大日本帝国召喚   作:ゼロ総統

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本日3話目です。
今回から本編に戻ります。


先進11ヵ国会議
第17話─各国の動向─


─中央暦1642年4月15日─

 ムー国 港湾都市マイカル

 

 

 空は快晴。暑すぎず寒すぎず、穏やかな風に潮が強く香っている。

 港近くにある公園で、設置されたベンチに一組の老夫婦が座っていた。紳士的な格好の男性が遠い目で港を眺め、隣の伴侶に聞こえるように呟く。

 

「マイカルもこの数年で随分と変わったなぁ」

 

 港には、日の丸が描かれた大型貨物船や、自動車運搬船が停泊している。

 半年ほど前に、日本主導の港湾改良工事が完了した。整備された港は水深30mと、これまでと比べ物にならないほど深くなり、大型タンカーも十分に停泊可能だった。

 陸地に視線をやると、円柱状の石油備蓄用大型タンクが大量に並べられている。

 空港も、ジャンボジェット旅客機の発着に耐えられるようにさらに改善し、延伸工事が急ピッチで進んでいた。

 

 他にも、ここマイカルには日本から派遣された、大日本帝国陸軍ムー国派遣隊の駐屯地があり、ムー国陸軍が戦車等の運用ノウハウを学んでいる。

 また、グラ・バルカス帝国からは、大日本帝国では難しい単翼戦闘機や爆撃機の運用ノウハウを学び、専用の大型空母の建造も進んでいた。

 

 軍港に停泊するムー国海軍の他、日本国海上保安庁の巡視船や、グラ・バルカス帝国海軍の駆逐艦が停泊している。どちらの国も、ムー国にとって最友好国だ。

 

「最近では、日本人やグラ・バルカスからの観光客も多く見られますね」

 

「あぁ、とても喜ばしいことだ」

 

 老夫婦が穏やかな日常を過ごす中、大日本帝国陸軍ムー国派遣隊司令部では、重苦しい空気に包まれていた。

 

「何か起こるとされている日まで、残り7日か」

 

 駐屯地司令の光永は、書類に目を通して頭を痛めていた。

 上層部から、22日にマイカルで何かが起こると言われ、詳しく詳細を聞き出そうとしたが、上もわからないとしか言えず、困難を極めていた。

 

「とりあえず、全部隊に20日以降の外出自粛と、即応体制を呼び掛けています」

 

「本国でも、第3師団がいつでも動けるよう待機中のようです」

 

「わかった。とりあえず、各自非常時に備えてくれ」

 

 大日本帝国陸軍ムー国派遣隊は、着実に準備を進めていくのだった。

 

 

 

 

 

 グラ・バルカス帝国 帝都ラグナ 帝王府 大会議室

 

 

 グラ・バルカス帝国の国政会議では、国の今後を決定付ける、重大な会議が始まろうとしていた。

 

「これより、帝前会議を開始します」

 

 進行役が開祖を宣言する。

 

「日本との交流により、我が帝国は経済力や技術力が向上、軍事力も同様、先日ジェットエンジンを搭載した国産戦闘機が、試験段階に入りました。日本に比べればまだまだ遅れていますが、何れは追い付いて見せます」

 

「外国からの観光客も増え、国内事業も好景気を見せています」

 

 各担当者から報告が上がる。そのどれもが、グラ・バルカス帝国にとって良い報告であった。

 

「凄まじいな。日本とは今後とも友好的に交流を続けねばならんな」

 

 その後も会議は続き、会議も終わりへと向かっていた時、グラルークスが発言した。

 

「実は先日、再びアレナ様から御告げがあったのだ」

 

 会議室にいた全員はグラルークスに視線を移した。

 

「して、アレナ様はなんと」

 

 議員の質問に、グラルークスは答えた。

 

 

『世界の力集まりし時、世界は闇に包まれるだろう、彼の闇、呪い持たざる闇は、3つの光を埋め尽くさんと動き出す』

 

 

 予言を聞いた議員達は、必死に頭を働かせた。

 世界の力集まる時…これは先進11ヵ国会議を意味するのではないだろうか。

 世界は闇に包まれる…これはこの世界に伝わる、ラヴァーナル帝国の復活の可能性が高い。だが呪い持たざる闇とはなんだろうか。

 それと3つの光…これは国家を示すのだろうか。

 

(大日本帝国とグラ・バルカス帝国は確定として…後はどこだ?)

 

 ムーは未だ発展途上であり、神聖ミリシアル帝国は、兵器の性質上あり得ないと思われる。

 

「これはまたアレナ様も、難しい予言を残したものだ」

 

 この事は当議会では重く受け取られ、グラ・バルカス帝国は厳戒体制へと移行するのだった。

 

 

 

 

 

 大日本帝国 東京都 首相官邸

 

 

 現在ここには、各大臣から各軍の幕僚長が集められていた。

 

「総理、本当によろしかったのでしょうか」

 

 中田環境大臣が不安そうに総理に訪ねた。

 

「何がですか?」

 

「今回の派遣についてです。会議中の警備はこちらに任せろと神聖ミリシアル帝国側が言ってたのです。それなのにこの規模の艦隊を派遣してよかったのかと」

 

 中田は手元の資料に再び目をとおしながら、やはり不安そうに呟く。

 手元の資料には、今回派遣された艦隊の詳細か載せられていた。

 

 

 先進11ヵ国会議派遣艦隊

紀伊型戦艦:陸奥/旗艦

伊勢型戦艦:伊勢、扶桑

飛龍型航空母艦:飛龍、蒼龍

金剛型戦闘巡洋艦:青葉、那智

村雨型巡洋艦:村雨、阿武隈、最上、五十鈴

磯風型駆逐艦:磯風、雪風、島風、綾風、神風、旗風、浜風、山風

 

 

 戦艦を3隻含む合計19隻もの艦隊は、既にカルトアルパスへ向かっていた。

 

「些か過剰戦力ではないでしょうか」

 

「ですが、開催地のカルトアルパスで何かが起こると、イズル君が示したのです。何が起こるかわからない以上、最大限の警戒を持って、事に当たるべきです」

 

 今村の強気な発言に、中田は渋々と引き下がっていった。

 

「統合幕僚長、現在の状況を」

 

「はい、陸軍は現在全国各地の駐屯地に即応体制を維持させています。海軍も派遣艦隊を除いた全艦艇が各基地に帰投しています。空軍では、いつでも全力出撃ができるよう、全隊員に基地内待機が命令されています」

 

「わかった…せめて、穏やかに終わってくれるといいんだがなぁ」

 

 こうして、会議は次の議題へと移っていった。

 

 

 

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