バトルスピリッツ オーバーエヴォリューションズ   作:バナナ 

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第46話「新エース! デュークモン!!」

 

 

 

 

 

 

 

空港の屋上で、真夏と雅治が見守る中、空野晴太と芽座葉月がバトルしようとしていた直後、唐突に行方知らずだった芽座椎名が現れた。

 

 

「さぁ!葉月!リベンジマッチだ!!どっからでも相手になってやるっ!!」

「………椎名っ!!」

 

 

葉月に人差し指を刺し、宣戦布告をする椎名。その顔の表情は果てしない自信に満ち溢れている。葉月はそれを見て腹立たしい気分に侵されていく。

 

ーだが、その前に、

 

 

「………し、椎名ぁぁぁぁぁあ!?!!」

 

 

真夏が大きな声で彼女に近づく。これでも約一週間ぶりの再会なのだ。驚くのも無理はない。

 

 

「あ、真夏っ!久しぶり〜〜〜」

「軽っ!!軽いわぁ!!ボケェ!!どんだけ心配した思っとんのやぁぁぁぁぁ!!」

「えぇ!?ごめんごめん!?!」

「取り敢えず無事でよかったよ!」

 

 

久しぶりということもあって盛り上がる椎名、真夏、雅治の3人。

 

そんな中、椎名は話を元に戻して、

 

 

「まぁ、何はともあれ…………先生!そこ代わってよ!!」

 

 

椎名は晴太に向かって言った。自分が代わってバトルすると言わんばかりに、

 

 

「椎名、お前学園側に何も連絡しないで、いったいどこに行ってたんだ?」

「ちょっと故郷までね〜〜」

 

 

晴太は単純に椎名がどこに行ってたのか気になっていた。本当は叱るべきなのだろうが、ここまで長期に渡って不登校になってたこともあって、とてもそんな気分になれないでいた。

 

 

「椎名、ここからは大人の仕事だ……マグナモンは俺が取り返す……お前はそこで真夏達と観戦してろよ」

 

 

晴太は敢えて椎名をバトルさせない選択肢を取ろうとした。別に教師として良いところを見せようとしているわけではない。椎名にまた苦しい想いをさせるのが嫌なのだ。

 

必ず勝てるのならわかる。

 

しかし、相手は【芽座葉月】。少なくとも今の椎名では勝てないのは明白。ロイヤルナイツのマグナモンがいないのなら尚のこと…………

 

ーだが、

 

 

「嫌だっ!!決着は私がつける!!奪われたものは自分で取り返すっ!!」

「…………っ!!?!」

 

 

あぁ、またこれだ。晴太はそう思った。これだけ覚悟を決めた眼を向けられて、自分がバトルをしたら、逆に教師として恥をかいてしまう。

 

あまり語られてはいないが、椎名の言動と行動力には人を動かしてしまう不思議な力がある。一種のカリスマ性と言えるものであった。

 

心苦しいが、晴太は結局その席を退くことにした。

 

 

「…………わかった……無茶はするなよ……」

「へへっ!!サンキュー先生!!」

 

 

椎名は嬉しそうにそこへと立った。自分のBパッドを展開し、バトルの準備をするが、

 

 

「………おい……誰がお前とバトルすると言った?」

 

 

葉月が椎名にそう言った。

 

そうだ。葉月にとって、ロイヤルナイツを持たない椎名とは、バトルする価値が全くない。

 

しかし、椎名があるカードを見せることによって、その考え方は変わってしまう。

 

 

「ふっふっふ!!これを見てもそう言えるかなぁ?」

「?」

 

 

椎名はドヤ顔で目をキラキラと輝かせながら、自分のデッキケースのデッキからあるカードを1枚引き抜いた。

 

それは葉月どころか真夏や雅治、晴太までもを驚愕させるものであって、

 

 

「…………っ!?!なっ!?それは………ロイヤルナイツっ!!」

「そう、赤属性のロイヤルナイツ、デュークモンだよ!」

「4枚目のロイヤルナイツ…………っ!!」

「…………し、椎名の奴、いつのまにまたあんなカードを………」

 

 

 

椎名が見せたカードは故郷である島で六月から託されたロイヤルナイツの一枚であるデュークモン。

 

 

「な、何故お前がそれを……っ!?」

「へへっ!!ちょっと色々あってね!!」

 

 

葉月は頂点に立つための力を得るため、そして一族のカードであるロイヤルナイツを欲している。つまり、今椎名が手に持っているロイヤルナイツ、デュークモンも対象内であるのだ。

 

当然、この椎名のバトルは断れなくなる。

 

 

「ちっ!良いだろう……癪だが相手になってやる……俺が勝てばそのデュークモンは頂いていくぞ……」

「よっし!そうこなくっちゃ!!」

 

 

既に2人のBパッドは展開済みである。後はデッキをセットし、始まりの宣言をするだけ。

 

ーそしてこの界放市にある空港の屋上で、それが始まる。

 

 

「「ゲートオープン、界放!!」」

 

 

ーバトルが開始された。先行は椎名だ。

 

 

[ターン01]椎名

《スタートステップ》

《ドローステップ》手札4⇨5

 

 

「行くよっ!!メインステップ!ブイモンを召喚っ!!……そして召喚時効果っ!!」

手札5⇨4

リザーブ4⇨0

トラッシュ0⇨3

オープンカード↓

【ライドラモン】◯

【ギルモン】×

 

 

椎名がこのバトル、初の召喚となるスピリットは青い小型の竜。額のブイの字が特徴的なブイモンだ。

 

そしてその召喚時も成功。椎名はそこからアーマー体スピリットであるライドラモンを手札に加えた。

 

 

「よし!ライドラモンをくわえて、ターンエンドだ!!」

手札4⇨5

ブイモンLV1(1)BP2000(回復)

 

バースト【無】

 

 

先行の第1ターン目などできることは最低限度に限られてくる。椎名はそれだけでそのターンをエンドとした。

 

次は椎名の新たなるロイヤルナイツ、デュークモンまでもを奪おうとする葉月の番だ。

 

 

[ターン02]葉月

《スタートステップ》

《コアステップ》リザーブ4⇨5

《ドローステップ》手札4⇨5

 

 

「メインステップ、俺はネクサスカード、水銀海に浮かぶ工場島を配置し、ターンエンド!」

手札5⇨4

リザーブ5⇨0

トラッシュ0⇨5

 

水銀海に浮かぶ工場島LV1

 

バースト【無】

 

 

葉月は早速いつものネクサスカードを配置した。水銀のような銀色の海に浮かぶ工場島が、葉月の背後に配置された。

 

そしてそのターンをエンド。あっという間に椎名のターンとなった。

 

 

[ターン03]椎名

《スタートステップ》

《コアステップ》リザーブ0⇨1

《ドローステップ》手札5⇨6

《リフレッシュステップ》

リザーブ1⇨4

トラッシュ3⇨0

 

 

「メインステップっ!!ネクサスカード、ディーアークを配置!」

手札6⇨5

リザーブ4⇨1

トラッシュ0⇨3

 

 

椎名が配置したネクサスはデジタルスピリットを扱うならもってこいのカード。椎名の腰にその掌サイズの機械は取り付けられた。

 

さらに椎名は動く。さっき手札に加えたアレを召喚する。

 

 

「さらにライドラモンの【アーマー進化】を発揮!対象はブイモン!1コストを支払って召喚!!」

リザーブ1⇨0

トラッシュ3⇨4

ライドラモンLV1(1)BP5000

 

 

ブイモンの頭上に黒くて独特な形をした何かが投下される。ブイモンはそれと衝突し、混ざり合う。そして新たに現れたのは青い稲妻を纏う獣、ライドラモンだ。

 

 

「召喚時効果!トラッシュにコアを2つ追加するっ!」

手札5⇨4

破棄カード↓

【ブイモン】

トラッシュ4⇨6

 

 

ライドラモンは登場するなり大きく、それでいて気高く吠える。すると、椎名のトラッシュにコアの恵みが2つ与えられた。しかし、【進化】や【アーマー進化】は一度進化元となるデジタルスピリットを手札に戻す効果であるため、葉月の配置したネクサス、水銀海に浮かぶ工場島の効果で椎名は手札にあるカードを1枚破棄した。

 

 

「そしてアタックステップだ!!ライドラモンッ!!」

 

 

ライドラモンが迅雷の如く場を駆ける。目指すは葉月のライフ。

 

 

「ライフだ………」

ライフ5⇨4

 

 

ライドラモンはそのまま体当たりで葉月のライフを粉々に粉砕した。

 

 

「ターンエンド!」

ライドラモンLV1(1)BP5000(疲労)

 

ディーアークLV1

 

バースト【無】

 

 

できることを全て終えた椎名はこのターンをエンドとする。次は葉月のターンだ。

 

 

[ターン04]葉月

《スタートステップ》

《コアステップ》リザーブ1⇨2

《ドローステップ》手札4⇨5

《リフレッシュステップ》

リザーブ2⇨7

トラッシュ5⇨0

 

 

「メインステップ………俺はネクサスカード、No.1ノースシーロードを配置し、さらにソードールを召喚……ノースシーロードの効果でコアを増やす、水銀海に浮かぶ工場島もLVを上げる」

手札5⇨4⇨3

リザーブ7⇨1

トラッシュ0⇨2

ソードール(2⇨3)LV1⇨2

水銀海に浮かぶ工場島(0⇨2)LV1⇨2

 

 

葉月が場を展開していく。この流れは英次戦と殆ど同じだ。これで葉月は毎ターン1回ずつ、白のスピリットを召喚するたびにコアを増やすことができる。

 

 

「………ターンエンドだ」

ソードールLV2(3)BP3000(回復)

 

水銀海に浮かぶ工場島LV2(2)

No.1ノースシーロードLV1

 

バースト【無】

 

 

葉月が行ったのは特にそれだけであり、このターンもあっさりと終了してしまった。

 

 

[ターン05]椎名

《スタートステップ》

《コアステップ》リザーブ0⇨1

《ドローステップ》手札4⇨5

《リフレッシュステップ》

リザーブ1⇨7

トラッシュ6⇨0

ライドラモン(疲労⇨回復)

 

 

「メインステップッ!!バーストをセットし、ライドラモンとディーアークのLVをアップ!!」

手札5⇨4

リザーブ7⇨2

ライドラモン(1⇨4)LV1⇨3

ディーアーク(0⇨2)LV1⇨2

 

 

椎名の場にバーストが伏せられると同時に、ライドラモンとディーアークのLVが上がった。

 

そして椎名はこのままアタックステップへと移行し、

 

 

「アタックステップだ!いけぇ!ライドラモン!!」

 

 

再び迅雷の如く場を駆けるライドラモン。

 

だが今回はそうはいかず……

 

 

「ソードールでブロックだ」

 

 

ソードールにその道を阻まれる。が、BP差は圧倒的にライドラモンが上。ライドラモンはその疾風迅雷の速度で、いとも容易く葉月のソードールを引き裂いてみせた。

 

 

「…………ターンエンド」

ライドラモンLV3(4)BP10000(疲労)

 

ディーアークLV2(2)

 

バースト【無】

 

 

互いに静かな滑り出しとなったこの序盤。

 

だが、次の葉月のターンから大きく動きを見せることになる。

 

 

[ターン06]葉月

《スタートステップ》

《コアステップ》リザーブ4⇨5

《ドローステップ》手札3⇨4

《リフレッシュステップ》

リザーブ5⇨7

トラッシュ2⇨0

 

 

「メインステップ………俺はハックモンを召喚するっ!ノースシーロードの効果でコアを増やし、カードを5枚オープンするっ!」

手札4⇨3

リザーブ7⇨5

トラッシュ0⇨1

ハックモン(1⇨2)LV1⇨2

オープンカード↓

【ジャコウ・キャット】×

【水銀海に浮かぶ工場島】×

【絶甲氷盾】×

【救世神撃破】×

【ポーン・ダイル】×

 

 

葉月は自身の持つ成長期スピリット、ハックモンを召喚する。その効果は当然他のデジタルスピリットを探す効果だが、それは究極体に限られている。今回は失敗し、巻かれたカードはデッキの下へと送られた。

 

だが、今は問題ない。場に成長期スピリットがいればそれで良いのだ。

 

 

「…………お前に面白いものを見せてやる……っ!!」

「!?!」

 

 

そう言って葉月は手札から1枚のカードを抜き取った。それは椎名がよく知っているカード。伝説のカードと呼ばれているそれは、今は葉月のカードになってしまった。

 

 

「【アーマー進化】発揮!対象はハックモン!!1コスト支払う!!」

リザーブ5⇨4

トラッシュ1⇨2

 

「っ!?!」

 

 

その台詞だけで葉月のすること全てを理解してしまった椎名。

 

葉月のハックモンがデジタルの粒子に変化され、彼の手札に戻る。そして代わりに現れるのはまさしく黄金の守護竜。

 

 

「…………マグナモンを召喚っ!!」

リザーブ4⇨2

マグナモンLV3(4)BP10000

 

 

現れたのはロイヤルナイツの一柱、マグナモン。

 

 

「…………ま、マグナモン……っ!!」

 

 

約1年くらいだろうか。これまで幾度となく椎名を助けてきたマグナモンが、今、葉月の隣に立ち、椎名と対面していた。なんとも心苦しい光景である。

 

椎名は以前、深く付けられた心の傷が痛む。

 

…………かと思われたが、

 

 

「………や、やっぱ正面でもカッコいい!!!」

 

 

全然そんなことはなく、寧ろマグナモンの姿をいつもとは違うアングルで視認できることをに目を輝かせていた。

 

 

「おいぃ!!しゃんとせんかい!!」

 

 

真夏がツッコミに回る。

 

どうやら椎名の心の傷はほぼ完全に塞がっているようだ。雅治も晴太もそれを理解したのか、この光景を見て表情が緩やかになっていた。

 

そうだ。これが、今のこれが、この状態こそ、いつもの芽座椎名だ。

 

 

「………間抜けな奴め……マグナモンの召喚時!!最もコストの低い相手のスピリット1体を破壊するっ!!ライドラモン!貴様だ!!」

「っ!?!」

 

 

葉月の指示に従い、マグナモンは黄金の波動を放つ。それはこの場全体に広がっていく。ライドラモンはそれに包みこまれてしまい、消滅してしまった。

 

そしてこれだけではない。葉月のメインステップはまだまだ続く。次は【アーマー進化】の効果で手札に戻っていたハックモンの再召喚だ。

 

 

「ハックモンを再び召喚し、カードを5枚オープンする」

手札3⇨2

リザーブ2⇨0

水銀海に浮かぶ工場島(2⇨0)LV2⇨1

トラッシュ2⇨3

オープンカード↓

【ソードール】×

【ポーン・ダイル】×

【ポーン・ダイル】×

【水銀海に浮かぶ工場島】×

【ジエスモン】◯

 

 

今度は成功。葉月はジエスモンのカードを手札へと加える。

 

ーそして今度はそれの煌臨だ。

 

 

「ジエスモンの煌臨を発揮!!対象はハックモン!!効果によりコアを3つ増やす!」

ハックモン(3s⇨2⇨5)

トラッシュ3⇨4s

 

 

ハックモンが聖なる光を纏うと共に、3つのコアが創成される。進化の準備だ。

 

そしてその中でそれは大きく、気高く姿を変えていく。

 

 

「究極進化ぁぁあ!!……ジエスモンッ!!」

手札3⇨2

ジエスモンLV3(5)BP14000

 

 

現れたのはこれまたロイヤルナイツの一柱、全身が劔のようなスピリット、ジエスモンだ。その周りにはいつものように3つの橙色のオーラが漂っている。

 

 

「ジエスモンの煌臨時効果でディーアークを手札に戻すっ!!」

 

「っ!?!」

手札5⇨6

 

 

ジエスモンのオーラのうちの1つが椎名を襲う。それは腰につけられていたディーアークをデジタルの粒子に変え、手札に戻してしまった。

 

 

「さらに俺はブレイブカード、スカル・ガルダを召喚!効果でカードをドローし、ジエスモンと合体!!」

手札2⇨1⇨2

ジエスモン(5⇨3)LV3⇨2

トラッシュ4s⇨6s

 

 

さらに葉月が展開したのは骨の姿になっても尚羽ばたきをやめない巨鳥。それは場へと出てくるなり瞬時に分離し、ジエスモンの装甲の上からまとわりついていく。ジエスモンは合体スピリットとなった。

 

そして長いメインステップも終わりを告げ、いよいよ本格的にアタックステップへと移行する。

 

 

「アタックステップッ!!やれ、ジエスモンッ!!」

 

 

手始めと言わんばかりにジエスモンにアタックの指示を送る葉月。ジエスモンの効果は手札に戻すだけに非ず、今度はバーストの破棄だ。

 

 

「ジエスモンの効果!!相手のバーストを1枚破棄!!」

 

 

ジエスモンがその手の劔からレーザーを照射させる。狙うは椎名の場にある裏側のバーストカード。

 

ーだが、椎名のバーストはそれをいとも容易く弾いていく。これには当然理由があって、

 

 

「私のバーストはマリンエンジェモン!!その効果は受けないよ!!」

「……ちぃっ!!またそれか!!」

 

 

椎名の伏せたバーストはマリンエンジェモン。これはセット状態の時、トラッシュに成長期カードがあれば相手の効果を受けない効果がある。

 

それにより、ジエスモンの攻撃を弾いているのだ。

 

 

「………だが、ジエスモンのアタック自体は有効だ!」

 

 

そう。だからとてジエスモンのアタックが完全に止まるわけではない。ジエスモンは周りにいる3つのオーラと共に宙を舞う。

 

 

「………ライフだっ!!」

ライフ5⇨3

 

 

場のスピリットが全滅した今、椎名はそれをライフで受ける他ない。

 

ジエスモンの高速の剣技が、椎名のライフを一気に2つも切り裂いた。

 

だがこれが椎名の伏せたバースト、マリンエンジェモンのバースト発動条件であって、

 

 

「ライフ減少により、バースト発動!!マリンエンジェモンッ!……バースト効果により召喚し、このターン、相手のコスト9以下のスピリット全ては私のライフを減らさないっ!!」

リザーブ10⇨7

マリンエンジェモンLV3(3)BP9000

 

 

椎名のバーストカードが勢いよく反転すると共に現れたのは、桃色のクリオネのようなスピリット、マリンエンジェモン。一応究極体であるそれは強力な効果をいくつか備えている。

 

マリンエンジェモンはさえずるように小さく鳴くと、椎名の周りに水のバリアが形成される。それはこの葉月のターンが終わるまで解かれることはない。

 

このターンの葉月のアタックステップは間違いなく防ぎきった。

 

 

「…………ターンエンドだ」

マグナモンLV3(4)BP10000(回復)

ジエスモン+スカル・ガルダLV2(3)BP16000(疲労)

 

水銀海に浮かぶ工場島LV1

No.1ノースシーロードLV1

 

バースト【無】

 

 

こうなっては流石に仕方がないか、葉月はそのターンをエンドとした。次はどうにかマリンエンジェモンでしのぎ切った椎名のターンだ。

 

 

[ターン07]椎名

《スタートステップ》

《コアステップ》リザーブ7⇨8

《ドローステップ》手札5⇨6

《リフレッシュステップ》

 

 

「メインステップ、手札に戻ったディーアークを再びLV2で配置して、マジック、双翼乱舞を使用!!カードを2枚ドロー!!」

手札6⇨5⇨7

リザーブ8⇨0

トラッシュ0⇨6

 

 

椎名は今一度ディーアークを繰り出した。だが、その後に使用した双翼乱舞に、葉月のネクサスが反応する。

 

 

「馬鹿め、水銀海に浮かぶ工場島の効果で、引いた枚数分カードを捨ててもらう……」

 

 

そう。これがある。これだと椎名は手札を2枚捨てなければならない。

 

ーが、これが狙いでもあって、

 

 

「ふふっ!……私はこの2枚をトラッシュへ……っ!!」

手札7⇨5

破棄カード↓

【ブイモン】

【デジヴァイス】

 

 

椎名は特に何の変哲も無いカードをトラッシュへと破棄した。だが、これは直ぐに重要な役割を果たすことになる。

 

 

「アタックステップッ!!……マリンエンジェモンでアタックッ!!……そのアタック時効果で、トラッシュにあるネクサスカード、デジヴァイスをノーコストで配置するっ!!」

デジヴァイスLV1

 

「……………っ!!」

 

 

マリンエンジェモンが歌うように鳴くと、トラッシュからカードが場に配置される。それはディーアーク同様、デジタルスピリットをサポートする効果に長けたネクサス、デジヴァイスだ。

 

椎名の腰に、また1つ機械が装着される。

 

 

「うまいでぇ!椎名!!あれを配置するために双翼乱舞を使うたんやな!!」

「だが、そんなものに意味はないっ!!マグナモンでブロックだ!!」

 

 

確かに、これだけでは直ぐに意味のあることかは実感ができないかもしれない。マリンエンジェモンはブロッカーとしてはあまり役には立てない。椎名はマリンエンジェモンをブロッカーに立てるよりかは手札の枚数を維持することを考え、エコ的にネクサスを配置したのだ。

 

空中を飛び行くマリンエンジェモンをマグナモンが鷲掴みにする。そしてそれを地面に叩きつけ落として、無残にも爆発させた。

 

 

「…………ごめん、マリンエンジェモン。…でもこれでなんとかなりそうだよ…………ターンエンドだ」

ディーアークLV2(2)

デジヴァイスLV1

 

バースト【無】

 

 

できることを全て終えた椎名は、マリンエンジェモンを犠牲にしたことを謝りながら、このターンをエンドとした。だが、ペースを握っているのは依然として葉月のまま。彼はここから一気に畳み掛ける。

 

 

[ターン08]葉月

《スタートステップ》

《コアステップ》リザーブ0⇨1

《ドローステップ》手札2⇨3

《リフレッシュステップ》

リザーブ1⇨7

トラッシュ6⇨0

マグナモン(疲労⇨回復)

ジエスモン+スカル・ガルダ(疲労⇨回復)

 

 

「メインステップ………ジエスモンをLV3に、水銀海に浮かぶ工場島のLVを再び2に上げ、さらにバーストを伏せる……」

手札3⇨2

リザーブ7⇨4

ジエスモン+スカル・ガルダ(3⇨4)LV2⇨3

水銀海に浮かぶ工場島(0⇨2)LV1⇨2

 

「っ!!……バースト……」

 

 

葉月の場に伏せられたバースト見て、椎名は思わずそう反応した。あれが強力なロイヤルナイツの1枚、アルファモンである確率が極めて高いからだ。ここから先は注意してバトルを進めなくてはならない。

 

だが、それが発動する前に葉月は極力、このターンでバトルを終わらせるつもりだ。ロイヤルナイツの2体が椎名に今にも襲いかかろうとしていた。

 

 

「アタックステップッ!!ジエスモンでアタック!!」

 

 

再び合体したジエスモンが3つのオーラと共に宙を舞う。目指すはもちろん椎名のライフだ。

 

 

「っ!!……ライフで受けるっ!」

ライフ3⇨1

 

 

ジエスモンはスカル・ガルダとの合体で合計シンボルは2。その剣技によるライフダメージも2となる。

 

椎名のライフはまた2つ同時に切り裂かれた。いよいよ残り1つなった。まさしく絶対絶命の崖っぷちであると言える。

 

 

「…………ロイヤルナイツを新たに得ても持ち主がこれでは宝の持ち腐れだったな……………これで終わりだ……マグナモンッ!!」

 

 

マグナモンが椎名の最後のライフを破壊すべく走り出した。

 

 

「ま、不味いで!これくろうたら椎名の負けやん!!」

「落ち着いて緑坂さん。こういう時の椎名は……」

「あぁ………まだ負けんよな……」

 

 

椎名の敗北が決定しかけて慌てる真夏。だが、それとは別に何かを察するような表情になる雅治と担任の晴太。

 

そうだ。椎名はこの程度では終わらない。終わるわけがない。手札のカードを1枚引き抜き、前方より接近してくるマグナモンを迎撃する。

 

 

「フラッシュマジック!!……ファイナル・エリシオン!!」

手札5⇨4

リザーブ5⇨1

トラッシュ6⇨10

 

「……っ!?!」

「このマジックはシンボル1つの相手スピリット1体を破壊するっ!……対象はもちろんマグナモンッ!!スピリットとブレイブの効果は防げてもマジックの効果は防げない!!……………マグナモンには悪いけどここで破壊させてもらうよ!」

 

 

椎名の場に現れる謎の大きな盾。そこから紅いレーザービームが照射される。それはマグナモンに向かって一直線に飛び行き、それを貫く。流石のマグナモンも堪らず転倒し、大爆発を起こした。

 

 

「………なんだ?…………今の…………マジックは……っ!?!」

 

 

葉月がそう思わず言葉を漏らした。椎名のマジック、【ファイナル・エリシオン】のことを不思議に思ったのは彼だけではない。直ぐそばにいた真夏、雅治、晴太も全くそんなカードは知らなかった。

 

 

「シンボル1つのスピリット限定の除去…………あまり聞かない効果だね………」

 

 

雅治が言った。

 

 

「椎名の奴、ひょっとしたら4枚目の【ロイヤルナイツ】以外にも他に新たなカードがあるのか??」

 

 

晴太が言った。そう考えざるを得ない状況だった。

 

何はともあれ、椎名がそれで葉月の攻撃を凌ぎ切ったのは事実中の事実。葉月はこれでまたターンの終了を告げなければならなかった。

 

 

「くっ……っ!!………ターンエンドだ」

ジエスモン+スカル・ガルダLV3(4)BP18000(疲労)

 

水銀海に浮かぶ工場島LV2(2)

No.1ノースシーロードLV1

 

バースト【有】

 

 

葉月はこのターンで終わらせれなかったことを悔しみながら、それをエンドとした。

 

次はなんとか耐え切った椎名のターンだ。ここあたりでどうにかしなければ間違いなく敗北を喫してしまうが、

 

 

[ターン09]椎名

《スタートステップ》

《コアステップ》リザーブ1⇨2

 

 

「ドローステップッ!!……………よしっ!!」

手札4⇨5

 

 

椎名のこのターンのドロー。それはまさしく奇跡とでもいうべきものであった。そしてこのターン、それは真っ先に召喚され、この後も数々の奇跡を起こしていくことだろう。

 

 

《リフレッシュステップ》

リザーブ2⇨12

トラッシュ10⇨0

 

 

「メインステップっ!!……始まりの真紅の魔竜……ギルモンをLV3で召喚!!」

手札5⇨4

リザーブ12⇨6

トラッシュ0⇨2

 

「っ!?!………真紅の……魔竜…だと!?……なんだそれはっ!?」

 

 

葉月はそう驚くように言葉をこぼした。まるでそれを知らないかのように。本当に知らないのだ。何せ、古の伝承より伝わっていたのはロイヤルナイツだけ、その前の進化段階など知る由もなかったのだから。

 

椎名はここで、このタイミングで、新たに得たキーカード、赤属性の成長期スピリット、ギルモンを召喚した。それはさきの【ファイナル・エリシオン】同様、椎名以外は誰も知らないカードであって、

 

 

「椎名……またわけわからんカード使いよってん……どうなってんのや?」

 

「召喚時効果っ!!カードを5枚オープン!!」

オープンカード↓

【フレイドラモン】×

【エクスブイモン】×

【ブルーカード】×

【メガログラウモン】◯

【スティングモン】×

 

 

ギルモンの召喚時のサーチ効果。それはデジタルスピリットが対象ではない。これに関しては、対象は系統滅竜を持つスピリットだ。ギルモン系のスピリットは皆この系統を所持しており、基本的にそれらを加えることになる。

 

ーそして今回はその中でも完全体であるメガログラウモンがヒットした。

 

 

「よし!メガログラウモンを手札に加えて、残りはデッキの下へ……」

手札4⇨5⇨4

破棄カード↓

【ワームモン】

 

 

椎名がさりげなくカードを破棄したが、これは葉月のネクサス、水銀海に浮かぶ工場島の効果だ。手札の枚数を増やしにくい状況が続いている。

 

が、それもこれまで、椎名は一気に畳み掛ける。

 

 

「アタックステップッ!!その開始時、ギルモンの【進化:赤】を発揮!!赤の成熟期スピリット、グラウモンに進化させるよっ!!」

グラウモンLV3(4)BP7000

手札4⇨3

破棄カード↓

【フレイドラモン】

 

 

ギルモンがデジタルコードに巻かれて進化する。ギルモンはどんどんその中で姿形を変えていく。新たに現れるたのは、サイズアップしたギルモン。角や、白い髪が生えた成熟期スピリット、グラウモンだ。

 

 

「そしてアタックステップは継続!!グラウモンでアタック!!そしてその効果で相手のネクサス1つを破壊するっ!!」

「っ!?!」

「これで厄介な工場島ともおさらばだ!!……魔炎の……エキゾーストフレイム!!!!」

 

 

グラウモンの口内から放たれる高温の熱線。それは真っ直ぐに葉月のネクサス、水銀海に浮かぶ工場島に命中。そしてそれは貫かれ、消滅していった。

 

ーそしてまだだ。まだ続く。今度は完全体の出番だ。

 

 

「さらに!!グラウモンの【超進化:赤】を発揮!!グラウモンを赤の完全体スピリット……メガログラウモンに進化させるっ!!」

リザーブ6⇨0

メガログラウモンLV3(10)BP12000

 

 

グラウモンはさらなる進化を遂げる。デジタルコードに巻かれ、その体躯はもっと大きく、広くなっていき、さらには上半身に強靭な武装も施されていく。新たに現れたのはメガログラウモン。数ある完全体スピリットの中でもトップクラスの実力を持つスピリットだ。

 

メガログラウモンは登場するなり果てしなく強い咆哮を上げた。

 

 

「…………また進化した……だとっ!?」

 

「へっへ〜ん!!…ディーアークの効果で1枚ドロー」

手札3⇨4

 

 

自分が知らないカード達の進化ラッシュに驚きを隠すことができない葉月。

 

だが、椎名がそんなことに付き合うはずもなく、アタックステップを継続させ、無慈悲にも強力なメガログラウモンでアタックしていく。

 

 

「いけぇ!メガログラウモンっ!!アタック時効果でカードを2枚ドロー!!そしてブレイブカードを1枚破壊するっ!!対象はスカル・ガルダ!!」

手札4⇨6

 

「………っ!?!」

「防人の刃…ペンデュラムブレイド!!!」

 

 

メガログラウモンは腕に装備された強靭な刃で斬撃を飛ばす。それはジエスモンと合体しているスカル・ガルダだけを正確に引き裂いた。スカル・ガルダは堪らずジエスモンとの合体を解き、そして離れ、爆発した。

 

そしてメガログラウモンのアタック時効果はここからが真骨頂であって、

 

 

「さらにメガログラウモンのもう1つのアタック時効果!!相手のシンボル1つのスピリット1体を破壊するっ!!」

「…………な、なんだと……っ!?」

 

 

この状況の場合、葉月の場にいるスピリットは1体、そしてそのシンボルも1つだ。

 

 

「破壊対象は当然!!…ジエスモン!!」

「………っ!?!」

「………くらえぇっっ!!原子の咆哮……アトミックブラスター!!!」

 

 

 

メガログラウモンは上部の武装の砲手にエネルギーと溜め、それをジエスモンに向けて一気に解き放った。それは一直線にジエスモンに飛び行き、腹部に命中、そしてそれを貫いた。

 

流石のロイヤルナイツといえど、これをまともにくらってはダメか、力尽き、倒れ、大爆発を起こした。

 

 

「……………完全体如きが、ロイヤルナイツを倒すだとっ!?………なんなんだ、お前の持つ…………その赤いカードは………っ!?!…」

 

 

葉月がそう言葉をこぼした。さっきからというもの、自分のロイヤルナイツは見たこともないカード達に負けている。顔や表情には殆ど出ていないが、いったいあれはなんなのだ。と、困惑しているのだ。

 

そんな葉月の気も知らない椎名は最後の仕上げに入る。それは、それだけは皆が知っているカード。だが、それでも名前だけだ。効果までは知らない。何せ名前だけが知られている伝説のスピリットの一柱なのだから………

 

椎名はそれを【煌臨】させる。

 

 

「フラッシュ!!煌臨発揮!!対象はメガログラウモンっ!!」

メガログラウモン(10s⇨9)

トラッシュ2⇨3s

 

「っ!!!?」

「椎名が煌臨をっ!?」

 

 

雅治がその椎名の発言に対して、そう言葉をこぼした。驚いたのは雅治だけでない、真夏や晴太、そして葉月も同じだ。

 

そもそも椎名がソウルコアで何かしらのことを行うこと自体珍しいことであった。

 

メガログラウモンはさらに強い咆哮を上げる。まるでそれは進化の兆しを感じているかのよう。

 

そしてその後、それは真紅の光に包まれていく。メガログラウモンはその中で姿を大きく変えていく。変化していく。それはもはや竜ではなく………騎士。

 

 

「真紅の魔竜よ!!今こそ真なる聖騎士となりて敵を貫け!!究極進化ぁぁあ!!」

手札6⇨5

 

 

現れるは紅いマントを靡かせる白い鎧の【ロイヤルナイツ】

 

………その名も………

 

 

「……デュークモンッッ!!!」

デュークモンLV3(9)BP18000

 

 

デュークモン。伝説のデジタルスピリット、【ロイヤルナイツ】の1体で、赤属性のスピリットだ。その鎧は白く、手は右に槍、左は巨大な盾となっている。

 

それが今、椎名の場へと降り立った。

 

 

「…………あれが赤のロイヤルナイツ………」

「………椎名の新たなエース………」

 

 

雅治が最初にそう呟くと、真夏が立て続けにまた呟いた。

 

そう。これが、これこそが、椎名の新たなエース。フレイドラモン、パイルドラモンと続く3番目のエース、【ロイヤルナイツ】のデュークモンだ。

 

ーそれが今、動き出す。

 

 

「…………来たな……デュークモン……っ!!」

 

 

葉月がそう言った。

 

 

「煌臨スピリットは煌臨元となったスピリットの全ての情報を引き継ぐ!!……デュークモンはメガログラウモンのアタック中に煌臨した!!よって、今のデュークモンはアタック中っ!!」

 

 

デュークモンがその紅いマントを広げ、地を駆ける。目指すは葉月のライフ。

 

そしてこの瞬間にも使える強力な効果がデュークモンにはあり、

 

 

「デュークモンのアタック時効果!!ターンに1回、トラッシュにある滅竜スピリットを回収することで、デュークモンは回復する!!………私はトラッシュにある2枚目のギルモンを手札に戻し、このデュークモンを回復させるっ!!…………ネクスト・イストリア!!!」

手札5⇨6

デュークモン(疲労⇨回復)

 

 

椎名のトラッシュからブイモンの召喚時効果でトラッシュへと破棄されていた、2枚目のギルモンが手札に戻ってくるとともに、デュークモンの身体に紅い光が一瞬だけ灯される。これはデュークモンが回復している証。これにより、デュークモンは2度目のアタックの権利を得た。

 

 

「いっけぇ!!!!デュークモンッッ!!!」

 

 

デュークモンがその槍を葉月へと差し向ける。まるで彼に宣戦布告でもしているかのように。そしてその槍は今にも彼のライフに届きそうであり…………

 

 

「…………調子に乗るなよ……椎名っ!!……お前の一人芸もここで終わりだ…………っ!!!」

 

 

葉月が椎名に対して苛立っているかのようにそう呟いた。確かに彼は今、椎名に追い詰められているが、本当はそう見えるだけ、

 

彼にはまだ、バーストが、いや、アルファモンがある。

 

 

 

 

ー決着は次回ー




〈本日のハイライトカード!!〉

椎名「今回はこいつ!!【メガログラウモン】!!」

椎名「メガログラウモンはギルモンが完全体に進化した滅竜のデジタルスピリット!アタック時にドローとブレイブ破壊、そしてシンボル1つの相手スピリットの破壊と、器用で強力なものが多いよ!」


******


〈次回予告!!〉

椎名「よっし!!いよいよ葉月を追い詰めたよ!このまま一気にこのデュークモンと駆け上がるっ!!…次回、バトルスピリッツ オーバーエヴォリューションズ、「真紅と漆黒、デュークモンVSアルファモン!」……今、バトスピが進化を超えるっ!!」


******


最後までお読みくださり、ありがとうございました!
本当はこのバトルは1話で収めたかったんですが、予想以上に多かったので、2話完結とさせていただきました。誠に申し訳ございません。

その代わりに、次回の投稿は【翌日、01/19の午前10時】とします。

デュークモンの回復する効果の技名【ネクスト・イストリア】に関してですが、ネクストは英語で次、次の、などですが、イストリアはギリシャ語で物語という意味があります。繋げたら【次の物語】です。個人的な自己満ですが、デュークモンらしい技名に仕上がったかと思ってます。
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