大いに盛り上がった界放リーグの1回戦も残すところ後一試合。残った2人がこの巨大な中央スタジアムに上がってくる。タイタス校1年の岸田空牙と、【エンペラー】とも呼ばれているデスペラード校3年の吸血堕天だ。
「いやぁ!やっと出番だ!よろしくお願いします!吸血先輩!」
「うるさいぞ、愚民……さっさと始めるぞ」
「えぇっ、辛辣っすねー」
ー吸血堕天。バトスピ一族の1つ、【吸血一族】の末裔でそのエリート。彼は昔からバトスピの英才教育を受け、貴族さながらの家庭で育った。それ故に一族ではない普通のカードバトラーを「愚民」、または「下民」というふうに見下していた。
そして彼は【吸血一族】に伝わる最強のデッキを授かっている。ただ、それを使用しても、去年、一昨年とヘラクレスや、五の守護神に敗れている。彼らはなんの一族にも属さないので、彼からしたらそのことは屈辱的なことであって、
ーそして1回戦最後の試合、第六試合が幕を開ける。2人はBパッドを展開し、バトルの開始を宣言した。
「「ゲートオープン、界放!!」」
ーバトルが始まる。先行は吸血。
[ターン01]吸血
《スタートステップ》
《ドローステップ》手札4⇨5
「メインステップ、バーストを伏せ、ターンを終了する」
手札5⇨4
バースト有
吸血の場に早速バーストが伏せられた。だが、彼が行ったのはそれだけで、スピリットやネクサスを呼び出すことなくそのターンを終えた。
次は空牙のターン。彼はその胸を高鳴らしていた。この界放市のバトラーにとって、界放リーグに出場することはとても栄誉のあること。空牙はそれに憧れがあった。しかもその初戦の相手が去年、一昨年で3位入賞の吸血。俄然燃えてくる。
ーしかも吸血は空牙と同じ仮面スピリットの使い手だ。当然空牙もこのことを知っている。そのことも相まって、彼のテンションはマックスに上り詰めていた。
[ターン02]空牙
《スタートステップ》
《コアステップ》リザーブ4⇨5
《ドローステップ》手札4⇨5
「うぉぉお!!メインステップゥ!仮面ライダークウガ!マイティフォームをLV1で召喚!」
手札5⇨4
リザーブ5⇨1
トラッシュ0⇨3
「!…仮面スピリットだと!?」
空牙が早速呼び出したのは炎のように赤く燃え滾る色をしている仮面スピリット、クウガのベースフォーム、マイティフォーム。
咄嗟に仮面スピリット使い同士のバトルと知った途端、吸血は不快な顔をする。
「貴様っ!……下民如きが何故仮面スピリットを使う!」
「ん?いやなぜって、カッコいいからに決まってるでしょ!見てくださいよ〜!この赤いフォーム!」
「……下民には仮面スピリットやデジタルスピリットは似合わん!昔で言う貴族、今で言う一族にこそそれは相応しい!」
「む!別にいいじゃねぇっすか!使うくらい!」
ドスの効いた口調で空牙を威圧するかのようにそう言い放つ吸血。
吸血は本気だ。本気で仮面スピリット、クウガを使う空牙を否定している。今の時代は様々なデッキが飛び交うバトスピの時代。その過程でデジタルスピリットや仮面スピリットの使い手が増えるのは必然であると言うのに。それは彼に教育を施した父の影響でもあって、
空牙も空牙で本気でその言葉を受け取ってはいない。軽く受け流している。彼は兎に角器がでかい。その程度の文句など意に介することは絶対にありえない。
「よっし!気を取り直してぇ!バーストをセットォ!アタックステップゥ!いけぇ!マイティフォーム!」
手札4⇨3
空牙の場にバーストが伏せられる。
そして空牙の支持を聞き、全速力で走り出すクウガ マイティフォーム。吸血の場は何もなく、バーストのみ。この攻撃は当然。
「ライフで受ける」
ライフ5⇨4
マイティフォームの炎を纏わせた強烈なパンチが、吸血のライフを1つ豪快に破壊した。
だが、これは吸血のバーストの発動条件でもあって、それは彼のデッキの中核を担うスピリットカードだ。
「ライフの減少によりバースト発動!仮面ライダーキバ キバフォーム!」
「!??!」
「キバフォームはバースト効果で相手のスピリットのコアを2つリザーブに送った後に、召喚される……僕が対象に選ぶのは当然マイティフォームだ!消え失せろ!下民の仮面スピリットよ!」
「ぐっ!」
仮面ライダークウガ マイティフォーム(1⇨0)消滅
マイティフォームの頭上に現れるのは謎の黒い人影。それは上空からマイティフォームに強烈なかかと落としを浴びせた。
コアの損失により、マイティフォームは消滅した。そして飛び跳ねるように吸血の場に姿を現した。それは【吸血一族】に伝わる最強のデッキのカード、【キバ】だ。そしてこれはそのフォームの1つ、最も基本的で中核を担うキバフォームだ。
「おぉ!これが吸血先輩のキバか!」
「ふん!……キバフォームの召喚時により、デッキからカードを1枚ドローする」
手札4⇨5
キバフォームの持っている効果は紫属性のデッキでは最も重要な効果。吸血は手札を少しだけ潤わせる。
「このターンはエンド!」
バースト有
アタックするスピリットを失ってはしょうがない。空牙はこのターンを終えた。
[ターン03]吸血
《スタートステップ》
《コアステップ》リザーブ2⇨3
《ドローステップ》手札5⇨6
「メインステップは特に何もせずにアタックステップ、やれ、キバフォーム」
キバフォームが走り行く。目指すは空牙のライフ。空牙も場にバーストのみ、アタックは当然ライフで受けるしかなかった。
「ライフで受ける!」
ライフ5⇨4
キバフォームの強烈なパンチが空牙のライフを1つ破壊した。
だが、吸血同様、ライフの減少がバースト発動の条件だ。それが勢いよくひっくり返る。
「ライフの減少でバースト発動!ダイナバースト!……この効果でBP10000以下のスピリット1体を破壊!キバフォームを破壊!」
キバフォームの足元から突如として火柱が立ち上る。キバフォームはそれに焼かれ、瞬く間に焼失した。
ーだが、
「キバフォームはLV2の時、手札のカードを1枚破棄することによって、手札に戻る………僕はこのカードを破棄する」
手札6⇨5⇨6
破棄カード
【キャッスルドラン】
「!!」
焼失したキバフォームだったが、その魂であるカードだけは吸血の元に戻っていった。
「キバフォームは死なん…………これでターンを終了する」
バースト無
キバフォームは帰還したものの、今度はバーストもスピリットもなくそのターンを終了してしまった吸血。だが、その顔には余裕の表情を浮かべており、
[ターン04]空牙
《スタートステップ》
《コアステップ》リザーブ3⇨4
《ドローステップ》手札3⇨4
《リフレッシュステップ》
リザーブ4⇨7
トラッシュ3⇨0
「メインステップ!(……とは言ったものの、この手札じゃ攻められない…………ここは待つか)」
意気込んでターンシークエンスを進める空牙だったが、その手札にはこのターン攻めることができるスピリットはいない。吸血の場にスピリットもバーストもいない絶好のタイミングだと言うのに。
だが、やれることがないわけじゃない。空牙はなんとか手札と場のシンボルを整える作戦に切り替える。
「俺はネクサスカード、燃えさかる戦場〈R〉を配置!」
手札4⇨3
リザーブ7⇨4
トラッシュ0⇨3
空牙の背後に山火事のように燃え滾る戦場が出現した。これはBPが低めになりがちなクウガには相性バッチリのカードであって、
そして空牙はさらに手札を使う。
「さらに、マジック、ソウルドローを使用する!ソウルコアも支払って、デッキから3枚のカードをドローする!」
手札3⇨2⇨5
リザーブ4s⇨0
トラッシュ3⇨7s
一気に手札の枚数を稼いだ空牙。だが、攻勢に回ることはできない。このターンは盤面に使えないネクサスだけを残して終了する。
「ターンエンド」
燃えさかる戦場〈R〉LV1
バースト無
次は吸血のターンだ。
[ターン05]吸血
《スタートステップ》
《コアステップ》リザーブ6⇨7
《ドローステップ》手札6⇨7
「メインステップ、再びバーストを伏せ、仮面ライダーキバ ガルルフォームをLV2で召喚」
手札7⇨6⇨5
リザーブ7⇨0
トラッシュ0⇨4
「おぉ!別フォームのキバ!」
再びバーストが伏せられると同時に現れたのは仮面ライダーキバ ガルルフォーム。
さっきのキバフォームは赤色が基準だったが、今度のフォームは青色が基準。そのフォルムはとても野性的だ。口には刀の様なものが咥えられている。
「アタックステップ、ガルルフォームでアタック」
野性的で低い姿勢のまま走り出すガルルフォーム。その動きはとても早く、目で追うのが精一杯だ。
空牙はこのターン、反撃のすべがない。
「このターンは仕方ない!ライフだ!」
ライフ4⇨3
ガルルフォームの素早い一撃が空牙のライフを貫いた。
だが、ガルルフォームの攻撃はこれだけでは終わらなかった。その効果が使用される。
「ガルルフォームの効果!ガルルフォームはライフを減らした時、ターンに一度だけ回復する!」
仮面ライダーキバ ガルルフォーム(疲労⇨回復)
「なにぃ!?」
「今一度引き裂け!ガルルフォーム!」
ガルルフォームの効果だ。単純に攻撃回数が増えるだけでなく、ブロッカーにも使える利便性の高い効果だ。ただ、今回は攻勢に回されたが、
「ライフで受ける!…………ぐぅっ!」
ライフ3⇨2
ガルルフォームの咥えられた刀の一撃が、空牙のライフをさらに1つ破壊する。
「ターンを終了する………他愛もないな、下民。……口ほどにもないじゃないか」
仮面ライダーキバ ガルルフォームLV2(3)BP4000(疲労)
バースト有
「まだまだ、これからっすよ!先輩!」
鼻で小馬鹿にする様に空牙とそのデッキを侮辱する吸血。だが、空牙とて、このまま引き下がることはない。なんとかこの盤面をひっくり返す策を考える。
[ターン06]空牙
《スタートステップ》
《コアステップ》リザーブ2⇨3
《ドローステップ》手札5⇨6
《リフレッシュステップ》
リザーブ3⇨10
トラッシュ7⇨0
「メインステップ!一気に行くぜ!ゴウラムを召喚!」
手札6⇨5
リザーブ10⇨8
トラッシュ0⇨1
クワガタの様なスピリット、ゴウラムが飛翔した。ゴウラムは仮面スピリットではないものの、それをサポートできる優秀なスピリットだ。
「その召喚時の効果で、トラッシュに落ちたマイティフォームを手札に加える!」
手札5⇨6
トラッシュのマイティフォームのカードが、空牙の元にひらひらと舞い戻る。
「さらに、今戻ったマイティフォームと、クウガ&トライチェイサー2000をLV2ずつで連続召喚だ!」
手札6⇨4
リザーブ8⇨0
トラッシュ1⇨3
空牙の場に再び姿を見せるマイティフォーム。そしてもう1体はバイクに乗ったマイティフォーム。その攻撃力は計り知れない。
並べられたこの3体のスピリットでアタック、……………かと思われたが、空牙がとった選択はとても意外なもので、
「アタックはしない!ターンエンドだ!」
ゴウラムLV1(1)BP2000(回復)
仮面ライダークウガ マイティフォームLV2(3)BP4000(3)BP4000(回復)
仮面ライダークウガ&トライチェイサー2000LV2(3)BP6000(回復)
燃えさかる戦場〈R〉LV1
バースト無
「アタックしないだと?……僕のバーストに恐れをなしたか下民よ」
「ハッハッハ!それはどうかな?さぁ!次は先輩のターンっすよ!」
空牙には当然考えがあった。今現在、吸血が伏せているバーストはさっき効果により戻った仮面ライダーキバ キバフォームと見てまず間違いない。
だったら1つだけあるのだ。あのバーストを使わせた挙句、彼のライフを全て破壊する方法が。
[ターン07]吸血
《スタートステップ》
《コアステップ》リザーブ0⇨1
《ドローステップ》手札5⇨6
《リフレッシュステップ》
リザーブ1⇨5
トラッシュ4⇨0
仮面ライダーキバ ガルルフォーム(疲労⇨回復)
「メインステップ、ガルルフォームのLVを3に上げ、アタックステップ、再びガルルフォームでアタックしよう」
リザーブ5⇨3
仮面ライダーキバ ガルルフォーム(3⇨5)LV2⇨3
ガルルフォームのLVが上がり、BPが7000となる。
そしてガルルフォームは狼の様に地を駆ける。空牙の場にはガルルフォームにBPで勝るスピリットはいない。
が、対抗するすべがないわけではない。空牙は手札のカードを1枚引き抜いた。
「フラッシュ!クウガ ペガサスフォームの【チェンジ】発揮!対象はマイティフォーム!………回復状態でこれを入れ替える!」
仮面ライダークウガ&トライチェイサー2000(3⇨1)LV2⇨1
トラッシュ3⇨5
仮面ライダークウガ ペガサスフォームLV2(3)BP4000
「!!」
マイティフォームの中心にに竜巻が発生する。マイティフォームはその中で体の色を変えて行く、そして新たに現れたのは緑のクウガ、ボウガンの様な武器を所持したペガサスフォーム。
「ペガサスフォームの【チェンジ】の効果!BP7000まで相手のスピリットを好きなだけ破壊!…………ガルルフォームはもらったぁ!」
ペガサスフォームはそのボウガンに風の力を集中させ、一気に放つ。それは瞬く間にガルルフォームの胸部を撃ち抜いた。ガルルフォームは勢い余って転げ落ちながら力尽き、爆発した。
「下民如きが………【チェンジ】を使うだと!?」
「仮面スピリットも今や多様化の時代っすよ!先輩!」
彼にとって仮面スピリットを一族でもない者が使用するのはとても腹ただしいことであって、
特に単なる憧れだけで仮面スピリットを使用する空牙など彼にとっては一番気に入らないタイプであった。
だが、このターンではその怒りは自分の中に閉じ込めておくしかない。吸血は仕方なくそのターンを終えることになった。
「…………ターンを終了する」
バースト有
吸血の場には何もない。空牙は今が攻め時だと見て次のターン。自分のデッキのエースをチェンジさせる。
[ターン08]空牙
《スタートステップ》
《コアステップ》リザーブ0⇨1
《ドローステップ》手札4⇨5
《リフレッシュステップ》
リザーブ1⇨6
トラッシュ5⇨0
「メインステップゥ!再びマイティフォームを召喚!LV3!」
手札5⇨4
リザーブ6⇨1
トラッシュ0⇨1
三たび仮面ライダークウガ マイティフォームは姿を現した。
そして空牙はアタックステップに移行する。このバトルの決着をつけるために。
「アタックステップゥ!マイティフォームでアタック!………マイティフォームのLV3のアタック時の効果でカードを2枚ドローする!」
手札4⇨6
走り出すマイティフォーム。狙うは吸血のライフだが、ここで空牙はマイティフォームを対象に【チェンジ】させる。いや、もはやそれを【チェンジ】と言っていいのかは定かではない。何せ、それはクウガの進化系なのだから。
「そして!フラッシュ【チェンジ】!発揮!対象はマイティフォーム!」
リザーブ1⇨0
仮面ライダークウガ マイティフォーム(4⇨3)LV3⇨2
仮面ライダークウガ ペガサスフォーム(3⇨1)LV2⇨1
トラッシュ1⇨5
「!!」
マイティフォームの頭上に莫大な雷エネルギーが投下される。マイティフォームはそれを吸収し、強化される。
「雷を纏え!マイティ!……………俺のエース!ライジングマイティにチェンジ!…………ライジングマイティの【チェンジ】の効果発揮!このターン、俺のすべてのスピリットをダブルシンボルにする!」
強化されたマイティフォームの名は、仮面ライダークウガ ライジングマイティ。その雷のエネルギーは他のスピリット達にも伝染する。
ダブルシンボルということは、一度のアタックで2つのライフを破壊できるということだ。吸血のライフは4。つまり2回。2回のアタックを倒せば彼のライフを0にできる。
「【チェンジ】で入れ替わったスピリットは、元となったスピリットがバトル中であればそのままバトル続行!………いけぇ!ライジングマイティ!」
空牙の場のスピリットは合計で4体。回復状態のライジングマイティの追撃の事も考えると合計でダブルシンボルのアタックを5回行うことができる。
あのバーストは仮面ライダーキバ キバフォームであってもそれを通り越して吸血のライフを0にすることが可能だった。
ーが、このバトル中、誰もあの吸血のバーストがキバフォームであると言及してはいない。
「やはり愚かな下民だな、お前は……………………ライフで受ける」
ライフ4⇨2
ライジングマイティの炎と雷を纏わせた強烈なドロップキックが、吸血のライフを一気に2つ破壊した。
そしてここでライフ減少後のバーストを発動させる。それはこの場ではとても想像できなかったものであって、
「ライフ減少後のバーストを発動、………………絶甲氷盾!」
「………なに!?…き、キバフォームじゃない!?」
予想されたバーストとは全く別のバーストを伏せていた吸血。そう錯覚させられていたのだ。一度そのバーストを見せ、手札に戻し、もう一度バーストを伏せる事で、そのバーストが同じバーストであると印象付けられていた。
そして実際に伏せられていたのはどの色でも気軽にデッキに入れることのできる防御マジック。
「この効果でライフを1つ回復し、コストを払い、このターンのアタックステップを終了させる………誰がこのバーストがキバフォームだと言った?」
ライフ2⇨3
リザーブ10⇨6
トラッシュ0⇨4
「ぐっ!」
仮面スピリット達でも身動きができなくなるほどの猛吹雪が空牙の場を襲う。これではもはやアタックなど行えない。
はめられた。完全に。吸血がそういうことをした理由はただ1つ。この次のターンで決めれるようにするためだ。
「…………ターンエンド」
仮面ライダークウガ ライジングマイティLV2(3)BP10000(回復)
仮面ライダークウガ ペガサスフォームLV1(1)BP3000(回復)
仮面ライダークウガ&トライチェイサー2000LV1(1)BP4000(回復)
ゴウラムLV1(1)BP2000(回復)
燃えさかる戦場〈R〉LV1
バースト無
仕方なく空牙はそのターンを終了させ、吸血にそれを渡した。
[ターン09]吸血
《スタートステップ》
《コアステップ》リザーブ6⇨7
《ドローステップ》手札6⇨7
《リフレッシュステップ》
リザーブ7⇨11
トラッシュ4⇨0
「メインステップ、再び仮面ライダーキバ キバフォームを召喚、LV2」
手札7⇨6
リザーブ11⇨5
トラッシュ0⇨3
「!!」
吸血は回収していたキバフォームをようやくここで呼び出した。このスピリットを軸に、今度は吸血のエーススピリットが呼び出される。それはとても強力極まりないものであって、
「さらに俺は【チェンジ】を発揮させる………対象はキバフォームっ!……【チェンジ】の効果で、お前のスピリットすべてのコアを2つずつリザーブへ送る!」
リザーブ5⇨0
「なに!?……………うぉっ!」
ゴウラム(1⇨0)消滅
仮面ライダークウガ ペガサスフォーム(1⇨0)消滅
仮面ライダークウガ&トライチェイサー2000(1⇨0)消滅
仮面ライダークウガ ライジングマイティ(3⇨1)LV2⇨1
突如発生した紫の斬撃を飛ばすかのような衝撃波。それは空牙の場のスピリット達を一切に切り刻んで行った。辛うじてライジングマイティだけがLV1として生き残るも、他のスピリットはその姿を消滅させてしまった。
そしてこの効果の後は【チェンジ】による入れ替えだ。キバフォームが姿を変える。それはキバのデッキで最強のスピリットであって、
「今こそ真の姿を現せぇ!黄金のキバ!エンペラーフォーム!」
仮面ライダーキバ エンペラーフォームLV2(3)BP9000
キバフォームの鎧が弾け飛ぶように砕け散る。そして文字通り真の姿が解放される。その真なる鎧は黄金に輝いてるおり、手には鋭利な剣も確認できる。
これが仮面ライダーキバの最強フォーム。仮面ライダーキバ エンペラーフォームだ。
「す、すげぇ!これがキバの最強フォームっ!こんな間近で見せてくれるなんて、………先輩、最高すぎるぜぇ、」
「まだそんなことをほざくかぁ!……この下民がぁ!今に終わらせてやる!」
勢い余るように、吸血はアタックステップに入る。
「いけぇ!エンペラーフォーム!………アタック時効果で、お前の残ったクウガ ライジングマイティを破壊し、ライフを1つトラッシュに送る!…………ザンバットソード!!」
「ら、ライジングマイティ!!!……………うぉぉお!!」
ライフ2⇨1
エンペラーフォームの素早い剣撃により、ライジングマイティは一瞬にしてその体を切り刻まれ、力尽き、爆発してしまう。そしてエンペラーフォームはそのライジングマイティの魂を自身の剣に吸収させ、それを斬撃として飛ばし、空牙のライフを1つ破壊した。
ーそしてこれがエンペラーの本命のアタック。空牙にもはやそれに対抗する術はない。ラストコールが宣言される。
「くたばれぇ!この下民がぁ!」
「へっ!ありがとうございます!次に会う時はもっと強くなるので!………………ライフで受ける!」
ライフ1⇨0
なぜこの空牙はここまで毛嫌いする吸血に対し、ここまで広い心を持てるのか…………
エンペラーフォームのザンバットソードが、彼の最期のライフを無慈悲に引き裂いた。
これで第1回戦、第六試合の勝者は、デスペラード校3年。【エンペラー】こと、吸血堕天だ。1年生の空牙にその圧倒的な力の差を見せつけた。
「…………ちっ!薄汚い下民がっ!………思い知ったか、吸血一族のキバこそが至高にして頂点なのだ」
吸血はその言葉だけを空牙に言い残して、控え室へと戻る。
空牙は終始笑顔を振舞っていたが、最期の最後で悔しがるように歯を噛み締め、拳を強握っていた。やはり悔しかったのだろう。同じ仮面スピリットのバトルで敗北を喫したのだから。
だが、同時にもっと強くなろうとも考えた。同じ仮面スピリット使いがあんなに強いのだ。自分ももっと強くられる。そう思っていた。
強いて言うならば、司と椎名にリベンジできる機会を失ったのが、心残しか……
この空牙の敗北により、今年のタイタス校の代表生は全滅した。VIPルームで観戦していたタイタス校の理事長、【英雄 拳(えいゆう こぶし)】はこの結果にため息をついていた。
******
「………あいつ以来だ……あんなにバトルを楽しくなさそうにする人………」
自分の控え室でそう呟いたのは、芽座椎名だ。その言葉の対象の人物は先のバトルの吸血堕天のことだ。彼はバトルスピリッツと言うゲームを全く楽しんでいないように椎名は見えた。
椎名がこの界放市に来て、半年は経ったが、そこでは今までどんなに変わり者でも、捻くれていても、バトルスピリッツを楽しんでいるものばかりだった。だが、彼は、吸血堕天は違う。何かとても重たいものを背負っているかのような、そんな重々しい感じでバトルしているのが椎名にはわかった。
そんな人物を椎名は1人知っている。年上で…………その彼の話はいつかきっとすることであろう。
《これで1回戦、すべての行事が終了致しました。翌日からは2回戦です。》
そんな無機質なアナウンサーの声が聞こえてくる。そしてその放送は、明日の対戦発表も発表した。
椎名はそのアナウンスを聞き逃さなかった。明日、自分と2回戦で対戦するのは【エンペラー】、吸血堕天だ。
〈本日のハイライトカード!!〉
「はい!椎名です!今回はこいつ!【仮面ライダーキバ エンペラーフォーム】!!」
「吸血一族に伝わるキバデッキの最強スピリット!【チェンジ】の効果で全ての相手のスピリットのコアを2つずつリザーブに置く効果と、アタック時に相手のコア3個以下のスピリットを破壊してライフを破壊できる効果を持ってるよ!」
最後までお読みくださり、ありがとうございました!
次回もお楽しみに!