がいたからこそ強くなれたのだ。
そう考えると、五町の言葉は全部が全部正しいわけでもない…………
だが、彼女はそれでも自分の中にある憧れの椎名を信じ、満面の笑みを浮かべながら自分のターンを進行させていく。
[ターン07]五町
《スタートステップ》
《コアステップ》リザーブ2⇨3
「ドローステップ!!………っ!!……よっしゃぁ、いいのきたきた!!」
手札4⇨5
(くっ……なんだ、何を引いた!?)
ポーカフェイスなどあったものではない。五町はドローカードを見て大きく口角を上げた。これでは嵯峨根に良いカードをドローしたのがバレバレである。
しかしながら、嵯峨根も嵯峨根で未知数の仮面スピリット、フォーゼのカードがわからないため、察しても何が来るのかまでは予想できずにいた………
《リフレッシュステップ》
リザーブ3⇨8
トラッシュ5⇨0
【仮面ライダーフォーゼ ベースステイツ[2]+ロケットモジュール+ドリルモジュール】(疲労⇨回復)
「メインステップ!!………………は、もういいや!!アタックステップ!!」
「なにっ!?…スピリットを召喚しないだと!?」
「あいつ、何考えとるんや?」
「……………」
メインステップを素通りし、そのままアタックステップを行う五町。この状況と言えばこのままフォーゼが単身で殴る事くらいだが…………
椎名もこのバトルで五町がどう言うバトラーなのかを見極めようとしているのか、より集中した表情でバトル場を眺める。
「フォーゼでアタック!!……この時、ロケットの効果で相手はブロックできない!!」
「既に理解している!!……だが、それだけでは足りん!!」
そうだ。いくらロケットモジュールの効果でフォーゼのアタックはブロックされないとは言え、そのシンボルの数は1つ。どう足掻こうとも嵯峨根の残り3つのライフを全て破壊するとこはできない。
ここで決められないと、今度こそ嵯峨根の恐竜軍団が五町にとどめを刺す事だろう。
………しかし、
ここで五町がこのターンでドローした奇跡の1枚が光り輝く。そしてそれはまさしく【最強のフォーゼ】………
「足りんだって?……なら足すまでだ、このカードで!!……フラッシュ【煌臨】発揮!!対象はフォーゼ ベースステイツ!!」
リザーブ8s⇨7
トラッシュ0⇨1s
「煌臨だと!?」
「あぁ、これでこのフォーゼは究極の姿になる!!」
フォーゼの腰にあるドライバーに、まるで自爆スイッチのような形をしたスイッチが配備される。フォーゼはそれを開き、押した…………
♬コーズーミ〜〜ックオン!
また無機質な機械音のメロディが流れたかと思うと、フォーゼに合計40ものスイッチが吸い込まれるように集結していき、様々な色の光に包まれ、僅かながらにフォルムを変えていく……さらにその右手には新たに巨大な剣が出現する。フォーゼは光を解き放ち、新たな姿を見せると同時にその剣を力強く握り締めた。
「私はバトスピを掴む!!……来い、仮面ライダーフォーゼ コズミックステイツ!!」
手札5⇨4
【仮面ライダーフォーゼ コズミックステイツ+ロケットモジュール+ドリルモジュール】LV2(4)BP18000
「っ………なんだ、なんだその姿は……!?」
これが私のエースにして切札、フォーゼ コズミックステイツさ!!」
宇宙の力をその身に宿した事で、体が水色に変色したフォーゼ。名をコズミックステイツ。これは五町の持つカード中で最強のカードであり、フォーゼ最強の姿でもある。
その凄みのある存在を前に、嵯峨根は一瞬たじろぐ、しかし、一度冷静に考えてみると、自分の有利は未だに変わらないのであって………
「だが、その程度では俺のライフはゼロにできない!!」
「それはどうかな?……煌臨時効果、このバトルの間、コズミックステイツは相手のスピリットとネクサスの効果を受けない!!」
自分が勝てるという意見を曲げない嵯峨根。そんな中、五町はコズミックステイツの効果を発揮させる。強力な効果耐性を与える。
しかし、大事なのはそこではない。五町はさらにコズミックステイツのもう1つの効果を起動させる…………
「フォーゼ コズミックステイツはアタック時、合体しているモジュール1つにつき白のシンボルを1つ追加する!!」
「なにっ!?」
「今、フォーゼ コズミックステイツが合体しているモジュールはロケットとドリルの2つ!!………よってそのシンボル数は3!!」
コズミックステイツは胸部にある1と2のナンバープレートをタッチすると、そここら力が溢れ出ているのか、コズミックステイツは新たな力を得る。
シンボルの合計は3。嵯峨根のライフは残り3つでしかもロケットの効果でブロックもできない………
終わりだ。
コズミックステイツがシャトルのような形をした巨大な剣のレバーを引くと、その剣はゆっくりと二等分に割れ、中から刀身のある真なる剣が出現する。
その真なる剣には膨大な宇宙のエナジーが蓄積され、青く変色していき………
「そ、そんなバカな………」
「終わりだぁ!!……ライダー超銀河フィニィィッシュッ!!」
五町がコズミックステイツの技名を叫ぶ。コズミックステイツは横一線に飛ぶ斬撃を放つ。その宇宙のエナジーが凝縮された一閃は、空を切り、ロクケラトプスとティラノモン達を吹き飛ばし………
そして………
「う、うぁぁぁぁっ!!!」
ライフ3⇨0
嵯峨根のライフまで届き、残っていたライフ3つを一気に両断した。
これにより、彼のライフはゼロ。勝者は未知なる仮面スピリット、フォーゼを操る岬五町。凄まじい逆転劇に、会場中にいる殆どの1年生が感銘を受け、拍手喝采を彼女に浴びせる。
「ま、負けた………だと?…エリートであるこの俺が………こんな不真面目な奴に………」
「ヘヘッ……出直してきな、でもって次はもっと楽しいバトルをしようじゃないか!!」
「くっ………!!」
自分よりも弱いと思っていた五町に負けたからか、嵯峨根はショックを隠せない。だが、敗者に言葉はないか、言い返せる言葉もなく、彼はそのまま去っていった…………
「どうっスか姐さん!!…私のバトルスピリッツは〜〜!!ねぇ凄かったっしょ!?ねぇ!?…………あれ?」
バトルも終わり、役目を終えたフォーゼ コズミックステイツもゆっくりと消滅した直後、五町はころっと態度を変えて、勢いよく椎名のいる観客席へと振り向いた。
しかし、そこに椎名の姿はなく、いたのは真夏だけであり……………
「あ、あぁすまんな五町……椎名ならあのコズミックなんたらが出た時くらいに帰りよったで」
「っ!?」
苦笑いでそう五町に答える真夏。コズミックステイツの煌臨直後、五町の勝ちを確信した椎名はそのまま真夏だけに帰ると告げてスタジアムをこっそり去っていったのだ。
「うっそ〜〜!!せっかく頑張ったのに!!……まだそんなに遠くは言ってないはず………地の果てまで追いかけますよ姐さん〜〜!!」
Bパッドを勢いよくたたみ、懐に仕舞ったかと思うと、すぐさま椎名を追ってスタジアムを竜巻の如く走り去っていく五町。
真夏はそんな五町をまた苦笑いで見送った…………
「はっは〜〜やっぱあいつおもろいわ〜〜………椎名は生涯ずっとあんなのに絡まれるんやろなぁ」
真夏は椎名の変な人間にしょっちゅう絡まれる不思議な体質を不憫に思いながらも、楽しげな表情を見せた。
しかし、その表情には椎名に心配はいらないと言う表れでもある。真夏はなんとなくだが、あの【椎名二号】とも呼べる五町が明るい椎名を取り戻してくれるのではないか?………そう思っていた。
何はともあれ、バトスピ学園 ジークフリード校1年、岬五町のバトスピ物語はまだ始まったばかりである。
〈本日のハイライトカード!!〉
五町「本日のハイライトカードは【仮面ライダーフォーゼ ベースステイツ】!!」
五町「私の相棒ベースステイツは、モジュールのブレイヴカードが召喚されるたびにコアを増やすという序盤では嬉しい効果を発揮させまスよ〜〜!!……序盤でコアを貯めて、最後はコズミックステイツで超銀河フィニッシュッ!!」
******
〈次回予告!!〉
一日中椎名を追いかけ回す五町。放課後までは相手できないと逃げ回る椎名。そんな最中、五町はある人物と遭遇する。それは他でもない、あのエニー・アゼムのカード、鎧武を使う彼女の子孫、バーク・アゼムだった………次回、バトルスピリッツ オーバーエヴォリューションズ「フォーゼ&鎧武」……今、バトスピは進化を超える!!
******
※次回サブタイトルは変更の可能性があります
最後までお読みくださりありがとうございました!!
岬五町の名前の由来はフォーゼが4つのスイッチで変身するという設定に、さらにプレイヤーを足して5だからという理由です。
こんな感じでゆったりと日常回をやっていきたいと思っております。これが終わればついに最終章です。