とある科学の能力強化《AIMブースター》   作:夜鳴

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エタってんじゃん、何やってんのもう。感想返しでもエタリたくないとか言ってるのに。


大変お待たせしました。読んでいただければ幸いです。


5話:強化やってみまっせ!

 机上の空論かもしれないけど、さっそく自身のAIM拡散力場を探してみる。時間ならたっぷりあるから、たくさん検証できるだろう。

 

 無意識を意識する、というどこぞの武芸者がやってそうなことをやるのは難しいだろう。

 そんなことよりまずはわかる範囲から試してみる。

 

 掌を見つめ、能力を行使する。意識してAIM拡散力場を利用する、という感覚を持って。

 するとたくさんの混じり合った力が見えてくる。この都市に広がっているたくさんのAIM拡散力場だろう。すごく邪魔だ。

 能力の出力を上げる際に触れる場合、被強化能力者の出しているAIM拡散力場とその人が出して遠くに放出されるAIM拡散力場は同じ色をしている。その力場に注目すると強く光るようになり、他の力場は薄くなって気にならなくなる。

 その感覚のせいで今は周りの力場がものすごく邪魔だ。大切なことなので2回言った。

 

 もう片方の手で掌をなぞってみる。

 違和感がないか確かめて、そこから手の感触とAIM拡散力場による感触の違いを探る。

 

 難しい。何しろやったことのないことに挑戦しているのだ。

 ただ、できるようになれば何かあった時に役に立てる可能性が増える。そうすれば、後悔することはなくなるだろうと思う。

 

 

 ***

 

 

 結局できませんでしたはい。

 なんとなく感覚はわかりそうではあるのだけれど、まだ掴めない。

 んで寝落ちしてしまいました。

 

 優花はぼうっとして暇なのをごまかしていたようだ。

 どうやらその状態だと眠くならないらしい。

 ものすごく心配だ。脳がなくなった状態とはいえ、いずれその弊害が出そうで怖い。代わりの肉体があれば良いのだけど……

 

 とりあえず実験は考えていたら近づいてくるのでさっさと準備する。

 さてどんな人たちが出てくるのやら。

 

 

 ***

 

 

 顔洗ってトイレを済ませてさっさと実験室に向かう。

 途中の廊下は見てて飽きない、SF調の壁と床なのでちょっと楽しい気分すらある。

 

「おはようございますー」

 

 扉を開けて挨拶。美玲さんと男の子三人がいた。

 

 僕から見て右の方の男の子は目つきが暗い。根暗と言われても納得の顔つきで少しだけ茶髪だ。

 真ん中の子は金髪の白人で柔らかな笑みを浮かべているけど他の子よりも若干ゴツい。

 左の男の子は黒髪でとにかく調子に乗ってそうな明るい顔つきをしている。

 

「おはよう。今日も体調は良さそうね。紹介するわ、右のこの子は花畑遥(はなばたはるか)。能力はレベル4の《植生培養(カルチベータ)》。簡単に言えば植物の成長を促進させて、その指向性を制御する能力。それで真ん中の子は捻金大輝(ねじかねたいき)。能力はレベル3の《光力操作(ポースハンド)》。一定領域内の光を増幅したり、波長を変更したり、捻じ曲げたりする光を自在に操る能力。左のこの子は重石鐡也(おもいしてつや)。能力はレベル3の《金属変調(メタルレギュレータ)》。金属にエネルギーを与えて操作する能力ね」

 

 根暗そうな子が重石鐡也、黒髪の調子に乗ってそうな子が花畑遥、か。

 

「「「よろしく!」」」

 

 どちらも明るく声をかけてきた。

 マジか、人は見た目によらないな。

 

「そしてあなたたちの正面にいる子が風狩翼。能力はレベル3の能力強化。AIM拡散力場を強化、弱化させて能力自体の出力を上げ下げさせる能力ね」

「こちらこそ、よろしく」

 

 そういうと鐡也が声をかけてくる。

 

「しかし、いつも強化の実験に参加してたのがこんな子だったとはなぁ」

 

 どういう意味だそれ。

 そこまで人嫌いとでも思われていたのかね?

 その目線の意味がわかったのか鐡也は軽くあわてた。

 

「あー、そういう意味じゃなくて病弱なんかなとも思ってたんだよ」

 

 いやなぜに?

 誤魔化すのが下手だな。まあいいけど。

 

「ま、よろしくね」

 

 ところでこれだけなんだろうか?

 もっといるだろ、常識的に考えて。

 

「美玲さん、これだけですか?」

 

 男子三人には聞こえないような小声で話しかけると。

 

「わざわざ今日実感しない子を呼び出すのも面倒でしょ」

 

 そう返された。まあ、確かにそうかもしれないけど。

 

「あとどのくらいいるんですか?」

「五人ほどよ」

 

 九人か。妥当なのかどうなのかよくわからない。

 いや、亡くなった能力者の人たちも含めれば十一人か。

 

 研究所の限界も近いんじゃないんだろうか。

 人為的な暴走に気づけなかったり、研究者の数も減っているし。

 

 まあ、それは僕の考えることではないか。

 

 そんな感じで実験が始まった。

 

 

 ***

 

 

「鐡也の能力って金属によって違いとかあるの?」

「ああ、あるぞ。鉄が一番操りやすいんだ。んで原子番号が鉄から離れると操りにくくなるって感じだな」

 

 雑談しながら実験を続けていく。

 まあ色々な話を聞けたし、みんなとより仲良くはなれた。

 

 しかしまあ金属変調、鉄から原子番号が離れていくごとに操りにくくなるってかなり不便な能力に思える。

 鉄しか操れないのならば水流操作のような限定的な念動能力みたいな感じで一極化できるだろう。

 しかし、普通の念動能力と違って操れるものは基本的に鉄に原子番号が近い金属のみ。

 帯に短し襷に長しって単語が似合うと感じてしまった。

 

「俺の能力はうまくいけばサイボーグなんかの治療技術に使える可能性があるんだってよ」

 

 そう言いだしたのは花畑遥。

 調子に乗っているように見える顔だが、声はどことなく暗い。

 その治療に親友や家族が関わってくるからだろうか。

 今聞くのは失礼だから聞かないけども。

 

「それはすごいね。命を救われるひとが増えるんだし」

 

 植物自体は細胞だから拒絶反応を減らせるような植物に変質とかできれば可能なのか。

 骨に親和性の高い物質を使うことで負担を減らしたり、単純に機械と生体をうまく繋げるために必要な技術もあると聞くから、植物の細胞をうまく使えばその辺もより確実になるのだろうか。

 

「大輝の能力は遥の能力を補助できそうだよね、植物には光合成とかも必要だし、波長をうまく合わせればより能力がうまくいくんじゃない?」

「ん、たしかにそういうことができるかも、ときいたことがある。そういういみではあいしょうがいいのかも」

 

 大輝の言葉はどこか舌ったらずというか聞き取るのに時間がかかる。なんでもクォーターで、日本より外国にいた期間が長かったから話すのが苦手らしい。手紙をよく書いていたので読み書きに支障はないらしいが。

 いつも以上にゆっくりと話す必要があった。

 

 

 なんとなくだけどみんなのこともわかってきて、雑談と実験で時間が流れていく。

 気づけばあっという間に終了時間となった。

 あまり人と話す性格ではないけどコミュニケーションって重要だなとしみじみ感じる。

 

 

「ねえ、風狩くん、ちょっと来て頂戴。話があるから」

 

 面倒事の臭いがする。

 やめてくれませんかねぇ……




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次こそはエタらないと信じたい。
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