今からおよそ、1年前の出来事だ。
とある田舎の病院。田舎と言っても、それなりの大きさを持つ有益な病院。その病院の一室に、芽座椎名と、ベッドに横たわる老人、芽座六月はいた。
その雰囲気はどこか物寂しく、窓からやって来るからっ風がよりそれを助長させて来る。
「………気分はどう、じっちゃん?」
「もう最高じゃよ。こうして最後に可愛いオマエの顔を見れたんじゃからな!!」
「………そっか」
死期が近いと言うのにも関わらず、六月は豪快に笑い、それに釣られて椎名もまた苦笑いする。
「………あの日、暗利の……Dr.Aの研究室から、まだ赤ん坊だったオマエを助け、育て上げた事は後悔していない。寧ろ誇りだ」
「……どうしたんだよ、急にかしこまって」
今から20年以上前の出来事。進化を無限に繰り返す人造人間「エニーズ」としてDr.Aに造られた椎名を、六月が保護したあの日…………
あの日は六月の人生を大きく狂わせることとなった。だが、それは同時に彼にとって椎名と言う大事な存在ができるきっかけにもなった…………
しかし、それによって、もう1人人生が狂わされた者が1人いると六月は考えていて…………
「葉月じゃよ」
「!!」
「アイツは馬鹿孫だ。愚か者だ。じゃが、オマエを甘やかしてばっかりで、アイツに愛情を全力で注いでやれなかったワシもまた悪かった」
「そ、そんな事……」
「椎名。この先、どんな事があっても、アイツを見捨てないでおくれ…………だってオマエは、アイツの妹、兄妹なんじゃから…………」
「………じっちゃん……じっちゃん!!」
最後にそう言い残し、六月は息を引き取った。死因は単純な寿命らしい。
動かなくなった六月を見て、椎名は拳を固めた。悲しさと、切なさと………………悔しさで。
******
「………ジジイが死んだ?」
「あぁ、一年前に………な」
舞台は戻って現在。椎名は今、空港までにある長い一本道の上で葉月とバトルをしている。
その中で、彼女の育て親で、尚且つ葉月の祖父である「芽座六月」が1年前に亡くなった事を伝えた。椎名にとっては嫌な思い出なのは間違いないため、非常に心苦しかったな違いない。
「じっちゃんは、アンタを心配してた。アンタが捻くれたのは自分のせいだって、悲観してた」
「…………」
「強くなろうとするのは勝手だ。けど、やっぱりやり方が間違ってる。じっちゃんの言葉を受け取って欲しかった…………もう、罪を重ねてまで強くなるのはやめろ」
必死の懇願、訴え。六月がどんな思いで「葉月を見捨てないでくれ」と自分に言ったのを理解しているからこそ、本心から、この言葉が送れるのだろう…………
だが葉月は…………
「くくく………」
「?」
「くはははは!!!」
「!?」
「ようやくくたばったか、あの頑固ジジイ。年齢は精々70くらいか?……はっ80も生きられないとは、無茶が祟ったなぁ」
「は、葉月!?」
笑い出した。
その事実を聞いて、無邪気に、真っ直ぐに、邪悪に、面白そうに…………
椎名は呆れるのを通り越して、怖くなった。本当はこんな事思いたくもなかったが、葉月にはもう何を言っても通じないのだろうと本気で考えてしまった。
「ジジイが死んで………だからなんだ椎名。オレは、オレこそが最強である事をこの世に教えられればそれでいいんだよ」
「……葉月……ッ!!」
「さぁバトルの続きだ椎名。もっとも、オマエの場のスピリットはチンケなイモムシだけ、オレの2体のロイヤルナイツに敵うわけがないんだけどな」
「………ターンエンドだ」
手札:5
場:【ワームモン】LV1
バースト:【無】
こうなったらもう、バトルに勝って、無理矢理にでも止めるしかない。そう思った椎名は、一先ずそのターンをエンドとする。
次は伝説のデジタルスピリット「ロイヤルナイツ」に属する「デュナスモン」と「ロードナイトモン」の2体を従えている葉月のターンだ。
[ターン08]芽座葉月
「メインステップ………疲労しているジエスモンとアルマジトカゲを消滅させる」
「!?」
ターン開始直後の刹那。葉月はあろう事かロイヤルナイツの一柱である「ジエスモン」からコアを全て奪い、フィールドから消滅させた。
確かに前のターンにリリモンによって重疲労状態にさせられたため、少なくともこのターンまでは身動きが取れなくなっていたが、そうだとしても、正気の沙汰とは思えない。
「何を驚いている、使えない物を捨てただけだ。マジック、ソウルドロー。コストにソウルコアを支払い、効果で3枚ドロー」
再びソウルドローで手札を稼ぐ葉月。あらゆる手段で強い盤面を構築しようとする彼のその動きは、まるで彼の人生そのモノであるとも言えて………
「アタックステップ………デュナスモンでアタック、その効果で残ったワームモンを破壊する」
「!!」
椎名のライフバリアを破壊するべく飛翔するデュナスモン。その間に右手から火炎弾を放ち、ワームモンに被弾させる。ロイヤルナイツの一撃に、単なる成長期スピリットのワームモンが敵うわけもなく、力尽きて爆散した。
「さぁ椎名。敗北を味わえ!!」
「くっ……!!」
椎名とて、世界のためにも、じっちゃんのためにも、ここで負けるわけにはいかない。手札にある1枚のカードを切り、それをBパッドへと叩きつけた。
「フラッシュチェンジ!!……デュークモン クリムゾンモード!!」
「!!」
「効果でシンボル3つ分、デュナスモンとロードナイトモンの2体を破壊!!」
椎名の背後から出現する、熱き広大な炎の塊。それは龍へと形を変えて、葉月のロイヤルナイツ、デュナスモンとロードナイトモンへと襲いかかる。
2体は一溜りもなくそれに焼き尽くされて爆散して行った。
「………入れ替えの対象はない。この効果発揮後、これはトラッシュへ破棄する」
「…………デュークモン クリムゾンモード。オマエがデュークモンを進化させたカードか………しかし、それだけではオレは倒せんぞ」
そう告げながら、葉月はアタックステップを終了させ、エンドステップへと移行すると、トラッシュに落ちたカードの効果を、猛々しく発揮の宣言をして…………
「トラッシュにあるデュナスモンとロードナイトモンの効果!!……このカード達はゲーム中に一度、エンドステップ時に、手札1枚を破棄する事で、トラッシュから手札へと帰り咲く!!」
「なに!?」
「オレは2枚の手札を破棄し、2枚を回収!!……ターンエンドだ」
手札:6
バースト:【無】
まさかの復活効果を発揮するデュナスモンとロードナイトモン。トラッシュから彼の手札へと戻っていく。
そして次の椎名のターン、彼女がアタックするのであれば、また厄介な召喚コンボがそれを邪魔する事だろう。そのプレッシャーや存在感は半端なモノではない。
「………次のターンにまた私の攻撃に合わせて来る気か、厄介だな。でも、邪魔して来るなら、それごとぶち抜き破るまで!!」
プレッシャーに押されても、まだまだそれを押し返せる程の戦意を、決して捨てたりはしない。葉月の全てを突破するべく、椎名は己のターンを開始した。
[ターン10]椎名
「メインステップ…………ブイモンを召喚!!」
ー【ブイモン】LV2(3)BP4000
「召喚時効果でデッキ上から2枚オープン………よし、フレイドラモンを手札に加える」
椎名のデッキの起点となる成長期デジタルスピリット、青き小竜型のブイモンがその姿を見せる。
椎名はその効果で「フレイドラモン」のカードを手札へと加えると、すぐさまその効果を発揮させて…………
「【アーマー進化】発揮!!……対象はブイモン!!」
「………」
「燃え上がる勇気、フレイドラモンを召喚!!」
ー【フレイドラモン】LV2(6)BP9000
上空に出現した炎の紋様が浮かんだ卵、勇気のデジメンタルに飛び込んでいくブイモン。それと衝突して1つとなり、椎名のマイフェイバリットスピリット、燃え上がる炎の竜人、フレイドラモンがその姿を見せる。
そしてまた、手札を切る。
「さらにフレイドラモンを対象に【煌臨】!!………呼ぶのは当然こいつだ!!」
そう告げながら椎名は葉月に「デュークモン」のカードを見せつけると、それを己のBパッドへと叩きつけた…………
「赤きロイヤルナイツ、デュークモンをLV3で煌臨!!」
ー【デュークモン】LV3(6)BP18000
フレイドラモンが赤き聖なる光を纏い、究極進化を果たす。
白い鎧と赤いマントを靡かせるそのデジタルスピリットの名はデュークモン。伝説のロイヤルナイツの一柱にして、椎名のデッキの象徴、エーススピリットである。
「来たか、デュークモン。待ち侘びたぞ」
「アタックステップ!!……行くぞ、デュークモン!!」
勢いのままアタックステップ。椎名はデュークモンで突撃を仕掛ける。
デュークモンは槍を前方に突き出しながら、前へと突き進んでいくが……………
葉月がそれを許すわけもなくて。
「フラッシュ、デュナスモンの効果………コスト6以上の相手スピリットがアタック、ブロックしている時、1コストで手札から召喚できる」
「ッ………」
「来い!!」
ー【デュナスモン】LV3(4)BP17000
飛竜の力を宿すロイヤルナイツ、デュナスモン。ロイヤルナイツの一柱として、十分過ぎる程の強力な効果を持つそれが、今一度フィールドへと降り立つ。
「召喚アタック時効果………BP20000以下のスピリット1体を破壊する」
「!!」
「くたばるがいい、デュークモン!!」
登場するなり、飛竜の力を宿す紫色の闘気を拳から撃ち放つデュナスモン。デュークモンは、それを回避する間もなく被弾……………
するかに見えたが…………
「………む」
「手札からグラニの効果を発揮!!……効果でデュークモンを守り、合体する」
ー【デュークモン+グラニ】LV3(6)BP24000
その直前で赤き飛行物体、デュークモンの相棒であるグラニが、それを代わりに受けていた。頑丈な装甲はその程度ではひび割れも起こしはしない。
一見、デュークモンの破壊を防ぎ、劣勢を覆したように見えるが、葉月にはまだ使えるカードが手札にあり…………
「互いのアタックステップ中、効果でスピリットが召喚された時、手札からローナイトモンを1コストで召喚する」
ー【ロードナイトモン】LV3(3)BP16000
赤い薔薇の花吹雪と共に、華麗に再登場を果たす桃色の鎧持つロイヤルナイツ、ロードナイトモン。
その効果はデュナスモンと合わせてかなり厄介な効果であり…………
「召喚アタック時効果で相手スピリット1体をBPマイナス12000!!………グラニはデュークモンを効果破壊とバウンス効果から守る事はできるが、それ以外には無力!!」
「くっ……!!」
ー【デュークモン+グラニ】BP24000➡︎12000
ロードナイトモンの手に持つ黄金の鞭が伸び、デュークモンを縛り付ける。そこから電気ショックが流れ、デュークモンのBPは大幅に低下、弱体化してしまう。
「これでデュークモンのBPは12000。デュナスモンで返り討ちにしてくれる……!!」
動きの止まったデュークモンを仕留めんと、デュナスモンがゆっくりと迫り行く。
圧倒的にピンチなこの状況。しかし椎名はこの状況下でも笑って見せて…………
「フ………そう来ると思ってたよ」
「!?」
「デュークモンの効果、トラッシュにある滅龍スピリットカード1枚を手札に戻し、回復する………この効果で、私は「クリムゾンモード」を手札へ戻し、そのままデュークモンを対象に【チェンジ】だ!!」
この土壇場で椎名がトラッシュから手札に戻したのは、前のターンにも使用した「デュークモン クリムゾンモード」のカード。
そのカードを使い、逆転を狙う。
「効果により、再びデュナスモンとロードナイトモンを破壊!!」
「チイッ……!!」
前のターンと同様、燃え盛る炎が龍の姿で飛び交い、デュナスモンとロードナイトモンを焼き払っていく。
そして、前のターンと違うのは、椎名のフィールドにデュークモンがいる事であり…………
「この効果発揮後、デュークモンと回復状態で入れ替える!!……燃え上がれ聖騎士!!……真なる深い赤をその身に纏い、邪悪なる者皆、照らし破れ!!……モードチェンジ、クリムゾンモード!!」
ー【デュークモン クリムゾンモード+グラニ】LV3(6)BP15000
宙を飛び回る炎は、最後にデュークモンへと直撃。だが他とは違い、炎はデュークモンを焼き払うのではなく、さらなる進化へと誘う。
炎の力を吸収した、デュークモンの装甲は真紅に染まり、背中からは10枚の白き羽が生える。これこそ、椎名のデッキの最強のスピリット、究極体を超越した、デュークモンの最終形態「デュークモンクリムゾンモード」………
「2体のロイヤルナイツの復活効果はゲーム中に1回のみ、もう復活はできない!!……そして、チェンジで入れ替えたクリムゾンモードのアタックは継続中!!」
「………」
今度こそ完全に葉月のフィールドのスピリット達を全て倒した椎名。その勢いのままに、クリムゾンモードが猛追を仕掛ける。
クリムゾンモードはアタックしたバトルの終了時に、相手ライフを追加で破壊する力を持つ。つまり、これが通りば椎名の勝ちはほぼ確定なのだが…………
それをあの芽座葉月が許すわけもない。
「フラッシュマジック、デルタバリア」
「なに!?」
「これにより、このターンの間、効果とコスト4以上のスピリットのアタックでは、オレのライフは0にならない。その攻撃はライフで受ける」
〈ライフ3➡︎1〉芽座葉月
クリムゾンモードは真紅となったその拳で、葉月のライフバリアを殴りつけるが、そのライフバリアは全て破壊されず、1枚だけかろうじて残る。
その後もクリムゾンモードは何度もそれを殴りつけるが、それだけがどうやっても破壊できなかった。
「クリムゾンモードの効果は見切っている。それでオレのライフを全て掻っ攫おうとする予定だったようだが、詰めが甘かったな………そうだ、オマエはいつも詰めが甘い」
「くっ………何を思い出したように。ターンエンドだ」
手札:4
場:【デュークモン クリムゾンモード+グラニ】LV3
バースト:【有】
デルタバリアの効力を切らすためには、一度そのターンをエンドとするしかない。それを知っている椎名は、すぐさま葉月へとターンを渡した。
ここを凌ぎ、次の自分のターンで勝利するために…………
「………オレからも、1つだけ聞こう椎名」
「?」
「オマエはどうしてそこまで必死になる。オレが最強になるのをやめさせて、オマエに何の特がある?」
自分のターン開始直前、葉月が椎名に聞いた。
「ッ………そりゃやめさせるだろ、他の人をあんなに傷つけるようなら!!……それに、家族が危険な目に遭うかもしれないのに、放っておくわけないだろ!?」
「家族?……オレにそんな者はいない」
「なに!?………じゃあ三聖騎シスターズや、あの弟子の子は何なんだよ!!……ティアはアンタの事を家族だって言ってたぞ!!」
椎名のファンでもある三聖騎シスターズのティア。椎名は彼女を通して、三聖騎シスターズ達が、元は身寄りのない子供達で、葉月がそれを拾い、育てていた事を知っている。
だから、少なくとも、まだ心根の方では、きっと葉月はまだ人間らしい感性を持ち合わせている。
そう信じていた…………
「………ティアがそんな事を??」
「あぁ」
「はは、甘い蜜を吸いすぎたようだなティアめ…………奴らは使えそうだから育ててやったに過ぎん。まぁ、毛程も役に立たなかったけどな」
「ッ………葉月!!」
ティアはきっと、葉月の事を、父、もしくは兄のような存在として見ていたはずだ。
そして、おそらくそれは他の三聖騎シスターズ達も同じ事。身寄りがなく、苦しかった生活に刺した一条の光、それが葉月だったはずだ。そんな彼女らを単なる道具のようにしか思っていなかったと言う事実に、椎名は大いに腹を立てる。
「………葉月!!」
「人の名前を連呼するな、喧しい。質問コーナーは終わりだ………ここからは、オレのターンだ。終わらせるぞ、触角女!!」
今現在、葉月の残りライフは『1』…………
対する椎名は『4』…………
フィールドには椎名の方にのみ、強力なクリムゾンモードが存在する。こんな状況、誰が見ても逆転できるわけがないと豪語するだろう。
しかし、こんな状況下でも、何故かその場の流れと雰囲気、空気は『葉月の勝利』とでも言いたげな不穏なモノが漂っていて…………
[ターン01]芽座葉月
「メインステップ………歴戦の黒きロイヤルナイツ、アルファモンをLV3で召喚!!」
「ッ……アルファモンを普通に召喚!?」
ー【アルファモン】LV3(6)BP20000
出現するデジタルゲートの渦。その中心より姿を見せるのは、黒き鎧のデジタルスピリット。葉月が初めて手にしたロイヤルナイツにして、彼のエースカード、アルファモン。
ロイヤルナイツの中でも、オメガモンと並んでトップの力を持つとされる。
「………そしてこれが、オマエを敗北へと導くカードだ」
葉月は椎名にさらにそう告げると、手札からさらなるカードを引き抜く。
それは、そのカードは…………
葉月とアルファモンの強さの証明とでも言うようなカードであり…………
「【チェンジ】発揮!!……対象はアルファモン」
「葉月がチェンジ!?」
「この効果により、オマエのBP20000以下のスピリット、ブレイヴ、ネクサス、バースト全てをデッキの下に戻す。これは効果で防げない」
「なに!?………うあッ!?!」
アルファモンが前方に手を翳すと、その先からデジタルゲートが開き、まるでブラックホールのように椎名のカード達を吸い込んでいく。
クリムゾンモードは辛うじて生き残るが、そばにいたグラニ、伏せていたバースト『マリンエンジェモン』のカードは全てそれに吸い込まれていった…………
「そして、この効果発揮後、アルファモンと入れ替える!!………王の証、黒き魂!!……聖なる者皆、撃ち抜き破れ!!……モードチェンジ、アルファモン 王竜剣!!」
「!?」
ー【アルファモン 王竜剣】LV3(6)BP23000
アルファモンの手に握られるのは、王の証とも呼べる巨大な斧剣。それを握った途端、背中は黄金に輝き、その鎧はより黒く染まる。
これこそ、アルファモン 王竜剣。デュークモンのクリムゾンモードと同様、アルファモンの境地。
「あ、アルファモン……王竜剣」
「自分だけロイヤルナイツを進化させたと思い込んでいたか?………残念だったな、オマエにできる事は、オレにもできる」
アルファモンの進化形態、アルファモン 王竜剣を目の当たりにして動揺が隠せない椎名。その動揺を振り切る前に、葉月は「アタックステップ………」と、静かに宣言して…………
「行け、アルファモン 王竜剣!!……その効果でトラッシュのコア2つを自身に置き、回復する!!」
「!!」
葉月からの命を受け、ゆっくりと歩みを進めるアルファモン 王竜剣。その眼光を一瞬だけ輝かせ、アタック時効果を発揮。トラッシュのコアを戻しつつ、回復状態となった。
「くっ……クリムゾンモードのBPは21000。アルファモン 王竜剣の23000に届かない」
「そりゃそうだ。デュークモンに、アルファモンが負けるわけない」
「…………ライフで受ける。ならしかと受け止めよ、ダブルシンボルのアタックだ!!」
「ぐっ………ぐぁぁぁぁあ!?!」
〈ライフ4➡︎2〉芽座椎名
アルファモンが新たに手に入れた武器、王竜剣が、椎名のライフバリアに刺さる。身体が恥じけ飛ぶほどの凄まじいダメージが彼女を襲う。
「ぐっ……ぐっぅ」
「フ………良い眺めだな。再度アタックせよ、アルファモン 王竜剣!!……効果で回復!!」
再び王竜剣を振りかぶるアルファモン。ダブルシンボルであるため、この一撃を受けて仕舞えば、椎名の負けとなる。
「………ブロックだ、クリムゾンモード!!」
敗北を回避すべく、クリムゾンモードが、寸前でアルファモンの懐に飛び込み、椎名から引き離す。
だが直後に、アルファモンは片手からエネルギー弾をクリムゾンモードに放ち、それを吹き飛ばした。
クリムゾンモードも負けじと体勢を整え、光の力で剣を生成。再び飛び込んでいくが、最小限の動きで回避され、殴り蹴られ、返り討ちにあう。
そしてその怯んだ瞬間に、アルファモンの王竜剣による一閃がクリムゾンモードの身体を斬り裂く。耐え切れないほどのダメージが蓄積されたクリムゾンモードは力尽き、大爆発を起こした。
「所詮オマエはこの程度………オレを止める事など、不可能だ」
「ッ………葉月?」
何故か。
椎名に向けられる葉月の悲しげな顔。彼女の脳裏に、それは鮮明に焼き付いて…………
「ラストアタックだ、盛大に散らせよ………アルファモン 王竜剣!!」
アルファモンはクリムゾンモードの大爆発による爆炎、爆煙の中、次はオマエの番だと言わんばかりに、椎名へ鋭い眼光を向ける。
彼女の残りライフは2つ。このアタックを受けて仕舞えば終わりと言うこの状況……………
もう、椎名に打つ手立ては残っていなくて…………
「くっ………くそ……ライフで受ける………!!」
〈ライフ2➡︎0〉芽座椎名
「ッ………!!」
王竜剣による刺突が椎名の最後のライフバリアを粉々に粉砕する。
椎名はその凄まじいダメージにより、深く傷つき、やがて膝を突き、倒れた。
それにより、芽座葉月の勝利だ。進化したロイヤルナイツ同士の激闘を制し、それを掴み取ってみせた。
「勝者、強者………即ちこのオレ、芽座葉月の元に集え、ロイヤルナイツ、デュークモン、マグナモン!!」
気を失った椎名へ向けてその手を翳す葉月。それに吸い寄せられるように、彼女の持つマグナモンとデュークモンのカードは飛んで行き、その手に収まる。
これで、部下である三聖騎シスターズの3枚のロイヤルナイツと合わせ、遂に自分の手の中に13種のロイヤルナイツが揃った。その達成感と高揚感により、葉月は大きく口角を上げる…………
「フ………フハハハハハハ!!!……遂に、遂に揃ったぞロイヤルナイツ!!」
「………よくやったね葉月。これで僕は復活できる………君の力になる事ができる」
直後に頭の中からいつものあの声が自分に囁く。葉月が幼少期から耳にしているこの声…………
その声の正体に、葉月は既に気が付いていて…………
「あぁ、直ぐにオレの一部にしてやるぞ………伝説の怪物、ルーチェモン………!!」
芽座椎名と芽座葉月。2人の物語にいつも中心として立っていたロイヤルナイツのカード達。
それらが全て揃った事で、その物語は遂に根幹へと誘われる……………
バトスピが今、進化を超える。
次回、EP7「ルーチェモン」
******
【オリカ紹介】
【デュナスモン】
コスト8
色:赤/白
軽減シンボル:赤3
系統:究極体、戦騎
LV1(1)BP8000
LV2(3)BP13000
LV3(4)BP17000
シンボル:赤
手札にあるこのスピリットカードは、相手のコスト6以上のスピリットがアタック/ブロックしている時、フラッシュタイミングで1コスト支払って召喚できる。
[ゲームに1回:同名]トラッシュにあるこのスピリットカードは、お互いのエンドステップ時に自分の手札を1枚破棄する事で、手札に戻る事ができる。
LV1、LV2、LV3『このスピリットの召喚/アタック時』
ブレイヴの「BP+」を無視して、BP20000以下の相手スピリット1体を破壊できる。
ー…………
【ロードナイトモン】
コスト:8
色:黄/白
軽減シンボル:黄3
系統:究極体、戦騎
LV1(1)BP7000
LV2(2)BP12000
LV3(3)BP16000
シンボル:黄
手札にあるこのスピリットカードは、スピリットがお互いのアタックステップ中に召喚された時、1コスト支払って召喚できる。
[ゲームに1回:同名]トラッシュにあるこのスピリットカードは、お互いのエンドステップ時に自分の手札を1枚破棄する事で、手札に戻る事ができる。
LV1、LV2、LV3『このスピリットの召喚/アタック時』
このターンの間、相手のスピリット1体をBP−12000し、0になった時破壊する。
ー………
【アルファモン王竜剣】
コスト11
色:全色
軽減シンボル:紫3・白3
系統:究極体、戦騎
LV1(1)BP14000
LV2(3)BP17000
LV3(4)BP23000
シンボル:紫白
このスピリットカードのチェンジを使用する時、自分の「アルファモン」がいれば、《チェンジ:コスト2軽減無》で使用できる。
フラッシュ《チェンジ:コスト8軽減無》
BP20000以下の相手スピリット、ブレイヴ、ネクサス、バースト全てをデッキの下に戻す。この効果で相手の効果で防げない。この効果発揮後、コスト8以上の「戦騎」と入れ替える。
LV1、2、3『このスピリットのアタック/ブロック時』
自分のトラッシュにあるコア2つを、このスピリットに置く事で、このスピリットは回復する。
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オバエヴォの続編、『バトルスピリッツ王者の鉄華(https://syosetu.org/novel/250009/)』もよろしくお願いします!!
今年の11月に、鉄血強化が確定して、創作意欲が爆発しております( ̄▽ ̄)