次回から本編へ戻ります
???
とある場所、とある時、とある世界。ここは地獄と化していた。
「くそっこの蛮族ども…がぁぁ!!」
「ライノがやられた!増援はまだなのか!?」
「増援ならさっき全部吹き飛んだよ!!っグラム!そこから離れろぉ!!」
次の瞬間、彼らのいた場所を爆炎が襲いかかる。
グラムは運よく逃れることができたが、他の仲間は今の爆発で吹き飛ばされ、絶命していた。
「くそっ!他は…他は誰がいる!?」
「私がいます!」
グラムの視線の先にはまだ少女とも言える兵士が、息絶え絶えに、そこにいた。
「ッ!くそっ!俺たちにはもう、奴等は止められないのか!!」
グラムが地面を強く叩いたとき、炎の向こう側に人影が見えた。
「お、おい!お前たちも無事だったか!?一旦引くぞ!ここは…この世界はも…う…」
グラムは生き残りがいたと喜び近付いていくと、その顔から喜びが消え、驚愕の表情へと変わり、目を見開いた。
顔付きや体格は自分達と同じ人間だが、肌の色が違う。緑色なのだ。
緑色の肌を持つ人種など、奴等しかいない。
「いやあぁぁぁ!!!」
先程の少女兵士の悲鳴が聞こえた。
振り向くと、少女兵士は奴等に押し倒され、今まさに暴行を受けようとしていた。
「っ何してんだテメェェッッ!!!」
グラムが剣を抜き斬りかかろうとした時、「ぱんっ」と乾いた音が聞こえたと同時に、グラムの腹から勢いよく血が噴き出した。
「かふっ」
グラムは吐血し、その場に倒れ込んだ。
薄れていく意識の中、少女兵士が暴行を受ける音が聞こえる。また、遠くからはまだ生き残っていた仲間が、命乞いをする声が聞こえた…だがそれはすぐに聞こえなくなった。
『こいつはどうする』
『ほっとけ、どうせすぐ死ぬ』
奴等の話し声が聞こえるか、何をいっているのかわからない…もう…意識が…。
「ちくしょう…ちく…しょ…」
グラムの意識は、不思議な浮遊感と共に、暗い闇の中へと消えていった。
ラスト王国 サィーゴ城
この世界に残された最後の王国、ラスト王国。今この場所で、最後の会議が行われようとしていた。
「ついに奴等はこの島にも手を出してきたか…すると、他の国は」
「はい、全て滅びたと思われます」
宰相の言葉を受け国王は目頭を押さえ、貴族たちは嘆きみ、悲しんだ。
我が国よりも文明が進んだ国、強大な軍事力を持った国、そのどれもが既に、彼の国に滅ぼされたのだ。そしてやつらは遂に、この王国にすら魔の手を伸ばしていた。
「近衛騎士団は壊滅、各地方は占領され、敵はまっすぐここを目指してきています」
「…よもやこれまでか」
国王の一言が、この場にいる全員に重くのし掛かる。
三百年の歴史を誇るラスト王国、王国の最後が、目の前まで迫っている。
「…これ以上は時間の無駄だ。皆のもの、最後の時くらい、家族と過ごすのもよかろうぞ」
しばらく静まり返る会場だったが、1人が退室すると、他の者も続くように退室していき、最後は国王1人が残された。
国王は立ち上がると会議室を出て、城の一角にある部屋へとやって来た。
コンコン
ノックをすると中から「どうぞ」と返事が帰ってきたので、国王は扉を明け中へと入っていく。
その部屋は国王の一人娘の部屋であり、装飾品も随分と可愛らしいものが並べられていた。
「やはり私では無理だったよ、──。すまない、無能な私を許してくれ」
「お父様…」
──と呼ばれた少女は、自分に頭を下げる父を見て、心がいたくなる。
(もし転移してきたのが
少女は涙を流しながら謝罪を口にする父親の背中をさすり、自分もまた、涙を流すのだった。
その日、この世界最後の国家、ラスト王国が滅び、とある帝政国家によって支配されるのだった。
閣下、この世界にも奴等は存在しませんでした。
ご安心を、次の世界は98%の確率となります。
大帝もご満足していただけるかと思われます。
はい、それでは…我らが大帝と…
我がアトランティス大帝国に、栄光をッ!!