バトルスピリッツ オーバーエヴォリューションズ   作:バナナ 

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第106話「奇跡の邂逅、芽座椎名VS一木花火!」

 

 

 

 

 

 

 

 

『冬休み』………

 

夏と比べ、比較的短い休暇だが、クリスマスや正月等、忙しいイベントが盛りだくさんのこの時期は、多くの学生達が楽しみにしている。

 

この芽座椎名も例外ではないが、彼女にとってはぐうたらでだらしない生活を送れるという理由である。椎名は一人暮らしの自分の家の中、部屋のベッドの上にだらだらと寝転がっていた。

 

この冬休みが明けたらすぐさま全てを懸けた界放リーグが開幕するというにもかかわらずにだ。

 

その異常な落ち着きようは経験によるものなのか、はたまた単に頭がおかしいのかは定かではない…………

 

 

(そんなにのんびりとしていていいのかい椎名?…もうすぐ大きな催しが始まるんだろう?)

「何だよリーパー、知ってたのか」

(ふふ、私は君と一心同体だからね〜〜君が見たものは全部記憶しているんだよ……君の姉兼妹をなめてもらっては困る)

「はいはい」

 

 

そんな椎名の心に直接語りかけてきた人物がいた。

 

その正体は【デ・リーパー】……椎名と瓜二つの容姿を持つエニーズ2号だ。

 

約一年前、Dr.Aが巻き起こしたA事変において街を襲い、破壊した張本人。しかし、実際は生まれたて故の無知な面をDr.Aに利用されていて、自分には居場所がないという余裕の無さからの起こした行動であった。

 

椎名とのバトルで落ち着きを取り戻し、完全に和解。以降彼女らは一体となった。

 

椎名が鬼化せず、その力が凝縮させた進化の目を覚醒させる事ができたのはこのリーパーが体の中にいるためである。

 

椎名とリーパーは今や一心同体。姉妹も同然の仲となっていた。

 

 

「デッキはこの間司と調整した分で十分だよ」

(ふふ、そうか………しかし、あのエニー・アゼムには気をつけるんだよ?……奴はまだ何かを隠している)

「あぁ、わかってる……大丈夫だよ」

 

 

赤羽茜の身体を乗っ取った2000年前の偉人、エニー・アゼム。彼女は必ずまだ何かを隠している………と、言うよりかは嘘を付いている……と言った方が適切かもしれない。

 

椎名とリーパーはどうにも彼女の言っている事が信用できないでいた。それは彼女と最初に出会った時に、彼女から感じた【悪意の塊】が原因であって………

 

 

(まぁ、君の事だから特に心配はしていないけどね………)

 

 

リーパーが椎名に対して安堵したようにそう言った時だ。椎名のBパッドが震え、着信音が鳴り響いた。椎名は机に置いていたBパッドを手に取り、それに応答する。

 

 

「はい」

〈姐さん聞いてください!!〉

「………なんだ五町か」

〈ローテンション!!〉

 

 

その相手は五町だった。活発な明るい声が椎名の耳を通過していく。

 

 

「で、なんだよ?」

〈そうそう、聞いてください!!今日界放リーグの予選があったんスけどね?〉

「うん」

〈なんとなんと!!私そこで優勝してジークフリード校の代表の1人になっちゃいました〜〜!〉

「!?」

 

 

目を見開き、少しだけ驚いた表情を見せる椎名。

 

それもそのはずだ。今回の界放リーグ。ジークフリード校からは椎名と司が代表として出る予定だったが、ジークフリードは強いバトラーが多いため、出来るだけ強いバトラーを参加させようと、司は自分の判断で急遽タイタス校の代表として参加することになったのだ。

 

つまり、結果的にジークフリード校の枠が1つ余った事になっていたのだが、なんとそこにあの岬五町が入ってきたのだ。

 

 

〈これで姐さんと一緒に界放リーグに出れるっス〜〜マジ感動!!〉

「はいはい」

〈適当!!…まぁいいスよ、お互い界放市の最強バトラー目指して頑張しましょう!!〉

 

 

憧れの芽座椎名と同じ舞台に立つ事が出来るのだ。五町としてはこの上ない幸せであろう。

 

しかし、彼女はエニー・アゼムやバーク・アゼムがこの世界を壊そうとしている事を含め、殆どの事情を知らない。戦いに五町を巻き込んでしまった事になる。

 

だが………

 

 

「………あぁ、一緒に頑張ろうな」

〈ハイっス!!姐さんと当たっても手加減しませんよ!!〉

「はは、当然だ……あんたに手加減されちゃ、かっこつかないしな」

 

 

五町に全ての事情を話すわけにはいかない。況してや『危険だ、参加はするな』とも言えない。それは結果として事情を話すことになるからだ。

 

今椎名が五町にできることは五町が危険な相手とバトルしない事を祈る事と五町のバトルの実力を信じる事だけであって…………

 

 

〈んじゃ、楽しみにしてまスよ、姐さん!!〉

「あぁ」

 

 

そう言って、五町は椎名との通話を切った。彼女の活発な声が無くなった事で、椎名の部屋は再び静まりかえる。

 

 

(よかったのかい椎名?…妹分なのだろう?)

「大丈夫さ、私も一緒にいれば守ってやれるし………それに」

(それに?)

「五町は強い。きっと自分の力で危機を乗り越えてくれるさ」

 

 

心の中でリーパーが口を開く。椎名は知らずのうちに五町を認めていた。最初はめんどくさかったが、今では本当に大事な妹分だとも思っている。

 

 

(ふふ、そうか、なんか妬けるな)

「怪しい発言はやめてくれ…………ん?…メールが来てる………」

 

 

椎名がふとBパッドを見ると、一通のメールが来ていた。その相手は空野晴太だ。

 

『お前に会わせたい人がいる』

 

と書かれており、続けざまに場所が指定されていた。おそらくここに来い。と言う事なのだろう。

 

 

「なんだよこんな寒い時期に……ていうか、私に会わせたい人って誰だよ」

 

 

それにしても、『自分に会わせたい人』とだけ言われても検討がつかない……

 

椎名は少しめんどくさかったが、致し方ないか、服装を整え、その指定された場所へと向かう事にした。

 

 

******

 

 

ジークフリード校にある第3スタジアム。いくつもの激戦が繰り広げられて来たこのスタジアムが晴太が椎名に指定して来た場所、椎名は今このスタジアムの扉の目の前にいる。

 

椎名は鉄でできたその扉を両手で開け、中へと入る。そしてすぐさま、自分に背を向け、バトル場に立っていた晴太と思わしき人物に声をかける……

 

が………

 

 

「おぉ〜〜い、先生〜〜!!……来てやったよ〜〜…………?」

「………晴太の奴は来ねえよ」

「あ、あなたは!?」

 

 

衝撃を受け、思わず口を閉じる椎名。それもそのはず、その場に立っていた男性は晴太ではなく………

 

予想だにしていなかった人物………

 

 

「い、一木花火さん!?」

「はじめまして………ではないよな?…芽座椎名ちゃん」

 

 

明るい茶髪の髪の毛、首にかけられた椎名のものより大きなゴーグル。確かな力強さを感じさせる雰囲気と物言い………彼は椎名がずっと憧れていた存在である、プロのカードバトラー、一木花火その人だった。

 

 

「な、なんであなたが………」

「え?いやなんか、晴太が君との約束を守るためだからってどうたら言ってたから来てやっただけだけど………」

「約束………あ」

 

 

椎名は思い出した。2年以上前に確かに晴太は椎名に約束していた。『俺に勝てば一木花火に会わせてやる』と………そして先月、自分はそれを達成し、彼はその約束を守った。

 

その結果がこの状況だ。遂に椎名と花火は奇跡の邂逅を果たしたのだった。

 

 

「その角みたいな髪型………やっぱ君はあの時の『しいちゃん』なんだろ?……そのゴーグルも俺のだしな」

「お、覚えててくれたんですか!?」

「あぁもちろんさ!!」

 

 

花火はなんと12年前に当時6歳の椎名と出会っていたことを覚えていた。椎名にとってこれほどの喜びはないだろう。

 

 

「あ……あの……」

「ん?」

「こ、このゴーグル……」

 

 

椎名は首にかけていたゴーグルをぎこちない様子で取り、花火に差し出した。彼女は決めていた。次に会うときに絶対にこのゴーグルを返そうと………

 

だがその様子を察した花火は………

 

 

「いいよいいよ、返さなくて、元々あげるつもりだったし」

「え?…いや、でも………」

「いいっていいって!」

 

 

親指を上に立てながらそう明るく言う花火に、椎名は戸惑いながらもそのゴーグルを自分の首にかけ直した。

 

 

「そう緊張すんなって、俺がなんで晴太に呼び出されてここに来たかわかるか?」

「なんでって…………………ハッ…まさか私とバトルするために!?」

「察しが良いな、御名答だ!!」

 

 

いつもはクールな椎名も流石に憧れの一木花火との会話では緊張している様子である。

 

だが、花火にとっては今から自分とバトルする椎名に緊張してもらっては困る。花火は晴太を超えるくらい強くなった椎名に興味が湧き、今ここにいるのだ。

 

 

「俺とのバトルスピリッツ……受けてくれるよな?」

「……は、ハイ!!よろしくお願いします!!」

「いや、だから固くならなくていいって……天然?」

 

 

珍しく……いや、久し振りと言うべきか、真っ直ぐな姿勢で礼儀正しくお辞儀する椎名。花火をどれだけ強く尊敬していたのかが理解できる。

 

2人は颯爽とこのスタジアムのバトル場に立ち、自身のBパッドを展開し、デッキをセットした。

 

 

「さぁ!君の実力を俺に余すことなく見せてくれ!!」

(この人は私が知る中じゃ一番強くてかっこいいカードバトラーだ………まさか、ほんとにバトルできる日が来るなんてね……)

 

 

憧れていた人物とのバトル。こんなに嬉しいことはない。椎名は心の底からワクワクしていた。

 

そして、遂に始まる。2人の英雄のバトルが………

 

 

「「ゲートオープン、界放!!」」

 

 

コールと共に世紀の一戦とも呼べるバトルスピリッツが幕を開ける。先行は花火だ。

 

 

[ターン01]花火

《スタートステップ》

《ドローステップ》手札4⇨5

 

 

「メインステップ、俺はネクサス、勇気の紋章を配置!!」

手札5⇨4

リザーブ4⇨0

トラッシュ0⇨4

【勇気の紋章】LV1

 

「っ!!」

 

 

花火の背後に太陽を模した紋章が浮かび上がってくる。これは彼の操るグレイモンデッキには必須級のカード。

 

 

「俺はこれでターンエンドだ!…次は君の番だ、見せてみろよ、君のバトルスピリッツを!!」

【勇気の紋章】LV1

 

バースト【無】

 

 

「はい!!…行きますよ花火さん!!」

 

 

そのターンをエンドとする花火。次は椎名のターンだ。勢いよくそれを進行する。

 

 

[ターン02]椎名

《スタートステップ》

《コアステップ》リザーブ4⇨5

《ドローステップ》手札4⇨5

 

 

「メインステップ(……勇気の紋章、花火さんのライフが減るたびに私のBP5000以下のスピリットを破壊する効果を持つ……でも今私の手札には、これがある!!)

 

 

椎名は勇気の紋章の効果を思い出しながら、有効となる一手を見出した。早速手札のカードを1枚引き抜いて………

 

 

「私はブイモンを召喚!!効果を発揮!」

手札5⇨4

リザーブ5⇨1

トラッシュ0⇨3

【ブイモン】LV1(1)BP2000

オープンカード↓

【フレイドラモン】◯

【デジヴァイス】×

 

「なるほど、それが君のデッキの成長期スピリットか」

 

 

小さな青い竜の成長期スピリット、ブイモンが椎名の場に呼び出される。その効果も成功し、椎名は【フレイドラモン】のカードを手札に加える。

 

そしてたった今加えた手札のそれを花火に見せつけるように翳し、効果発揮の宣言を行う。

 

 

「フレイドラモンの【アーマー進化】発揮!!対象はブイモン!!」

手札4⇨5

リザーブ1⇨0

トラッシュ3⇨4

 

「!!」

 

 

ブイモンの頭上に赤いデジメンタルが投下される。ブイモンはそこに向かって飛び立ち、それと衝突して混ざり合い、新たな姿へと進化を遂げる。

 

 

「燃え上がる勇気、フレイドラモンッッ!!」

【フレイドラモン】LV1(1)BP6000

 

 

現れたのは炎燃ゆる竜人型のアーマー体スピリット、フレイドラモン。椎名のマイフェイバリットカードだ。

 

 

「アーマー体スピリット……成る程、勇気の紋章の上限を超えてきたか……」

「その通りです!!…アタックステップ、フレイドラモン……いけぇ!」

 

 

フレイドラモンのBPは6000。勇気の紋章の破壊効果の上限を超えている。

 

椎名の指示により、フレイドラモンが炎の弾丸を拳から発射する。花火は当然ながらこれを守る手段は無くて………

 

 

「ライフで受ける!」

ライフ5⇨4

 

 

花火のライフ1つがそれと衝突し、粉々に砕け散った。

 

 

「よし、ターンエンドだ!」

【フレイドラモン】LV1(1)BP6000(疲労)

 

バースト【無】

 

 

笑顔を見せ、そのターンをエンドとする椎名。次は花火のターン。彼はゆっくりとターンを進めていき………

 

 

[ターン03]花火

《スタートステップ》

《コアステップ》リザーブ1⇨2

《ドローステップ》手札4⇨5

《リフレッシュステップ》

リザーブ2⇨6

トラッシュ4⇨0

 

 

「メインステップ、行くぞ椎名ちゃん!」

「っ!!」

 

 

手札を構える花火。それを見るなり身構える椎名。

 

花火は手札からあのスピリットを召喚する。

 

 

「俺はアグモンをLV2で召喚!」

手札5⇨4

リザーブ6⇨2

トラッシュ0⇨1

【アグモン[2]】LV2(3)BP5000

 

 

体の黄色い恐竜を限りなくデフォルメしたような赤属性の成長期スピリット、アグモン。花火のデッキの核となる重要なスピリットだ。

 

 

「これが花火さんのアグモン……!!」

 

 

椎名はこの3年間の間で何度かこのアグモン自体は視認してきているが、あの一木花火が召喚したアグモンだと、やはりわけが違うか、感動の声を上げた。

 

 

「さらにネクサス、友情の紋章を配置!!」

手札4⇨3

リザーブ2⇨0

トラッシュ1⇨3

【友情の紋章】LV1

 

「……またネクサスが」

 

 

花火は続けざまに背後に勇気の紋章と並ぶ友情の紋章を配置。太陽の横に紫色の文様が浮かび上がってきた。

 

 

「でもって、俺も攻めるか………アタックステップ、アグモンの【進化:赤】を発揮!!」

「!!」

 

「成熟期スピリット、グレイモンに進化!!」

【グレイモン】LV2(3)BP5000

 

 

アグモンがデジタルコードに包まれて行き、その中で姿形を大きく変化させる。やがてそれを解き放ち、新たに姿を見せたのは、三本の立派な頭角を持つ成熟期スピリット、グレイモン。

 

 

「おぉ!進化した!!」

「喜んでる場合じゃないぞ!!俺はさらにグレイモンでアタック!!【超進化:赤】を発揮!!」

「!!」

 

「グレイモンを完全体、メタルグレイモンへと進化ッッ!!」

【メタルグレイモン】LV2(3)BP9000

 

 

グレイモンがさらにデジタルコードに包まれていき、その身体をより巨躯たるものに、そしてサイボーグ化させていく。

 

やがてそれを弾け飛ばし、中から現れたのは完全体のグレイモン、メタルグレイモン。椎名とフレイドラモンに対して威嚇するように咆哮を張り上げた。

 

 

「す、すごい、これが花火さんの進化コンボ!!」

「だから、喜んでる場合じゃないぞ……メタルグレイモンの召喚時効果、BP12000以下のスピリット1体を破壊する!!」

「!!」

「フレイドラモンを破壊だ!!……ギガデストロイヤーッッ!!」

「フレイドラモンッ!?」

 

 

メタルグレイモンは登場するなり胸部のハッチを開き、そこから巨大なミサイルを発射する。それは真っ直ぐに椎名のフレイドラモンへと向かって行き、やがて被弾。フレイドラモンは堪らず爆発四散した。

 

 

「……………へへ、浮かれ過ぎたかな?」

 

 

笑みを浮かべながらそう言う椎名。生で花火の進化コンボを堪能できた喜びと、今それと真正面でバトルしている喜びが確かにこの逆境を楽しむスパイスになっていて………

 

 

「メタルグレイモンでアタック!!…友情の紋章の効果でアタックステップ中、完全体以下のデジタルスピリットはBP3000アップ!!」

【メタルグレイモン】BP9000⇨12000

 

 

そんな椎名に対しても容赦なく攻撃を仕掛けてくる花火。友情の紋章は自分のアタックステップ中、成長期から完全体のスピリットのBPを上昇させる力がある。

 

 

「ライフで受ける!!」

ライフ5⇨4

 

 

メタルグレイモンのサイボーグ化した左半身の強靭なアームによる一撃が椎名のライフを襲う。それは1つ切り裂かれた。

 

 

「俺はこれでターンエンドだ」

【メタルグレイモン】LV2(3)BP9000(疲労)

 

【勇気の紋章】LV1

【友情の紋章】LV1

 

バースト【無】

 

 

そのターンを終える花火。流石と言ったところか、たったの1ターンで椎名との立場を逆転させてしまった。

 

そして次は椎名のターンだ。この逆境にどう挑むか……

 

 

[ターン04]椎名

《スタートステップ》

《コアステップ》リザーブ2⇨3

《ドローステップ》手札5⇨6

《リフレッシュステップ》

リザーブ3⇨7

トラッシュ4⇨0

 

 

「メインステップ!!私もネクサスカード、ディーアーク、デジヴァイス、D-3の3枚を連続配置!!」

手札6⇨3

リザーブ7⇨1

トラッシュ0⇨6

 

 

椎名の腰に3つの小さな機械が取り付けられる。それはデジタルスピリットを全力でサポートするネクサスカードだ。場を瓦解させられた今、これらで新たな足場を作ることを優先したのだろう。

 

 

「さらにバーストを伏せ、ターンエンド!」

手札3⇨2

 

【ディーアーク】LV1

【デジヴァイス】LV1

【D-3】LV1

 

バースト【有】

 

 

さらにバーストまでセットしてそのターンをエンドとした。次は今一度花火のターンだ。

 

 

[ターン05]花火

《スタートステップ》

《コアステップ》リザーブ0⇨1

《ドローステップ》手札3⇨4

《リフレッシュステップ》

リザーブ1⇨4

トラッシュ3⇨0

【メタルグレイモン】(疲労⇨回復)

 

 

「メインステップ、俺は勇気の紋章と友情の紋章をLV2へアップ!」

リザーブ4⇨2

【勇気の紋章】(0⇨1)LV1⇨2

【友情の紋章】(0⇨1)LV1⇨2

 

 

勇気の紋章と友情の紋章がそれぞれ赤と紫に光り輝く。それにより新たなる効果を得た。

 

 

「さらに俺は成長期スピリット、バクモンをLV1で召喚!」

手札4⇨3

リザーブ2⇨0

トラッシュ0⇨1

【バクモン】LV1(1)BP2000

 

 

花火はさらにメタルグレイモンの横にバクのような見た目の成長期スピリット、バクモンを召喚する。その効果は成長期スピリットらしくサーチ効果だ。

 

 

「効果により2枚オープン、その中の完全体、究極体のスピリット1枚を手札に!!」

オープンカード↓

【ダイナパワー】×

【ウォーグレイモン】◯

 

 

効果は成功。花火は究極体スピリットであるウォーグレイモンのカードを手札へと加え、残りはトラッシュへと破棄した。

 

しかし、椎名はその瞬間に伏せていたバーストを勢い良く反転させて…………

 

 

「私はこの時を待っていた!!……相手のスピリットの召喚時効果発揮後のバースト、メギドラモンを発動!!」

 

「!!」

手札3⇨4

 

「この効果により、スピリットを合計BP15000まで好きなだけ破壊する!!私はBP9000のメタルグレイモンと2000のバクモンを破壊する!!」

「成る程、メタルグレイモンは疲労状態だとスピリットとブレイヴの効果を受けないからな。疲労させたくてもできないこのメインステップが狙い目だったってわけだ」

「その通りだ………地獄の咆哮…ヘル・ハウリング!!」

 

 

花火の場の地面から怒号のような雄叫びが木霊する。それを直に受けてしまったバクモンとメタルグレイモンは堪らず爆発四散する。

 

 

「さらにその効果発揮後、メギドラモンを召喚する!!……現れよ!!」

リザーブ1⇨0

【メギドラモン】LV1(1)BP7000

 

 

椎名の場の地面から煉獄の炎と共に勢い良く飛び出してきたのは、地獄の魔竜、メギドラモン。荒々しい咆哮、佇まいはこの場で一際印象に残る。

 

 

「さらにディーアークの効果でカードドロー!」

手札2⇨3

 

 

劣勢だった状況から一変。疲労状態では耐性を持つメタルグレイモンを除去しつつ、それより強力な究極体スピリットを召喚してみせた。

 

……だが、一木花火はそこまで甘くはない。バクモンとメタルグレイモンの爆発による爆煙。それが晴れる時、何もいないはずの彼の場には、他でもない、破壊されたはずのメタルグレイモンが健在していた。それも膝をついた疲労状態で………

 

 

「なにっ!?」

 

「フッ、中々良い一手だったけど、甘かったな。俺はネクサスカード、友情の紋章のLV2効果を発揮させたのさ!!………自分の完全体、究極体スピリットが破壊される時、手札1枚を破棄する事で、疲労状態で残る!」

手札4⇨3

破棄カード↓

【グレイモン】

 

「そ、そんな効果が………」

 

 

メギドラモンのヘル・ハウリングの効果でメタルグレイモンが破壊された時、花火は咄嗟にその効果を発揮させ、蘇らせたのだ。

 

場を瓦解させたつもりが、結局は花火の思惑通りにバトルが展開された事になる。

 

 

「発想は良かったけどな。俺はマジック、大切なものを使用し、カードを2枚ドロー!!………バーストを伏せる」

手札3⇨2⇨4⇨3

【メタルグレイモン】(3⇨1)LV2⇨1

 

 

このターンはもうまともな攻撃はできないとみた花火はシフトを変え、ドローとバーストのセットを行った。

 

 

「そしてエンドステップ、トラッシュにあるダイナパワーの効果、地竜スピリットであるメタルグレイモンが存在するため、手札に回収…………でもってエンドだ!!」

手札3⇨4

 

【メタルグレイモン】LV1(1)BP6000(疲労)

 

【勇気の紋章】LV2(1)

【友情の紋章】LV2(1)

 

バースト【有】

 

 

バクモンの効果で落とされていたマジックカード、ダイナパワーが自身の効果で彼の手札へと向かう。そして花火はそのターンをエンドとした。

 

結果としては花火の読みが当たり、メタルグレイモンが万全の状態で構えた事になる。

 

 

(つ、強い……戦術を読みきったつもりでも読みきれない…………!!)

「なぁ椎名ちゃん」

「?」

 

 

プロのカードバトラーである一木花火の隙のない圧倒的な実力を感じ始める椎名に、その花火が口を開いて………

 

 

「君は確かに強い……けど、君はその強さの先に何を見る?」

「へ?……何って………」

 

 

花火からの突然の謎めいた問い掛けに、椎名は逆に疑問符を浮かべる………

 

 

「言い方を変えようか………これから先、君が学生の間で今できることを全て終えた後、その先をどうするのか聞いてるんだ」

「今できることを終えた後………」

 

 

考えてもいなかった。

 

エニー・アゼム達を倒した後、卒業した後、自分が何をするかなんて…………

 

他のみんなは大抵の進路はすでに決まっている。例えば、司と雅治はプロになるし、真夏はバトスピ学園の教師の資格を取るために大学に入学する。

 

自分は何も考えていなかった。昔はただただ花火のようなカッコいいバトラーになるという漠然とした夢を掲げていたが、今となっては具体的にどうすればいいのか決断できない。

 

 

「俺は自分の強さの先にプロになる道を選んだ。もともと俺はあまりバトルの表舞台に立つ気は無かった………けど、俺の強さをこの世界に証明することができればきっと俺の仲間やライバルに届く……そう信じた結果の道なんだ!」

「仲間やライバルに届く……?」

「はっは、まぁわかんなくてもいいよ!」

 

 

花火は約13年前、異世界で冒険した事がある。その仲間達やライバルとはその世界で出会った人物達の事を指している。当然ながらその異世界に出向いたことのない椎名が分かるわけもなくて………

 

 

「私の道………」

「まぁそんな躍起になって考えなくてもいいさ………多分、その答えはこのバトルの中にあるぜ!」

「……バトルの中に……」

「あぁ、そのために今君の目の前に俺がいる!!」

「………ッ!」

 

 

花火の言葉に、椎名は椎名は確信を持った。このバトルの中………

 

最高にして最強にカッコいいカードバトラーである彼なら、彼とのバトルなら………

 

何かが見えてくる。そんな気がした。

 

そう思うと、深く考えていて塞ぎ込んでいた表情も明るくなっていて…………

 

 

「来いよ椎名ちゃん!!」

「はい!!花火さん、私のターンだ!!」

 

 

椎名はまた飛び出すような勢いでターンを進行していく。

 

 

[ターン06]椎名

《スタートステップ》

《コアステップ》リザーブ0⇨1

《ドローステップ》手札3⇨4

《リフレッシュステップ》

リザーブ1⇨7

トラッシュ6⇨0

 

 

「メインステップ!!…私はブイモンを召喚!!効果発揮!!」

手札4⇨3

リザーブ7⇨4

トラッシュ0⇨2

【ブイモン】LV1(1)BP2000

オープンカード↓

【マリンエンジェモン】×

【スティングモン】◯

 

 

椎名の場に再びブイモンが姿を見せたかと思うと、すぐさま効果を発揮させ、椎名の手札に新たなカード、【スティングモン】が加えられる。

 

 

「さらに2コア支払いスティングモンを追加召喚!!……ディーアークの効果でドロー!!」

手札3⇨4

リザーブ4⇨1

トラッシュ2⇨4

【スティングモン】LV1(1⇨2)BP5000

 

 

スマートな昆虫戦士、スティングモンも場へと姿を見せる。その効果でさり気なく椎名のコアが増加する。

 

 

「そしてメギドラモンをLV2へアップ!!」

リザーブ1⇨0

【スティングモン】(2⇨1)

【メギドラモン】(1⇨3)LV1⇨2

 

 

メギドラモンのLVが上昇する。メギドラモンはそれを主張するかのように、また巨大な咆哮を張り上げてみせた。

 

 

「行くぞ花火さん!!アタックステップ、成長期スピリットのブイモンがいる事により、デジヴァイスを疲労させ、1枚ドロー!!」

手札4⇨5

【デジヴァイス】(回復⇨疲労)

 

 

猛烈にデッキを回転させていく椎名。あれだけスピリットを展開しているにもかかわらず、手札はほとんど減らないどころか寧ろ増幅させている。

 

 

「スティングモンでアタック!!」

【スティングモン】(1⇨2)

 

 

このターンの最初のアタックはスティングモン。その効果でまたさり気なくコアが増加した。

 

だがこの初っ端のタイミングで花火はカウンターを仕掛ける…………

 

そのカードは今や誰もが知るあのエーススピリット。

 

 

「【煌臨】発揮!!対象はメタルグレイモン!!」

リザーブ1s⇨0

トラッシュ1⇨2s

 

「!!」

 

 

メタルグレイモンが強い咆哮を上げる。それはまさしく進化の兆し。みるみるうちにオレンジの炎に包まれていく………

 

その様子に、椎名は思わず嬉しさに顔を歪ませる。わかっているのだ。今から何が呼び出されるのかを…………

 

 

「鋼鉄の竜よ!!今こそ最強の竜戦士となりて敵を討て!!……………究極進化ぁぁあ!!!」

手札4⇨3

 

 

メタルグレイモンはそのオレンジの炎の中で大きく姿形を変化させていく。それはもはや恐竜ではなく、竜人。無敵の武装と共に敵を穿つ最強の竜戦士だ。

 

 

「……………ウォーッ!!グレイモンッ!!!」

手札4⇨3

【ウォーグレイモン】LV1(1)BP9000

 

 

その炎を腕の鉤爪の武器で切り裂きながら姿を見せたのは、一木花火の長年のエーススピリットにしてフェイバリットカード、【ウォーグレイモン】これまで数々のドラマと奇跡を生んできた、まさにヒーローオブヒーローとでも言うべきスピリットである。

 

 

「おぉ!!これが花火さんのエース、ウォーグレイモンッッ!!やっぱ本物は違うなぁ!!」

 

 

ようやく出会えたウォーグレイモンに、椎名も胸を踊らせ、歓喜の声を上げる。

 

 

「そう、これが俺のエース、ウォーグレイモンだ!!……俺は今までどんな時でもこいつと一緒に乗り越えてきた!!」

「……どんな時でも……!!」

 

 

拳を握り、そう語る花火。その澄み切った声色からは確かな説得力があり、椎名は心を震わせ感激した。

 

 

「ウォーグレイモンの煌臨時効果!!BP15000までスピリットを好きなだけ破壊する!!」

「!!」

「BP2000のブイモン。そしてBP11000のメギドラモンを破壊する!!……大玉ガイアフォースッッ!!」

 

 

ウォーグレイモンは登場するなり、掌を合わせ、間隔を広げると共にその間から巨大な炎の球を形成させていく。最大まで大きくすると、それをブイモンとメギドラモンに向けて全力で投げ込んだ………

 

 

「でも、そう来るのはわかってた……滅龍スピリットが効果の対象となる時、私は手札のこのカード、グラニの効果を発揮!!」

「っ!?」

 

「1コスト支払ってメギドラモンに直接合体する形で召喚!!……さらにこのターン、メギドラモンは効果破壊できない…弾き返せッッ!!」

手札5⇨4

【ブイモン】(1⇨0)消滅

トラッシュ4⇨5

【メギドラモン+グラニ】LV2(3)BP17000

 

 

ブイモンが不足コストで消滅してしまうものの、椎名の場に真紅の飛行物体、グラニが現れる。

 

グラニはウォーグレイモンのガイアフォースを天井へと弾き飛ばした。ガイアフォースはそのまま消滅する。

 

 

「……大玉ガイアフォースを凌ぐなんてな………」

 

「まだまだ!!私のバトルはこんなものじゃない!!今度は私のフラッシュ!!……【煌臨】を発揮!!対象はメギドラモン!」

【スティングモン】(2s⇨1)

トラッシュ5⇨6s

 

「っ……君も煌臨を……!!」

 

 

メギドラモンを守るだけじゃない。椎名は攻勢に転ずるべく、花火同様煌臨を発揮させる。

 

メギドラモンが赤い光に包まれていき、その姿形を大きく変化させていく。その容姿、勇姿はまさしく聖騎士。やがてそれはその光を弾き飛ばし………

 

 

「来い、赤きロイヤルナイツ…デュークモンッッ!!」

手札4⇨3

【デュークモン+グラニ】LV2(3)BP20000

 

「っ!!」

 

 

メギドラモンに代わり新たに椎名の場へと姿を現したのは白い鎧を身に着け、赤きマントを靡かせる赤属性のロイヤルナイツ、デュークモン。

 

 

「花火さん!!あなたのエースがそのウォーグレイモンなら、私のエースはこの、ロイヤルナイツ……デュークモンです!!」

「成る程、同じターンに互いのエーススピリットの登場……ますます面白い子だ……!!」

 

 

睨み合うウォーグレイモンとデュークモン。互いの最強にして最高のエーススピリットが召喚された今、このバトルはより加速していくことが目に見えていて………

 

 

 

 

 

 




〈本日のハイライトカード!!〉


椎名「本日のハイライトカードは【ウォーグレイモン】!」

椎名「花火さんのエース、ウォーグレイモンはグレイモン系最強と言われるスピリット。召喚と煌臨時の破壊効果と、アタック時のライフバーン効果を有していて、纏まった性能を持ったオールラウンダーだ」



******


〈次回予告!!〉


この最高のバトル。最高の時を過ごせた事は、椎名にとって二度と忘れられない記憶となる事だろう………椎名はこのバトルの先にいったい何を見出すのか………次回、バトルスピリッツ オーバーエヴォリューションズ「勇気&友情VS皇帝竜&真紅の騎士!」……今、バトスピが進化を超える!!


******


※次回のサブタイトルや内容等は変更の可能性があります。


最後までお読みくださり、ありがとうございました!!

最終回じゃないですよ〜〜どうしようにもこういう展開にしかできなかった私を許してください………しかしながらまだ最終章じゃないですしね。そこらへんは差別化できます。きっと………


セリフやタイミング等の都合もあって、友情の紋章はアタックステップ中ずっと発揮されますが、今回はメタルグレイモンのアタック時に発揮されているかのような描写になっています。予めご了承ください。

前回の【第105話】にてご指摘があったのですが、それに返信した途端に何故かそのコメントごと消えてしまったので、他の方々を含めても伝わっているかわからない事もあり、一応今ここでもう一度説明させていただきます。

合体スピリットが破壊されて、五輪転生炎等の破壊後のバースト効果で復活する際は、その合体していたブレイヴは合体状態では復活できません。
あの時はジークとバゼルが炎魔神と合体している状態で、椎名がグラニの合体時効果でジークを破壊。先生が五輪転生炎〈R〉の効果でジークをトラッシュから蘇生。だけど、ジークはその破壊によって炎魔神との合体が切断されていました。よって、椎名のクリムゾンモードの【チェンジ】の効果でジークのシンボル1つと、炎魔神と合体したバゼルの2つの合計3つで纏めて破壊できたんですよね。その証拠に、ジークが復活した際は【龍神皇ジーク・エグゼシード】のみの表記となっており、【+炎魔神】の一文は消えていました。
その点ももっと詳しく説明を入れたかったのですが、なにぶんテンポや雰囲気が悪くなるため、不可能でした。

後、これからは感想欄なて、ご指摘のみのコメントが送られたら、私からの返信は一切しないことにします。(確認はします)本来感想欄は作品の感想を書くところです。ご指摘のみでしたら誤字報告等を活用してください。ご理解のほどよろしくお願いします!

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