略して『コラスト』というバトスピ小説も投稿いたしました!!
生まれつきソウルコアが使えない少年アスラが最強を目指すべく、熱いバトルを繰り広げていきます!!
本格的な連載はこの作品が完結してからですが、そちらも是非お読みになってくれたら嬉しいです!!
それでは真実に近づく第113話をどうぞ!!
第10回、界放リーグの2回戦までが終わった。勝ち残った4人の試合は翌日にて行われる。それまで暫し休憩だ。
あれだけ大いに盛り上がって見せた中央スタジアムも、深夜となり、人々もいなくなったため、嘘のように静寂な空間となっていた。
そんな誰もいないはずの広大なバトル場には、『エニー・アゼム』とその子孫である『バーク・アゼム』が立ち並んでおり………
「エニー様。明日、いよいよこの世界は変わるのですね」
バークが横で同じ景色を眺めているエニー・アゼムに改めて聞いた。
世界が変わる。それは愚かな人間共の滅亡そのもの。
生物が消え去る事でより良くなるという理論だ。
「うむ。そうだ我が子孫。そのためにも明日、あの赤羽の小童に勝利し、バロンを得、さらに鎧武を『究極の鎧武』へと昇華させるのだ」
「はい。わかっております……汚い血の混ざった奴はこのままにする事は出来ません」
明日の準決勝。その初戦はこの『バーク・アゼム』と『赤羽司』なのだ。バークはこの戦いに勝利し、エニー・アゼムの言う『究極の鎧武』を手に入れなければならない。
進化の頂点に達したその力を手に入れる。
それこそが崇拝する祖先、エニー・アゼムが望む事なのだ。
「既に其方は妾の進化の力の一端を与えた。それさえあれば必ず勝利を収める事ができるであろう」
「はい。ありがたき幸せです」
バークはエニー・アゼムから既にその進化の力の一端を授かっているようである。その力とは何なのか………
それはおそらく明日の司とのバトルで拝見できるのは目に見えていて…………
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翌日。
冬の時期だと言うにもかかわらず、栄誉あるバトラーを一目見ようと再び中央スタジアムに大勢の人々が集まった。
第一試合が行われるバトル場には既に司とバークが今にも殴り合いそうな雰囲気の中睨み合っている。そのバトル場の端にはエニー・アゼム。さらに少し離れたところでは椎名と晴太も確認でき………
「今日、決着がつくんだな、椎名」
「あぁ、絶対に私と司が勝つ!!」
晴太がそう言うと、強く意気込む椎名。頭の中で考えているのは今日の勝利の事のみ。勝たねばこの世界は終わる。
栄誉ある界放リーグが世界の存亡を賭けた戦いになっている事を知っているのはバトル場にいる5人を含めてもごく僅かな数しかいないのだ。
「随分と機嫌が良さそうだな、バーク」
司がバークに言った。
「あぁ、良いさ。何せようやく貴様を叩きのめす事ができるのだからな!!……返してもらうぞ、エニー様のバロンを!!」
バークは司とバトルできるこの時を心から待ち望んでいた。エニー・アゼムからバロンを奪った一族の末裔である彼をこの手で始末できる………子孫である彼にとってはこれほど栄誉ある事はないのだろう。
「奪ったのは大昔の赤羽だろ?…バロンは俺の力だ。もうエニー・アゼムのものじゃない」
「貴様らのような醜い普通の人間共は我に対する発言権すら与えられない!!……さぁ、Bパッドを出せ!!」
「あぁそ」
2人は懐から自身のBパッドを取り出し、展開。バトルの準備を行った。
「まぁいいだろう。良い準備運動になる事を祈るぜ」
「っ……どこまでも我を小馬鹿にする気かぁぁあ!!」
別に小馬鹿にしているつもりはない。司にとっては芽座椎名とのバトルまでの他のバトルなど準備運動でしかないのだ。だが、バークはその点に腹が立ってしょうがない。どうしようもなくムカつくのだ。イライラするのだ。あの赤羽司の余裕のある態度が。
そしてそんな彼らのバトルスピリッツが幕を開ける。
「「ゲートオープン、界放!!」」
コールと歓声の中、バトルが始まる。
先行はバーク・アゼムだ。
[ターン01]バーク
《スタートステップ》
《ドローステップ》手札4⇨5
「メインステップ………赤羽司。貴様はどうしてもこの我をこけにしたいようだな……」
「本当の事を言っているだけだ」
「そう言うところがこけにしていると言っているのだ!!見せてやる。エニー様より授かりし進化の力によって得た………我の新たな力を!!」
「?」
バトル開始から既に余裕のない表情を浮かべているバーク。彼としては早くエニー・アゼムのためにバロンを得なければならないと思っているのだろう。
そして、そんな彼の新たな力が今、発揮される。
「変身!!仮面ライダー鎧武!!」
手札5⇨4
リザーブ4⇨1
トラッシュ0⇨3
【変身!!仮面ライダー鎧武】LV1
「!!」
バークの腰にドライバーのようなものが装着される。バークはさらに手に握られたオレンジのアイテムをそこへとはめ込み、レバーを引いてそれを切った………
そして上空からチャックが現れ、それが全開し、そこからオレンジのようなものが落下。バークの頭にすっぽり入っていった。最後にそのオレンジは割れ、バークの装備となる………
気がつくと、司の目の前には………
「テメェ自身が………鎧武」
「あぁそうだ。この俺が鎧武になった!!」
流石に少しだけ目を見開いた司。今、目の前にいるのはバークだが、その姿は正しく鎧武 オレンジアームズそのものだったからだ。
これこそ、バークがエニー・アゼムに与えられた進化の力の結晶。赤羽司に勝つための切り札だ。
「配置時の効果でデッキからカードをトラッシュに……………対象カードは3枚。我に3つのコアを増やす…………我はこれでターンを終えよう!!……さぁ、早くターンを進めろ!」
神託カード↓
【仮面ライダーブラーボ ドリアンアームズ】◯
【仮面ライダーブラーボ ドリアンアームズ】◯
【仮面ライダー斬月 メロンアームズ】◯
【変身!!仮面ライダー鎧武】LV1(0⇨3)
「ギャーギャーギャーギャーうるせぇ、言われなくてもさっさと終わらせてやるさ」
そのターンを終えるバーク。次なるは司のターンだ。その手札には既にいつもの速攻部隊が出揃っており………
[ターン02]司
《スタートステップ》
《コアステップ》リザーブ4⇨5
《ドローステップ》手札4⇨5
「メインステップ、バロン バナナアームズとイーズナを召喚!!」
手札5⇨3
【仮面ライダーバロン バナナアームズ】LV3(1)BP7000
【イーズナ】LV1(1)BP1000
司の頭上からチャックが出現し、全開となり、そこから赤い仮面スピリット、バロンが降り立つと共に、場にイタチ型の小さなスピリット、イーズナが現れる。
「フンッ…相変わらず、馬鹿の一つ覚えの速攻か!!」
「あぁそうだ。馬鹿の一つ覚えだ。そして、そんな馬鹿に負けるのがテメェだ!!アタックステップ!!バロンとイーズナでアタック!!」
手札3⇨4
バロンが槍を構え、バークのライフに向けて走り出した。イーズナも同様だ。バークもとい、鎧武を守るスピリットはいない。
彼はそのアタックをライフで受ける他なくて………
「ライフで受ける!!」
ライフ5⇨4⇨3
バロンの槍から繰り出される強烈な刺突。イーズナのひっかく攻撃がバークを襲う。そのライフが一気に2つ砕け散った。
「ターンエンドだ………どうした、そんなものか?」
【仮面ライダーバロン バナナアームズ】LV3(1)BP7000(疲労)
【イーズナ】LV1(1)BP1000(疲労)
バースト【無】
バークを軽く煽りながらそのターンを終える司。敵が未知なるカードを繰り出してこようがその立ち振舞いを一切変えない。
[ターン03]バーク
《スタートステップ》
《コアステップ》リザーブ3⇨4
《ドローステップ》手札4⇨5
《リフレッシュステップ》
リザーブ4⇨7
トラッシュ3⇨0
「メインステップ、我は鎧武と龍玄を召喚!!我にコアを置き、召喚時効果でカードをオープンし、対象のカードを手札に加え、コアを増やす!!」
手札5⇨3⇨4
リザーブ7⇨0
トラッシュ0⇨4⇨5
【仮面ライダー鎧武 オレンジアームズ】LV2(2⇨3)BP5000
【仮面ライダー龍玄 ブドウアームズ】LV1(1)BP4000
オープンカード↓
【アルティメットウォール】×
【仮面ライダー鎧武 カチドキアームズ】◯
【ヘルヘイムの産物】×
【変身!!仮面ライダー鎧武】(3⇨5)
バークの場にオレンジアームズとブドウアームズが現れ、手札やコアを増やしていく。バークの手札には新たに【仮面ライダー鎧武 カチドキアームズ】のカードが握られた。
「アタックステップ!!その開始時!!【変身!!仮面ライダー鎧武】の【転神】を発揮!!コア2つをボイドに置き、我はアタックが可能となる!!」
【変身!!仮面ライダー鎧武】(5⇨3)
「っ……テメェ自身がアタックできるようになる効果?」
「アタックステップは続行!!我が貴様に攻撃する!!」
手札4⇨6
腰にある刀を抜き取り、構えて走り出したのは鎧武に変身しているバーク自身。司に有りっ丈の怒りをぶつけようとしている。
「ライフだ……来いよ……」
「オォォォォォオッッッ!!!」
「っ!!」
ライフ5⇨4
怒りのままに、全力で司のライフを斬り裂くバーク。やはり進化の力で手に入れたカードは違うのか、司には多大なるバトルダメージが蓄積される。
「どうだ赤羽司!!我の渾身の一撃は!!」
「……別に……軽いな」
「っ……強がるんじゃない!!……龍玄でアタック!!」
だが、単純に大きなバトルダメージで司はビクともしない。あの銃魔との激戦を繰り広げたからである。
あの時の銃魔の悲痛な想いと覚悟に比べたら……
この程度へでもなくて………
「さらに【煌臨】発揮!!対象はアタック中の龍玄!!……さらにこの時、ソウルコアの代わりに我のライフを1つ破壊する!!」
ライフ3⇨2
「!!」
いつもの【煌臨】発揮宣言。だが、それと共に彼のライフ1つが飛び散った。そのピーキーな条件から、より強力なスピリットが呼び出されるのは目に見えていて………
龍玄の頭上から禍々しい気を放つ鎧が降下され、龍玄はそれを受け入れ、衝突し、新たな姿へと昇華する。
「来い、仮面ライダー龍玄・黄泉 ヨモツヘグリアームズ!!」
手札6⇨5
【仮面ライダー龍玄・黄泉 ヨモツヘグリアームズ】LV1(1)BP5000
現れたのは赤茶色いアームズを身に纏う龍玄。その姿は同類が多いこのバトルの中でもより異端であって………
「ヨモツヘグリって……何の果物だよ」
しかし、司の態度は変わらず。ヨモツヘグリの名前に軽くツッコンた。
「効果でコア2つを追加!!」
【仮面ライダー龍玄・黄泉 ヨモツヘグリアームズ】(1⇨3)LV1⇨2
【変身!!仮面ライダー鎧武】(3⇨4)LV1⇨2
ヨモツヘグリにコアが追加される。
そして、アタック中のスピリットに煌臨したため、今尚もアタック中であって………
「ライフで受ける……っ」
ライフ4⇨3
ヨモツヘグリアームズの強烈な拳が司のライフを粉々に粉砕した。
「これで貴様とのライフ差は同じ。ターンを終えよう」
【仮面ライダー鎧武 オレンジアームズ】LV2(3)BP5000(回復)
【仮面ライダー龍玄・黄泉 ヨモツヘグリアームズ】LV2(3)BP7000(疲労)
【変身!!仮面ライダー鎧武】LV2(4)
オレンジアームズをブロッカーとして残し、そのターンをエンドとしたバーク。次なるは司のターン。勝負を決めるべくターンシークエンスを進める。
[ターン04]司
《スタートステップ》
《コアステップ》リザーブ2⇨3
《ドローステップ》手札4⇨5
《リフレッシュステップ》
リザーブ3⇨6
トラッシュ3⇨0
「メインステップ、俺はネクサスカード、朱に染まる薔薇園をLV2で配置し、イーズナのLVを3にアップ」
手札5⇨4
リザーブ6⇨0
トラッシュ0⇨3
【イーズナ】(1⇨3)BP3000
【朱に染まる薔薇園】LV2(1)
司の背後に鮮やかな朱色の薔薇が咲き誇る。
「アタックステップ!!バロンでアタック!!…カードをドローし、BP5000以下のスピリットを破壊する!!」
手札4⇨5
「!!」
「破壊するのは鎧武、オレンジアームズだ!!」
バロンが槍の切っ先を鎧武に差し向け、その先端からバナナの形をしたエネルギーを飛ばす。鎧武はそれに貫かれ、爆発するかに見えたが………
「オレンジアームズの効果!!我のライフ1つをこのスピリットに置くことで場に残る!!」
ライフ2⇨1
【仮面ライダー鎧武 オレンジアームズ】(3⇨4)
「!!」
しかし、オレンジアームズはその一撃を紙一重で避けてみせた。バークは自分のライフの減少など全く意に介さず、オレンジアームズを守った。
「貴様如きが鎧武に、エニー・アゼム様のカードに勝てると思うな!!……フラッシュ、【変身!!仮面ライダー鎧武】の効果【神技】を発揮!!」
「!!」
「コアを4つボイドに置き、手札にあるアームズスピリットを召喚する!!……我は手札から仮面ライダー鎧武 カチドキアームズをLV2で召喚!!」
手札6⇨5
【変身!!仮面ライダー鎧武】(4⇨0⇨1)LV2⇨1
【仮面ライダー鎧武 オレンジアームズ】(4⇨2)
【仮面ライダー鎧武 カチドキアームズ】LV2(2)BP10000
鎧武の姿となっているバークが天に手をかざすと、その上空からチャックが出現、全開し、そこから重圧な装甲を持つ鎧武 カチドキアームズが飛び降りてやってきた。
「カチドキアームズの効果!!貴様のスピリット2体をBPマイナス15000し、0になれば破壊する!!」
「!!」
【仮面ライダーバロン バナナアームズ】BP7000⇨0(破壊)
【イーズナ】BP3000⇨0(破壊)
カチドキアームズが二本の橙色の旗を豪快な炎と共に振り回す。旗の動きと連動して踊るように舞うその炎はバロンとイーズナを瞬く間に包み込み、焼き尽くした。
………司の場のスピリットはゼロ。少なくともこのターンはもう動く手は無くて……
「……ターンエンドだ」
【朱に染まる薔薇園】LV2(1)
バースト【無】
その顔色は未だに冷静な表情を浮かべている司。余裕とも取れるその表情は作戦なのか、はたまた素であるのかはわからないが、少なくとも負ける気がないのは伺えて……
「気取るな、赤羽司!!……もう貴様の負けだ!!」
「……じゃあ減らしてみろよ、俺の3つのライフ!!……貴様如きでは不可能だと思うがな!!」
「っ……黙れ!!」
バークを煽る司。バトルの優勢は圧倒的に彼が有利であるが、所謂会話のマウント合戦では、司が完勝していると言える。
そんな怒りに浸透したバークが司の息を止めるべくターンを進めて………
[ターン05]バーク
《スタートステップ》
《コアステップ》リザーブ0⇨1
《ドローステップ》手札5⇨6
《リフレッシュステップ》
リザーブ1⇨6
トラッシュ5⇨0
【仮面ライダー龍玄・黄泉 ヨモツヘグリアームズ】(疲労⇨回復)
「メインステップ!!我は仮面ライダー黒影 マツボックリアームズを2体連続召喚!!…効果により2枚ドロー!!」
リザーブ6⇨0
トラッシュ0⇨4
【仮面ライダー黒影 マツボックリアームズ】LV1(1)BP3000
【仮面ライダー黒影 マツボックリアームズ】LV1(1)BP3000
【変身!!仮面ライダー鎧武】(1⇨2⇨3)
黒いボディと平凡な槍を持つ黒影がバークの場に2体現れ、その分カードをドローした。
「アタックステップ!!…やれカチドキアームズ!!…あの愚か者のライフを砕け!!」
バークの指示で2本の旗を構え、司のライフを砕くべく走り出す。
だが、司はそんな必死なバークを滑稽だと言わんばかりに手札からカードを1枚引き抜いて………
「フラッシュマジック、シンフォニックバースト!!」
手札5⇨4
リザーブ4⇨2
トラッシュ3⇨5
「!?」
「そのアタックはライフで受ける!……そして、シンフォニックバーストの効果でテメェのアタックステップは終わりだ!!」
ライフ3⇨2
カチドキアームズが二本の旗を振るい、司のライフ1つを破壊する。
が、その直後に司の使用したシンフォニックバーストの効果が適応。黄色い輝きが解き放たれ、バークのスピリット全ての身動きを封じ込めた。
「ほら、テメェじゃ俺は倒せない」
「っ……ターンエンド……!!」
【仮面ライダー鎧武 オレンジアームズ】LV2(2)BP5000(回復)
【仮面ライダー龍玄・黄泉 ヨモツヘグリアームズ】LV2(3)BP7000(回復)
【仮面ライダー鎧武 カチドキアームズ】LV2(2)BP10000(疲労)
【仮面ライダー黒影 マツボックリアームズ】LV1(1)BP3000(回復)
【仮面ライダー黒影 マツボックリアームズ】LV1(1)BP3000(回復)
【変身!!仮面ライダー鎧武】LV1(3)
バースト【無】
大量のスピリットを展開したものの、司のマジック1枚で身動きを封じられたバーク。このターンはエンドとするしかなくて………
「おい椎名。司は大丈夫なのか!?…誰がどう見ても不利だぞ!!」
「心配する事ないさ、先生。あいつは本当、何考えてるかわからないけど、私とバトルするまでは負けない」
周囲で司のバトルを見守っている椎名と晴太が言った。
そうだ。
赤羽司は芽座椎名に勝つまで負ける事はないし、況してやバーク・アゼムごときに敗北を喫する訳がない。
[ターン06]司
《スタートステップ》
《コアステップ》リザーブ3⇨4
《ドローステップ》手札4⇨5
《リフレッシュステップ》
リザーブ4⇨9
トラッシュ5⇨0
「メインステップ!!…バーストを伏せる!!」
手札5⇨4
「!!」
司の場にバーストカードがセットされた。いつものバークだったら大した警戒はしないだろう。
しかし、あの『ロード・バロン』だった場合は話が変わってくる。
ただ、あのカード自体は単なるバーストカードに過ぎない。召喚されなければ何の意味もない。ライフ減少がなら対策もしやすい……
そこまで思考が過ったバークの表情から思わず小さい笑みがこぼれるが………
今の赤羽司の強さは彼の想像をはるかに超えるものであって………
「さらに俺は、ダークナイト・ドラゴンを召喚!!」
手札4⇨3
リザーブ9⇨4
トラッシュ0⇨4
【ダークナイト・ドラゴン】LV1(1)BP4000
「!!」
司の場に黒き鎧を身につけたドラゴンが現れる。
「召喚時効果!!俺のライフ1つをボイドに送り、BP6000以下のスピリット1体を破壊する!!……オレンジアームズを破壊!!」
ライフ2⇨1
「!!」
司のライフが破裂し、残り1つとなってしまうが、ダークナイト・ドラゴンの持つ剣から繰り出される斬撃がオレンジアームズを切り崩した。
一見……
一見してみると、単に効率の悪いBP破壊にしか見えない。だが、ここでは『ライフが減ったことに価値があり、意味がある』
今、伏せたばかりの司のバーストカードが勢い良く反転してみせて………
「ライフ減少により、バースト発動!!『ロード・バロン』!!」
「っ……自発的にバーストを発動だと!?」
「消えろ、カチドキアームズ、黒影!!」
「くっ……!!」
【仮面ライダー鎧武 カチドキアームズ】(2⇨0)消滅
【仮面ライダー黒影 マツボックリアームズ】(1⇨0)消滅
トラッシュ4⇨7
そのバーストカードが反転されるなり、異常気象でも発生したような赤黒い竜巻が発生し、バークの場を襲う。カチドキアームズと黒影1体が巻き込まれ、その姿を消滅させられてしまう。
「そしてその後、召喚する!!……聞け!!魔王の轟く怒号を……そして慄き戦慄せよ!!………来い、ロード・バロン!!」
リザーブ4⇨0
【朱に染まる薔薇園】(1⇨0)LV2⇨1
【ロード・バロン】LV3(5)BP16000
赤い稲妻が落雷する。その衝撃と共に現れたのは赤羽司最強のスピリット、ロード・バロン。
エニー・アゼムの力の枠組みから外れ、司の己の力で進化させたバロンの異端な究極形態である。
「アタックステップ!!……やれ、ロード・バロン!!効果でヨモツヘグリアームズを破壊する!!」
「!!」
ロード・バロンがその手に持つ巨大な魔剣を地面に勢い良く突き刺す。すると、そこから凄まじい衝撃波が放たれ、一瞬にしてヨモツヘグリアームズを粉砕する。
「アタックは続行!!……テメェは受け切れるのか、この俺の重い一撃を!!」
「くっ……黒影で守る!!」
バークは反射的に黒影で身を守る。黒影が槍を構え、ロード・バロンに立ち向かうが、ロード・バロンの力を入れていないような緩い太刀筋であっさり切り崩され、爆発してしまう。
「……ふざけるな……ふざけるなよ、赤羽司ぁあ!!」
この爆発の最中………
バーク・アゼムは唐突に察した。目の前の男の圧倒的な強さを……
自分では到底敵わないという事を……
「終わりだ。ダークナイト・ドラゴンでアタック!!」
司の指示により、ダークナイト・ドラゴンが自身の剣を抜き取り、バークの最後のライフ目掛けて走り出した。
もう彼の場にはスピリットがいない。
文字通り、これで終わりだった。
「………」
ライフ1⇨0
そして、ライフで受ける宣言をするまでもなく、その剣は彼のライフを切り崩した。ライフがゼロになったことに伴い、バークの姿も元の人間に戻る。
これで赤羽司の勝利だ。しかも圧倒的な実力差を見せつけての完勝………
これでまた彼の望む芽座椎名とのバトルに一歩近づいた。それと同時に人類を救ったとも言えるのだが、彼にとっては圧倒的に前者の方が重要であって………
バトル場の周囲ではそのバトルを見守っていた椎名と晴太がガッツポーズをして喜んでいた。
「何故だ………何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だァァァァアぁぁぁぁぁァァァァア!!!」
「うるせぇ奴だな」
「貴様のような奴が何故我より強い!?…固い信念を持つこの我よりも!!」
敵の方が実力が上だと理解しても尚、自分の敗北が受け入れられないバーク・アゼム。それをよそに見ていたエニー・アゼムが彼の側まで近寄り………
「気に病むことは無い、我が子孫……」
「っ……エニー様!!」
仏のような表情でバークを見つめるエニー・アゼム。その表情を見るなり、バークは言葉を詰まらせてしまう。
「良くやったよ、本当に………」
しかし、次の瞬間。
敗北してしまった事をバークが謝罪しようとした……
その直後だった。
「この俺様のためにな………!!」
エニー・アゼムが不気味な笑みを浮かべて、手のひらに鎧武を含むバークの持つカードが全てあっという間に吸収されたのは…………
「え?」
その光景に驚くバークや、周囲の面々。
確かに元々はエニー・アゼムのカードだ。『使えなくなった』とはバークも聞いていたが、使えるようになったとでも考えればありえない話では無い。
しかし、その異様な光景はどう見ても『吸収した』ようにしか見えなくて………まるで、鎧武から発せられていた進化の力を奪うかのように………
「ど、どういう事ですか!!? エニー様!!!……鎧武は……」
「溜まった」
「は?」
「今の鎧武を取り込んだ事で、進化の力が完全に『俺様』の全盛期の頃、いや、それ以上に………溜まった」
「な、何を!?」
意味深な事を口にするエニー・アゼム。その声色はいつもの優しいものとは違い、
とても静かで……
冷たくて………
それでいて凶悪で………
「今日この日、ようやく世界は『鬼の世界』になる!!」
「!!?」
「おかえり、そしてただいま。俺様!!」
そう言うと、エニー・アゼムの体からドス黒い何かが溢れ出していく。依り代となっていた赤羽司の姉、赤羽茜の体がその場で倒れる。
やがてそのドス黒い塊は次第に何か異形な姿へと形を形成していき………
「……まさか……コイツは……」
それが形成されていく中、バークはついに察した。
このエニー・アゼムの……
いや、『エニー・アゼムを名乗っていた者』の正体が………
「ガッガッガ……」
奇妙な笑い声が聞こえて来た。
その姿はこの世の生物とは思えないほど、黒くて………
その頭には黒くて長い角が二本生え、耳は尖っており、翼が生え、尾があり………
「何……だ……!?……この生物は……!!!」
その光景を見ていた晴太がそう口にした。その姿はまさしく悪魔とも取れる異形だった。古に伝わるような真の怪物其の物だった。
この異形を視認するなり、会場にいた多くの人々が騒ぎ、パニックになってしまうが………
「ガッガッ……煩いな。下等種族共は今も昔も変わらない……!!」
ー!?
赤羽茜の体から出てきた異形がそう言い、手をかざすと、すぐさま、会場全体が闇に包み込まれ、不思議な空間が完成してしまう。
人々はどうなってしまったのか、声も聞こえなければ一寸先のものも視認するのが困難になった。辛うじてバトル場周辺は見えるが、決して満足いくものではなく………
まるで別の世界に誘われたような………
そんな感覚が椎名達を襲った。
「私はさ………ずっと、あんたの事が疑問だった………」
椎名が口を開いた。その異形は椎名の方へと首を向ける。
「元々、エニー・アゼムは善人だった。そいつがいくら誰かに復讐したいと言っても、『悪意の塊』になるのはどうしても違和感があった………」
椎名は最初から不思議でならなかった。元は善人のエニー・アゼムが完全な悪意の塊になっていたことに………普通は少しでも善意は残るはずであるのに………
その謎がようやく解けた。その顔、角。間違いない………
「ガッガッガ……ヒントは与えてやったけどな。気づくのが一足遅かったな………」
そして異形はその名を名乗る………
「そう………俺様の名は『ノヴァ』!!エニー・アゼムではない!!………愚かな下等種族共を消し去るために生まれた、『鬼の頂点に立つ者』!!!……」
そうだ。
その正体は約2000年以上前に生息していた鬼。
しかもそれを統べる王とも呼べる存在。奴は今まで赤羽茜として、エニー・アゼムとして………暗躍していた………
全ての黒幕………
今一度鬼の世界を築き上げるため、2000年前に戦いで自身を倒した人間達に復讐するため、彼は再びこの現世に姿を現した………
まさに、史上最悪の侵略者………
《次回予告!!》
次回、バトルスピリッツ オーバーエヴォリューションズ「古の侵略者、鬼王ノヴァ!!」……今、バトスピが進化を超える!!
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最後までお読みくださり、ありがとうございました!!
実は赤羽茜の体を乗っ取り、今までエニー・アゼムとして振舞っていた人物は全てあの鬼王ノヴァでした。
長々と話していましたが、結論から言うと全部アイツが悪いです。