バトルスピリッツ オーバーエヴォリューションズ   作:バナナ 

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第90話「デュークモンの真実、デ・リーパーを救え!」

 

 

 

 

 

 

 

続く椎名とデ・リーパーのバトル。現在、お互いのライフは4。

 

椎名は自ら受け入れた鬼化の力を使い、その象徴たるスピリット、真紅の魔竜、究極体の姿、メギドラモンを召喚し、デ・リーパーの場のスピリットをほとんど破壊してみせた。

 

 

「デ・リーパー、もう私は鬼化の力を恐れたりはしない!!……このバトル、今まで私が築き上げてきたスピリット達との絆に掛けて、必ず勝つ!!」

「真紅の魔竜………どこまでもエニーズの味方をするつもりのようだね……ならば共に完膚なきまでに叩きのめしてあげるよ、このデジタルスピリットキラーであるADRの力を使ってね…………」

 

 

椎名とデ・リーパー。2人の熾烈極めるバトルスピリッツも終焉を迎えようとしていた。

 

ターンは第6。デ・リーパーのメインステップから行われる。

 

 

「ADR-02 サーチャーを3体連続召喚、失われし楽園の効果でカードを3枚ドロー!!」

手札4⇨1⇨3

リザーブ5⇨2

【デ・リーパーADR-02 サーチャー】LV1(1)BP1000

【デ・リーパーADR-02 サーチャー】LV1(1)BP1000

【デ・リーパーADR-02 サーチャー】LV1(1)BP1000

 

「っ……まだそんなに持ってたのか」

 

 

メギドラモンで大量に破壊してもなおデ・リーパーはデッキ内で最もコストが低いADR-02 サーチャーを多量に抱え込んでいた。配置されているネクサスカード、失われし楽園の効果もあって手札が減らない。

 

そしてさらにそのドローでついに引いた。自身でさえも『死神』と言及できる程の悍ましいカードを………

 

鬼化し、進化の力をより敏感に捉えられるようになった椎名もデ・リーパーが何か強力なカードを引いた事を悟っている。いつもの彼女ならば『ワクワクする』などと笑って待機するであろうが、今回ばかりはそうはいかない。

 

 

「さぁエニーズ!!このカードで決着だ!!……死神、リーパーをLV2で召喚!!不足コストはADR-01とADR-02、2体から確保!!よって3体のうち2体のADR-02は消滅!!」

手札4⇨3

リザーブ2⇨0

【デ・リーパーADR-01 ジュリ】(2⇨1)LV2⇨1

【デ・リーパーADR-02 サーチャー】(1⇨0)消滅

【デ・リーパーADR-02 サーチャー】(1⇨0)消滅

トラッシュ1⇨3

【リーパー】LV2(3)BP13000

 

「!」

 

 

ADR-02が一気に2体も生贄にされるかのごとく消滅していく。だが、代償を払った分だけのスピリットが………いや、代償を払った分以上のスピリットが地中より蔓延る。その名はリーパー。その見た目のシンプルさ、悍ましさから、デジタルスピリットキラーをの異名を超え、もはや単なる死神にまでなった凶悪極まりないスピリットだ。

 

 

「っ、こいつは……!!」

「君達の感覚で言うところの、エーススピリットさ、私のねっ!!…アタックステップッ!!リーパーでアタック!!」

 

 

早速召喚したての死神、リーパーでアタックを仕掛けるデ・リーパー。この時、リーパーにはいくつものアタック時効果が備わっており………

 

 

「リーパーのアタック時効果!!君のデッキを上から8枚破棄だよ」

 

「っ!!」

デッキ25⇨17

 

 

巨大で不気味な壁のような死神、リーパーから放たれる青い衝撃波。それは椎名のデッキを襲い、またトラッシュへと叩き込む。

 

その破棄されたカードの中には、スピリットカードである【マグナモン】、ブレイヴカードである【ズバモン】、マジックカードである【ファイナル・エリシオン】が確認できる。デ・リーパーはそれを見てまた不敵な笑みを浮かべ続ける。

 

 

「うっふふふ、効果フルコンプリート!!」

「!?」

 

 

デ・リーパーの言っていることの意味を理解できなかった椎名。だが、直ぐに思い知ることになる。リーパーの効果の真髄を………

 

 

「リーパーの効果!!破棄されたカードの中にスピリットカードがあれば、コア2つをこのスピリットに追加し、ブレイヴカードがあれば、スピリット3体を疲労させる!!」

【リーパー】(3⇨5)

 

「!」

【メギドラモン】(回復⇨疲労)

 

 

リーパーから放たれる青い衝撃波第2波は、今度は椎名のデッキではなく、場のメギドラモンを襲い始める。メギドラモンは余りの威光に、膝をついてしまう。

 

だが、これだけやっても未だリーパーの効果は全て解決しておらず………

 

 

「その後、マジックカードが破棄されていたら、コスト8以下のスピリット1体を破壊!!」

「!」

「真紅の魔竜、究極体の姿を破壊だ!!…呪われるがいい!!」

 

 

リーパーは先端が鎌のようなものになっている触手をメギドラモンに向けて襲いかかる。幾本もの触手が闊歩する中、メギドラモンには回避する術がなく、先ず間違いなく破壊されるだろう。

 

……だが、椎名はそれを許さない。手札のカードをBパッドに置くと、メギドラモンを護るべく、どこからともなく真紅の飛行物体がその鎌の攻撃を遮っていく。

 

 

「なにっ!?」

 

「滅龍スピリットが対象になる時、手札のグラニの効果!!1コスト支払うことで召喚し、さらに対象になったスピリットはこのターン、効果破壊されない……!!」

手札6⇨5

【メギドラモン】(3⇨1)LV2⇨1

トラッシュ5⇨6

【グラニ】LV1(1)BP6000

 

 

リーパーの攻撃を遮った正体は赤のブレイヴカードであるグラニ。今まで椎名のバトルにおいては真紅の魔竜やデュークモンを護る盾として何度も活躍を見せたカードだ。そしてそれは今回も…………

 

 

「リーパーのアタックはそのままグラニでブロック!!」

「ちぃ、ならばリーパー!!そいつから八つ裂きにしてしまえ!!」

 

 

リーパーはデ・リーパーの指示通り、攻撃対象をグラニ1体だけに絞り、先端が鎌の触手で集中攻撃する。グラニだけでそれを全て回避できるわけがなく、集中砲火を浴び、撃墜されてしまった。

 

 

「助かったよグラニ、ありがとう」

「甘いね!!ADR-01と-02でアタック!!」

「!」

 

 

グラニの効果をフルに活用し、リーパーの攻撃を躱したのも束の間。デ・リーパーは残った2体でフルアタックを仕掛けてきた。もう回避できる分の手札もコアもない椎名はこのアタックを受け入れる他なく………

 

 

「ライフで受ける………っ」

ライフ4⇨3⇨2

 

 

少女の姿を象った化け物、ADR-01の鋭い爪の一閃がライフを引き裂いたかと思えば、ADR-02のなんの変哲も無い体当たりがまた椎名のライフを粉砕した。

 

 

「ターンエンド……なかなかしぶといじゃないか」

【デ・リーパーADR-02 サーチャー】LV1(1)BP1000(疲労)

【デ・リーパーADR-01 ジュリ】LV1(1)BP5000(疲労)

【リーパー】LV2(5)BP13000(疲労)

 

【失われし楽園】LV1

 

バースト【有】

 

 

「昔から運の良さだけが取り柄なんでね」

 

 

エンドの宣言と共に、デ・リーパーから言われた皮肉くさい言葉を冷静な態度で返答する椎名。次は再び彼女のターンだ。メギドラモンとライドラモンが再び動き出す。

 

 

[ターン07]椎名〈鬼〉

《スタートステップ》

《コアステップ》リザーブ3⇨4

《ドローステップ》手札5⇨6

《リフレッシュステップ》

リザーブ4⇨10

トラッシュ6⇨0

【メギドラモン】(疲労⇨回復)

【ライドラモン】(疲労⇨回復)

 

 

「メインステップ、メギドラモンとライドラモンをそれぞれLV2にアップさせ、ブイモンをLV2で再召喚!」

手札6⇨5

リザーブ10⇨1s

トラッシュ0⇨2

【ライドラモン】(1⇨3)LV1⇨2

【メギドラモン】(1⇨3)LV1⇨2

【ブイモン】LV2(3)BP4000

 

 

コアが追加で乗せられ、LVアップする2体のデジタルスピリット。それをより激しく主張するかのように咆哮を張り上げる。さらにその横ではブイモンが本日3度目の登場を果たす。

 

そして椎名は、「よし、行くぞ!」と手札のカードを1枚抜き取る。それは、そのカードは椎名のデッキの象徴とも呼べる存在のエーススピリットだ。

 

 

「【煌臨】発揮!!対象はメギドラモン!」

リザーブ1s⇨0

トラッシュ2⇨3s

 

「……ほお、来るか」

 

 

真紅の光に身を包まれるメギドラモン。メギドラモンはその中で静かに佇み、その姿を大きく変え、変貌していく。その姿はもはや竜ではなく、騎士。

 

 

「来いっ!!デュークモン!!」

手札5⇨4

【デュークモン】LV2(3)BP14000

 

 

赤い光を弾け飛ばし、現れたその聖騎士の名はデュークモン。伝説のデジタルスピリット、ロイヤルナイツの1体であり、椎名のデッキのエーススピリットだ。

 

 

「デュークモン………うっふふ、君は薄々感づいてはいるんだろう?」

「……何がだ」

「惚けなくてもいいんだよぉ?」

 

 

デ・リーパーはまた椎名に到達に語りかけてきた。その薄ら笑いに椎名は今までとは信じられないほどに冷たく返答する。

 

 

「デュークモンは【ロイヤルナイツ】ではない!!」

「………」

「いや、正確には途中からロイヤルナイツになったと言うべきだね」

 

 

さらっととんでもない事を言ってのけるデ・リーパー。椎名はそれに対して、本当に薄々この事に関して感じていたのか、無表情を貫き、冷静な顔つきでいる。

 

 

「君だって芽座六月から聞いたのならばわかるだろう?…【エニー・アゼムと芽座一族のロイヤルナイツが鬼を討伐した昔話】をね」

「……まぁね」

「【真紅の魔竜はその当時、鬼の雑兵達が扱っていたカード】だった。けど、その大勢いる中のただ1人だけがデュークモンへと間違った進化をさせ、真っ当な正義感に目覚めて、鬼でありながら鬼を裏切った」

 

 

鬼化が扱えるようになって、そして六月からこの昔話を聞いて、椎名もこの点についてはなんとなく察しがついていた。

 

ギルモンを含めた真紅の魔竜はその昔、鬼の雑兵達が使用してきたカードだった。しかし、その雑兵の1人がメギドラモンではなく、デュークモンに究極進化させた事で、その者はただ1人、鬼側を裏切ったのだ。

 

 

「やがて、デュークモンは他の12体のロイヤルナイツ、エニー・アゼムと共に鬼を討ち果たした。その後、デュークモンは晴れてロイヤルナイツの仲間入りを果たした………」

「…………」

「だからデュークモンには絶えず鬼の力が流れ出ていた。それを利用したのがDr.Aだ。Dr.Aは進化の力を手にすべく、デュークモンのカードとサンプルの鬼のDNAで作り上げた赤ん坊を混ぜた。そして生まれたのが君だ」

「……………」

 

 

デュークモンとて、真紅の魔竜の進化の派生形で生まれたデジタルスピリット。当然ながら鬼の力が内包されていた。Dr.Aはそこに目をつけ、試行錯誤し、実験を繰り返した結果、生まれたのがエニーズ。今の芽座椎名なのだ。

 

 

「鬼のカードだとか、本来とは違うとか、そんな事はどうでもいい。デュークモンはデュークモンだ……私のデッキの最高のエーススピリットだ。カードとバトラーが絆を結ぶのに、種族とか理とか関係ない」

「へぇー、一丁前な事言うじゃないか?…なら、その絆とやらで私を倒せるのかい?」

「倒せる倒せないじゃない、倒すんだ!!アタックステップッ!!」

 

 

だが、椎名ははなからデュークモンが本当は鬼のカードだとか、間違った進化だとかはどうでもよかった。鬼のカードであるギルモンを含めた真紅の魔竜も同様にだ。

 

何がどうあろうとも、デュークモンと真紅の魔竜達は椎名の最高のカード達だ。掛け替えのない仲間なのだ。デュークモンも彼女の気持ちを理解しているのか、槍を構え、戦闘態勢に入り、指示を待つ。

 

 

「………デュークモン、いけぇ!」

 

 

そして指示に従い、赤きマントを靡かせ、走り出すデュークモン。目指すは当然デ・リーパーの残り4つのライフ。

 

 

「デュークモンのアタック時効果、シンボル2つ以下のスピリット1体を破壊する!!」

「!」

「リーパーを破壊、聖槍の一撃…ロイヤルセェェバァァァア!!!」

 

 

右手の槍を構え、その矛先から聖なる光の力を一点に集中させ、リーパーに向けて射出するデュークモン。リーパー程の巨体をもつ者がこれを避けられるわけもなく直撃。リーパーの体は貫かれる。

 

リーパーは激しい断末魔を上げながら紙吹雪のようにこの場から散っていった。

 

 

「さらにフラッシュ効果、ネクスト・イストリア!!…トラッシュにある滅龍スピリットカード、ギルモンを回収し、ターンに一度回復する!!」

手札4⇨5

【デュークモン】(疲労⇨回復)

 

 

椎名のトラッシュからギルモンのカードが手札に戻ると共に、デュークモンが疲労状態から回復状態となる。これにより、このターンは2度のアタックを行うことができる。

 

そしてさらに言えばデ・リーパーは前のターン、フルアタックを仕掛けたためにブロッカーがいない。このアタックはライフで受ける他なくて………

 

 

「ライフで受けるよ……っ」

ライフ4⇨3

 

 

デュークモンの聖なる槍の刺突がデ・リーパーのライフを1つ貫いた。

 

 

「まだだ!!ライドラモンLV2の効果!!アーマー体、完全体、究極体スピリットが相手ライフを減らした時、さらに追加で1つ破壊する!!」

「………っ」

 

 

ライドラモンが雷雲を呼び寄せ、デュークモンに落雷させる。デュークモンはその雷の力を自分のものにし、さらにもう一撃、槍の一撃を放つため、構える。

 

 

「雷槍の一撃……ライトニングランス!!」

 

「う、うぁぁっっ!?」

ライフ3⇨2

 

 

その聖なる槍の矛先から放たれた一撃はロイヤルセーバーに雷の力が合わさったようなものであり、それが凄まじい威力でデ・リーパーのライフを叩き壊した。

 

 

「どうだデ・リーパー!!次のアタックで終わりだ!!」

 

 

そう強く意気込む椎名。だが、快進撃もここまでか、デ・リーパーはすぐさま自分の伏せていたバーストカードに目を向け、それを勢い良く反転させ、効果を発動させる。

 

 

「ライフ減少によりバースト発動!!絶甲氷盾!!」

「っ……ADR-02じゃない!?」

 

「君が手札を増やさなくなる事などお見通しなんだよ…………ライフ1つを回復、さらにコストを支払い、アタックステップを終了させる!!」

ライフ2⇨3

リザーブ7⇨3

トラッシュ3⇨7

 

 

吹き荒れる猛吹雪。それはデ・リーパーのライフを奪わんとするロイヤルナイツのデュークモンさえをも軽く吹き飛ばす。

 

これは椎名がターンの終了を宣言するまでは吹き止む事はない。故に、椎名は半ば強制的にターンの終了を迫られていた。

 

 

「………ターンエンド」

【ライドラモン】LV3(4)BP10000(回復)

【ブイモン】LV2(3)BP4000(回復)

【デュークモン】LV2(3)BP14000(回復)

 

バースト【無】

 

 

致し方なくそのターンを終える椎名。それと共に猛吹雪が去り、バトル可能な場へと元どおりになる。次はデ・リーパーのターン。

 

 

[ターン08]デ・リーパー〈鬼〉

《スタートステップ》

《コアステップ》リザーブ3⇨4

《ドローステップ》手札3⇨4

《リフレッシュステップ》

リザーブ4⇨11

トラッシュ7⇨0

【デ・リーパーADR-01 ジュリ】(疲労⇨回復)

【デ・リーパーADR-02 サーチャー】(疲労⇨回復)

 

 

「メインステップ、マジック、ストロングドローを使用するよ、カード3枚ドローし、2枚破棄」

リザーブ11⇨10

トラッシュ0⇨1

破棄カード↓

【ビルドアップ】

【シキツル】

 

 

デ・リーパーがこのターン、颯爽と行ったのは手札の入れ替え。そしてそのドローでついにやってきた。オーバーエヴォリューションによって生まれた母なるデ・リーパーが。

 

 

「うっふふふ…………エニーズ、よくここまで足掻けたね〜褒めてあげるよ」

「別に褒められる筋合いはない」

「ふふ、お礼にこの母なる死神で幕を下ろしてあげよう」

「!」

 

 

デ・リーパーが手札のカードに手をかけると、空気が張り詰めるのがわかった。それと同時に、今から呼び出されるスピリットには途方も無い進化の力が注ぎ込まれているのが理解できた。

 

母なる死神。おそらくはそれがデ・リーパーの切り札。

 

 

「さぁ!!母なる死神、マザー デ・リーパーをLV2で召喚!!」

手札4⇨3

リザーブ10⇨7

【マザー デ・リーパー】LV2(3)BP16000

 

「!」

 

 

デ・リーパーの背後に突如として現れた黒い煙。その中から一つ目の鋭い眼光が放たれたかと思うと、全てのデ・リーパーの母。マザー デ・リーパーが姿を現した。そのサイズはこれまでのリーパー達とは比べ物にならない程に巨大だった。

 

 

「うっふふふ、マザー デ・リーパーは相手のデッキが20枚以下の時、コストを1にする」

 

 

マザー デ・リーパーの本来のコストは10。通常では莫大なコアを使用してしまうが、今現在、散々デッキ破壊された椎名のデッキ枚数は今や16。そのコストは1となり、軽減もあってノーコストで召喚されたのだ。

 

 

「さらにマジック、スプラッシュザッパー。コスト7以下のスピリット3体を破壊するよ」

手札3⇨2

リザーブ7⇨3

トラッシュ0⇨4

 

「!!」

 

 

マザー デ・リーパーの召喚に合わせて放たれる水の斬撃。それが椎名のブイモンとライドラモンを襲う。2体はなすすべなく切り刻まれ、力尽き、爆発を起こしてしまう。

 

 

「ふふ、これで後はデュークモン、君だけだね〜………アタックステップ!!マザー デ・リーパーの効果!!互いのアタックステップ中、リーパースピリットのLVを最大にする!!」

【デ・リーパーADR-01 ジュリ】LV1⇨3

【デ・リーパーADR-02 サーチャー】LV1⇨3

【マザー デ・リーパー】LV2⇨3

 

「なに!?」

 

 

マザー デ・リーパーからコードが伸び、それが他2体のADR達の背に接続されたかと思えば、ADR達はより異様な形へと変貌を遂げていく。ADR-02には黒い鎧が体の所々に装着され、ADR-01は体格が大きくなり、バイザーが頭部に装着された。

 

 

「さぁ、行きなさい、先ずはADR-02 サーチャーでアタック!!その効果で君のデッキを上から1枚破棄!!」

 

「!」

デッキ16⇨15

 

 

ADR-02から放たれる青い衝撃波が椎名のデッキを襲う。破棄されたカードはスピリットカード【メガログラウモン】だ。

 

 

「リーパースピリットの効果によってスピリットカードが破棄された時、ADR-01のLV2、3の効果を発揮!!…カードを2枚ドローし、1枚捨てるよ」

手札2⇨4⇨3

破棄カード↓

【失われし楽園】

 

 

常に不気味な笑みを浮かべたまま、効果を連続発揮させていくデ・リーパー。椎名のライフは残り2つ。対してデ・リーパーのスピリットは合計3体。このままでは間違いなく椎名のライフは尽きることだろう。

 

だが、それでも諦めずに椎名は果敢に立ち向かう。

 

 

「デュークモンでブロック!!」

 

 

飛翔するADR-02 サーチャーのアタックは唯一残っているスピリット、デュークモンを向かわせる。

 

しかしながら、この瞬間。椎名の不本意ながらマザー デ・リーパーのもう一つの効果が発揮される事になる。

 

 

「マザー デ・リーパーの効果!!スピリットがブロックされた時、互いのデッキの上から1枚を破棄」

「!?」

 

 

マザー デ・リーパーが巨大な一つの眼光を放つと、デ・リーパーと椎名。それぞれのプレイヤーから1枚のカードが破棄される。

 

これだけでは一見地味だが、目的の効果はこの後だ。

 

 

「その後、トラッシュにあるコスト9以下のリーパースピリットを1コスト支払って召喚する!!」

「!?」

 

「さぁ復活だよ、リーパー!!」

リザーブ3⇨1

【リーパー】LV3(1)BP16000

 

 

高いタワーのような見た目のマザー デ・リーパーの麓から、何かが形成され、分離していく。

 

その正体は前のターンでデュークモンが倒したはずのリーパー。先端が鎌になっている触手を何本も携え、今一度この場へと復活してきた。

 

 

「さらに!!マザー デ・リーパーの効果でリーパースピリットはBPバトルでは負けない!!……終わりだねエニーズ!!…これで私がDr.Aの創る進化した世界へ行ける!!」

 

 

このターンで魑魅魍魎と化した盤面のスピリット達のアタックにより、エニーズを、芽座椎名を倒せる………デ・リーパーは勝利を確信していた。

 

………だが……

 

 

「それがマザー デ・リーパーの効果か………なんだ、大したことないな」

「なにっ!?」

 

 

椎名は何を思ったのか、マザー デ・リーパーの強力な効果と圧倒的なスピリット達の物量差を前にしても尚、冷徹で余裕の表情を浮かべている。

 

椎名はここまでの激しい攻防でわかったのだ。このデ・リーパーでは自分には勝てないと言うことを。所詮は椎名をコピーして作られた存在。オリジナルには勝てない。

 

そして椎名はこの状況を打破すべく、手札のカードを1枚引き抜く。

 

 

「フラッシュ、デュークモン クリムゾンモードの【チェンジ】発揮!!対象はデュークモン!!」

リザーブ7⇨1

トラッシュ2⇨8

 

「っ!?」

「この効果により、シンボル3つまで相手スピリットを好きなだけ破壊する!!」

「な、なんだって!?」

「破壊するのはシンボル2つのリーパーと、マザー デ・リーパー!!」

 

 

椎名の背後から突如として現れた龍を象った真紅の炎。それは唸り、宙を舞い、デ・リーパーの場へと突撃していく。リーパー、終いにはマザー デ・リーパーさえをも飲み込んで、それらを一気に燃やし尽くした。

 

マザー デ・リーパーの損失に伴ってか、姿が変わっていたADR-01と-02のLVも1まで低下し、元に戻る。

 

 

「……う、うそだ……」

 

「さらに、この効果発揮後、対象となったスピリットと入れ替える」

手札5⇨6

 

「!」

 

 

2体を焼き尽くした龍は最後に椎名の場のデュークモンへと降下。そしてデュークモンと衝突する。しかし、デュークモンは焼き尽くされることはなく………

 

 

「燃え上がれ聖騎士!!…真なる深い紅をその身に纏い、邪悪なる者皆照らし破れッ!!」

 

 

真紅の炎の中で、デュークモンの聖なる槍と盾、赤いマントが消失する。デュークモンの白い身体は燃えるような深い紅に染まっていき、さらには同じ色の外装が新たに所々取り付けられていく。背にはマントの代わりに10枚の白い羽が出現する。

 

 

「デュークモン、モードチェンジ!!……クリムゾンモード!!」

【デュークモン クリムゾンモード】LV2(3)BP18000

 

 

椎名の叫びと共にその炎を突き破って現れたのは、デュークモンの進化形態。椎名の切り札。クリムゾンモード。赤々と燃えたぎるような真なる深い紅の鎧と白い羽はこの薄暗がりな場を明るく照らしていた。

 

 

「【チェンジ】はそのスピリットの状態とバトルを引き継ぐ、ADR-02との勝負だったな……迎え討てクリムゾンモード、神剣ブルトガング!!」

「っ!?」

 

「無敵剣……インビンシブルソード!!」

 

 

椎名がそう叫ぶと、クリムゾンモードは左手に光の力を集約させて、神剣を生み出す。そしてそのまま無作為に突っ込んでくるADR-02へと一閃。あっさりと切り崩してみせた。

 

 

「……ターン、エンド……………………なんでだ………なんでだぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

【デ・リーパーADR-01 ジュリ】LV1(1)BP5000(回復)

 

【失われし楽園】LV1

 

バースト【無】

 

 

致し方なくそのターンをエンドとするデ・リーパー。だが、このターンの結果に満足できないのか、うちに溜まっていた莫大な怒りをとうとう露わにする。

 

そのデ・リーパーの感情というものは、生まれたて故の不安や恐れ、頼れるものが他にいなかったからこその憎悪なのだ。

 

 

「なんで、なんで君のカードは私のカードより強いっ!?……なんで私のカードを凌駕できる!?…オーバーエヴォリューションで進化させた回数は私の方が多いと言うのに!!……何故だ!!」

「…………」

「それほどまでに君に才能があるとでも言うのか!?……だったら私は何者なんだ!?何故生まれ、何故今、新たな世界のイヴたる存在を決めるために戦っているんだ!?……これ程までに差があると言うのであればやる意味などないじゃないか!!?!……私はなんで生きているんだぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!」

「…………デ・リーパー………!?」

 

 

怒れ狂ったような発狂するデ・リーパー。元々不安定だった情緒がより不安定になる。

 

生きる意味がわからなくなってきたのだ。彼女は椎名のデータを元にDr.Aの私利私欲のためだけに作られた。

 

その生みの親たる存在が言うことはなんでも聞いた。街を襲ったし、緑坂真夏を攫い、椎名と戦うよう仕向けた。そして今は自分がそれと戦っている。

 

理由はわかっている。それはどちらかが新しい世界へ行けるのか……Dr.Aはこのバトルで【椎名とデ・リーパーを選別しようとしている】

 

……負ければ不要。死ぬだけ……

 

そう言った椎名との葛藤やどうしようもないジレンマがデ・リーパーを常に苦しめていた。だからこそ力の差が明るみになった今、訳が分からなくなり、気が狂ったように叫び出したのだ。

 

 

「………そうか、デ・リーパー………あなたは………」

 

 

椎名はそのデ・リーパーの真意と本質に気づいたか……同情の念が込められた言葉を零す。そして、「今楽にしてやる」と言わんばかりに、自分のターンを進行させていくのだった。

 

 

[ターン09]椎名〈鬼〉

《スタートステップ》

《コアステップ》リザーブ1⇨2

《ドローステップ》手札6⇨7

《リフレッシュステップ》

リザーブ2⇨10

トラッシュ8⇨0

 

 

「メインステップ、クリムゾンモードのLVを3に上げ……アタックステップ!!……翔けろ、クリムゾンモードッ!!」

リザーブ10⇨9

【デュークモン クリムゾンモード】(3⇨4)LV2⇨3

 

 

白き羽を広げ、低空飛行で翔けるクリムゾンモード。狙うは当然残り3つのデ・リーパーのライフ。

 

 

「ぐ、ぐぅぅぅうっ!!……ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!負けない!!負けないんだぁぁぁぁ!!……フラッシュマジック、マシッブアップ!!ADR-01のLVを最大にぃぃい!!」

手札3⇨2

リザーブ6⇨4

トラッシュ6⇨8

【デ・リーパーADR-01 ジュリ】LV1⇨3

 

「っ!?」

 

 

クリムゾンモードに合わせて咄嗟に使用したマジックカード。この効果はLV3まで存在するスピリットのLVを最大にする効果を持つ。よって、ADR-01のLVが最大になり、マザー デ・リーパーの効果元でなくとも、より凶悪な姿へと変貌を遂げる。

 

 

「ADR-01でブロックゥぅ!!…さらにフラッシュマジック、ストロングドローとマントラドロー!!」

手札2⇨0

リザーブ4⇨0

トラッシュ8⇨12

 

「!!」

 

「効果によりBPをプラス6000!!これでADR-01のBPは23000!!!……消し去ってしまえぇえ!!」

【デ・リーパーADR-01 ジュリ】BP17000⇨20000⇨23000

 

 

神剣を手にADR-01へと迫るクリムゾンモード。

 

ADR-01は口内からガスを勢い良く発射する。クリムゾンモードは咄嗟にそれを神剣を構えてガードするも、そのガスは神剣を分子レベルで崩壊させた。

 

それにクリムゾンモードが驚愕する間も無く、ADR-01がクリムゾンモードの頭部を押さえ込んだ。

 

 

「私は…私は不要じゃない!!それだと生まれた意味がないじゃないか!!……本当にいらない存在なのは君だよエニーズ!!」

「!!」

 

 

ADR-01はクリムゾンモードの頭部を手で押さえ込んだ状態で足蹴りし、クリムゾンモードを蹴り飛ばす。クリムゾンモードは呻き声を上げながら壁に叩きつけられる。

 

その後も止まないADR-01の猛攻。クリムゾンモードは一方的に殴られ続ける。

 

 

「消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろぉぉォォぉぉォォぉぉォォぉぉォォぉぉォォお!!!」

 

 

徐々に徐々にと傷ついていく真紅の鎧。

 

終いにはADR-01は地面に掌を合わせ、まるでマザー デ・リーパーのようなタワー型の塊を形成。倒れるクリムゾンモードを空中からそこへとぶち込んだ。

 

クリムゾンモードはそのリーパー達の血肉のような壁の中で少しずつ体がデジタル化され、融解されていく。

 

 

「……デ・リーパー……待ってろ、今………このバトルを終わらせる!!」

 

 

椎名はとっくに理解している。

 

この大勢の人々の心や体に深い傷を負わせたデ・リーパーもまたDr.Aの被害者だと言うことを……

 

……本当だったら分かり合える存在たった彼女を助け出すため……

 

……椎名は手札のカードを1枚抜き取り、最後のフラッシュ宣言を行う。

 

 

「…フラッシュマジック、レッドカード!!」

手札7⇨6

リザーブ9⇨6

トラッシュ0⇨3

 

「っっ!?!」

 

「この効果により、このターン、クリムゾンモードのBPをプラス3000!!…よってBP24000!!」

【デュークモン クリムゾンモード】BP21000⇨24000

 

 

椎名の使用したマジックによってBPが上昇するクリムゾンモード。そのパワーアップを示すかのように眼光を力強く放ち、その体をより真紅に燃え上がらせ、リーパー達の血肉のような壁の中を突き進み、そこから飛び出し、ADR-01の眼前へと姿を見せる。

 

……そして……

 

 

「私は………いらない存在なんかじゃ……ないっ!!」

 

 

椎名の叫びと共に、クリムゾンモードがADR-01の腹部を全力で殴りつける。余りのダメージにより、ADR-01は激しい断末魔を張り上げながらゆっくりとこの場からデジタル粒子となって消滅していく。

 

 

「あ……あぁぁぁぁぁあ!?!!」

「クリムゾンモードのアタック時効果、バトル終了時、相手のトラッシュにあるスピリットカード3枚につき1つ、ライフを破壊する………神槍グングニル!!」

 

 

クリムゾンモードのアタック時効果の条件は整った。現在、デ・リーパーのトラッシュには11枚のスピリットカードが存在する。3点のダメージだ。

 

そして、デ・リーパーの残りライフも3。終わりだ。

 

クリムゾンモードは右手に光の力でできた神槍を作り出し、それを横に向けるように拳をデ・リーパーの方へと向けて…………

 

 

「神槍の一撃……クォ・ヴァディスッ!!」

 

 

そこから真なる深い紅の光を射出する。その光はもはや正気を保てなくなっているデ・リーパーへと一直線に飛び行き………

 

 

「ぐ、ぐぁぁぁぁぁあ!!?!」

ライフ3⇨0

 

 

衝突し、そのライフを1つ残らず砕いた。

 

これにより、勝者は芽座椎名。鬼化の力の葛藤を乗り越え、見事にこのバトルを勝利で終わらせてみせた。終了に伴って、役目を果たしたような顔つきのまま消滅していくクリムゾンモード。

 

だが、椎名にはまだやり残している事がある。デ・リーパーの元へと歩み寄っていき………

 

 

「あぁなんでだ、なんでだよ……なんで私は……あ、あぁ!?!体が……体が消えていく!?!……う、うぁあ!?っ!」

 

 

敗北に伴ってか、はたまた【元々そう言う存在】だったのか、デ・リーパーの体がデジタル粒子となってゆっくりと消えようとしていく。

 

その恐怖が思わずデ・リーパーの口から言葉となって出てくる。そんな時、椎名がデ・リーパーの眼前に現れて………

 

 

「あぁエニーズ!?!…なんでだ!!なんでだ!!なんでお前が生きないといけないんだ!!なんでだなんでだなんでだなんでだなんでだなんでだなんでだなんでだぁぁぁぁぁあ!!」

「…………」

 

 

椎名はデ・リーパーに毛嫌いされながらも、デ・リーパーの消えゆく体を寄せて、優しく抱きしめた。椎名の奇行に、デ・リーパーは自然と言葉を見失ってしまう。

 

 

「ッ!?」

「…………ごめん………私は何もあなたの事を知らなかった……わかろうともしなかった。ただ怒りで頭がいっぱいで」

 

 

椎名が淡々と述べていく言葉に、デ・リーパーは何故か言い返す言葉が出なかった。不思議と温かいなにかの温もりを今を生きる肌で感じていたのだ。

 

 

「本当はただ怖かったんでしょ?……だからずっとDr.Aについて悪い事してた……頼りになるのがあの人しかいなかったから選択肢がなくて切羽詰まってた………家族いないのって怖いよね……わかるよ、私も血の繋がった家族は見た事なかったし」

「……ち、違う……私はそんなものは望んではいない……!!」

「違くないよ、デ・リーパーも言ってたじゃない、『私には君の考えている事がわかる』だから私もあなたの考えてる事がわかる………」

「………っ!?」

 

 

デ・リーパーは僅かばかり芽生えた反論の意思で椎名の言葉を否定するも、そんな嘘は通じないか、椎名はすぐさまその咄嗟についたデ・リーパーの嘘を見破った。

 

いや、本当に椎名はデ・リーパーの考える事がわかるようになっていた。何故だか理由は定かじゃないが、おそらく、椎名とデ・リーパーが似たような存在だからだろう。

 

 

「私達、違う出会い方だったら絶対もっと仲良くなれた…………」

「………」

「だからさーーなんというか、……うーむ、なかなか言葉が出てこないな………あっそうそう」

 

 

椎名は抱きしめていたデ・リーパーの体を話しながら言った。

 

 

「顔もこんなに似てるんだしさ、もう私達双子の姉妹みたいじゃん!!私のこと、「お姉ちゃん」って呼んでもいいよ!!」

「………………は?」

 

 

あんなに冷徹で冷たかったのに、唐突にいつものバカさ加減がとんでもない普通の椎名に戻った。真夏がいたら「こんな時でもボケかますなぁ!」とツッコまれそうだ。鬼化の状態も相まってとてもシュール極まりない。デ・リーパーはこの状況でボケをぶっ込んで来た椎名に対して浮かない顔をする。というか、引いてる。

 

椎名とて別に冗談のつもりではない。本気だ。血の繋がった家族のいない彼女にとって、デ・リーパーはなんとなくそれに近いものだと感じていた。

 

つまり、言いたかった事は【家族になろうよ】という事だ。

 

 

「あ、あれ!?…嫌だった!?…じゃあ「妹」で、私がね!!…私が妹で、お姉ちゃん!!」

「…………」

 

 

なにやら不穏な空気を感じた椎名が咄嗟に言葉を訂正する。だが、間違ってるのはそういう事ではない。

 

デ・リーパーはそんな椎名のバカっぷりに、もはや死の恐怖さえをも笑いの方が凌駕してしまい……

 

 

「ふ、あっはははははは!!!」

「?」

 

 

とうとう高らかに笑ってしまった。目の前のただのおバカに。それと同時に思ってしまった。家族とは、こんなに温かいものなのだと………

 

 

「あ〜可笑しいね〜〜家族とはそんなに可笑しなものなのかい?」

「へへ!!…あぁ!!可笑しくって笑えて、温もりがあって、楽しい!!…たとえ血が繋がってなくてもいいんだ!!私達はこうやって笑いあえる!!だから誰がなんと言おうとも家族だ!!……あと顔も似てるし!!………そうそうこれが言いたかったんだよ〜〜国語は苦手でさ〜〜」

 

 

家族とはなんとも良いものだな。そう思い、そのまま消滅しようと考えていたデ・リーパーだったが、椎名はまたデ・リーパーが驚愕するような一言を添える。

 

 

「デ・リーパー……まだ生きたいなら、私の中で生きよう……!!」

「……っ!?」

「あなたも私ならわかるはずだ。私達は1つになれる。同じ鬼化を進化の力を共有している……これから私の中で犯した罪を償おう!!……後、いっぱい話そう!!」

「……エニーズ……」

 

 

これは2人にしかわからぬ感覚。

 

椎名のコピーであるデ・リーパーは椎名とほぼ同じ鬼化、進化の力を持っている。体も普通ではないが故に、椎名の中に収まる事が可能である………と、なんとなく感じていた。

 

 

「何より私はあなたのお姉ちゃん兼妹としてまだ死んでほしくない!!……生きろ!!デ・リーパー!!」

「エニーズ………いや、椎名……君は邪な感情しかなかった私を………私を君の家族として受け入れるというんだね………」

「あぁ、せっかくできた姉妹なんだから、離しはしないさ……もうあなたは1人じゃない……!!」

 

 

デ・リーパーの体がいくつもの光に変換される。完全に消え去るかと思われたその灯火のような光は椎名の体の中に吸い込まれるように中へと入っていく。

 

椎名の鬼化が強制的に解除される。いや、これは解除ではなく、新たな鬼化。一見普通の人間の状態に見えるが、その両目には確かに【真紅の魔竜やデュークモンに見られるマーク】が刻まれていた。

 

椎名とデ・リーパーが和解し、互いが互いを理解して、1つになった瞬間であった。

 

 

ー『あぁ、共に生きよう、椎名……Dr.Aの事は君達に任せるよ……あんな極悪人でも私達の生みの親だ。けど、君にとって良い未来がある事を、私は望む』

 

 

デ・リーパーはその言葉を最後に消えた。椎名という本当の家族を手にしたデ・リーパーのその声は、なんとも喜びと幸福に満ち溢れていた。

 

デ・リーパーを取り込んで一体化した椎名は感じた。デ・リーパーを倒してもまだ戦いが終わらないことを………Dr.Aを倒さなければ真夏や他の消えた人達は戻って来ないことを………

 

デ・リーパーを倒せば元に戻ると言うのは、司の思い違いだったのだろうか?

 

 

「……下だ。下にじっちゃんがいるんだ………行かなきゃ」

 

 

……そう思うと、足が動いた。椎名は疲労故の覚束ない足取りのまま、また長い地下への階段を下っていった。




〈本日のハイライトカード!!〉


デ・リーパー「本日のハイライトカードは【マザー デ・リーパー】」

デ・リーパー「マザー デ・リーパーは相手のデッキが20枚以下の時に1コストになるスピリット。リーパー達に力を与える効果はまさしく母なる死神だね〜〜」


******


〈次回予告!!〉


椎名を先に地下へと向かわせた司は銃魔とバトルを繰り広げることになる。果敢に銃魔に挑む司。だが、Dr.Aに与えられたジョーカーのカードが彼の身体を蝕んで行き………次回、バトルスピリッツ オーバーエヴォリューションズ 「リ・オーバーエヴォリューションズ」…今、司が進化を超える!!


******


最後までお読みくださりありがとうございました!!

クリムゾンモードの効果が強すぎてバトル構想がなかなか難しいこの頃です。こりゃ三期は出番が減りそうですね。

今回、結果的にお伝えしたかった事は、【デ・リーパーは決して悪者ではなく、本当に悪いのは生まれたて故に無垢なデ・リーパーの心を利用したDr.A】って事ですね。

デ・リーパーは椎名の心と1つになりました。今回だけではわかりづらいですが、決してこれから椎名の会話のたびにデ・リーパーが一々出てくるわけではなく、デ・リーパー自体はあまり表には出さないつもりですので、苦手な方々はどうか安心して本小説をお読みになってください。

※椎名は飽くまでも椎名です。

後次回ですが、多分今回以上に良い意味で驚愕される方も多いと思われます。いや、勘の良い方々はもしかしたらどうなるかわかるのかもしれませんね。ネタバレをするつもりは一切ありませんが。

これからは午前10時に投稿しなくなるかもしれません。(完成次第更新)

アンケートは参考程度にするつもりで、一番多いのが確定という訳ではないので、気軽にご投票ください。
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