そんなオメガワールドの特別編にて、椎名や六月、葉月が実は先行で登場していました。椎名の首にゴーグルが掛けられている理由も判明します。
芽座椎名は生涯、このバトルのことを………
与えられた最高の時間を、片時も忘れることはないだろう………
******
芽座椎名と一木花火のバトルは続く。現在は椎名の第6ターン目。
《椎名》『ライフ4』『手札3』
【スティングモン】LV1(2)BP5000(疲労)
【デュークモン+グラニ】LV2(3)BP20000(回復)
【ディーアーク】LV1
【デジヴァイス】LV1
【D-3】LV1
バースト【無】
《花火》『ライフ4』『手札3』
【ウォーグレイモン】LV1(1)BP9000(疲労)
【勇気の紋章】LV2(1)
【友情の紋章】LV2(1)
バースト【有】
椎名のアタックステップ中であり、スティングモンが現在進行形でアタック中である。その最中で花火のウォーグレイモン、そして椎名のデュークモンが煌臨したのだった………
互いのエーススピリットである両者は沈黙ながらも鋭い視線で睨み合っていて………
「花火さん!!あなたのエースがそのウォーグレイモンなら、私のエースはこの、ロイヤルナイツ……デュークモンです!!」
強く叫ぶ椎名。今まさに最強のデジタルスピリット同士のバトルが繰り広げられようとしていた………
「そうか、それが君のエーススピリット、デュークモンか、世界で1枚ずつしか存在しない伝説のデジタルスピリットカード、ロイヤルナイツの一柱!……こいつは面白くなってきたな」
「へへ、だけど先ずはスティングモンのアタックを受けてもらいますよ!!……いけぇ!」
ウォーグレイモンの煌臨も、デュークモンの煌臨も、全ては椎名のスティングモンのアタック中のフラッシュタイミングで起こった出来事。
それ故にスティングモンが無駄の無い動きで地を走る。狙いは当然、花火のライフだ。
「来いよ、ライフで受けてやる……っ」
ライフ4⇨3
スティングモンの拳の一撃が花火のライフを1つ玉砕する。だがここで同時に花火のカードが起動し………
「この瞬間、勇気の紋章の効果でBP5000以下のスティングモンを破壊する!!」
「!!」
花火の背後で照りつけるように輝く太陽を模した勇気の紋章から炎の弾丸が放たれる。スティングモンはそれに直撃し、焼き尽くされた。
しかしながら椎名とてこうなる事はわかっていた。今度は待ちに待ったデュークモンのアタック。椎名はBパッド上にあるそのカードを横向きにし………
「これが大本命だ……デュークモンでアタックッッ!!」
デュークモンにアタックの指示を送る椎名。デュークモンとそれと合体しているグラニにはこの瞬間に発揮できる効果があり……
「グラニの合体時効果!!相手のデッキを1枚破棄し、それと同じ系統のスピリットを破壊する!!」
「!!」
破棄カード↓
【ガルルモン[2]】×
デュークモンの頭上を旋回するグラニが花火に向かって眼光を放つと、彼のデッキの上のカード1枚が怯えるようにトラッシュへと送られる。
だが、それはウォーグレイモンの持つ系統を持たないガルルモン[2]のカード。破壊には至らなかった……
しかし………
「ハズレだな」
「いやまだだ!!今度はデュークモンのアタック時効果!!…シンボル2つ以下のスピリット1体を破壊する!!」
「!?」
「私は当然、ウォーグレイモンを破壊する!!……聖槍の一撃……ロイヤルセェェバァァァア!!!」
デュークモンが右腕の槍を構えると、その先端部に光の力を集中させる。最大限にまでためると、それをウォーグレイモンに向けて一直線に放出。
ウォーグレイモンはそれに腹部を貫かれ、大爆発を起こした。これで破壊され、エーススピリット同士の対決は椎名のデュークモンが勝利した………
かに見えたが………
「ッ!!」
「俺は友情の紋章LV2効果により、手札を1枚破棄し、ウォーグレイモンを疲労状態で場に残す!!」
手札3⇨2
破棄カード↓
【アグモン[2]】
ウォーグレイモンの破壊による爆発で生じた爆煙と爆風が晴れると共に姿を現したのは、破壊されたはずのウォーグレイモン。
その決着は未だ着かずか……
「だけどまだデュークモンのアタックは生きてる!!…貫けぇ!!」
「それもライフだ!!……っ」
ライフ3⇨1
ウォーグレイモンが破壊されなかったとは言え、デュークモンのアタック自体が空振りになったわけではない。デュークモンの槍から繰り出される刺突が、その上空を飛ぶグラニの体当たりがそれぞれ1つずつ花火のライフを破壊した。
この猛攻により、花火のライフは風前の灯である1に陥ってしまったが………
「流石ロイヤルナイツ……効いたぜ、だけどまだまだだな!!ライフ減少によりバースト発動!!」
「!!」
「エクスティンクションウォール!!このバトル中に破壊された分のライフを回復!!よって、俺のライフは2回復だ!!」
ライフ1⇨3
「なにっ!?」
花火のバーストカードが勢いよく反転したかと思えば、そのライフが急激に回復していく。この効果により、デュークモンのアタックがプラマイゼロとなってしまい………
「デュークモンの攻撃をここまで躱すなんて……!!」
「いやいや、避けるだけじゃない。次のターンで俺は攻めるぞ!!」
「っしゃぁ!!かかってこい花火さん!!ターンエンド!!」
【デュークモン+グラニ】LV2(3)BP20000(疲労)
【ディーアーク】LV1
【デジヴァイス】LV1(疲労)
【D-3】LV1
バースト【無】
バトルに対する熱がどんどん熱くなってきた両者。椎名はそのターンをエンドとし、それを花火へと渡す。彼は勢い良くターンを進行していき………
[ターン07]花火
《スタートステップ》
《コアステップ》リザーブ3⇨4
《ドローステップ》手札2⇨4
このターンのドローステップ時、花火のネクサスカード、勇気の紋章LV2効果が発揮され、そのドロー枚数を1枚増やした。
《リフレッシュステップ》
リザーブ4⇨8
トラッシュ4⇨0
【ウォーグレイモン】(疲労⇨回復)
「メインステップ!!ウォーグレイモンのLVを3にアップさせ、マジック、ダイナパワーを発揮!!」
手札4⇨3
リザーブ8⇨4
トラッシュ0⇨1
【ウォーグレイモン】(1⇨4)LV1⇨3
「!!」
「この効果により、このターンの間、ウォーグレイモンはBPプラス3000!!さらに指定アタックの効果を得る!!」
【ウォーグレイモン】BP16000⇨19000
急速に力を増幅させていくウォーグレイモン。瞬間的に赤き光を放ち、椎名の場に佇むデュークモンを睨みつける………
「アタックステップ!!…ウォーグレイモンでアタック!!ダイナパワーの効果で君のウォーグレイモンを狙い撃ちにさせてもらうぞッッ!!」
「っ!?…BPはまだデュークモンの方が高いのに!?」
花火の指示により、ウォーグレイモンが椎名のデュークモンめがけて駆け出す。デュークモンもグラニと共に迎撃に向かう。
手始めに掌から小型のガイアフォースを何発も投げ込むウォーグレイモン。デュークモンは槍や盾でそれを弾き飛ばしていく。
今のままではウォーグレイモンはデュークモンには勝てない。1000という僅かな差ではあるが、ウォーグレイモンはデュークモンに劣っていて………
しかし、一木花火が何も考え無しに突っ込んで来るわけがなく…………
「それはどうかな?……フラッシュマジック、ソウルドロー!!……ウォーグレイモンのBPをさらに4000アップ!!」
手札3⇨2
リザーブ4⇨1
トラッシュ1⇨4
【ウォーグレイモン】BP19000⇨23000
「ッッ!!」
グラニがウォーグレイモンに向かって突撃する。しかし、その間にウォーグレイモンのBPがさらに跳ね上がる。ウォーグレイモンは向かって飛んでくるグラニを捕まえて椎名の場へと投げ飛ばした。
グラニは破壊はされていないものの、鈍い機械音を立てながら撃墜してしまう………
「これでBP20000のデュークモンは超えた!!そのまま打ち上げろ!!」
彼の決めセリフである「打ち上げろ」と共にウォーグレイモンが今一度デュークモンに狙いを定めて駆け出す。デュークモンも改めて槍と盾を構える。
椎名もやられてばかりではない。反撃に出るべく手札のカードを引き抜いて………
「フラッシュマジック、レッドカード!!」
手札3⇨2
リザーブ2⇨0
トラッシュ6⇨8
「!!」
「このターン、デュークモンのBPを3000上げる!!……これでウォーグレイモンと並んだ……!!」
【デュークモン+グラニ】BP20000⇨23000
椎名も負けじとBPパンプアップのマジックを切る。デュークモンのBPが3000上がり、ウォーグレイモンと並んで見せた。
「やっぱ君面白いな!!……打ち上げろウォーグレイモンッッ!!」
「デュークモン……いけぇ!」
2人の指示により、ウォーグレイモンは鉤爪を、デュークモンは槍と盾を構えて飛び交う。互いが互いを狙った一撃が同時に炸裂し、2体はほぼ同時に力尽き、大爆発を起こした。
これにより、エーススピリット同士のバトルは引き分けとなる。
「(これ以上手札は減らせないか………)俺は友情の紋章の効果を発揮させない………」
この時、花火には手札1枚を犠牲にすることによって、ネクサスカードである友情の紋章の効果を発揮させ、ウォーグレイモンの破壊を防ぐ事が出来た。
が、これ以上の手札の損失は椎名とのバトルでは危ないと見て、今回は見送ったのだ。
「まさか、俺のウォーグレイモンと引き分けるなんてな!!……ターンエンドだぜ!!」
【勇気の紋章】LV2(1)
【友情の紋章】LV2(1)
バースト【無】
出来ることは全て終え、花火はこのターンをエンドとした。次は椎名のターンだ。彼の場がガラ空きの今がチャンスではあるが………
[ターン08]椎名
《スタートステップ》
《コアステップ》リザーブ2⇨3
《ドローステップ》手札2⇨3
《リフレッシュステップ》
リザーブ3⇨11
トラッシュ8⇨0
【グラニ】(疲労⇨回復)
【デジヴァイス】(疲労⇨回復)
「メインステップ!!至高の竜戦士、パイルドラモンをLV3で召喚ッッ!!」
手札3⇨2
リザーブ11⇨0
トラッシュ0⇨6
【パイルドラモン】LV3(5)BP13000
「おぉっ、今度は完全体か!!」
椎名の場に飛来してきたのは強固な甲虫の甲殻を持つ竜人型のデジタルスピリット、パイルドラモン。
「ディーアークの効果でドロー!!…バーストを伏せる」
手札2⇨3⇨2
さらにネクサスでのドロー、守りを固めるべくバーストも新たにセットする椎名。
「アタックステップ!!……パイルドラモンでアタック!!その効果により、コアを2つ追加し回復するッッ!!」
【パイルドラモン】(5⇨7)(疲労⇨回復)
パイルドラモンが一瞬虹色に光り輝く。それはコアが追加されると同時に回復状態となった証拠である。これにより、このターン、パイルドラモンは二度のアタックが可能となって………
「このパイルドラモンの2回のアタックとグラニのアタックで終わりだ!!……いけぇ!」
椎名の指示を聞くなり、地を駆けるパイルドラモン。狙いは当然花火の残り3つのライフ。グラニとの連続アタックで勝機を見出している椎名。
しかし、やはり花火は手強いか、彼はカウンターを狙うべくまた手札を1枚引き抜いて………
「フラッシュ!!俺はブラックウォーグレイモンの効果を発揮!!」
「っ……そいつは!?」
「相手のBP8000以上のスピリットがアタックしている時、1コストを支払い召喚できる!!………漆黒の竜戦士、ブラックウォーグレイモンッッ!!……LV3で召喚!!」
手札2⇨1
リザーブ5⇨1
【友情の紋章】(1⇨0)LV2⇨1
トラッシュ4⇨5
【ブラックウォーグレイモン】LV3(4)BP15000
花火の場に黒い炎が蔓延する。その中で眼光を放つ竜人が鉤爪を振るい、その炎を引き裂き、姿を見せる。
それはいわば黒いウォーグレイモン。花火のデッキの守りの要、ブラックウォーグレイモンだ。椎名も一度聖子とのバトルでこのスピリットを見ている。が、効果的にあまりにも不意に登場してくるため、読もうにも読むことは難しい。結果的に今回もその召喚を許してしまった。
「召喚時効果!!BP12000以下のグラニを破壊する!!」
「!!」
「暗黒のガイアフォースッッ!!」
ブラックウォーグレイモンは登場するなり掌を合わせ、その間に炎をため、間隔を広げながらそれを最大限まで大きくすると、それをグラニに向かって投げ飛ばす。
グラニはそれに被弾し、撃墜されてしまう。
「くっ……強いっ!!」
「まだだぜ、驚くのは早い!!今度はこいつだ、【煌臨】発揮!!対象はブラックウォーグレイモンッッ!!」
リザーブ1s⇨0
トラッシュ5⇨6s
「っ……また煌臨を!?」
再び煌臨の効果発揮の宣言を行う花火。ブラックウォーグレイモンが紫の光に身を包まれていき、その中で姿形を大きく変化させていき………
「鉄壁たる神獣、メタルガルルモンを呼ぶ!!」
手札1⇨0
【メタルガルルモン】LV3(4)BP16000
やがて光の中のスピリットがその紫の光を雄叫びと共に弾き飛ばすと、身体が鋼鉄で覆われた狼のような姿をしている究極体のデジタルスピリット、メタルガルルモンが姿を現した………
「め、メタルガルルモン?……紫のスピリットがなんで花火さんのデッキに!?」
「ふふ、このデッキは俺がいつも使ってるデッキとは違うのさ、言うなれば、勇気と友情の混合デッキだ!!」
「勇気と友情の……混合!?」
花火の言っていることが理解できず、疑問符を浮かべる椎名。
今の一木花火のデッキは単なる地竜スピリットでビートを仕掛けるデッキではない。さらにそれに加えて紫のカードが多数混じっていて…………
「でもって、パイルドラモンのアタックはこのメタルガルルモンがブロックしておくぜ!!」
「っ!?」
メタルガルルモンが登場した途端に椎名のパイルドラモンに牙を向ける。俊足の如くパイルドラモンとの距離を詰め、勢いよく体当たりを仕掛け、パイルドラモンを押し倒したかと思えば、メタルガルルモンはそれに向けて凍てつく息吹を発射。
それをまともに受けたパイルドラモンは凍りつき、バラバラに砕け散った…………
「さぁ君のスピリットは全滅だ。この先はどうする?」
「っ………ターンエンド」
【ディーアーク】LV1
【デジヴァイス】LV1
【D-3】LV1
バースト【有】
グラニとパイルドラモンを同時に失っては攻めるにも攻める事が出来ない。椎名はそのターンを致しかたなくエンドとしてしまう。
次はメタルガルルモンを呼び出すことに成功した花火のターンだ。その効果を遺憾なく発揮させる気であり………
[ターン09]花火
《スタートステップ》
《コアステップ》リザーブ0⇨1
《ドローステップ》手札0⇨2⇨1
破棄カード↓
【アグモン】
《リフレッシュステップ》
リザーブ1⇨7
トラッシュ6⇨0
【メタルガルルモン】(疲労⇨回復)
「メインステップ、友情の紋章をLV2へ戻し、バーストを伏せる!!」
手札1⇨0
リザーブ7⇨6
【友情の紋章】(0⇨1)LV1⇨2
今一度花火の場にバーストカードが裏向きでセットされる。それが今後このバトルにどう響いてくるのかは定かではないが、間違いなくこの局面でセットできたのはかなり大きくて………
「アタックステップ、メタルガルルモンでアタックだ!!」
アタックステップに移行し、メタルガルルモンでアタックを仕掛ける花火。メタルガルルモンにはこのタイミングで発揮可能な強力無比な効果があり……
「メタルガルルモンのアタック時効果、相手のコア2つをトラッシュに置くことで回復する!!」
【メタルガルルモン】(疲労⇨回復)
「なに!?…コアを!?」
リザーブ8⇨6
トラッシュ6⇨8
椎名のリザーブのコア2つが吸い寄せられるようにトラッシュへと赴いてしまう。そしてメタルガルルモンがその動きに反応を示すかのように紫の光を一瞬放ち、回復状態となる。
これはメタルガルルモンの効果。椎名のコアが2つ以上ある限り発揮できる強力なものである。
「メタルガルルモンのアタック時効果にターン制限はない。でもってメタルガルルモンは効果では破壊できない!!」
「っ!!」
「メタルガルルモン!!ライフを砕けッッ!!」
花火の指示を聞き、鈍い機械音を鳴らしながら地を駆けるメタルガルルモン。目指すは当然椎名のライフ。だが、今の彼女の場には盾となるブロッカースピリットが1体も存在せず…………
「ライフで受ける!!」
ライフ4⇨3
ライフで受ける他なかった。メタルガルルモンの噛み砕く攻撃が椎名のライフ1つを粉々に噛み砕いた。
だが、椎名はこれを待っていた。口角を少しだけ上げると、事前に伏せていたバーストカードを勢いよく反転させる。
「ライフ減少によりバースト発動!!マリンエンジェモン!!」
「!!」
「効果によりこれを召喚!!さらにこのターン、私のライフはコスト9以下のスピリットのアタックでは減らされない!!」
リザーブ7⇨5
【マリンエンジェモン】LV2(2)BP6000
椎名のバーストカードが反転すると共に現れたのはピンクの妖精のような小さな究極体デジタルスピリット、マリンエンジェモン。
マリンエンジェモンは登場するなり囀るように歌いだすと、椎名の周りが水のベールに包まれる。これは並大抵のスピリットでは突破することができない代物。あのメタルガルルモンでも不可能である。
「ディーアークの効果によりドロー!」
手札2⇨3
「そんな強力なバーストを伏せていたなんてな………だが、ライフは減らないと言っても、効果は通じるんだよな!!……アタックを続行しろメタルガルルモン!!その効果でマリンエンジェモンのコア2つをトラッシュに送る!!」
【メタルガルルモン】(疲労⇨回復)
「っ!!」
【マリンエンジェモン】(2⇨0)消滅
トラッシュ8⇨10
このターンでライフは破壊できないとまた花火は狙いをすぐさま切り替え、椎名のライフからマリンエンジェモンへと変えてきた。
メタルガルルモンが口内から勢い良く凍てつくブレスを発射し、マリンエンジェモンを凍りつかせる。マリンエンジェモンはパイルドラモンと同様に砕け散っていった。
「俺はこれでターンエンドだ……やるな、まさかメタルガルルモンの攻撃まで凌くなんて!」
【メタルガルルモン】LV3(4)BP16000(回復)
【勇気の紋章】LV2(1)
【友情の紋章】LV2(1)
バースト【有】
「いや、マリンエンジェモンじゃなかったらあの攻撃は凌げませんでした。………花火さん強ぇ、マジ強いよ!!こんなバトラーと戦えて超嬉しい!!」
「そりゃこっちのセリフだぜ椎名ちゃん。君ほどデッキのスピリット達と固い絆で結ばれたバトラーを、俺は他に知らない」
言葉を交わしていく両者。椎名からは花火に対する尊敬の念が確かに伝わってくる。一方で花火は純粋に椎名のすごさを感じ、褒め称えていた。
互いに素晴らしいカードバトラーと出会えて、心の底から喜んでいたのだ。
「椎名ちゃん。世界には俺なんかより遥かにすごい奴らがわんさかいる!!」
「は、花火さんよりすごい人たちが!?」
「あぁ、そりゃもううじゃうじゃさ!!」
これは実際に世界のリーグを駆け巡ってきた一木花火だからこその言葉。『世界は広い』……その事を椎名に伝えたかったのだ………
そして、さらにここから彼は椎名にある提案を持ちかける。
「椎名ちゃん。君にその気があれば、俺と一緒にこの広大で広い世界を旅してみないか?」
「え!?」
「俺実はしばらくの間プロを休業するんだけどさ。その間にすごい奴らとバトルして見たいんだ!!まだ見ぬ強敵と!!君となら絶対に良い冒険が待ってると俺は思うんだ!!」
突然の花火からの申し出。椎名は一瞬だけ目をキョトンとさせるが、次第に彼が言っていることを理解していくと、徐々に歓喜溢れる表情にシフトしていって………
「ま、マジですか、私が花火さんと一緒に旅を………感激だ!!絶対行く!!」
「おぉそうか!!じゃあ卒業してからだな、それまで俺はのんびりと待たせてもらうよ」
椎名としては断る理由がない。卒業後も何もないため、もちろんそれを笑顔で承諾する。
さっき花火が言っていた『答えはバトルの中』にあるとはこの事だったのだろう。花火はずっと椎名を試していたのだ。一緒に旅をして楽しい人物か否かを………
「さぁ、次は君のターンだ。俺と一緒に旅をする奴なんだ。きっとここからとんでもない事をやってくれるんだろ?」
「あぁ花火さん!!このターン、私の全身全霊を込めてあなたに挑む!!……私のターンッッ!!」
そう言い切ると、椎名は勢い良く自分のターンシークエンスを進行していく………
[ターン10]椎名
《スタートステップ》
《コアステップ》リザーブ5⇨6
《ドローステップ》手札3⇨4
《リフレッシュステップ》
リザーブ6⇨16
トラッシュ10⇨0
「メインステップ!!……私は真紅の魔竜、成長期の姿、ギルモンをLV3で召喚!!」
手札4⇨3
リザーブ16⇨10
トラッシュ0⇨2
【ギルモン】LV3(4)BP6000
ガラ空きとなった場に、椎名が新しく呼び寄せたのは、真紅の魔竜、その成長期の姿であるギルモン。
「ディーアークの効果でカードドロー!!……ギルモンの召喚時効果でカードを5枚オープン!!その中の対象となるカード1枚を手札に加える!!」
手札3⇨4
オープンカード↓
【マグナモン】×
【ワームモン】×
【エクスブイモン】×
【グラウモン】◯
【インペリアルドラモン ドラゴンモード】×
その召喚時効果は成功。椎名は同じく真紅の魔竜である【グラウモン】のカードを手札へと引き込んだ。
だが、その効果発揮後に、花火は鼻で笑いながら伏せていたバーストを反転させて………
「ふっ、相手の召喚時発揮後のバースト、双翼乱舞を発動!!」
「!!」
「カードを2枚ドロー!!さらにコストを払い、さらに2枚ドロー!!」
手札0⇨2⇨4
リザーブ6⇨3
トラッシュ0⇨3
「っ……手札が一気に回復した!?」
手札4⇨5
椎名がグラウモンのカードを引き込むまでは良かったものの、それと同じくして花火も大量のカードをドローした。メタルガルルモンの存在もあって、よりターンの重圧がかかる……
だがこの程度でたじろぐわけにはいかない。椎名はさらに手を動かして………
「私はグラウモンもLV3で召喚する!!」
手札5⇨4
リザーブ10⇨4
トラッシュ2⇨4
【グラウモン】LV3(4)BP7000
地中より地響きと共に、真紅の魔竜、成熟期の姿、グラウモンが姿を見せる。
「さらにデジタルブレイヴ、ズバモンを召喚し、グラウモンと合体!!」
手札4⇨3
リザーブ4⇨3
【グラウモン+ズバモン】LV3(4)BP10000
「デジタルブレイヴ!?…面白いカードを持ってるな!!」
黄金の鎧を持つ成長期のブレイヴ、ズバモンが現れ、グラウモンと合体。グラウモンはズバモンの黄金の鎧を見に纏った。
「アタックステップ、デジヴァイスの効果!!成長期スピリットであるギルモンが存在するため、自身を疲労させてカードをドロー!!」
手札3⇨4
【デジヴァイス】(回復⇨疲労)
ギルモンとグラウモンはやる気を示すかのように大きな咆哮を張り上げる。その豪快な雄姿に花火も見を構えて………
「行くぞ花火さん………グラウモンでアタック!!」
最初に飛び出していくのはズバモンと合体し、黄金の鎧をその身に纏うグラウモン。そしてその瞬間にアタック時効果が発揮され………
「アタック時効果により、ネクサスカード、友情の紋章を破壊!!」
「!!」
「魔炎のエキゾーストフレイム!!」
グラウモンは口内から高熱の炎の熱線を放出。狙い先は花火の背後にある紫の紋章。熱線はそれを容易く焼き尽くした。
「よし!!これで厄介な友情の紋章は破壊した!!」
「だけど椎名ちゃん!!肝心のメタルガルルモンはどうする?…こいつは効果では破壊できないぞッッ!!」
花火の場にはブロッカーとして、強固な耐性効果を所持しているメタルガルルモンが健在である。
だが椎名に抜かりはない。このフラッシュタイミングでさらに手札のカードを引き抜いて………
「へへ、心配無用ですよ花火さん………フラッシュ【煌臨】発揮!!対象はグラウモン!!」
【グラウモン+ズバモン】(4s⇨3)LV3⇨2
トラッシュ4⇨5s
「っ……また煌臨!!」
椎名が小さく笑うように口角を上げながら煌臨発揮の宣言を行う。
それと合わせるように上空に異次元の渦が発生。グラウモンは吸い込まれるようにその中へと飛び込んでいき………
新たな姿へと昇華する………
「現れよ!!…皇帝竜……インペリアルドラモン ファイターモードッッ!!」
手札4⇨3
【インペリアルドラモン ファイターモード+ズバモン】LV2(3)BP18000
「……こいつは……!!」
椎名がそう叫ぶと、荒れ狂う渦の中から黒いボディと赤い翼を広げる皇帝竜、インペリアルドラモン ファイターモードが腕を組みながら出現した。
その腕にある砲手は合体しているズバモンの影響を受けてか、黄金に輝いていて………
「今度は青と緑の究極体か!」
「余裕ぶっこいてられるのも今のうちですよ!!……ファイターモードの効果、スピリットを疲労させる!!」
「っ!!」
「そう、私は効果で破壊できないメタルガルルモンを疲労させる!!………ポジトロンレーザーッッ!!」
「………そう来たか……」
【メタルガルルモン】(回復⇨疲労)
ファイターモードは登場するなり、腕の砲手をメタルガルルモンに向け、そこからエネルギー熱線を放出。メタルガルルモンに被弾し、メタルガルルモンは疲労状態に陥ってしまう………
効果で破壊できないメタルガルルモンも決して無敵ではない。これによりバトルへの参加は不可となってしまう。
「さらにファイターモードはこのターン、相手の手札にあるコスト4、6、8のカードの使用を封じ込める効果に加えて、相手のライフを減らした時、さらに2つのライフを破壊する!!………これで終わりだ!!」
ファイターモードが次に目を向けたのは一木花火。そこへ自身の腕にある砲手を差し向けて………
……トドメの一撃を放とうとした………
その直後だ。花火が笑ってみせたのは………
「それはどうかな?」
「なに!?」
「コスト4、6、8ね………成る程、これは使ってもいいわけだ………」
そう言いながら、花火は自分の手札から1枚のカードを引き抜く………
それは誰もが知る究極のカードだが、誰でも得ることができるわけではない代物………
それが今、発揮される………
「フラッシュ【煌臨】発揮!!対象はメタルガルルモンッッ!!」
リザーブ3s⇨2
トラッシュ3⇨4s
「っ……花火さんもまた煌臨!?……しかもメタルガルルモンに!?」
花火の3度目の煌臨。しかも煌臨中であるメタルガルルモンが対象である。
そしてその刹那、メタルガルルモンの横に炎のゲートが現れ、開いたかと思うと、そこから破壊したはずのウォーグレイモンが飛び出してきて………
「ウォーグレイモン!?…なんでだ、破壊したはずじゃ………」
咆哮と雄叫びを張り上げるウォーグレイモンとメタルガルルモン。ただの煌臨でスピリットが増えるなど聞いたことがない。
だがここからが本番。花火は気合を入れるように大きく息を吸い込んで………
「行くぜ椎名ちゃん…………右に友情、左に勇気!!その2つが合わさる時!暗黒を払いのける、真の英雄となる!」
ウォーグレイモンとメタルガルルモンがそれぞれ赤い光と紫の光を纏いながら宙へと飛び行く。螺旋状に回る2体はやがて正面から衝突し………
今こそ進化を超え、混ざり合って、顕現する………
「最強にして究極のデジタルスピリット…………オメガモン!」
手札4⇨3
【オメガモン】LV3(4)BP21000
天より、ウォーグレイモンを模した左腕、メタルガルルモンを模した右腕を携え、後光と共に花火の場に姿を現したのは………
伝説のデジタルスピリット群、ロイヤルナイツの一柱にして、最強との呼び声も高いオメガモン。その神々しい姿に椎名は驚愕と興奮を同時に覚えていて………
「に、2体が合体………し、しかもお、オメガモンだって!?……葉月の探している伝説のロイヤルナイツ……なんで花火さんが………」
「おいおい、君だって持ってるんだから、俺が持ってたって不思議じゃないだろ?」
「いや、まぁそりゃそうなんだけどさ……」
確かに滅多にあることではない。しかもそれを花火が所持していたのだから驚くのも無理はないと言えて………
しかしながら今現在はバトル中。椎名は気持ちを切り替える。その様子を見た花火は改めてバトルを進行させ、オメガモンの効果を早速発揮させる。
「オメガモンの煌臨時効果!!このスピリットのBP以下のスピリット1体を破壊する事で回復する!!」
「!!」
「ファイターモードを破壊するぜ………ガルルキャノンッッ!!」
【オメガモン】(疲労⇨回復)
オメガモンはマントを広げ、メタルガルルモンのような右腕から砲台のようなものを発現させる。そしてそれで狙いを定め、ファイターモードに豪快な砲撃を放つ。その威力は凄まじく、ファイターモードなど本当にいたかもわからない程に吹き飛ばされ、爆発してしまう。
「くっ……ファイターモード!!……ズバモンはスピリット状態で残す!!」
【ズバモン】LV1(1)BP3000
その爆発の中から逃げるように脱出してきたズバモン。アタック中であったファイターモードから分離したため、アタックが継続された状態である。
「ズバモン…いけぇ!」
「ライフだ……来いよ!!」
ライフ3⇨2
強敵の出現。ファイターモードの損失で椎名のモチベーションが無くなるわけもなく、寧ろ向上したような勢いでアタックを仕掛ける。
ズバモンの鋭利な爪の一撃が花火のライフを切り裂いた。
「ここで勇気の紋章の効果!!ズバモンを破壊する!!」
「!!」
残った勇気の紋章から炎の弾丸が放たれる。ズバモンはそれに被弾してしまい、忽ち爆発を起こした。
椎名の場に残されたのはギルモンのみ。しかも花火の場にはブロッカーとして強力無比なオメガモンが存在する………
絶望的な状況だ。しかし椎名はそれでも笑う顔を見せていて………
「流石花火さんだ……でも、私のデッキの真骨頂はここからだ!!ギルモンでアタック!!」
ズバモンの破壊から間髪入れず、ギルモンでアタックを仕掛ける椎名。一見無謀とも取れるこの行いだが、これは一か八かの勝負だ。
さらに手札のカードを1枚引き抜いて………
「フラッシュマジック、ブルーカード!!」
手札3⇨2
リザーブ5⇨4
トラッシュ5s⇨6s
「!!」
椎名が発揮させたマジックはブルーカード。デジタルスピリットを進化させる可能性のあるマジックだ。しかし、飽くまで可能性があるだけ………
4枚のオープンに椎名の命運が託される。
「カードを………オープンッッ!!」
オープンカード↓
【ディーアーク】×
【ブイモン】×
【スティングモン】×
【デュークモン クリムゾンモード】◯
効果は成功した。ギルモンと同じ赤一色のスピリットカードがめくれる。それもそれは椎名のデッキにおいての最強カード………
「よしっ!!…ギルモンと同じ色を持つこのカードを、ギルモンから進化召喚させる!!」
リザーブ4⇨3
トラッシュ6s⇨7s
刹那。
ギルモンの頭上から真紅の色をした炎の龍が、ギルモンを飲み込むように落下してきた。ギルモンはその炎の中で幾多もの進化を繰り返していく………
ギルモンからグラウモン。グラウモンからメガログラウモン。メガログラウモンからデュークモンへと………
そして、デュークモンになると、その槍と盾、マントが消失し、その鎧が真紅の色へと変化していき、さらには10枚の白い羽が新たに現れる………
「真なる深い赤をその身に宿し、邪悪なる者皆、照らし破れッッ!!……召喚!!…デュークモン クリムゾンモードッッ!!」
【デュークモン クリムゾンモード】LV3(4)BP21000
やがてそのスピリットはその炎を気迫だけで消し飛ばし、姿を見せる。それはデュークモンの進化系にして、椎名の最強スピリット、デュークモン クリムゾンモード。
「……デュークモンが進化した姿………!!」
「どうだ花火さん!!これが私の、私とスピリット達の絆の力だ!!」
「はは、最高だ……最高だぜ椎名ちゃん!!俺はこんなバトルを心待ちにしていた!!」
椎名とクリムゾンモードの勇姿を視認するなり、心を震わせ、熱くする花火。その声色や言動から、確かにそれが椎名にも伝わっていて………
「私もだ!!こんなにワクワクが止まらないのは久し振りだ!!」
「その君の全力……この俺に余すことなくぶつけてみろ!!」
その2人の言葉に合わせるように、オメガモンは左手から剣を発現させ、クリムゾンモードも左手に神剣を光の力で形成する。
「あぁ、行くぞ花火さん、これが私の全力!!………行け、クリムゾンモードッッ!!」
椎名の込められた全力の想いと共に、クリムゾンモードが神剣を構え、戦闘態勢に入ったオメガモンに向かって飛翔する…………
ありがとう先生、そして花火さん!!
私は今日という日を、与えられた最高の時間を………このバトルを二度と忘れない!!
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暗がりの部屋。片隅のベッドの上で、芽座椎名は仰向けになって寝転んでいた。
あの時のバトルの興奮がまだ身体に染み付いているのか、天井に向かって上げる右手は震えが止まらない。しかしながら、椎名は確かに後悔のない顔つきで笑っていて………
「待ってろ花火さん!!……卒業したら、必ず私はあなたと共に旅をします!!………今日という日を、ありがとう!!」
椎名は確固たる決意を胸に、拳を硬く握り締めながら誓いを立てた………
そんな来月、年明けから遂にエニー・アゼム、バーク・アゼムらとの決戦。自分達にとっての最後の界放リーグが開幕を迎える………
〈本日のハイライトカード!!〉
椎名「本日のハイライトカードは【オメガモン】」
椎名「伝説のデジタルスピリット、ロイヤルナイツ。その中でも最強と言われるオメガモン。ウォーグレイモンとメタルガルルモンが合体した姿だ!」
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〈次回予告!!〉
それぞれの想いと誓いを胸に、遂に第10回界放リーグが開幕する!!次回、バトルスピリッツ オーバーエヴォリューションズ…「開幕、最後の界放リーグ!!」……今、バトスピが進化を超える!!
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※次回のサブタイトルや内容等は変更の可能性があります。予めご了承ください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました!!
決着のつけられなかった私を許してくれ………
実は12月末発売の仮面ライダーブースター第5弾にて、ロードバロンのカードがエックスレアとして登場するという確かな情報を入手しました。
ですので、それが判明するまで、しばらくの間、本編の更新はお休みとさせていただきます。バトスピの情報は他のカードゲームと比べて比較的公開が早いので、そんなに長いこと休まないとは踏んでいますが、その間にまた何か別のものを更新する可能性があると考えていてください!
本編をいつも楽しみに読んでおられる方々は本当に申し訳ございません!!推定約1ヶ月間の休載期間、本編の再開を楽しみにしていただけましたら幸いです!!
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