大日本帝国召喚   作:ゼロ総統

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第4話─鋼鉄の艦隊─

─中央歴1639年4月25日─

 マイハーク港

 

 

 遂にロウリア王国が4000隻以上の大艦隊を出向したという情報を受け、マイハーク港を母港とする帆船を主力としたクワ・トイネ公国海軍第2艦隊と大日本帝国から譲り受けた艦艇で編成された新生第1艦隊が出向の準備を行っていた。

 だが新生第1艦隊は習熟訓練が終わっておらず、艦船の数はおよそ55隻と、4000隻を超える圧倒的物量を前に心もともない。だが彼らにも希望は残されていた。

 彼らが見つめる先、マイハーク港沖合いには大日本帝国海軍派遣任務艦隊が停泊していた。

 

 大日本帝国海軍派遣任務艦隊

伊勢型戦艦:伊勢

飛龍型航空母艦:飛龍/旗艦

金剛型戦闘巡洋艦:榛名、霧島

村雨型巡洋艦:村雨、阿武隈、夕霧、鞍馬

磯風型駆逐艦:磯風、島風、浜風、雪風、晴風、旗風

…計14隻

 

 これが今回の派遣艦隊である。14隻と数で言えば少ないが性能は圧倒的である。

 

 

 伊勢型戦艦は大日本帝国で古参に入る戦艦で、正式名称は伊勢型支援航空戦艦。基準排水量3万4700t、全長にして243mの巨艦である。50口径40.6cm連装砲2基を主砲とし、後部甲板には支援戦闘機やヘリコプターが運用できるよう装甲が施されている、要は航空戦艦である。何故このような設計にしたのか担当者に問い合わせたところ…「こうしなくてはいけない気がした」…と意味不明な回答が帰ってきた伝説がある。

 

 

 飛龍型航空母艦は所謂原子力空母であり、その性能はアメリカ海軍のジェラルド・R・フォード級を遥かに上回る。基準排水量12万4000t、全長395m、艦載機はヘリを含めて約130機と単艦で1国の空軍力を上回りかねない航空戦力を保有している。

 今回の派遣では戦闘機の数を最低限とし、格納庫に大量の10式対戦車攻撃ヘリコプター“大鷹”を搭載していた。

 

 

 金剛型戦闘巡洋艦はミサイル戦より砲撃戦を強く想定した艦艇である。基準排水量2万2500t、全長212mと大型で主砲も52口径30.5cm連装砲を3基搭載しており、ミサイルの搭載量は少ないが、ある程度対空装備は充実している。戦艦よりも低燃費で重宝されている。

 

 

 村雨型巡洋艦はミサイル戦を想定したミサイル巡洋艦であり、イージスシステムの発展型である天之川システムを搭載した戦闘艦である(大日本帝国海軍の巡洋艦/駆逐艦は全て天之川システム搭載艦である)。基準排水量1万4000t、全長184mと大型なのは天之川システムが大規模だからである。

 

 

 磯風型駆逐艦は他の艦種の最高速度が40~42ktなのに対し、最大で54ktもの速度で航行することができる高速艦である。基準排水量8500t、全長170mと大型で、旧世界の艦艇が対等に相手をするなら2~3隻は必要とまで言わしめている。

 

 

 この通り性能差は圧倒的であり、僅か14隻でも十分であると結果が出ていた。

 この前今村総理がイズルにこの話をしたところ、全力でドン引きされたと落ち込んでいる映像が全国に流れ、なんとも言えない空気が流れたのは記憶に新しい。

 

 そんな艦隊はクワ・トイネ公国海軍に先駆け出向した。

 

 

 

 

 

 ロウリア王国海軍艦隊4400隻は、クワ・トイネ公国に向かって航行していた。

 

「いい景色だ。美しい」

 

 ロウリア王国東方討伐海軍 海将シャークンが呟いた。

 大海原を美しい帆船が風をいっぱいに受け進む。その数4400隻、大量の水夫と揚陸部隊を乗せ、彼らはクワ・トイネ公国の経済都市マイハークに向かっていた。

 

 6年間パーパルディア皇国からの軍事援助を受けてようやく完成した大艦隊、更には旧式とはいえ戦列艦を入手することができた。

 

 クワ・トイネ公国とクイラ王国にこの大艦隊は止められない!!

 彼は東の海を見据えた…そして何かを発見した。飛竜ではないそれは異様な音をたててこちらに近付いてきた。

 

「こちらは大日本帝国海軍だ。お前達はクワ・トイネ公国の町ギムで残虐な虐殺行為を行った。これ以上の虐殺行為は認められない。速やかに祖国へと引き返せ!繰り返す…」

 

 飛竜でないそれには人が乗って話をしているら

しい。大日本帝国と呼ばれる国の外交官を宰相が門前払いした話はシャークンも聞いていた。だが本当に政治部のいった通りの蛮族なのだろうか。

 やがてそれに弓矢が放たれるとそれは東の空へと飛び去っていった。

 

 しばらくすると海の向こうから小島が見えてきた…いや、あれは動いている、まさか船なのか。

 

「最後の警告だ、直ちに引き返せ!繰り返す、直ちに引き返せ!!」

 

 それに答えたのは右側先頭を航行していた戦列艦の砲撃だった。

 80門級戦列艦の放った40発は殆どが外れたが奇跡的に3発が駆逐艦浜風に命中した。

 砲弾は全て浜風の装甲に弾かれ全く影響はなかったが、すぐさま戦列艦の射程距離から離脱した。

 

「砲撃が通じないだと!?しかもデカいくせに風を受けずにあれほどの速度が出せるのか…」

 

 シャークンの胸中に不安がよぎる。

 そんなことを知らない水夫達は浜風が逃げたと思い馬鹿にし野次を飛ばすが、それは直ぐに終わることとなる。

 

「攻撃を受けた!これより攻撃を開始する。目標、右舷前方の水上船、主砲─撃ち方、はじめ!」

 

 浜風の甲板前方に設置された主砲が目標の戦列艦を捉え、12.7cm速射砲が火を吹いた。

 

 海戦の火種は切って落とされたのだ。

 

 

 

 

 

「速射砲撃ち続けろ!あと数分で他の艦艇が射程距離に入る!それまでに出来るだけ多く撃破せよ!!」

 

 浜風艦長の口から過激な言葉が連発されるが、慣れているのか乗員もそれにのっかる。

 浜風の主砲が火を吹く度に戦列艦、軍船が大爆発を起こす。中には戦列戦の砲弾等が保管されていた場所に砲弾が打ち込まれ、木っ端微塵に吹き飛ぶ船もあった。

 

「こちらCIC、未確認機が多数接近中!数は350!敵の増援のワイバーンと思われます!」

 

「そら獲物だ!対空戦闘よーい!!」

 

 艦長の指示により浜風のVLSハッチが開放され、発展型シースパローが発射される。

 後方からも駆逐艦や巡洋艦から発展型シースパローとSM-6が発射される。

 次々に放たれた対空ミサイルによってワイバーンは瞬く間に数を減らしていき、一通りの嵐が去ると、ワイバーンは数を350騎から40騎まで減らしていた。

 ワイバーンが突撃しようとしたとき、艦の主砲がワイバーン目掛けて発射された。1発で1騎が落とされていく。最後の1騎も浜風の主砲によって落とされていった。

 ワイバーンを片付けたら残るは脅威にならない帆船だけだった。

 

 駆逐艦や巡洋艦から放たれる12.7cm砲弾と15.5cm砲弾が木造の帆船を次々に撃破していく。戦艦伊勢と戦闘巡洋艦の主砲からは対空主砲弾が放たれ、帆船の上空で無数の子弾となって降り注いだ。

 更に空母飛龍と戦艦伊勢から10式対戦車攻撃ヘリ“大鷹”が飛び立ち、バルカン砲やロケット弾で1隻づつ破壊していく。

 

 ようやくロウリア王国海軍艦隊が撤退した頃には、4400隻もいた艦隊は今や1100隻にまで減らされ、海将シャークンは乗船していた旗艦に砲弾が直撃し、爆発の衝撃で海に投げ出され、その後日本海軍に救助されたのだった。大日本帝国海軍の大勝利である。

 

 

 これが後に『ロデニウス沖大海戦』と呼ばれるのだった。

 

 

 

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