バトルスピリッツ オーバーエヴォリューションズ   作:バナナ 

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第115話「最後のオーバーエヴォリューション」

 

 

 

 

 

 

 

 

鬼王ノヴァとの世界の命運を賭けたバトルスピリッツは続く………

 

 

今は椎名のアタックステップ。

 

魔剣を手にしたデュークモンが背後に黒い残像を残すほどの速度で地を駆ける。狙うは当然鬼王ノヴァのライフ。

 

後2つ。

 

この一撃は世界を救う………

 

はずだった。

 

そんな淡い期待など、ノヴァの手札1枚で呆気なく潰される…………

 

 

「フラッシュマジック……デルタバリア!!」

手札6⇨5

リザーブ22⇨18

トラッシュ28⇨32

 

ー!?

 

「この効果により、このターンの間、コスト4以上のスピリットのアタックではライフが0にならない!!」

ライフ2⇨1

 

 

デュークモンが豪快に魔剣を振り回し、ノヴァのライフを破壊しようと試みるも、彼の前方に現れたバリアがそれを拒む。

 

突撃も虚しく、僅か1つの破壊でデュークモンは後方へと帰還し………

 

 

「………ターンエンドだ」

【デュークモン クリムゾンモード】LV3(4)BP21000(回復)

【デュークモン+断罪の滅刃ジャッジメント・ドラゴン・ソード】LV2(3)BP24000(疲労)

【スティングモン】LV1(2)BP5000(回復)

 

【ディーアーク】LV1

【D-3】LV1

 

バースト【無】

 

 

場のスピリット達が強力すぎて逆にデルタバリアの効果を超えることができない今、椎名はそのターンをエンドにせざるを得なかった。

 

次なるは鬼王ノヴァのターンだ。

 

 

「ガッガッガ……あぁ、やっと新しい身体も馴染んできた!!……グッガッガッガ……哀れで愚かな猿共よ……終わりだ……!!」

 

ー!?

 

 

鬼王ノヴァの身体に変化が訪れる。そのサイズはより巨大になり、口は裂け、鬼の象徴たる角が身体中から生えて来た。

 

ここまで来たら最早単なる化け物だ。

 

 

「ガッガッガ………俺様のターンだ!!」

 

 

そんな化け物、鬼王ノヴァのターンが今一度幕を開ける。

 

 

[ターン11]ノヴァ

《スタートステップ》

《コアステップ》リザーブ19⇨20

《ドローステップ》手札5⇨6

《リフレッシュステップ》

リザーブ20⇨52

トラッシュ32⇨0

 

 

「メインステップ………召喚……!!」

 

 

ノヴァは手札からゆっくりと自身のBパッドの代わりとなっている闇の塊の上へと置いた。

 

今から呼び出されるスピリットは……

 

おそらく、史上最大で、最強の存在。ノヴァの進化の力が余りにも強大すぎて自ずと完成してしまった究極の1枚…………

 

 

「………来い………『オーマジオウ』!!」

手札6⇨5

リザーブ52⇨32

【仮面ライダーオーマジオウ】LV3(20)BP50000

 

ー!!

 

 

この世の終末を告げるかのように地から異常な程マグマが噴出する。その中からノヴァの場へと現れたのは史上最強で最悪の魔王………

 

その名はオーマジオウ。

 

ノヴァが鎧武を取り込んだことで新たに得ていたスピリットカードだ。

 

 

「召喚時効果!!コスト20以下のスピリット1体を破壊する!!……小僧の場からはハーピーガールを、小娘の場からはデュークモンを破壊する!!」

 

ー!!

 

 

オーマジオウは現れるなり手を宙に翳す。すると、ハーピーガールとデュークモンの四方から目で追えない程の攻撃がいくつも飛び交ってきた。

 

2体は耐えられず、何故破壊されたかも理解できぬまま力尽き、大爆発を起こした。デュークモンの握られていた魔剣が爆風に飛ばされ、虚しく地面に突き刺さった。

 

 

「っ……ここに来てBP50000の化け物……!!」

 

「緩いな!!俺様がそれだけで終わると思うか!?……俺様はさらに2体のオーマジオウを呼ぶ!!」

手札5⇨3

リザーブ32⇨9

【仮面ライダーオーマジオウ】LV3(20)BP50000

【仮面ライダーオーマジオウ】LV2(3)BP30000

 

ー!!

 

 

まだ終わらない。鬼王ノヴァは手札からさらなるオーマジオウを呼び出していく。

 

 

「召喚時効果!!ジャッジメント・ドラゴン・ソードとクリムゾンモードを破壊する!!」

「くっ……!!」

 

 

またあの攻撃だ。魔剣とクリムゾンモードが標的にされ、目にも止まらない攻撃が四方から高速で直撃。

 

2体も敢え無く爆発を起こしてしまう。

 

 

「そして手札からマジック、セイントフレイム、ボルカニックブレイク!!……BP10000以下のスピリット、スティングモンと貴様らのネクサス全てを破壊し、破壊したネクサス分カードをドロー!!」

手札3⇨1⇨4

リザーブ9⇨4

トラッシュ0⇨5

 

ー!!

 

 

椎名と司の場一帯を業火の炎が埋め尽くしていく。スティングモンやネクサスカード達が耐えられるわけもなく、あっさりとそれに焼却されてしまい、遂に2人の場からは一切のカードが姿を消した。

 

 

「っ……ダメだ……芽座椎名達の負けだ……あんな化け物どうしろと言うのだ!?」

「諦めるなバーク、椎名達をよく見てみろ!!……まだあいつらの目は死んでない!!」

 

 

鬼王ノヴァの圧倒的な強さに絶望を覚えるバーク。しかし、晴太は違った。ずっと見てきた教え子。自分の誇りである彼らは必ず巨悪を倒してくれると信じていた。

 

 

「ガッガッガ……これで詰みだ。ネクサスカード、ダークタワーを配置!!」

手札4⇨3

リザーブ4⇨3

トラッシュ5⇨6

【ダークタワー】LV1

 

「っ……!?」

「この効果により、貴様達は自分のターンに【煌臨】と【進化】を行う事ができない!!」

 

 

ノヴァの背後に黒い塊のような塔が配置される。その異質な力により、椎名と司は【進化】をはじめとしたノーコスト召喚と【煌臨】を封じられた。

 

 

「アタックステップ!!1体目のオーマジオウでアタック!!」

 

 

いよいよだと言わんばかりにアタックステップへと移行するノヴァ。オーマジオウがゆっくりと歩みを進める。シンボルは2つあるため、一撃で2つのライフを破壊できる。

 

だが、この状況を咄嗟に察した司が手札から1枚のマジックカードを引き抜いて………

 

 

「フラッシュマジック!!シンフォニックバースト!!」

手札4⇨3

リザーブ6⇨3

トラッシュ2⇨5

 

ー!!

 

 

「そのアタックはライフで受ける!!……そしてライフが2以下のため、この一撃でアタックステップは終わりだ!!」

ライフ4⇨2

 

「よっし!!ナイス司!!」

 

 

オーマジオウがその豪腕で椎名と司のライフを一気に2つ砕く。しかし、その直後に黄色い波動が解き放たれ、ノヴァの全てのスピリットの動きを封じ込めた。

 

 

「ガッガッガ……そんな事をしたところで延命にしかならん。貴様らとてとうに理解しているだろう?……ターンエンドだ」

【仮面ライダーオーマジオウ】LV3(20)BP50000(疲労)

【仮面ライダーオーマジオウ】LV3(20)BP50000(回復)

【仮面ライダーオーマジオウ】LV2(3)BP30000(回復)

 

【旅団の摩天楼】LV1

【旅団の摩天楼】LV1

【ダークタワー】LV1

 

バースト【無】

 

 

そのターンをエンドとする鬼王ノヴァ。その表情はどこまでも余裕であり、このバトルの勝ちを確信していた………

 

次はなんとか命を繋いだ司のターン……

 

だが………

 

 

[ターン11]司

《スタートステップ》

《コアステップ》リザーブ5⇨6

《ドローステップ》手札3⇨4

《リフレッシュステップ》

リザーブ6⇨11

トラッシュ5⇨0

 

 

「メインステップ………何もしねぇ、エンドだ」

バースト【無】

 

「え!?司!?」

 

 

どういうわけか、司は何も行わずにそのターンをエンドとしてしまう。何もできないような手札ではないのはわかっている。

 

だからこそ椎名も驚いていて……

 

とてもではないが世界の存亡が肩に乗っているバトルで行う行為ではない。

 

 

「ガッガッガ!!……諦めたか赤羽司!!賢明な判断だ!!確かに貴様のスピリットでは俺様に一矢報いる事すら出来ない!!」

 

 

そんな司の様子を見て滑稽だと言うように笑い出す鬼王ノヴァ。

 

だが司は………

 

 

「は?……何言ってんだテメェ、俺が本気を出せばテメェなんざ余裕だ。俺がこのバトルに飛び入りで参加したのはめざしが百パーセント勝てるようにするためだ」

「っ!?」

「もうその必要はねぇ、テメェは次のターンでこいつに負けて、あの世行きだ……じゃあな、三下」

「ッッ!?!」

 

 

ハナっから自分でノヴァにとどめを刺すつもりはなかった。これは飽くまで『界放リーグ』で、まだそのバトルの途中なのだから。

 

横にいるコイツと決着をつけたいだけだ。こんなバトル、単なる『界放リーグ』の準決勝に過ぎない。

 

 

「この俺様が……鬼王が…さ、三下……だと!?……侮辱するのも………」

「?」

「侮辱するのもいい加減にしろこの猿共ガァァァァァァァァア!!!!!」

 

 

鬼王という強大な存在を目の前にしても一切怯まず、尊大な態度で振る舞う司に遂にノヴァが本気で怒りを露わにした。その叫びだけでまるで天変地異でも起こったかのように多くの稲妻が上空を迸り、地や空気が怯えているように震撼する。

 

 

「おいめざし、テメェ、『あのカード』がもうなんなのかわかるだろ?」

「!?」

 

 

司が唐突に椎名に質問してきた。椎名もその内容を理解している。

 

そう。

 

2000年もの間ずっと芽座一族の祠に眠っていたあのカード。

 

あれは間違いなくエニー・アゼムがこの時が来るのを予測して準備したものだ。

 

鬼王ノヴァを倒せるとしたらそれしかない。

 

 

「あぁ、わかってる……」

「フンッ…だったらさっさとそれを引いてあのクロキモヤローを倒すんだな」

 

 

もう言うことはない。

 

後は決めるだけ、

 

 

全ての命運がのし掛かった椎名のターンが始まる……

 

 

[ターン12]椎名

《スタートステップ》

《コアステップ》リザーブ11⇨12

 

 

「ドローステップ……ドロー!!……っ!!」

手札2⇨3

 

 

《リフレッシュステップ》

リザーブ12⇨20

トラッシュ8⇨0

 

 

椎名がドローしたのはあの名前だけが記載されているカードだった。バトルが始まる寸前。このカードが必ず切り札になると確信して投入した1枚。

 

おそらく、自分の進化の力を注ぎ込むことで再び目覚めるだろう。

 

 

(椎名、使うのかい?そのカードを?)

(……リーパー……)

 

 

今では同じ身体を共有する仲となった椎名の相棒であるデ・リーパーが彼女の心の中から語りかけてきた。

 

 

(あぁ、もう進化の力は使わないって言ったけど、今はしのごのと言ってる場合じゃない)

(そう言う心配をしてるんじゃない。その中にはエニー・アゼムの膨大な進化の力が内包されている………わかるだろ?場合によっては溢れ出した進化の力で君はまた『鬼化』するかもしれない)

(…………)

 

 

知っている。

 

そうだ。このカード、『インペリアルドラモン パラディンモード』にはエニー・アゼムが復活したノヴァを倒すべく自身の進化の力がこれでもかと詰まっている。

 

その力をこじ開けるためにはそれなりの進化の力が必要になるのは明白。

 

鬼の雑兵以下の進化の力しかない自分で操れるのか………

 

 

(いや、操れるかじゃない。操るんだ!!)

(!!)

(私を信じろ、リーパー……私の妹兼姉はいつだって心の底で私を信じてくれるはずだよ)

(……ふふ、そうだったね、君はそう言う人間だった………わかった。私も出来る限りサポートしよう)

 

 

お互いの絆を確かめ合った椎名とデ・リーパー。

 

その志を確かに、椎名は自身のメインステップを行なって………

 

 

「メインステップ!!私はインペリアルドラモン ファイターモードを召喚!!」

手札3⇨2

リザーブ20⇨6

トラッシュ0⇨9

【インペリアルドラモン ファイターモード】LV2(5)BP15000

 

 

椎名の場に皇帝竜の2つ名を持つ青と緑の究極体スピリット、インペリアルドラモン ファイターモードが姿を現した。その黒々としたボディ、勇ましい赤い翼は普通のバトラーが相手ならば大きなプレッシャーを与えられるのだが………

 

 

「ガッガッガ……今からそんなスピリットに何が出来る!?俺様の場にはBP30000超えのオーマジオウが3体!!その程度で突破はできん!!」

 

 

それ以上にノヴァの場が凄まじい。オーマジオウの圧倒的なBPの前ではほぼ無力に等しかった。

 

 

「………行くぞ、ここからが勝負だ……私の内に秘めた進化の力を解き放つ……!!」

 

ー!!

 

 

椎名がドローしたカードを強く握り、身体中にある進化の力をそのカードへと注ぎ出した。そのカードの真の力を解放するために………

 

その際に椎名の目にギルモンやデュークモンと同じマークにが刻まれる。

 

そして、成功しているのか、そのカードにテキストが刻み込まれていき…………

 

椎名はそのカードの発揮を宣言する………

 

 

「よし………これなら………手札のインペリアルドラモン パラディンモードの【チェンジ】発揮!!対象はファイターモード!!」

リザーブ6⇨1

トラッシュ9⇨14

 

「っ……それは!!」

 

 

椎名の使用したカードにようやくノヴァも気づいた。間違いない。それはエニー・アゼムが自分を殺すために遺したカード。念のために自分が何度も回収を試みようとした代物だ。

 

 

「この効果で先ずはオーマジオウ1体を破壊し、あんたのトラッシュ全てをゲームから除外する!!」

「!!」

 

 

白くて巨大な剣が周囲の闇を切り裂くが如く降り注ぎ、オーマジオウ1体の胸部へと直撃した。

 

オーマジオウも流石にその一撃には耐えられず、激しい断末魔を上げて大爆発した。

 

そしてその爆風の中、巨大な剣はファイターモードの方へと飛びいき…………

 

 

「そしてこの効果発揮後、対象となったスピリットと入れ替える!!」

 

 

対象となっていたファイターモードがその自身の体躯と同等程の刀身がある巨大な剣を両手で固く握る………

 

が………

 

それを握った直後だ………

 

椎名の身に異変が起きてしまったのは………

 

 

ー!!

 

 

パラディンモードのカードから凄まじい進化の力が一気に漏れ出し、椎名を包み込んだ。ファイターモードにも白き大剣から溢れ出た黒い力がまとわりついてくる………

 

 

「めざし!?」

「ぐっ……がっ………がっ!?」

 

 

苦しみもがき出す椎名。リーパーのサポートがあってこれだ。エニー・アゼムがどれだけ強力な進化の力の持ち主だったかが安易に理解できる………

 

 

「ガッガッガ!!愚かな!!それは貴様如きでは扱えない!!……自ら死に急ぐか鬼化してしまうぞ!!」

「ぐっ……がっっ………グガァァァァァァァ!!!!」

 

 

まとわりついてくる進化の力が影響して、椎名の身体が徐々に変化してくる。鬼のような角や牙が生え、昔のように理性が失いかけている。

 

危険な状態だ。

 

 

 

ただ、そんな状況でも冷静沈着な表情のまま椎名の肩にそっと手を置いた人間が1人………

 

それは椎名の生涯のライバル、赤羽司だ………

 

 

「おい、めざし………俺にとってはどうでもいい事だがよ………」

「グッ……グルぅぅぅう!!?」

 

 

人間の理性と鬼の本能の間に揺れる椎名がゆっくりと司の方へと首を傾けた。一瞬でも椎名が気を抜いて完全に鬼化を暴走させて仕舞えば司の命は保証できないだろう。

 

だが司はそんな事は知ったことではないと言う感じでまた軽々しく偉そうな口を開いて………

 

 

「テメェは世界一カッコいいカードバトラーになるんだろ?」

 

ー!?

 

 

そう言った………

 

私の生涯のライバルがそう言った………

 

そうだ。

 

これが終われば私は世界一カッコイイカードバトラーの花火さんと旅ができる。それだけじゃなしにこれから楽しい事がいっぱいある。

 

そんな素晴らしい未来が待ち構えているのに………

 

こんなとこで終わらせてたまるかぁぁあ!!

 

 

 

「グッ……ぐっ………うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

 

「なにぃ!?」

 

 

鬼の本能に打ち勝ち、己の気力だけでそれを制御し、息を吹き返した椎名。一瞬にして鬼化状態から人間の状態に逆戻りし、まとわりついていた進化の力が再びカードの中へと吸い込まれていった………

 

そして遂に………

 

遂に伝説のデジタルスピリット、パラディンモードがそのベールを脱ぐ………

 

 

「究極モードチェンジ!!現れろ!!インペリアルドラモン パラディンモードッッ!!」

【インペリアルドラモン パラディンモード】LV3(5)BP23000

 

 

ファイターモードもまとわりついていた進化の力を克服する。その姿は巨大な剣の力でみるみるうちに美しい純白なものへと変わっていく…………

 

そして新たに現れたのは伝説のデジタルスピリット、2000年の時を超え、呼び出された、インペリアルドラモン パラディンモードだ。

 

 

「ば、バカなぁぁあ!!単なる小娘如きがパラディンモードを使いこなすというのか!?」

「これは私1人の力じゃない!!…今まで私が培ってきた思い出と絆で繋がれた結晶だ!!……あんたには到底、わからないだろうけどな!!」

 

 

準備は万端だ。カードは出尽くした。

 

一気に終わらせる。

 

 

「アタックステップ!!パラディンモードでアタック!!」

 

 

アタックステップへと移行し、パラディンモードで攻める椎名。そしてこの瞬間、その力を遺憾なく発揮させる。

 

 

「パラディンモードのアタック時効果!!トラッシュにあるコアを全てパラディンモードに置き、スピリット全てを疲労させる!!」

トラッシュ14⇨0

【インペリアルドラモン パラディンモード】(5⇨19)

 

「ガッ!?……何だと!?」

【仮面ライダーオーマジオウ】(回復⇨疲労)

【仮面ライダーオーマジオウ】【回復⇨疲労)

 

 

パラディンモードがその大剣を天に掲げる。

 

すると、コアが巻き上がり、吸い込まれるように大剣に取り込まれた。そしてそこから発せられた衝撃波が2体のオーマジオウに膝をつかせた………

 

 

「これであんたの場にブロックできるスピリットはいない、そしてパラディンモードはダブルシンボル!!……これで終わりだ!!」

 

ー!!

 

 

ノヴァのライフは残り2。

 

パラディンモードの伝説の一撃が

 

2000年前の因果関係を全てを終わらせる…………

 

はずだった………

 

 

「残念だったな……フラッシュ【神速】召喚、クワガーモン!!」

手札3⇨2

リザーブ13⇨6

トラッシュ6⇨10

【クワガーモン】LV2(3)BP6000

 

「なに!?」

「ガッガッガ……この俺様に勝てると思ったのか!?……その程度で俺様の2000年が無駄に終わるわけないだろう!?ないだろう??……なぁ!!芽座椎名ぁぁあ!!」

「くっ……!!」

 

 

ここに来てノヴァの手札から神速によるスピリットの召喚。場に赤い甲殻を持つクワガタのような姿をしたスピリットが現れる。

 

本当に絶望を感じた椎名。

 

パラディンモードの攻撃がブロックされたら終わりだ…………

 

だが、この男がそれを許さなかった。

 

 

「無駄かどうかはこの俺の手札を見てから言うんだな。フラッシュマジック、レッドライトニング………クワガーモンを破壊」

手札4⇨3

リザーブ11⇨7

トラッシュ0⇨4

 

「…………はぁ?」

 

 

司の手札から突然放たれたマジック。

 

赤い稲妻が迸り、出たばかりのクワガーモンを難なく破壊してみせた………

 

 

「な……なんだと!?」

「言ったろ、めざしを勝たせるために俺はいる………」

「……司……!!」

 

 

司のナイスプレーに椎名は思わず笑みを浮かべた。

 

 

「おのれぇぇぇぇ!!手を振れば死ぬ塵芥の分際でぇぇえぇぇ!!……貴様らぁぁあ!!」

 

 

敗北が確定したのか、ようやく慌ただしい表情を浮かべ、情緒が安定しなくなる鬼王ノヴァ。

 

 

「いけ、めざし……!!」

「あぁ……行くぞ司!!」

 

 

 

今………

 

 

 

私は…………

 

 

 

進化を超える!!!

 

 

 

「伝説の一撃………」

「………やめろ……やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!!!」

 

 

パラディンモードが巨大な剣を豪快に地面に突き刺した。そしてその接点を中心に神々しい光が溢れんばかり飛び出して行き…………

 

 

 

「……オメガ・ザ・レジェンダリー!!!」

 

「がっがっ……がぁぁぁぁぁぉぁぁぁぉ!!!!」

ライフ2⇨0

 

 

その光は残っていたオーマジオウごと、鬼王ノヴァの残ったライフ全てをかっさらっていった………

 

椎名と司の勝ちだ。伝説の一撃は………2000年に渡って渦巻いていた巨悪の根源を断ち切り……全てを終わらせた………

 

 

「ガッ……ガッ………」

 

 

今まさにその身を塵と化そうとしている鬼王ノヴァ。

 

 

「俺様は………何度でも蘇ってやる………この世を鬼の世界に変えるため、貴様ら人間共を滅ぼすため…………何度でもな…………」

「上等だ。何回でも来いよ……いつだって私達が………」

「いや、俺たちカードバトラーがテメェをぶっ倒すだろうぜ」

 

 

鬼王ノヴァは進化の力さえ酷使すれば何度でもこの世に蘇る事ができる。

 

だが、何度蘇ったところで全て結果は同じだろう。

 

何せ、この世界には椎名や司のような最後の最後まで諦めないカードバトラーが大勢いるのだから。

 

 

「ガッ……がぁぁぁぁぁぉぁぁぁぉ!!!」

 

 

限界を迎えたか、身体の内側から破裂する鬼王ノヴァ。凄惨な死を遂げた………

 

そしてそれに伴ってか、ノヴァの力で覆われていた闇が取り払われ、辺り一面は界放リーグの会場へと返り咲いた。

 

この出来事は観客達には一瞬の出来事だったのか、一瞬だけ静寂が保たれるが、椎名と司が自分たちを救ってくれたと考えが至った途端に大きな歓声を彼らに浴びせた…………

 

 

「やったな、椎名………っ」

 

 

遠目で椎名に対してそう言う晴太。すると、すぐさま茜の身体が発行し、光の粒子となって闇共々きえさっていく………

 

おそらく、この茜の身体はノヴァが茜の遺骨から作り出したものだったのだ。

 

 

「じゃあな。茜………また俺がまともに死んだらな………」

 

 

晴太はその流れ行くライバルの光を見つめ、楽しみでありながらも、儚い約束ごとを呟くのだった………

 

 

「……ありがとう、芽座椎名………そして赤羽司………お前達の事は一生忘れない………我は自分が犯した誤ちを償うべく旅をする………いつか、お前達に借りた大きな借りを返そう………」

 

 

バークも椎名と司を目に移しながら、そう呟き、スタジアムを後にした………

 

償うには余りにも遠い道のりではあるが、彼ならばいつかきっとそれらを償い、椎名と司の目の前に姿を見せる事だろう………

 

 

ー…

 

 

「終わったんだな………全部……」

 

 

少し落ち着いたところで、椎名は数百万を超える観客達の歓声を浴びながら司に言った。

 

何もかも、終わったのだ。

 

2000年に渡る長い長い戦いが………

 

 

椎名は干渉に浸っていた…………

 

 

 

 

「何言ってやがる………まだ残ってるだろ………」

「!?」

「俺たちは界放市を救った英雄となった。が、どっちも1位じゃ俺は納得しない……」

 

 

司が椎名に言い返した。まるでその言葉を訂正しようとするように………

 

そうだ。

 

まだある。

 

己が心から願っていた欲望がまだ叶えられてはいないではないか………

 

 

「俺と決着をつけろめざし………お前と言う英雄が俺を超えるか、それとも、俺と言う英雄がお前を超えるか……勝負しろ!!」

「っ………司……!!」

 

 

 

2人は界放市どころか世界を救った英雄になった………

 

だが、芽座椎名の物語…………

 

いや、この物語はある英雄を超えるまでの物語………

 

 

 

「さぁ、Bパッドを構え直せ!!」

「………あぁ…わかったよ………思い残す事は何もない!!ここからは正真正銘、楽しいバトルだ、行くぞ司!!」

 

 

2人はそう言い合いながら自身のBパッドを構え直し、お互いの方向へと向ける。

 

……そして………

 

 

「「ゲートオープン、界放!!」」

 

 

 

沸き上がる激しい歓声の中、2人のコールと共にバトルが開始される。

 

芽座椎名の物語最後のバトルスピリッツが今、始まりを迎えたのだった………

 

 

先行は赤羽司。自身の欲求をようやく満たすことができると理解した彼からは途方も無い気迫が感じ取れて………

 

 

[ターン01]司

《スタートステップ》

《ドローステップ》手札4⇨5

 

 

「メインステップ、俺はネクサスカード、ヘルヘイムの産物を配置。ターンエンド」

手札5⇨4

リザーブ4⇨0

トラッシュ0⇨4

【ヘルヘイムの産物】LV1

 

バースト【無】

 

 

司の背後から異様な雰囲気を醸し出す大樹が生えてくる。そこで成っている実はこの世のものとは思えないほど異質で………

 

 

「さぁ、テメェのターンだ!!俺は待ち侘びていたんだぜ、この時を!!邪魔者は消えた!!これで問答無用でテメェとバトルできる!!」

「……私も手は抜かない……全力だ!!」

 

 

止まらないバトルによる快感。司の頭の中は最早椎名との決着の事でいっぱいいっぱいである。

 

次はそんな椎名のターンが幕を開ける。

 

 

[ターン02]椎名

《スタートステップ》

《コアステップ》リザーブ4⇨5

《ドローステップ》手札4⇨5

 

 

「メインステップ、私もネクサスカード、ディーアークとD-3を配置し、エンドだ!!」

手札5⇨3

リザーブ5⇨0

トラッシュ0⇨5

【ディーアーク】LV1

【D-3】LV1

 

バースト【無】

 

 

椎名も負けじと足場を固める。その腰に小さな機械が取り付けられた。

 

 

[ターン03]司

《スタートステップ》

《コアステップ》リザーブ0⇨1

《ドローステップ》手札4⇨5

《リフレッシュステップ》

リザーブ1⇨5

トラッシュ4⇨0

 

 

「メインステップ、俺は新たにネクサスカード、朱に染まる薔薇園をLV2で配置!!」

手札5⇨4

リザーブ5⇨0

トラッシュ0⇨4

【朱に染まる薔薇園】LV2(1)

 

 

司の背後にこれまた鮮やかな朱色の薔薇園が咲き誇る。

 

 

「バーストを伏せ、ターンエンド………さぁ来い、めざし!!」

手札4⇨3

【ヘルヘイムの産物】LV1

【朱に染まる薔薇園】LV2(1)

 

バースト【有】

 

 

バーストを伏せ、そのターンを終える司。ターンを椎名へと譲渡する。

 

 

お互いにネクサスカードを配置し合ったこの最序盤。

 

運命的なラストバトルはこれからが本番である事など、誰が見ても明らかなものであって…………

 

 

 

 

 




《次回予告!!》

鬼王ノヴァを倒し、司と決勝戦でバトルをすることになった椎名。その激闘の果てには………

次回、バトルスピリッツ オーバーエヴォリューションズ最終回「ラストバトル!!」

今、バトスピが進化を超える!!


******


最後までお読みくださりありがとうございました!!

なんとなんと、次回で最終回を迎えます。少し早いかもですが、読者の皆様、これまで約1年と半年、私などの作品をお読みくださり、ありがとうございました!!

次回作である『バトルスピリッツ コラボストーリーズ』は『オーバーエヴォリューションズ』と全く世界観が違う事もあり、いつものようにポンポン更新はできませんが、これからも私、バナナの木とそのバトスピ作品を何卒よろしくお願いします!!

次回の更新は年内には叶わないかもしれません。
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