バトルスピリッツ オーバーエヴォリューションズ   作:バナナ 

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第3話「渾身の一手!ライドラモン轟く!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へぇー、そんなことあったんや」

「へぇーじゃないよ本当に、その後は一日中ずぅっと感想文書かされたんだから」

「いやぁ、1日はまだマシやと思うねんけど」

 

 

椎名が司とバトルした翌日の昼休み、丁度弁当を食べ終わってから、晴太にこっ酷く叱られ、挙げ句の果てには一日中感想文を書かされた椎名は、その事を真夏に愚痴るように話していたのだ。

 

椎名もあれだけのことをしたのだ、真夏の言う通り、確かに1日中感想文を書かせるのはまだ甘いほうだと思われる。

 

 

「でもやっぱすごいでぇ、椎名は」

「ん?何が?」

「だってあの【朱雀】に臆さずバトルしたんやろ!?すごいでぇ、ほんま大もんやわ〜〜」

「いやいや、ただバトルしただけでそんなに言われてもなぁ、」

 

 

それと同時に、椎名が【朱雀】こと赤羽司とバトルしたことは、知らずのうちに学校中で噂になっていた。強敵に挑んでいく椎名をべた褒めする真夏。バトル自体の結果は晴太が横入れしたため消化試合となってしまったが、

 

椎名としてはただバトルに夢中になっていただけだ。そんなことで褒められてもあまりピンとは来ないだろう。それは椎名が【朱雀】と言う男を詳しく知らないのも理由の1つであろう。

 

 

「そう言えば司ってなんで【朱雀】って呼ばれてるの?」

 

 

椎名はそもそも司が【朱雀】という異名を持っていたことを知らなかった。真夏はあまり世間を知らない椎名にこれを説明していく。

 

 

「はぁ!?あんたそんな事も知らんかったんかいな、【朱雀】って言ったら赤バトラーの名家、【赤羽一族】の30年に一度の天才って言われてる奴やないか、あいつの軸となっているスピリットとその華麗なプレイングから【朱雀】って言われるようになったんよ、私らと同期の中でもトップクラスの有名人やで!?」

「はは、いや私あんまり世間とか世論とか知らなくってさ〜」

 

 

同期の中でも逸脱した才能の持ち主である【朱雀】を知らなかった椎名に対して真夏は少なからず驚いている。いくら椎名が遠い島出身とは言え、【朱雀】を知らないのはあまりにも変だと、それほどまでに【朱雀】は有名人なのだ。

 

【朱雀】こと、司はジュニア時代では数々のバトスピ大会で賞を勝ち取っている。他を寄せ付けないその強さは当時から多くのメディアにも注目されていた。ただそれ故に椎名が【朱雀】を知らないのは本当におかしい以外何者でもなかったのだ。

 

 

「でも、もうちょっとで勝てるとこだったんだよなぁ」

「それほんまに言っとんの!?」

 

 

椎名は知らないが、あのバトルは本当ならまだあのバトルの決着はついていなかった。もう少しで椎名が勝てるとこではあったが、司はまだ凌げる防御札を手札に持っていた。

 

それでも【朱雀】と呼ばれる司をあそこまで追い詰めれるのはこの同期とそれ以下の世帯の中ではほとんどいないだろう。

 

2人が机を囲んでそんな談笑をしている時だった。誰かが閉まっている教室のドアを開ける。そこに現れたのはクラスメイトでも先生でもない。別のクラスの男子生徒だ。160cmもいかない位の椎名とほぼ同じくらいの小柄な体格に加え、栗色の短めの髪、成長期が来るのを予想してるのか、少し大きめの制服を着ていた。新品の制服やバッジの色から椎名達と同じ1年生であることが示唆される。

 

その男子生徒はなんの躊躇もなく真っ直ぐに椎名と真夏がいる机に寄って着た。いや正確には椎名だけを見ていた。そして椎名に親しげな顔つきを見せながら口を開いた。

 

 

「やぁ、君が芽座椎名さん?……かな?」

「ん?そうだけどあなた誰?」

 

 

知らない生徒に声をかけられて首をかしげる椎名、するとここで真夏が思い出したように口を開く。

 

 

「あっ!思い出したで、あんたは確か【朱雀】の唯一の親友、【長峰雅治(ながみねまさはる)】!」

「司の親友?」

「はは、……そう、僕は【長峰雅治】。……司の親友ねぇ、まぁ、そんな感じかな、僕は兎も角、あいつがそう思っているかは謎だけどね」

 

 

彼の名は長峰雅治、椎名達の同期で、司の幼なじみ、バトルの腕前も相当なもので、椎名達の同期中では【朱雀】と並んでトップクラスに立っている。

 

そんな彼がなぜ今椎名達の前にいるのかというと、

 

 

「でも、司の親友がどうして私のとこに?」

「いや、昨日、司が君にアンティなんか仕掛けたらしいから迷惑かけたなぁと思ってねぇ、あいつ素直じゃないから言えなかったんだろうけど、ただ取り敢えず君とバトルがしたかっただけだったんだ。それだけはわかって欲しいと考えてね」

「なんか、おかん見たいなやっちゃな」

「あ〜〜いいのいいの全然!気にしてないし、寧ろ楽しかったよ!」

 

 

雅治は椎名に謝罪目的で来ていた。少しだけ頭を下げる雅治だが、当の椎名は特に何も気にしてはいない。寧ろ友の誤解を解くためにわざわざ自分のとこまで来たのだ。逆に感心してしまう。

 

椎名の返事を聞いて、雅治は手を口にあて、微笑ましく顔を歪ませる。

 

 

「楽しかった、か。ふふ、君とはいいバトルになりそうだ」

「………!?」

「いやなんでもない、こっちの独り言だよ………じゃあね」

 

 

雅治はそれだけ言い残して椎名達の教室を後にした。

 

 

「結局それだけかいな」

「…他に何か言いたげだったような」

 

 

そうしているうちに学校の予鈴チャイムが鳴り響き、次の授業が始まろうとしていた。

 

次の授業は【合同実技】だ。椎名達はさっきの雅治の発言が引っかかりつつも授業がある第3スタジアムへと赴いた。

 

【合同実技】とは、簡単に言ってしまえば、他のクラスと合同でバトルの練習を行う。それぞれ違うクラスの生徒とバトルを行う。

 

 

「よし!全員配られた番号の元に行きなさい!目の前にいる生徒が今日の対戦相手だ!」

 

 

担任の先生の晴太の指示でクラスメイトの各々が散っていく。椎名は自分に割り当てられた番号のバトル場に向かう。同じ番号のものが今回の椎名の対戦相手だ。

 

 

「えー、っと、17、17、………ここか」

「………やぁ!待ってたよ!」

「ん?あっ!さっきの!」

 

 

その17番のバトル場で既にBパッドを展開させて待ち構えていたのは雅治だった。椎名は気づく。さっきの雅治の発言はこれから自分とバトルするのがわかっていたからなのだと、

 

 

「なるほど!今回の合同実技はあなたが相手だったんだね!よろしく!」

「こちらこそ」

 

 

雅治はまるで丁寧な執事のように挨拶をする。椎名も直ぐにBパッドを展開させてバトルのスタンバイに入った。

 

 

「見せてもらうよ、入学試験で空野先生に勝った実力を」

「へへ、望むところだよ!」

 

 

椎名は少なからず入学試験時点で何かと注目されている人物の1人だった。

 

入学試験では、職員の教師、誰か1人とバトルすることになるのだが、今年に限っては、新人教師且つ天才的なバトラーの空野晴太が1部担当しているところがあり、学生間の間では空野晴太はハズレ枠認定だった。

 

そしていざ始まってみると案の定、晴太の前に積み上げられたのは自分に敗北した生徒達の山だった。

 

そんな中、晴太にただ1つの勝ち星を挙げたのが【芽座椎名】、その時の晴太は本気のデッキではなかったとは言え、彼にバトルで黒星をつけたことは他の学生や教師陣からも話題のまとだった。

 

雅治はこの椎名のバトルを見ていた。だからこそ一度戦って見たかった。自分のような頭脳派とは違う、体で何かを覚える感覚派のバトラーである椎名とバトルすることで何か自分を高められるのではないか。そう考えていたのだ。

 

椎名も、今回の相手はあの【朱雀】と呼ばれている赤羽司の親友、彼も当然それ相応の実力者であるはず、そう考えるだけで椎名は胸を踊らせずにはいられなかった。

 

ーそしていつもの掛け声でバトルが始まる。

 

 

「「ゲートオープン!界放!」」

 

 

芽座椎名と、長峰雅治のバトルが始まる。

 

ー先行は雅治。

 

 

[ターン01]雅治

《スタートステップ》

《ドローステップ》手札4⇨5

 

 

「メインステップ、じゃあ僕は先ず、アルマジモンを召喚!」

手札5⇨4

リザーブ4s⇨0

トラッシュ0⇨3s

 

 

アルマジロのような外見の黄色の成長期スピリット、アルマジモンが雅治の足元から出現した。その顔の表情はとても愛らしい。

 

 

「黄色か!!」

 

「そう、これが僕の色だよ、アルマジモンの召喚時効果発揮!デッキの上から3枚をオープンし、その中の「成熟期」か、「アーマー体」のスピリットを1枚手札に加えて、残りを破棄!」

オープンカード

【イエローリカバー】×

【イエローリカバー】×

【舞華ドロー】×

 

 

アルマジモンの召喚時効果でデッキのカードがめくれていくが、その3枚のカードの中にはどれも該当するものはなく、そのまま破棄されてしまった。

 

だが、これも彼の計算のうちだ。

 

 

「エンドステップ、トラッシュにある舞華ドローの効果」

「!?」

 

「自分のトラッシュにソウルコアがある時、自分のエンドステップ時に手札に戻ってくる」

手札4⇨5

 

 

舞華ドローの効果はトラッシュにある時にソウルコアがあるならエンドステップ時に手札に戻ってくる効果がある。ソウルコアとはどのプレイヤーも必ず持っている他のコアとは違う唯一無二の特別なコアのこと。そのソウルコアを活用した効果を持つカードは多々存在している。

 

 

「自分のデッキに舞華ドローがあるのを知っていたからアルマジモンの召喚コストにソウルコアを支払ったのか」

 

「ふふ、まあね、これで僕はターンエンドだ」

アルマジモンLV1(1)BP2000

 

バースト無

 

 

普通は有象無象にソウルコアをトラッシュには置かない。ソウルコアが次のターンまで使えなくなるからだ。それは前述したとおり、ソウルコアを活用する効果を持つカードがあるからである。ソウルコアがトラッシュにあれば少なくとも相手の手札にはソウルコアを活用するカードは存在しない、またはそれが使えなくなると言った情報が相手側に流れるからだ。雅治はそれを承知の上でアルマジモンの召喚コストにソウルコアを払っていた。

 

 

(確か、舞華ドローは相手のスピリット1体をBPー3000して、0になったそのスピリットを破壊だったよね)

 

 

椎名は雅治の手札に加えられた舞華ドローの効果を思い出しながら自身のターンシークエンスを進めていく。

 

 

[ターン02]椎名

《スタートステップ》

《コアステップ》リザーブ4⇨5

《ドローステップ》手札4⇨5

 

 

「よし!メインステップ!風盾の守護者トビマルをLV1で召喚!」

手札5⇨4

リザーブ5⇨1

トラッシュ0⇨3

 

 

椎名の場に大きな盾を持った鳥型のスピリットが召喚される。

 

 

「なるほど、守護者スピリットか、確かにそれならコスト3以下のスピリット限定で舞華ドローから身を守ることができるね」

 

「へへ、このターンはエンドだよ!」

風盾の守護者トビマルLV1(1)BP2000

 

バースト無

 

 

トビマルのような守護者と名のついたスピリットは弱き者達を守る勇敢な戦士、自身を含めたコスト3以下のスピリットが効果で破壊される時に、それらを疲労状態で残すことができる。

 

これで椎名は舞華ドローの破壊効果をある程度は軽減できる。

 

 

[ターン03]雅治

《スタートステップ》

《コアステップ》リザーブ0⇨1

《ドローステップ》手札5⇨6

《リフレッシュステップ》

リザーブ1⇨4

トラッシュ3⇨0

 

 

「メインステップ、そうだなぁ、ここは……2体目のアルマジモンを召喚しようかな」

手札6⇨5

リザーブ4⇨1

トラッシュ0⇨2

 

 

雅治の場にもう1体のアルマジモンが姿を見せる。

 

 

「2体目の成長期!?」

 

「そう、……そしてもう一度、召喚時効果!」

オープンカード

【アルマジモン】×

【パタモン】×

【パタモン】×

 

 

再びアルマジモンよ召喚時効果が発揮されるがまたその中には該当するカードがないため、トラッシュにそのまま送られた。

 

 

「そして手札からマジック!舞華ドロー!コストにはソウルコアを支払うよ」

手札6⇨5

リザーブ1s⇨0

トラッシュ2⇨3s

 

「やっぱ撃ってくるよね〜」

 

「この効果でBPー3000するのはもちろん君の風盾の守護者トビマル、そして0になったらそれを破壊して僕はデッキから1枚ドローする」

「トビマルのBPは2000、0にはなるけど自身の効果で疲労状態で生き残る」

 

 

黄色い波動がトビマルを襲う。それに力を奪われた瞬間、爆発してしまうが、トビマルは自分の効果で疲労状態となり椎名の場に居座っていた。

 

 

「だけど破壊はされているからカードはドローするよ」

手札5⇨6

 

 

守護者スピリットの効果はあくまで疲労状態で残る効果、つまり一度破壊はされているのだ。よって、雅治は舞華ドローの効果でデッキから1枚ドローした。

 

 

「アタックステップ!アルマジモン2体でアタック!!」

 

「トビマルは疲労状態、なら、どっちもライフだ!」

ライフ5⇨3

 

 

トビマルが疲労した途端アルマジモンでアタックを仕掛けてくる雅治。おそらくはこれも計算のうち、

 

アルマジモンはボールのように体を丸めて弾丸のように飛んでいき、椎名のライフを破壊した。

 

 

「エンドステップ、舞華ドローの効果でトラッシュから手札に………そしてターンエンド」

手札6⇨7

 

アルマジモンLV1(1)BP2000(疲労)

アルマジモンLV1(1)BP2000(疲労)

 

バースト無

 

 

できることは全て終えた雅治はこのターンを終える。次は椎名の反撃だ。

 

 

[ターン04]椎名

《スタートステップ》

《コアステップ》リザーブ3⇨4

《ドローステップ》手札4⇨5

《リフレッシュステップ》

リザーブ4⇨7

トラッシュ3⇨0

 

 

「メインステップ!先ずは猪人ボアボアを召喚!」

手札5⇨4

リザーブ7⇨4

トラッシュ0⇨2

 

 

椎名の場に猪の顔をした獣戦士ボアボアが召喚される。ボアボアは鎖付きの鉄球をぐるぐると振り回し、やる気を見せる。

 

 

「そして、次はブイモンを召喚!」

手札4⇨3

リザーブ4⇨2

トラッシュ2⇨3

 

「……来たね、軸となる成長期スピリット」

 

 

椎名の足元から出現したのは青い体の小竜型の成長期デジタルスピリット、ブイモン。

 

 

「召喚時効果!デッキから2枚オープンして対象のカードを手札に加える!」

オープンカード

【ワームモン】×

【グリードサンダー】×

 

 

ブイモンの召喚時効果を使う椎名だったが、雅治同様これは外れ、そのままトラッシュに送られた。

 

 

「ちぇ、ハズレか〜」

(その言い方じゃあ、進化形態がいないのがバレバレだね、……可愛いけど)

 

 

結果に口を尖らせる椎名。雅治はその椎名の表裏のない性格から分析してブイモンの進化形態はいないと判断する。

 

その予想は完璧に的中している。確かに今の椎名の手札にはフレイドラモンは存在しない。

 

 

「バーストをセット!風盾の守護者トビマルをLV2へアップ!!」

手札3⇨2

リザーブ2⇨0

風盾の守護者トビマル(1⇨3)LV1⇨2

 

 

椎名の場に伏せられたのは1枚のバーストカード、このカードで試合を動かすことはできるのか期待がかかる。トビマルもLVが上がり、新たな効果が追加された。

 

進化できないのは少々残念だが、致し方ない。椎名は今いるスピリットでアタックを仕掛ける。

 

 

「アタックステップ!いけ!ボアボア!!アタック時で強制的にレベルアップ!さらに【連鎖:緑】でボイドからコアを1つボアボアに追加!」

猪人ボアボア(1⇨2)LV1⇨2

 

 

ボアボアでアタックを仕掛ける椎名、ボアボアは自身の効果でコアを増やしつつ鎖付きの鉄球を雅治に向かって投げ飛ばした。

 

 

「ライフで受けるよ」

ライフ5⇨4

 

 

前のターンにフルアタックをした雅治は当然ブロックできるスピリットがいない。このアタックは無条件で受けることになった。

 

ーだが、問題はこの後であって、

 

 

(ブイモン達でアタックをしてもいいけど………)

 

 

珍しくターン中に手を止める椎名。それもそのはず、雅治の手札には舞華ドローが存在する。椎名の場のスピリットはいずれも舞華ドロー1発で射程圏内に収まる小型ばかり、トビマルの効果で破壊は免れるとは言え、残る時は疲労状態、おまけに今は雅治のスピリットを除去するカードもない。

 

つまり、ここで1回でもアタックしてしまえば舞華ドローの効果を使われて、ブロッカーは0、次のターン、雅治がスピリットを1体でも召喚して、またフルアタックをしかけられたらその時点で椎名はほぼ終わりなのである。

 

 

「………ターンエンド」

ブイモンLV1(1)BP2000(回復)

猪人ボアボアLV1(2)BP2000(疲労)

風盾の守護者トビマルLV2(3)BP3000(回復)

 

バースト有

 

 

結局アタックはできず、ブロッカー2体を残すプレイングをとった椎名。攻めたいところだが、攻められない。彼女はもどかしい気持ちに襲われるが、負けるよりかは遥かにマシであって、

 

 

[ターン05]雅治

《スタートステップ》

《コアステップ》リザーブ1⇨2

《ドローステップ》手札7⇨8

《リフレッシュステップ》

リザーブ2⇨5

トラッシュ3⇨0

 

 

「メインステップ、それじゃあ、そろそろ決めにかかろうかな」

「!?!」

 

 

「行くよ、椎名、これが僕のアーマー体!………僕はアルマジモンを対象に【アーマー進化】を発揮!1コスト支払い、アルマジモンをアーマー体、ディグモンにアーマー進化!!」

リザーブ5⇨4

トラッシュ0⇨1

 

「おぉ!!雅治もアーマー進化を使うんだ!!」

 

「ディグモンをLV2で召喚!!」

リザーブ4⇨3

ディグモンLV2(2)BP6000

 

 

アルマジモンの頭上にこれまた独特な形をした黄色い卵が落下してくる。アルマジモンはそれを受け入れるように衝突していき、混ざり合い、その力の恩恵を受けて、進化する。

 

そして現れたのは鼻先と両腕にドリルの武器を携えた昆虫型のデジタルスピリット、ディグモン。

 

ディグモンはその黄色い体を輝かせながら自慢の3つのドリルを回転させている。

 

 

「すごい!ドリル!!」

「ふふ、すごいのはこれからだよ!!ディグモンの召喚時効果!相手のスピリット1体を指定して、このターン中、そのスピリットはブロックできなくなる」

「!?!」

「僕が指定するのは厄介なアタック時とブロック時を待つ、風盾の守護者トビマル!!」

 

 

ディグモンは両腕のドリルを地面に突き刺し、地割れを起こす。トビマルはそれに足を挟まれて身動きが取れなくなる。

 

トビマルはアタック時とブロック時に相手のスピリット1体を疲労させる効果がある。雅治はそれを見越してトビマルを選んだのだ。

 

 

「くそぉ、ブロックできないのか……でも召喚時のバーストはもらうよ!」

「……!!」

 

 

椎名のバーストが勢いよく開く。

 

 

「バースト発動!双翼乱舞!カードを2枚ドロー」

 

 

効果でデッキのカードを勢いよく引く椎名、狙うはもちろんフレイドラモンのカード。果たしてその結果は……

 

 

「…………よし!来た来たぁぁぁぁあ!!」

手札2⇨4

 

(わかりやすい………可愛いけど)

 

 

2枚のカードを見て大いに盛り上がる椎名、雅治から見たらそれは本当にわかりやすかった。明らかにキーカードを引けた顔だ。

 

雅治はポーカーフェイスを一切保とうとしない椎名に少々呆れながらも、思わずその可愛らしい笑顔をまじまじと見つめてしまう。

 

双翼乱舞は赤のバーストマジック、相手のスピリット及びブレイブの召喚時に発動することができる。その効果は至ってシンプルで赤らしいドロー効果、

 

椎名はその後のメイン効果をコストを支払って使用できたが、キーカードを引けたからか、支払いはせず、双翼乱舞の効果は2ドローで終わった。

 

 

「どうやらキーカードをうまく引けたみたいだけど……………このターンの僕の進化はまだ終わらないよ」

「え!?」

 

「残ったアルマジモンをLV3に!」

リザーブ3⇨0

アルマジモン(1⇨4)LV1⇨3

 

 

場に残ったアルマジモンのレベルが上がる。アルマジモンはそれをアピールするかのように宙返りしてみせる。雅治はこの後すぐにアタックステップへと移行した。

 

 

「さぁ、アタックステップ!!アルマジモンの【進化:黄】発揮!!成熟期のアンキロモンに進化召喚!」

アンキロモンLV3(4)BP6000

 

 

アルマジモンはデータの渦に包まれていき、そのデータコードを返還させて行く。新たに現れたのは硬質化した表皮に全身を覆われた鎧竜型スピリット、成熟期のアンキロモン。

 

 

「……!!…普通に進化した……!!」

「進化はアーマー進化だけじゃないよ!」

 

 

気づけば雅治のフィールドにはアーマー体と成熟期のスピリットが並び立っている。

 

咆哮をあげるアンキロモン、ドリルを回転させながらやる気をみせるディグモン。椎名の小さいスピリット達だけでは勝つことは難しいだろう。

 

 

「アタックステップは継続!ディグモンでアタック!」

 

 

雅治の指示で動き出すディグモン。ディグモンは事前に回転させていたドリルを地面に突き刺して、再び地割れを起こす。それは瞬く間に椎名のブイモンの足場を崩し、身動きを封じた。

 

 

「……!!…これってさっきと同じ、」

「そう、ディグモンは召喚時とアタック時に同じ効果を発揮するスピリット、……2体目はブイモンを選ばせてもらったよ」

 

 

ディグモンは召喚時とアタック時でブロック不可効果を発揮できる。

 

これで椎名の場には実質ブロックできるスピリットは消えてしまったが、ブイモンが生き残っているならそれは関係ないことであって、

 

 

「だけどこのフラッシュタイミングを待ってた!!【アーマー進化】発揮!対象はブイモン!!……ブイモンを手札に戻して炎燃ゆるスピリット!!フレイドラモンを召喚!!」

トラッシュ3⇨4

猪人ボアボア(2⇨1)

風盾の守護者トビマル(3⇨1)LV2⇨1

フレイドラモンLV2(3)BP9000

 

 

足を挟まれたブイモンの頭上に赤い卵が投下される。ブイモンはそれと衝突して進化、フレイドラモンが地割れに挟まれた足を引き抜きながら参上した。

 

 

「……来たね、赤のアーマー体」

「アーマー進化は新たなる召喚扱い。フレイドラモンにはディグモンの効果は及んでいない」

 

 

椎名の言う通り、フレイドラモンのようなアーマー進化を持つスピリットの召喚は新たなる召喚扱い。つまりブイモンとは別のスピリットとして扱われている。

 

一見してみるとBPの高いフレイドラモンを召喚した椎名が有利に見えるが、実は本当に優位に立っているのは雅治の方であった。それはフレイドラモンの召喚時効果を発揮すれば直ぐに分かることである。

 

 

「フレイドラモンの召喚時効果!BP7000以下の相手スピリット1体を破壊!……対象はBP6000のアンキロモン!……いけ!フレイドラモン!爆炎の拳!ナックルファイア!!」

 

 

フレイドラモンがその拳に炎を纏わせて殴りつけるように射出、アンキロモンに命中し、焼き尽くすと思われたが、

 

 

「残念だったね、アンキロモンは相手の効果では破壊されない」

「……え!?」

 

 

その爆煙が晴れてみると、そこには擦り傷1つついていない元気なアンキロモンの姿がいる。フレイドラモンの効果を全く受け付けなかったのだ。

 

 

「くそ!……じゃあディグモンを」

「無駄だよ!ディグモンも自分のアタックステップ中のみ、相手の効果では破壊されない」

「………!!」

 

 

そう、ディグモンも効果では破壊されない。雅治は椎名のバトルをこれまで色々と見ていた。見ていたからこそ、ここまで対策を練り、完封する作戦を考えて来たのだ。

 

椎名のデッキはフレイドラモンを使用した圧倒的速攻。それは良くも悪くも、アドバンテージ差をつけるためにはフレイドラモンにやや頼り気味であって、そのフレイドラモンを対策されると窮地に陥りやすい弱点を抱えている。

 

スピリットを破壊できなければフレイドラモンに付随するドロー効果も使用できない。椎名はこれだけで一気に辛くなる。自分が優位に立つ残された手段は、

 

 

「だったら、フレイドラモンでディグモンをブロック!!」

 

 

ディグモンをこのまま迎撃して破壊することで不利な状況を一転させよう試みるしかない。

 

フレイドラモンより若干上背のディグモンは両腕のドリルでフレイドラモンを貫こうと上からそれを振り下ろす。フレイドラモンも負けじと両腕に炎を纏わせたダブルパンチで迎撃する。

 

BPはフレイドラモンが9000、ディグモンは6000、フレイドラモンの方が3000高いが、雅治の手札にある舞華ドローを使用すれば同値まで持っていかれてしまう。

 

ー椎名はそれを避けるために勝負に出る。

 

 

「フラッシュマジック!ワイルドライド!!不足コストはボアボアとトビマルから確保!!フレイドラモンのBPを+3000!!」

手札4⇨3

猪人ボアボア(1⇨0)消滅

風盾の守護者トビマル(1⇨0)消滅

トラッシュ4⇨6

フレイドラモンBP9000⇨12000

 

 

ボアボアとトビマルが消滅してしまうが、ワイルドライドの効果でフレイドラモンのBPがディグモンのBPを大きく上回る。これでBP差は詰められることはなかったが、雅治は黄色らしい、思わぬトリッキーな一手でやり返して来た。

 

 

「そうくるのも計算のうちさ………フラッシュマジック!フルーツチェンジを使用する!不足コストはアンキロモンから使うよ!」

手札8⇨7

アンキロモン(4⇨3)LV3⇨2

トラッシュ1⇨2

 

「フルーツチェンジ!?」

「……このカードはこのバトル中、BPを比べるスピリットのBPを入れ替える不思議な効果を発揮する」

「……あっ!!…BPを入れ替えるってことは!?」

「そう、ディグモンのBPはフレイドラモンのBP12000となり、逆にフレイドラモンのBPはディグモンのBP6000となる」

 

 

ディグモンとフレイドラモンが取っ組み合っている空間にのみ、黄色の波動が纏わりつく、それは瞬く間に2体の力関係を入れ替えてしまった。フレイドラモンの力となったディグモンはそのままドリルの回転速度を上げてフレイドラモンを一気に叩き潰した。

 

フレイドラモンは力及ばず爆発してしまう。

 

 

「…ぐぅ!!…フレイドラモン!!」

 

「僕はこれでターンエンド………」

ディグモンLV2(2)BP6000(疲労)

アンキロモンLV2(3)BP5000(回復)

 

バースト無

 

 

状況を一転させるつもりがより不利な状況を作ってしまった椎名。だが、エースを破壊されても自身のライフとデッキが尽きない限りは絶対に諦めない。それこそが芽座椎名だ。まだまだ全力でバトルに臨む。

 

たが、いくら強がっても不利な状況は変わらない。このままではじわじわと嬲り殺されるだけだ。次のターンのドローステップが勝負の分かれ目である。

 

 

[ターン06]椎名

《スタートステップ》

《コアステップ》リザーブ3⇨4

 

 

「頼むよ!私のデッキ!!……ドローステップ!!………」

手札3⇨4

 

 

椎名はドローカードを確認する。そのカードはまさしく今自分が欲しかったカード。それを見事引き当ててみせた。

 

 

「よし!!」

(……!?……何を引いた!?)

 

 

エースがやられた次のターンの局面でできる顔ではないと判断した雅治。そのカードがなんなのか推測するが、今までの椎名のバトルではフレイドラモンだけが活躍していたためか、予想するのは難しかった。

 

 

《リフレッシュステップ》

リザーブ4⇨10

トラッシュ6⇨0

 

 

「へへ、行くよ!雅治!………メインステップ!!ブイモンを再び召喚!!」

手札4⇨3

リザーブ10⇨6

トラッシュ0⇨3

 

 

【アーマー進化】の効果で手札に戻ったブイモンが再び椎名の元に現れる。ブイモンは両拳を強く握り締めてやる気をみせている。

 

ーそして椎名は魅せる。自分が持つ第2のアーマー体を、フレイドラモンと双璧を成すブイモンの進化形態を。

 

 

「アーマー進化発揮!対象はブイモン!!」

リザーブ6⇨5

トラッシュ3⇨4

 

「……またアーマー進化!?」

 

 

ブイモンの頭上に独特な形をした黒い卵が投下される。ブイモンはそれと衝突し、新たなる姿へと進化を果たす。

 

それは黒き獣のようなアーマー体、青き雷をまといて、椎名の場に参上する。

 

 

「ライドラモンを召喚!!」

リザーブ5⇨2

ライドラモンLV3(4)BP10000

 

「新しいアーマー体!?緑のスピリット……!!」

 

「そう、これがフレイドラモンと双璧を成す私のアーマー体スピリット、ライドラモン!!…………召喚時効果発揮!!ボイドからコアを2つトラッシュに追加する!!」

トラッシュ4⇨6

 

 

ライドラモンが召喚されるなり雄叫びをあげる。すると椎名のBパッドに雷が落雷する。その煙が晴れると、椎名のトラッシュにコアが2つ新たに追加されていた。

 

だが、

 

 

「今更コアブースト!?しかもトラッシュに………それじゃあ結局何も変わらないよ」

 

 

そうだ、ライドラモンの効果は強力ではあるものの、結局はタイムラグ付きのコアブースト、使用できるのは次のターンからとなる。いくらコアが増えても巻き返す方法がなければ意味はない。

 

しかし、椎名が使いたいのはコアブースト効果ではなかった。

 

 

「まぁ、そう慌てないでよ、ライドラモンの強みはこれからわかる」

「!?!」

 

 

椎名はライドラモンだけがいる盤面でアタックステップに移行する。それは一見無謀とも取れるが、

 

 

「アタックステップ!!ライドラモンでアタック!!」

「BP10000のただ1回のアタックでは僕の4つのライフは減らされないよ!」

 

 

地を駆けるライドラモン。確かにライドラモンだけではこのターンで雅治のライフを全て消すことは難しいだろう。だが、バトルスピリッツの醍醐味はどんなに追い詰められても複数のカードを活かすことでそれらを難なく突破することが可能になることである。

 

椎名は初手からためていたあるカードを引き抜く。

 

 

「ここでこのマジックが光輝く!……フラッシュマジック!ストームアタックを使用!!」

手札3⇨2

リザーブ2⇨0

ライドラモン(4⇨3)LV3⇨2

トラッシュ6⇨9

 

「なに!?このタイミングでストームアタック!?」

「この効果で回復状態のアンキロモンを疲労させ、逆に疲労状態のライドラモンを回復させる!!」

 

 

椎名が使用したカードは《究極カード》と呼ばれるデッキには1枚しか入れられないと言う強力なカードの1枚、緑のマジック、【ストームアタック】、その効果でアンキロモンが風に包まれて疲労し、逆にライドラモンが追い風を受けて回復状態になる。

 

 

「くっ!!」

アンキロモン(回復⇨疲労)

 

「これであなたのブロッカーは0!!ライフで受けるしかなくなった!!いけ!ライドラモン!!」

ライドラモン(疲労⇨回復)

 

「う、ぐぅ!」

ライフ4⇨3

 

 

ライドラモンの全力疾走からの体当たり、最早かわすすべがない雅治はその攻撃を諸に受けてしまう。だが、そのライフ数はまだセーフティラインであって、

 

 

「残念だね、その程度の攻撃じゃあ、君がいくら頑張ってもこのターンで削ることができる最高値は2。僕はまだ負けない」

 

 

安心したように笑みを浮かべる雅治だが、この状況で笑っていたのは椎名も同じだった。雅治はそれを見て不思議に思う、何故笑っているのだろう。と、使用したコアはもうギリギリ、ライドラモンをLV2で維持するのに手がいっぱいのレベルだ。

 

雅治は気づく。この状況で椎名が笑っていられるのはライドラモンにはもう1つ何か効果があるから。ということに。

 

そして椎名はライドラモンの第2の効果を説明する。

 

 

「ライドラモンはライフを減らす時、さらにもう1つライフを減らす!!」

「………な、なんだって!?」

「いけ!ライドラモン!!轟の雷!!!ブルーサンダー!!!!!」

 

「うわっ!!」

ライフ3⇨2

 

 

ライドラモンのツノが避雷針となり、落雷する雷が雅治のライフをさらにライフを破壊する。この効果により雅治の計算が崩される。

 

ライドラモンはこの効果のおかげで実質ほぼダブルシンボルだ。1足す1が2足す2になればそれは相手にとって大きく計算を狂わせることができる。

 

 

「よし!これで決まり!!ライドラモン!!トドメのブルーサンダァァァァァア!!!!!!」

 

「ま、まさか、こんな面白いバトルをする子がいるなんて、………やっぱり君は素敵だよ、椎名」

ライフ2⇨0

 

 

ストームアタックの効果で回復状態となっているライドラモンはその場で再び巨大な雷を打ち出して雅治のライフに叩きつける。雅治は椎名の凄さに感心しながらその眩い雷の光にのまれていった。

 

ーこれで雅治のライフを全て破壊。勝者は椎名となる。

 

 

「よっし!私の勝ち!!」

 

 

ガッツポーズをあげる椎名。ライドラモンも消える瞬間まで吠え続けた。逆に盤面に残った雅治のディグモンとアンキロモンは悔しそうな形相をしながら消滅していった。

 

 

「ふふ、やっぱり凄いや君は、」

「いやいや!雅治も凄かったよ!またバトルしようね!!」

「はは!そうかなぁ、ありがとう!」

 

 

2人はその場で握手を交わした。その後は互いのクラスのところへと一時戻る。

 

雅治と椎名は違うクラスなのでそれぞれ違う場所に戻るが、

 

 

「どうだったよ、愛しのあの子とのバトルは」

「あれ、司、見てたの?……授業またサボったなぁ?」

「低レベルな連中とバトルしても仕方ねぇ」

 

 

スタジアムの裏側で雅治に声をかけたのは雅治の親友の司。司と玄は同じクラスであるため、司も同じように別のクラスの者と対戦しているはずだったが、司はこの2人のバトルを観戦した方がまだ自分にとっては得になると考え、また授業をサボって、そのままこっそりと2人のバトルを観戦していたのだ。

 

 

「ちなみに、今日めざしが使った【ライドラモン】、あれ入試試験の時も使ってたぞ」

「あれ!?そうだったけ!?」

 

 

そう、椎名が今回フィニッシャーにしたライドラモン、あのスピリットは入試試験での晴太とのバトルでも使用されていた。

 

 

「まぁ、お前はその時どっかの誰かに目を奪われてて覚えてなかったのかもなぁ」

「そう、やっぱり椎名は素敵だ。直感的に感じ取る力とあの引きの強さは本物だよ」

 

 

からかうような言い草の司に対し、それに全く気づく素振りすら見せずに椎名のことを考える雅治。

 

雅治が椎名に惹かれたのは実技の入試試験の頃、晴太とのバトルに果敢に挑戦していく姿に思わず見惚れてしまった。なんで惹かれてしまったのかは当初はわからないままだったが、今回のバトルを機に、ようやく理解した。理由は2つ。

 

それは椎名と言う女生徒は兎に角ユーモラスに特化しているからだ。ユーモラスなどありふれたごく普通の人間である雅治にとっては最もかけ離れた存在。雅治はきっと自分にないものを欲していたのだろう。

 

ーそして、もう1つは自分の初恋だった相手にそっくりだった。と言うことだ。

 

 

 




〈本日のハイライトカード!!〉


「はい!椎名です!今回はこいつ!【ディグモン】!!」

「ディグモンは黄色のアーマー体スピリット!!召喚時とアタック時に相手のスピリットのブロックを封じる上に、自分のアタックステップ中には特定のデジタルスピリットを効果破壊から守る効果も兼ね備えているよ!!」





最後までお読みいただきありがとうございました!
今回は別にいいかと思ってしまい、投稿してしまいましたが、基本は週替わりに投稿します。

※タイトルが12話とちょっと被ってたのに気づいて少し変更しました。

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