フェン王国 首都アマノキ 東海岸
まだフェン王国に残されている日本人観光客を救出するため、戦時編成された大日本帝国陸軍第13旅団が、荷揚げ作業を行っていた。
今回の派遣には、82式戦車の他、10式対戦車攻撃ヘリや97式装甲戦闘車といった戦闘車両、航空機が持ち込まれていた。
積み荷を下ろした民間の輸送船は、日本に戻る際に出来るだけ多くの日本人をのせていく。
「旅団長、揚陸作業が終わりました。作戦開始まで、後3時間です」
「わかった…部隊には順次食事をさせて休ませておけ。これからは何時何が起こるかわからんからな」
日本陸軍が揚陸作業を終えた頃、フェン王国沖合では大日本帝国海軍第3艦隊とフェン王国水軍第1艦隊が終結していた。
大日本帝国海軍第3艦隊
紀伊型戦艦:駿河、長門
飛龍型航空母艦:紅龍、雷龍/旗艦
金剛型戦闘巡洋艦:愛宕、足柄、妙高、鳥海
村雨型巡洋艦:阿賀野、矢矧、時雨、夕雲、木曾、龍田、神通、叢雲
磯風型駆逐艦:天津風、熊風、松風、砂風、春風、波風、舞風、花風、梅風、桜風、空風、荒風、潮風、咲風、村風、弓風
フェン王国水軍第1艦隊
剣使型軽巡洋艦:剣使/旗艦
炎剣型駆逐艦:炎剣、氷剣、雷剣、水剣、光剣
既に朝田外交官を通して宣戦布告を行っているため、海軍は第3艦隊の全力出撃を決定した。その他にも、別任務についた第4艦隊も全力出撃をしている。
「山本司令、ニシノミヤコ沖合いに展開するパーパルディア皇国艦隊が、こちらに向かってくるのを衛星が捉えました」
「うむ、ちょうどいい時間だ…全艦出撃!フェン王国艦隊と合同で、敵パーパルディア皇国艦隊を攻撃する!」
山本司令長官の命令を受けて、日本海軍第3艦隊とフェン王国水軍第1艦隊が、パーパルディア皇国艦隊に向けて出撃した。
パーパルディア皇国竜母艦隊は隊列を組み、主力である戦列艦隊の後方を航行し、フェン王国の首都アマノキを目指して向かっていた。
艦隊副司令アルモスは、隊列を乱すことなく航行する艦隊を見て、満足そうに頷く。
「いつ見ても素晴らしいな…この竜母艦隊がいる限り、皇国は覇道の道を突き進むだろう!」
アルモスが艦隊に魅入っていた、そのとき。
ウゥゥゥゥゥーーーーッッ!!!
前方の戦列艦隊から、ムーで発明されたサイレンがけたましく響き、アルモスを現実に引き戻す。
「何事だ!!」
アルモスが前方を注視すると、火を吹く沢山の大きな矢が、超高速で竜母艦隊に向かって飛来した。
大日本帝国海軍航空隊が放った空対艦ミサイルは、外れることなく目標に突き刺さり、その威力を解き放った。
ある船は船体が真っ二つに折れ曲がり、またある船はワイバーンロードを乗せたまま冷たい海へと沈んでいった。
アルモスの乗船する竜母も、空対艦ミサイルの攻撃を受け、爆沈した。
その様子を見ていた艦隊司令の将軍シウスは、あまりの光景に驚愕していた。
「なんて威力だ!敵はいったい何をしたと言うのだ!!?」
「シウス将軍!!前方に艦影多数!!大日本帝国とフェン王国の艦隊です!!!」
部下の報告で前方に視線を向けると、そこには神聖ミリシアル帝国の魔導戦艦に酷似した軍艦が、こちらに向かっていた。
「バカな!奴等の後ろには神聖ミリシアル帝国がついているのか!?」
将軍シウスの疑問が解かれる前に、その戦艦の砲が火を吹いた。
戦艦駿河の放った46cm対空砲弾は、戦列艦隊の上空に到達すると、時限信管が作動して無数の子弾となって降りかかった。
餌食となった戦列艦は燃え盛り、弾薬庫の弾薬に誘爆して爆沈する船も少なくなかった。
更に戦艦長門や他の艦艇からも砲撃が開始され、パーパルディア皇国第4艦隊は瞬く間にその数を減らしていく。
「こんな…こんな現実があってたまるかぁぁぁ!!!」
その直後、シウスの乗船する120門級戦列艦パールは、フェン王国水軍軽巡洋艦剣使の15.5cm連装砲が放った砲弾を喰らい転覆、装甲の重みでゆっくりと沈んでいった。
数時間後、パーパルディア皇国第4艦隊所属の揚陸艦隊や補給艦隊を含めた全艦隊が、大日本帝国海軍第3艦隊及びフェン王国水軍第1艦隊の攻撃を受け、全滅した。
その頃フェン王国ゴトク平野では、パーパルディア皇国陸戦隊と、大日本帝国陸軍第13旅団が激突していた。
82式戦車の120mm滑腔砲から発車された徹甲弾がリントヴルムに命中する。リントヴルムの内部を衝撃波で破壊しながら貫通し、その後方にいた歩兵密集地に着弾、兵士を衝撃波でなぎ倒す。
負けじと牽引式魔導砲や、リントヴルムの導力火炎放射で応戦するが、82式戦車は命中しても何事もなかったかのように動き回り、砲撃を続ける。
上空には10式対戦車攻撃ヘリが飛び回り、地上の皇国軍兵士を機関砲でなぎ払っていく。
陸将ベルトランはこれ以上の戦闘続行は不可能と判断し、降伏の合図を出すよう指示をした直後に、10式対戦車攻撃ヘリが放ったロケット弾の直撃を受け、絶命した。
この日、フェン王国に侵攻したパーパルディア皇国皇軍のその全ては、大日本帝国とフェン王国の連合軍を前に全滅した。
同時刻 アルタラス島沖合
大日本帝国海軍第4艦隊は、アルタラス島沖合に停泊するパーパルディア皇国第6艦隊を滅するべく航行していた。
亡国となったアルタラス王国の王女ルミエスの要請もあるが、実際はアルタラス王国内にあるムーの空港を利用するためでもあった。
「艦長!敵艦隊を射程に捉えました!全艦砲撃準備完了!!」
「よしきた!全艦撃ち方始め!!」
戦艦尾張の主砲から対空砲弾が放たれ、停泊中の皇国軍艦隊を一気に数十隻単位で沈めていく。
戦闘は終わり、もう仕事はないと思い込んでいたパーパルディア皇国軍はこの攻撃に驚き、対応が遅れてしまっていた。
僅か1時間でパーパルディア皇国艦隊が全滅し、アルタラス島沖の制海権は日本が勝ち取り、次の戦場はアルタラス本土へと移っていった。
揚陸艦や輸送艦から出撃したエアクッション艇がアルタラス島北側の海岸に乗り上がり、そこから大日本帝国陸軍兵士や82式戦車等が上陸する。
「こちらアルタラス島守備隊!現在敵の攻撃を受けている!敵は大日本帝国軍!!繰り返す!…」
皇国軍の兵士が魔信で本国に報告する中、日本陸軍第15旅団は、首都ル・ブリアス目掛けて前進する。
「進めぇぇ!!鬼畜パ皇に鉄槌をーっっ!!!」
普通科中隊の中隊長が軍刀を片手に先導する。時折敵側から銃弾が飛んできて、数名が負傷するが、彼らは止まらない。
「くそっ!何なんだこいつらは!」
皇国軍の兵士がマスケット銃を捨てて腰の剣を抜き、迎え撃つ。
「セイヤァァァァ!!!」
日本陸軍兵士の軍刀とパーパルディア皇国兵士の剣がぶつかり合う。近年剣より銃をと教育されてきた皇国軍に対し、銃と同等、或いはそれ以上に刀術を鍛え上げられてきた日本軍では、実力差が浮き出ていた。
「こいつら手強いぞ!!」
「大和魂を思い知れぇぇ!!!」
その後、この戦いは5時間後に終結、日本陸軍は数十人の死傷者を出したが、パーパルディア皇国皇軍とアルタラス守備隊は全滅、フェン王国方面、そしてアルタラス王国方面に展開したパーパルディア皇国皇軍は殲滅されたのだった。
なんか…すみません。