とある科学の能力強化《AIMブースター》   作:夜鳴

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更新しました。

めちゃくちゃ嫌な話になると思います。

読んでくださる人が減りそうで怖いです。

……感想がほしい……(←感想乞食)


第3話:比較的良心的だと思っていたけど結局は学園都市の研究者だったわ

 ああどうしよう。とそんなことを考えているうちに美玲さんがやってきた。

 

「子守お疲れ様。明日からまた研究と実験に戻ってもらうわよ」

「了解です」

 

 というか子守とか言うなや。それなりに敦は大きいぞ。

 そんなことを思いながら心の中で敦にまた今度、と言い部屋を出る。

 

「ところで今回の事故で何人死傷者が出たんですか?」

 

 これはどうしても気になっていた。

 どうせ優花が聞いたのは直後やらある程度事故の時間に近いと思うから。

 優花が驚いた表情で何やら言っているがスルーする。

 

「……はぁ。(まあこの子にならいいか。)死者は5人よ。研究者2人と能力者一人が即死。必要な器官を失うか全部体が消えたの。そして研究者と能力者一人ずつが失血死か出血性ショックで死亡。救急車が来るのが遅くなって間に合わなかったわ。ただ運良くとは言えないけど怪我人はいなかったわ」

 

 ため息をついたあと、小声でなにかを言ったあと親切に教えてくれた。

 

「というかなんであんな貴重な能力者が二人も巻き込まれるのよ。一人は他とは違う周りのAIM拡散力場を自身のAIM拡散力場で変質させている特殊な肉体再生(オートリバース)だったし、もう一人は高位の報次接続(テレコネクタ)なんていうここには二人しかいないAIM拡散力場を捕捉して変質させることで情報伝達する特殊な能力者だったっていうのに……!」

 

 かなり疲れているのか小声では言っているものの愚痴と思われる言葉が次々と出てきた。ぼくには聞こえているのだがもう言葉にしないと気が済まないらしい。ぼくには御構いなしとはいかないまでもそれなりに聞こえてしまう。

 まあ良心的とは思っていてもやはり研究第一なんだよね。

 

「ただ、そのおかげで例のプロジェクトが始まるからいいんだけど。でも今考えると死の間際になるとかなりの確率で変質するっておかしな能力だったわね、要谷さんの能力。それの観測ができなかったのは残念だわ」

 

 その言葉でかなりイラッときたし殴りかかりたくなったけど我慢。ここの人にとってそれは当たり前なんだから。それに敦の能力を暴走させたやつを突き止めないといけないし、ここから追い出されるわけにはいかない。

 

(優花も落ち着いて、お願いだから)

 

 小声でそう呟く。能力の関係で優花にははっきりと聞こえたはず。

 

「まあそれも今度始まるプロジェクトのおかげで観測できる可能性が増えるしいいかしらね。あの失敗の計画を拾い上げてより効率よく実践的な能力者を量産できるわけだし、経験も記録できるわけだし。あのクローン実験自体は実践されているしね」

 

 ちょっと待て、優花のクローン作って【量産能力者計画(レディオノイズけいかく)】を利用したものでも実行する気か⁉︎

 

 だとすればやばい。やばすぎる。

 優花の立場からしてみれば絶対に耐えられないはずだ。こんなもの聞いていて。

 ただでさえぼくですら怒りが沸騰しているっていうのに本人からしたら殴りかかってもおかしくない。

 

「すみません、声、漏れてますよ……!」

 

 それでもどうにか抑えてそう言う。

 これ以上聞いていたら抑えられないし、何より優花の存在がバレてしまう。

 はっきり言ってしまえばもう優花は人間の枠から外れてしまっているのだ。バレてしまえばその計画とともに体調などの概念など一切考慮されずに使い潰されるだろう。

 

「あら、ごめんなさいね。聞いていて気分が良いものでもないし、本当にごめんなさい」

 

 ふざけるな。

 それはぼくが実験動物だと改めて認識しているからだと思っているからの言葉だろう? そうじゃない、死者を、優花達をなんだと思っているだよ。

 そのプロジェクトの詳細は聞いてみたいと思う。けど、そんなのはないだろ……! 抑えていて放っておいた自分が馬鹿だった。

 

「いいえ、別にいいですよ」

 

 必要な演技とはいえ自分に腹が立つ。

 優花の気持ちがほんの少しでもわかるのに抑えているのだから。

 どうにも矛盾している気がする。自分の行動がおかしい気がする。今までのところを抑えてこうして客観的に今見れていることが。

 やはり人としてぼくも壊れているのかもしれない。

 

 ……まあ一つ言えることは、この人も良心的とは思っていたけど勘違い。学園都市の狂科学者(マッドサイエンティスト)の一人だったということだ。

 

 

 ***

 

 

 美玲さんと一緒に軽く報告してから部屋に戻った。

 そして第一声。

 

「ごめん、優花。さっきはその、あの話を止めないでいて……」

「んー、別にいいよ。わたしの気持ちをわかって代わりに怒ってくれてたようだし」

 

 てっきりもっと怒っているかと思っていた。

 いや、多分今も怒っているんだと思う。表情にも出ていないからわからないけど、あの話を始めるきっかけを作ったのはぼくだし、その時優花の話を無視したのもぼくだし、なによりあれをある程度スルーしたままで放っておいたのだから。

 

 優花を傷つけたのはぼくなんだ。

 

 ぼくは、考え知らずの大馬鹿者だ。

 

 この出来事を忘れてはいけない。

 

 優花には、多分嫌われたな。

 

 それでもそんなことを考える時点でやはりぼくは最低な人間なんだろうな。

 

 




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