大日本帝国召喚   作:ゼロ総統

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第5話─2カ国共同戦線─

 城塞都市エジェイ

 

 

 城塞都市エジェイにはクワ・トイネ公国軍西部方面師団約30000人が駐屯しており、クワ・トイネ公国の主力と言ってもよかった。

 その為ここエジェイには優先的に輸入した兵器等が配備されていた。

内訳は、ワイバーン50騎、騎兵3000人、弓兵6500人、銃装歩兵350人、砲兵100人、戦車兵50人、歩兵2万人という大部隊である。

 本来対空用に訓練されたワイバーンは、対地支援用に訓練されたワイバーンと入れ替わり、後方で対地支援用へと再訓練されることとなっている。

 今回はこれに大日本帝国陸軍第7師団約7000人が援軍で加わることとなった。

 

「大日本帝国陸軍、第7師団長の大内田です」

 

「クワ・トイネ公国西部方面師団将軍ノウといいます。此度の援軍、誠に感謝いたします」

 

 お互いに握手を交わし、今後についての作戦会議を始めた。

 日本軍の幹部が説明を始める。

 

「現在城塞都市エジェイの西側約5kmの地点にロウリア王国軍約2万が布陣しており、幸いにもこちらの砲の射程圏内にあります。今回我々は特科連隊と公国軍砲兵隊による先制砲撃で敵軍を撹乱、砲撃後に戦車大隊と公国軍戦車隊で敵陣に突撃、その際に対戦車攻撃ヘリ中隊とワイバーン部隊で対地支援を行います。必要に応じて普通科部隊と公国軍歩兵部隊を投入していきます」

 

 日本軍幹部の説明に公国軍側の将兵が訪ねた。

 

「ロウリア王国軍のワイバーン部隊が出てきた場合はどうする?」

 

「問題ありません。敵のワイバーン部隊が出てきた場合に備えて空軍の戦闘攻撃機隊が直掩任務に付く予定です」

 

 それを聞いて満足したように将兵はお礼を言って下がった。

 

「ギムの町で無惨に虐殺された者達の弔合戦だ!これ以上奴等の好きにさせては断じてならない!諸君、奴等に我々の底力を見せつけてやれ!!」

 

 その後、両軍は僅か3時間という異例の早さで全ての準備を完了し、ロウリア王国軍と衝突するのだった。

 

 

 

 

 

 ロウリア王国東部諸侯団クワ・トイネ先遣隊約2万の兵は、特に敵勢力と遭遇することなく城塞都市エジェイの西側約5kmの位置まで進軍した。

 指令ではあと2km先の地点まで進める必要があったが、嫌な予感がしたため、ジューンフィルアは深入りを避けて野営をすることにした。だがそれでも彼の嫌な予感が無くなることはなかった。

 

「こんなことは初めてだ…やはりもう2,3km離れた位置で野営をするべきだったか」

 

 ジューンフィルアは部隊の移動を伝えに行こうとしてふと立ち止まった。頭が冴え渡る。

 波のない湖に一滴の水滴が落ち、波紋がすぅっと広がっていくかのような不思議な感覚がジューンフィルアの脳に痺れをもたらした。

 その直後、野営陣地の真ん中が大きく爆発し土煙が上がる。

 猛烈な爆発は1度だけでなく何度も立て続けに起こり、その場にあった土と、不運にもそこにいた人間だったものを空へ放り上げる。

 

「な、何が…何が起きている!!?」

 

 現実離れしたその光景を前にジューンフィルアは叫ぶも、答える者は誰もいない。

 しばらくすると、永遠に続くかと思われた爆発はパタリと止んでいた。

 自分の手には負えないと判断したジューンフィルアは、本隊と合流しようと生き残った兵士に指示を出そうとした時、東から低い唸りを上げて、角ばった体に角を生やしたものや、上半分が丸まった、これもまた角を生やしたものがこちらにやって来るのが見えた。

 

「馬鹿な!あんな魔獣見たことないぞ!!」

 

 ジューンフィルアが魔獣と称した物体は、公国陸軍に提供された六四式中戦車と日本陸軍の82式戦車である。

 

 

 六四式中戦車は史実のT-34-85に見た目が酷似しているが、性能はそれを軽く上回り、2015年現在でも朝鮮連邦が未だに主力として運用していたりする。

 

 

 82式戦車は1982年に正式採用された国産戦車で、見た目は史実の90式戦車とほぼ同じで、性能は90式を上回るが、現在日本陸軍の保有/運用する3種類の中で一番古く、順次退役する中この世界に召喚され一時延期、現在34台が未だに運用されている。

 

 

 その2種類の戦車は、砲撃を免れた天幕や人の密集している場所に砲撃を行っていく。

 砲撃を受ける度に何十人もの兵士が一瞬のうちに絶命する。

 それだけには留まらず、上空からは10式対戦車攻撃ヘリ“大鷹”の編隊と公国軍ワイバーン部隊がロケット弾と火炎弾で地上の敵兵を殲滅していく。

 砲撃を免れて飛び立ったワイバーンも、直掩任務に着いていた99式戦闘攻撃機の20mmバルカン砲の攻撃を受けて、肉片となり落ちていく。

 

「こんなのは戦争なんかじゃない!只の虐殺ではないか!!こんなものが…こんなものが戦争であってたまるかぁぁ!!!」

 

 そう叫んだジューンフィルアは、押されたような衝撃の直後に浮遊感を味わう。自分の手足がバラバラに吹き飛んでいく光景を最後に、彼の人生は120mm砲弾によって幕を閉じた。

 

 この戦闘によりロウリア王国軍東部諸侯団クワ・トイネ先遣隊約2万人は、2カ国の連合軍の攻撃によって全滅した。

 

 

 

 

 

 丁度その頃、ロウリア王国東方征伐軍本隊は日本空軍第503爆撃飛行隊による広域爆撃を受けていた。

 日本空軍の保有する77式重爆撃機は250kg爆弾を最大で28発搭載可能な重爆撃機であるが、5年後には全機退役予定である旧式機だ。

 

 77式重爆撃機から投下された250kg爆弾はロウリア王国東方征伐軍本隊を容赦なく破壊していく。

 ワイバーンが迎撃のために飛び立つも、高度1万mを飛行する77式に追い付けるはずもなく、護衛の99式戦闘攻撃機によって撃墜されていった。

 

「こんなもの…勝てるわけないではないか」

 

 将軍パンドールは絶望の表情を浮かべ、空を我が物顔で飛び回る爆撃機を眺めていた。

 既に軍の7割は消滅、こちらから防ぐ術は残されていなかった。

 

 だが死神は彼だけを見逃すようなことはなかった。

 ゆっくりと自分の人生の終わりを告げる片道切符が、あの世が近づく。

 そして次の瞬間には灼熱の業火が彼を襲う。

 それは一瞬の出来事だった。

 将軍パンドールは光と共にこの世を去った。

 

 将軍パンドールは戦死、ロウリア王国東方征伐軍本隊は壊滅し、生存者は偵察任務に付いていたため爆撃を免れた竜騎士ムーラ他数名の竜騎士のみであった。

 

 

 

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