大日本帝国召喚   作:ゼロ総統

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色々と詰め込んでいたらカオスになった件について…はおいといて、久しぶりの本編更新です。

誤字や文法の間違い等が見つかりましたら、教えていただけると幸いです。


第22話─カルトアルパス襲来②─

 フォーク海峡上空 世界連合航空団

 

 

 世界連合艦隊や空軍基地等から発進した各国の航空機やワイバーンが、敵航空集団に向けて飛行していた。

 ワイバーンや飛行機械、それも複翼機や単翼機、先進的に見えるが所々古臭く、どこか違和感がある戦闘機が編隊を組んで飛行するその姿は、ある種の力強さを与える。

 

「ムーと同じ機械文明国と聞いていたが、巡航速度とはいえ、まさかこのエルペシオ3についてこれるとは」

 

 カルトアルパス空軍基地から飛び立った第7制空戦闘団団長シルベスタは、初めて見るグラ・バルカス帝国の単翼機の性能、そして部隊の練度に感心していた。既にムーのマリンやニグラートのワイバーンロードはついてこれずに大分後方を飛行している。

 

「前方に敵機発見!!その数不明!!」

 

 目の良い部下が報告をあげる。

 敵はグラ・バルカスの戦闘機に酷似した飛行機械のようだが、ここから見ただけでも数が多すぎる。軽く1000機は超えてるようだ。

 

「全機突撃!奴等に誰を敵に回したか思い知らせてやれ!!」

 

 魔光呪発式空気圧縮放射エンジンが唸りをあげて加速する。

 神聖ミリシアル帝国の誇る最新鋭天の浮舟エルペシオ3の出せる最高速度520kmの速さで敵に近付いていく。

 すると、同じ速度で飛んでいた筈のグラ・バルカス帝国の戦闘機が轟音と共に彼等を追い抜き、味方を置き去りにして敵へと突っ込んでいく。

 

「魔法文明を持たない新興国家の飛行機械が、我が国最新鋭天の浮舟であるエルペシオ3を越えるだと!?」

 

 自身の愛機に絶対の自信を持っていたシルベスタは、グラ・バルカス帝国のアンタレス艦上戦闘機の性能に驚愕する。

 そんな彼をよそに、遂に戦闘機同士の空中戦が始まった。

 

 アンタレスの20mm機関砲が、敵戦闘機の主翼を粉々に粉砕する。

 エルペシオ3も応戦しようとするが、速度、旋回能力、上昇能力などあらゆる面で敵戦闘機に劣っており、次々に撃墜されていく。これはムー国のマリンやニグラートのワイバーンロードも同様である。

 唯一互角に戦えているグラ・バルカス帝国のアンタレスも、敵の数を前に劣性を強いられていた。

 

 第7制空戦闘団団長シルベスタも、敵戦闘機に後ろをとられ、振り切ることができないでいた。

 

「くそっ!!くそっ!!!」

 

 シルベスタの乗るエルペシオ3は、敵戦闘機の機関砲弾の直撃を受け爆散、炎に飲まれながら墜落していく。

 

「シルベスタ団長がやられた!!」

 

「ニグラート連合竜騎士団全滅!!ムー国戦闘機隊全滅!!」

 

「グラ・バルカス帝国戦闘機隊劣勢!!」

 

「敵の数が予想以上だ!!すぐに増援と民間人の避難を!!」

 

 その後も空中戦は続き、何とか生き残ったアンタレスやエルペシオ3は、神聖ミリシアル帝国本土に向け撤退を開始した、200機を越えていた世界連合航空団は、最終的には16機にまで数を減らしていた。

 

 その後、敵航空集団は進路を戻し、カルトアルパスへ向け飛んでいくのだった。

 

 

 

 

 

 カルトアルパス南西海域 世界連合艦隊

 

 

 世界連合航空団を退けた敵航空集団は、世界連合艦隊上空に迫っていた。

 敵の数はまだかなり多い。それを確認した大日本帝国海軍派遣艦隊の大崎司令は、各艦に激を飛ばす。

 

「敵の数は多いが、我々からすれば旧式だ!臆することはない!!全艦対空戦闘よーい!!」

 

「対空戦闘よーい!!」

 

 各艦艇のVLSが解放され、ミサイルの発射準備が整う。

 

「対空戦闘用意よし!」

 

「撃ち方、始めぇ!!」

 

 大崎の命令と共に各艦艇からSM-6や、新規開発された国産16式多目的誘導弾が発射され、敵航空集団に向け飛翔する。

 

 ミサイルの接近に気付いた敵機が回避行動に移るが、ミサイルは外れることなく敵機へ向け飛んでいき命中、撃墜する。

 

「全弾命中!続いて撃てッ!!」

 

「間もなく、敵が対空主砲弾の射程圏内に入ります」

 

「照準始め!対空主砲弾装填!!」

 

 戦艦陸奥の主砲に対空主砲弾が装填され、敵航空集団へと向けられる…その時だった。

 

「…ッ対水上レーダーに感あり!数およそ90!大艦隊ですッ!!!」

 

「さらにその後方、大量の艦影を発見!!国籍不明!!総数不明!!!」

 

 レーダー員の悲鳴に近い報告にその場の空気が凍りついた。

 

「………付近を航行している友軍の可能性は…」

 

「問い合わせましたが友軍ではありません!!勿論、大東亜共栄圏加盟国や本国の艦隊でもありません!!」

 

 友軍でないとなると…敵!!

 

「対水上戦闘よーい!!本艦は対空主砲弾を撃った後に徹甲弾装填!!対空戦闘は巡洋艦と駆逐艦に一任する!!」

 

 大崎の命令と共に、戦艦陸奥と戦闘巡洋艦2隻が速力40ktにまで増速する。

 その間に戦艦陸奥は対空主砲弾を敵航空集団へ発射、14機を撃墜する。その後、弾種を徹甲弾へと変更し、敵艦隊との会敵に備えた。

 

「何だ!?日本の戦艦のあの速さは!!?」

 

 第7魔導艦隊司令のアグウストは、自分達の魔導戦艦や魔導巡洋艦以上の猛スピードで敵に向かうのを見て、驚愕の声をあげた。

 

「日本の戦艦は化け物だな、我々の駆逐艦よりも速いぞ」

 

「やれやれ、グラ・バルカス帝国はともかく、日本に追い付けるのはいったい何百年後になることやら」

 

 それに対して、グラ・バルカス帝国艦隊とムー国艦隊の両司令は、予め日本の艦艇の性能は事前に伝えられていたが、実際に目の当たりにすると、もはや驚きを通り越して呆れてしまっていた。

 

 そんな彼らをよそに、日本の戦闘艦3隻は目標へと着実に近づいていた。

 

「艦種識別完了、戦艦9隻、空母34隻、巡洋艦17隻、駆逐艦30隻!!」

 

「戦艦9隻か…相手にとって不足なし!全艦各自射程に入り次第攻撃開始!!撃ち方、始め!!」

 

 大崎の号令と共に、戦艦陸奥の主砲から46cm砲弾が発射された。

 

 発射された砲弾は放物線を描きながら飛翔し、合計6発の46cm砲弾は敵戦艦の1隻を完璧にとらえた。

 

「敵戦艦1隻を夾叉…ッ敵艦発砲!!」

 

 こちらが夾叉を出したことで焦ったのか、敵戦艦5隻から1隻につき8発、計40発もの砲弾が戦艦陸奥に向け飛翔するが、その全てが艦隊の手前に着弾した。

 

「あの水柱だと…40cmも無さそうだ。36…いや、38cmクラスか?」

 

「それでも、戦闘巡洋艦にとっては脅威です」

 

 確かに戦闘巡洋艦は対艦ミサイル数発分か、あるいは自艦と同口径の砲弾十数発分は耐えられるよう装甲が施されているが、敵はそれを上回る38cm砲で、それを毎回斉射で撃ってくるので40発以上の砲弾が襲いかかってくる。

 恐らくこちらの射程圏内に入る頃には、敵の砲弾は戦闘巡洋艦の装甲を容易く貫通してしまうだろう。

 

「後方の分艦隊より通信…対空ミサイル残弾なし!!?」

 

「司令!!敵航空機がこちらに流れてきます!!」

 

 更に追い討ちをかけるかのように通信担当やレーダー担当から、最悪な報告が上がってくる。現状況での対空戦闘は難しいし、対空ミサイルの残弾なしに至ってはどれだけ敵の数が多いのか。

 

 大崎はこの後の光景を想像して、息を飲み込んだ。

 

 

 

 

 

 敵に対して技術的優位にたっていた大日本帝国であったが、それでも敵の数の暴力を前に追い込まれつつあった。

 

 最初に被害を受けたのは、巡洋艦村雨だった。

 

「敵機約42機、右舷より近づく!いずれも低空…雷撃機です!!」

 

「同じく、左舷より敵機!!その数37!!これは…爆撃機です!!」

 

「出し惜しみはするな!!全火器撃ち続けろ!!」

 

 艦長の島大吾が懸命に指示を飛ばすが、大量の敵機を前に、限界を迎えようとしていた。

 

 そしてついに…。

 

「右舷から雷痕8!!直撃コースです!!!」

 

「衝撃に備え!!」

 

 雷撃機から投下された航空魚雷8本は、巡洋艦村雨の右舷中央部に突き刺さった。

 

 魚雷は喫水下の装甲を吹き飛ばし、巡洋艦村雨は急激に傾向していく。

 

「これまでか…すまない大介、家族を…日本を、頼んだぞ」

 

 島大吾が最後の言葉を呟いた直後、弾薬庫が誘爆し、巡洋艦村雨は僅か数分のうちに海底へと沈んでいくのだった。

 

 

 

 

 

「村雨、轟沈!!」

 

 駆逐艦浜風の艦橋に、悲報が飛び込んだ。

 

「バカな!村雨が!?」

 

「くそっ!流石に数が多すぎたか!!」

 

 乗員達が衝撃を受けるなか、駆逐艦浜風艦長は決断し、指示を飛ばす。

 

「…旗艦に具申。誘導弾の尽きた艦艇から順次撤退を求む…だ」

 

「ッ!?…り、了解!!」

 

 通信担当は艦長の言葉に戸惑うも、直ぐ様気持ちを切り替えて旗艦へと連絡する。

 

 その連絡が送られた頃、前に出た分艦隊も危機的状況に立たされていた。

 

「駆逐艦浜風が撤退を具申しています!」

 

「許可すると伝えろ!このままじゃ消耗戦だ…ッ!!」

 

 直後、戦艦陸奥は強い衝撃に襲われた。

 

「第2砲塔に直撃!なれど砲撃に支障なし!!」

 

 直撃を受けたようだが、どうやら装甲が弾いたようだ。

 安堵する大崎だが、すぐに悲報が訪れる。

 

「青葉!戦列を離れる!!」

 

 担当者の悲痛な報告を受け、大崎は視線を戦闘巡洋艦青葉に向けた。

 

 戦闘巡洋艦青葉は艦尾から黒煙を巻き上げ、大きく速度を落としていく、おそらく推進器をやられたのだろう。

 だが、悲劇はそこで終わらなかった。

 突如として敵の砲撃が、戦闘巡洋艦青葉に集中し出したのだ。

 

 2隻は沈めることができたが、未だ健在の戦艦7隻の前部砲塔の一斉砲撃、計56発の38cm砲弾は戦闘巡洋艦青葉に向け飛翔し、直撃した。

 第1砲塔は砲身が砕け散り、第3砲塔が爆発で吹き飛ぶ。21発の直撃を受けた戦闘巡洋艦青葉は、巡洋艦村雨以上の早さで、その身を海底へと沈めていった。

 

「青葉……轟沈……」

 

「そんな、青葉まで…」

 

「旗風轟沈!!綾風、戦列を離れる!!」

 

 その間にも、後方の被害は増え続ける。

 

「くそっ…撤退だ、全艦撤退!!世界連合艦隊には悪いが、今ここで、いたずらに戦力を減らすわけにはいかない!!」

 

 この事は世界連合艦隊にも伝えられた。

 

「腰抜けが…所詮は辺境の蛮国か」

 

 このように蔑む者もいれば…

 

「大日本帝国でも、この数は厳しかったか」

 

 と大日本帝国の実力を知る者(主にムー国とグラ・バルカス帝国の軍人だが)は、大日本帝国の撤退に同調して撤退を具申するのだった。

 

 

 

 

 

 大日本帝国艦隊が戦闘から離脱を開始したことにより、敵航空集団は世界連合艦隊へ殺到した。

 各国の艦隊は持ち前の対空火器を使い抵抗するが、大日本帝国の対空砲火に比べると格段に少なく、次々に撃沈されていく。グラ・バルカス帝国の空母も甲板に火災が発生して大破し、神聖ミリシアル帝国所属の魔導戦艦ですら、敵機の雷撃を受けわずか数分のうちに沈んでいった。

 

 数機の爆撃機が戦艦ルナ・バルコへ殺到する。

 

「回避行動!面舵いっぱーい!!」

 

 戦艦ルナ・バルコは爆撃を回避するためにゆっくりと旋回する…が。

 

「艦尾と中央部に被弾…!?なに!?機関と推進器をやられただと!!?」

 

「お、おい!このままだと座礁するぞ!!」

 

 ムーの戦艦ルナ・バルコは陸地に向かって爆走し、岩礁に乗り上げる事となった。

 

 その後、アルタラス王国派遣隊駐屯地から発進した99式戦闘攻撃機36機並びに、爆弾の代わりに対艦ミサイルを搭載した77式重爆撃機15機が増援として到着。増援の航空部隊は敵前衛艦隊を放置して揚陸艦隊を攻撃、揚陸部隊の半数を失った敵艦隊は反転して撤退していった。

 

 大日本帝国派遣艦隊は被害の少ない戦闘巡洋艦那智と駆逐艦山風をカルトアルパスに残して本国に帰国、各国の艦隊も全滅するか、壊滅的被害を受け、艦艇の残った国は、大臣を護衛するための最低限の戦力を残し、その他はすべて帰国させていくこととなった。

 

 

 

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