パーパルディア皇国 地方都市アルーニ
属領を除いて皇国最大の穀倉地帯である地方都市アルーニ。
属領が反乱を起こしたことで最前線となり、現在独立した元属領国家と、日本陸軍第11旅団を主力とした大東亜連合軍と対峙していた。
アルーニから6km程離れた位置に陣地を展開した連合軍の会議用大天幕の中では、各国の指揮官が今後の作戦について会議を行っていた。
「比企谷将軍にお伺いしたい。貴方は…貴国は、この戦争をどこまで進めるおつもりですか?」
第11旅団長の比企谷にトーパ王国から参戦した将軍が訪ねた。
「我々はパーパルディア皇国が降伏をしない限り、首都を除く全ての都市の占領を目的としています。全ての都市を占領したにも関わらず、降伏をしない場合は、首都を占領、事実上パーパルディア皇国を滅ぼします」
比企谷の答えにその場にいた全員が驚愕の表情を浮かべた。それは大東亜連合の指揮官も同じだった。
彼らとしても、パーパルディア皇国を滅ぼすまではいかないと心のどこかで思い込んでいた分、その衝撃は大きかった。
「そ…そんなことが出来るのですか!?」
「可能か不可能かで言えば、可能です」
一同が絶句するなか、クーズ王国再建軍から参加したハキが声高らかに叫んだ。
「いいじゃないか!仮に滅んだとしても、それは皇国が日本の力を最後まで見抜けなかった、愚か者だったというだけだ!皇国が滅ぼうが、知ったことじゃない!!」
ハキの言葉に、元属領国家から参加した者は殆どが賛同の声をあげる。これには大東亜連合側も彼らのことを思うと強く言えなかった。
「まぁ、それはあくまで最後の手段です。いくらなんでも、首都を包囲されれば、何かしらの動きを見せると思われます」
大東亜連合が会議を行っているとき、地方都市アルーニ某所の会議室でも、アルーニ守備隊幹部等が会議を行っていた。
「敵は文明圏外国家の蛮族と日本軍約10000にワイバーンが30騎、対するこちらは陸軍約2000にリントヴルム45頭、そしてワイバーンロードが42騎…陸では劣りますが、空は完全にこちらが有利です。敵ワイバーンを排除した後、航空支援があれば負けることはないと思われます」
幹部の説明にアルーニ守備隊将軍ランサーは不安そうに頷く。
(そううまくいくだろうか)
ランサーの予感は的中する。
耳を叩くようなサイレンが、アルーニ全体で鳴り響いた。
「ッもう動き出したか!総員戦闘準備!!」
その場にいた全員が慌ただしく動き始めた。
ランサーは建物を出て、ふと空を見上げると、ワイバーンロード42騎が敵を殲滅すべく飛び上がっていた。
「頼んだぞっ!」
ランサーはワイバーンロードに期待の表情を見せる。だが、それはすぐさま絶望へと変わっていった。
大東亜連合陣地から、さらに後方に構築された臨時飛行場から飛び立った、大東亜連合軍所属の戦闘機スピアー(一式戦闘機)15機の編隊が、ワイバーンロードに襲いかかった。
スピアーの12.7mm機銃4門の攻撃を受けたワイバーンロードは、その体に穴を開けて落ちていく。
「戦果、ワイバーンロード1騎撃墜!!「ワレ、突撃ス、目標ワイバーンロード!目標ワイバーンロード!!」」
「ロウリア空軍301飛「竜喰隊」隊長、ターナケイン!」
ロウリア王国空軍の精鋭戦闘機隊「竜喰隊」は、その後もワイバーンロードむけに機銃弾を浴びせていく。
ちなみに、無線に流れるターナケインの言葉を聞いて、日本の軍人は「あの菅野に影響されたな」と呆れていた。
暫くすると、上空にいるのはスピアーのみとなっていた。
「アルーニ上空敵騎なし!!」
「全軍突撃!今までの恨みだ!殲滅しろ!!!」
「「「ヤアァァァァァッッ!!!」」」
太鼓の音をならし、連合軍は前進を開始した。
先頭から、戦車、第11旅団普通科部隊、連合軍歩兵部隊+元属領国家軍の布陣で進んでいく。
「リントヴルムを前に出せ!魔導砲砲撃よーい!!」
その指示を受けて、リントヴルムが前に出され、その後方では魔導砲の砲撃準備に取りかかる。
無論、それに付き合う必要のない日本陸軍戦車が砲撃を行う。120mm徹甲弾はリントヴルムを貫通し、その後方の歩兵や魔導砲を吹き飛ばす。
さらに上空からは連合軍のワイバーンが飛来し、リントヴルムや皇国軍歩兵を焼き殺していく。
「ここまで差があるとは…これ以上は無意味だ、降伏の合図を出せ!」
ランサーが降伏の指示を出そうとしたその時、彼のいた場所にワイバーンが発射した火炎弾が命中、ランサーが死んだ。
指揮官のいなくなったアルーニ守備隊は壊滅、その後、元属領国家の兵士が民間人を殺害しようとし、日本軍人や連合軍兵士がそれを止めるといった事件が発生したが、無事地方都市アルーニは連合軍に占領されたのだった。