RWBY作品が少なかったので、「自分で書くしかない!」と意気込んでいますが、これがきっかけで少しでも、BLAZBLUE、RWBY両作品に興味を持って頂けたらと思います。
ここは蒼へ至る門の前、そこには男が2人、立っていた。1人は着物を羽織り、羽衣を纏った女形の装いをした男。もう1人は赤いコートを着た男。コートの男の方は至る所に傷があり、右半身は黒く染まり、獣のような風貌に変わり果てている。
「あんたか」
「ーー見せて貰ったよ。『お前さん』の舞。……見事だったよ」
「そうかよ…」
「…安心しな、タカマガハラシステムに『お前さん』の情報は何も残っていないよ」
「手間、かけさせたな」
「良いってことよ、見事な舞の礼さ」
「…なら後は、あんただけだな。『傍観者』」
「まったく残念な話だよ、あれ程の舞を記憶に留めておけないなんてね。『
それで『お前さん』はこれからどうするんだい?」
「みんなの『
そこから生まれる世界は誰の…アマテラスにもタカマガハラにも干渉を受けない…あいつらの世界だ」
「過去、現在、未来に、あまねく広がる『可能性』という名の希望……これほど大規模な世界の再構築は見たことが無いよ…
これが真なる蒼……『
「違うよ。俺の力でも蒼の力でもない…」
「あいつらの『
扉が開く。光が溢れ、辺りを呑む。光が薄れるとそこにはボロボロに崩れかけた剣がそこにあるだけだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
先程まで女形の男と話していた男、ラグナは蒼が渦巻く場の中にいた。そこでは、悍ましい獣の気配は影を潜め、ただ穏やかな表情に変わっていた。
「還しに来たぜ」
渦巻く蒼の中心に語りかける。自分の中から様々な思い、祈り、願いが流れて行くのを感じ、時に愛おしく思い、肩を震わせた。
奪った全ての「
「さて、これから俺はどうなんのかね?Esの代わりに門の守りでもやれば良いのか?
それとも『神の観る夢』と俺の『願望』は還せねぇから、俺も消えんのか?」
1人呟きながら自身に起こることをジッと待つ。しかし、なんの変調も訪れはしなかった。ラグナには走馬灯を観る時間を与えられているような気がしていた。
「本当に、これで良かった。あいつらには兄貴らしいところちっとも見せてやれてなかったからな。最後ぐらい、格好つけてさせてもらえて良かったよ。
あの日から復讐だけを目指して生きてきた俺にとっては、上々な人生だった。シスターにも逢えたしな。しっかし、あのセリカがシスターだった事には驚いたが…色々納得した。
あとは、あいつらが作る世界を見届けられないのは残念だが、あいつらなら大丈夫だろう」
悔いの無い人生とは言わない、しかし、悪くない人生だった。それだけははっきりと言えた。
「お前がそういうのなら…そうなのだろう…」
「ん?誰だ?」
自分しかいない筈の空間で自分のものではない言葉を聞いたラグナ。しかし、焦りは無かった。問いつつも、もう分かっていたから。
「あぁ…これがEsの言ってた蒼の意思ってやつか…」
「蒼に至った者よ…何を望む?」
「俺は何も望まねぇよ。あいつらの世界に俺の望みはいらないからな」
「………ああ、そうだな」
蒼の意思の口調が急に砕けた。その声はラグナにとって1番身近で、1番耳にした声色とよく似ていた。
「復讐に身を焦がし、戦いの渦に呑まれたお前の生涯。結末はお前が描いた通りになった。
しかし……お前は自身の『願い』を押し殺している」
「何を言ってんだ。俺の『
「お前が抱いていた『
「……何を言ってやがる…」
「お前はこう願っている。『自分自身の為に生きてみたい』と」
「!?」
「『悪くない人生だった』という、お前の言葉も本心だろう。だが、それと同時に、復讐に身を焦がさず、世界の敵としてではなく、1人の人間として、生きてみたいと願っている」
「………何故、そんなことがテメーにわかりやがる」
「解るとも。ここはあらゆる『可能性』が生まれ出で、そして集約する場所。それに、他ならぬお前の願いだ、解らない筈がない。同時にお前の懸念も理解出来る。『
「…………」
「しかし、お前は既に元の世界の理の外の存在。故に、元の世界に干渉せずとも、お前の『願い』を叶えることが出来る」
「…なんだと?」
ラグナはこれまで蒼の言葉を意に介さないように振舞っていたが、ここでとうとうその殻が破れた。
「この世の理の外、全く違う世界の理の中で、『願い』を叶えるといい」
「…そりゃあ…異世界で生きろってか?」
「そういう事になるな。ここは果てであり、狭間であり、境界線。蒼へ至り、この世界の摂理から外れたお前1人を異世界へシフトさせる事など容易い。シフト先はお前と何かしらの繋がりを持っている世界に限るが…
その世界はこちらのシステムの一切の干渉を受けることはない。あるとしても、以前のように、当事者のみで収まり、互いの世界に干渉し合う事は無いだろう。
『ラグナ=ザ=ブラッドエッジ』という存在の消滅か、再始動か、お前の自由だ。選ぶといい」
そう問われ、ラグナは暫く目を閉じ、佇んでいた。ゆっくりと目を開けると、口角を上げ、不敵な笑みを浮かべた。
「……へっ、生きるか消えるか迫られて、消えるを選ぶ程、俺は人生悟っちゃいねーんだ」
「良いだろう。ならば、人生を再び歩めるようにするため、身体の成長を退行させる。しかしながら、短くない年月を生きたお前にとって、幼少まで戻される事は酷だろう?」
「ああ?そんなことする必要はねえよ。このままでいいじゃねえか」
「成人した柄の悪い身元住所不定無職の男が真っ当な人生を歩めるわけがないだろう」
「余計なお世話だよ!!
はぁ…もういい…テキトーにやってくれ」
「ではキリ良く15歳からとしよう。シフトする世界は、あの世界が良いだろう」
「その行く世界については教えてくんねーのか?」
「すぐに解る」
「そうかよ…」
ラグナが諦めたように首を振ると、小さな蒼の渦がラグナの目の前に現れる。
「そして餞別として、これを」
「!
こいつは…」
蒼の渦から出てきたそれは、ラグナが長い間扱ってきた大剣「アラマサ」だった。これは門の前に置いて来てしまった筈だったが、手との馴染み方から贋作ではないということが解る。
「ラグナ=ザ=ブラッドエッジ…お前の新たな人生が幸に溢れる事を、そして、お前自身の『可能性』を見出せることを祈る」
「ああ、ありがとよ」
ラグナが渦の中へ歩を進めると、目の前の蒼が深くなる。瞼を下げると、同時にラグナの意識は途切れた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
蒼の門の前、そこにツインテールをリボンで束ねた少女が現れた。溢れ出る優雅な雰囲気とは裏腹に、息を切らし、肩を上下させている。
「間に合わなかった…か…
でも、やはりここで何かがあった事は確かなようね…」
「レイチェル様、貴女様は随分と消耗していらっしゃいます。今は一刻も早くお休みになられた方が…」
その後ろを追って来たのは、燕尾服を着込んだ壮麗の老人、ヴァルケンハイン。しかし、レイチェルはその言葉に首を横に振った。
「いいえ、ここで何があったのかを確かめるまで休んでる暇は無い。それに、私の記憶からぽっかりと何かが消えてしまった感覚があるわ。大切な何かを忘れているような、そんな感覚がね」
それを聞いたヴァルケンハインは、観念したように眼を閉じ、レイチェルの気がすむまで好きにさせようと決めた。主君を心配する気持ちはあったが、「大丈夫」という根拠の解らない大きな自信があった。
「それにしても…何があったのかしらね…
それにこの剣…上手く言えないけれど、とても懐かしい感覚がある。これを使っていた『貴方』が…私が忘れてしまった人なのかしら?」
レイチェルが剣に触れる。少しずつ感覚を確かめるように両の掌を使って、剣を撫でた。すると、レイチェルの頰に涙が伝う。記憶を失っても、その失った記憶がとても暖かいモノであった事を証明するように、頰を伝うそれが示した感情は「悲しみ」ではなく、「喜び」であった。
レイチェルは涙を拭く事はせず、剣を抱きしめた。
「私から逃げられると思わない事ね。『何処かの誰かさん』」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ここは…森か?」
ラグナが再び意識を取り戻すと、鬱蒼とした森の中で、木に寄り掛かって座っていた。手元には、先程与えられた「アラマサ」が横たわっており、その傍には手頃な大きさの袋が置かれていた。
「なんだ?この袋…」
中には数字が書かれた大きさ、色が様々な平たいカード状の物の入った巾着、その他には簡易型の寝袋が入っていた。巾着に入っているものが、この世界における通貨である事はラグナにも察する事が出来た。しかし、それの価値がいかほどなものか測りかねる。
辺りを見回すと、ラグナがいるのは丘の上であり、緑茂る森が目の前に広がっていた。遠くの方には建造物も見える。
「ここが、俺がこれから生きる世界…か…
まずは、ここがどんな世界なのかだな。俺に繋がりのある世界だとか言っていたが…
ま、焦る必要はねぇ。せっかくの新しい人生だ。のんびり気ままに生きるのも良い。1度学校に通ってみるのもアリかもな。合わなきゃすぐにやめりゃ」
呟くと、遠くに見えるビルのような建造物へ向けて歩き始めた。「死神」として追われていた頃から1人旅をしていたが、あの頃は気の休まる暇などなかった。しばらくは気ままな旅も意外と良いかも知れないと、穏やかな笑みを浮かべていた。
日本語版と英語版どっちも見て、とても面白かったです。欲を言うなら、端折らないでノーカットな日本語版がHuluで見たいなぁ。
転生タグ付けた方が良いですかね?異世界にほぼそのまま移動した感じなので転生とは少し違うかなと思ったのですが…
今日は書き溜めてた数話を見直して一気に投稿しますが、不定期投稿になりますので気長に待って頂けると嬉しいです。
では、恒例の謝辞を
読んで頂き、ありがとうございました。