元全世界の敵のなんだかんだ奮闘記   作:天然黒酢

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筆が乗りましたので投稿します。

それから、補足事項があります。
アーガルムの孤児院の神父さんですが、今後の展開上、登場する機会が増えそうなので名前をつけました。
「グレイ・アンデルセン」という名前になりました。従って、神父→グレイに表記を変えている箇所が過去話でも数箇所ありますが、話の内容は全く変わっていませんのでご安心下さい。
オリキャラの名前は自分の中のイメージに沿って付けてます。
割と適当なこともあり、重要な意味を持たせることもあります。
その辺は話が進んできてからのお楽しみということで…

では本編をどうぞ


深まる謎

 

 アーガルムの村へと帰還したアトラス軍は、ひとまず拠点内で負傷者の手当をし直した後、再びブリーフィングを行う運びとなった。第4部隊のリーダーである兵士が、先ほどの戦闘について振り返る。

 

「正直に言って、戦闘力は想像以上でした。体躯は通常のベオウルフより一回り大きい程度でしたが、俊敏性(アジリティ)(パワー)体表の硬さ(ハード)の全てがまるで別種…

最後の棘の射出を含めて、隊長がいなければ、我々では抑えきれず、敗北は必至だったかと…」

「うむ。しかし、良く持ち直した。

捕獲には失敗したとはいえ、今回犠牲が無かったのはお前達の尽力の賜物だろう。そして、正しく彼我の力量を分析でき、自分力不足を認めることは成長の糧になる。

これからも驕らず励め」

 

 アイギスの言葉に、第4部隊の面々はしっかりと頷いた。

 

「しかし、グリムが人間を前にして逃走するとはな。今まででは考えられない事だ」

「ええ。ラグナの言っていた『行動原理が違う』ことも含めて、今までのグリムの常識とは、まるで違うと考えた方が良いかもしれません」

「うむ。そして話には聞いていたが…

いざ他のグリムを喰らっている姿を目の当たりにしたのは…中々にショッキングだったな…」

 

 アイギスの言葉に、兵士達は目の前で起きたグリムの捕食を思い出し、顔を青くした。

 

「森でグリムの姿が見られなかったのはやはり、あのベオウルフがグリムを喰らい尽くしていた、ということなのでしょうか」

「そう考えて相違あるまい。グリム同士で共喰いするのは不可解ではあるが、今後も捕食を続けるのであれば新しい場へ移動する可能性が高い。そうなると捜索範囲を絞るのは難しいな」

「ええ。一先ずは今回の位置から逃走方向に向けて捜索を続けます。少数での遭遇を避けるために、その都度捜索範囲を設定し、ある程度まとまって動きます。発見時は速やかにスクロールか照明弾にて連絡、接敵した部隊に、私かアイギス中将のどちらかを加え、戦闘を開始。他の部隊は逃走を許さぬよう、発見位置を円状に包囲しながら追い詰めます。

どの部隊でも対応できるように、今回の戦闘データを基に、能力や攻撃パターン、対処方法など、各自頭に入れておきなさい」

『Yes,Ma'am』

「以上で今日のブリーフィングは終了します。村の警備は各部隊で交代しながら自警団と協力して行ってください。村の外には機械兵を配備し、異変の察知に当たらせます。

それでよろしいですか?」

「問題ない」

 

 ウィンターの指示にアイギスが同意し、ブリーフィングが終わる。兵士達は部隊ごとに分かれて、先のベオウルフについて話し合ったり、スクロールで戦闘の映像データを食い入るように見ている。

 ラグナも自身のスクロールで映像データを再生するが、やはり気になるのは、魔素を感じ取った棘の射出前の波動だった。映像越しではもちろん、魔素を感じ取ることはできないが、何らかの予兆がないかと映像を繰り返し再生する。しかしーー

 

(波動が出た状況を考えると、自分の体内組織を活性化させて棘を射出したって感じか?

ダメだな…術式に似た痕跡でもあればと思ったが…

そもそも「術式」は魔道書(媒介)が必要で、周囲に魔素が充満してなきゃ発動しないんだっけか…)

 

 魔素に関する事象はいくつかある。一番一般的なのは「術式の行使」であるが、「術式」は魔道書などを媒介として、大気中の魔素を利用し、魔法のような効果を発揮させるものであるため、魔道書と魔素がない場所では発動が出来ない。

 次に「境界への接続」、「蒼の魔導書(ブレイブルー)」の使用がこれに該当するが、「蒼の魔導書」は擬似的な「窯」として力の根源である「蒼」から力を引き出している。境界にある「蒼」に次元を超えて接続しているため、駆動時は「蒼の魔導書」から魔素が漏れ出しているような状態になる。

 三つ目は「黒き獣」のような高濃度の魔素を持つ者の影響というものだが、あのグリム達からはそこまで強烈な魔素を感じ取れないことから、現時点ではありえない事である。

 

(前のアーサを倒した後に感じた事や、今回波動として感じ取った事、大気中には魔素は感じられなかった事を考えると、あのグリム達は体内に多少の魔素を持ってて、身体能力向上や活性化の術式みたいなものが使えるってことか?

蒼の魔導書(この右腕)」みてえに身体自体が魔道書の役割を果たしているのか、そもそも術式とは違う別の何かなのか…)

 

「---ナ、ラグナ?」

「うおっ!?」

 

 思考に没頭しすぎていたためか、ラグナは自身を呼ぶ声にビクリと肩を震わせた。視線を横に向けると、少し驚いた顔をしたウィンターとアイギスの姿があった。

 

「何やら考え込んでいたようだが、大丈夫か?」

「あ、ああ、大丈夫だ。ちょっと棘の射出について考えてた」

「丁度良いです。我々も、あのグリムの特殊行動について先ほど話していました。射出後、すぐに棘が生え変わっていた事を考えると、あのグリムは再生能力に近い能力を有しているのではないかと」

 

 ウィンターの考察は、ラグナの魔素に絡めた考察と遠からずなものであったため、ラグナは頷く。

 

「そう考えていいと思う。射出前の咆哮と同時に出た波動については?」

威嚇咆哮(ウォークライ)の一種だろう。現に我々はあれで怯んで、隙を見せた」

「波動については疑問が残ります。グリムは闇の神だけに作られた影響で魂を持たず、オーラは使えないはず…」

 

 ウィンターの呟きに、3人とも押し黙る。魂を持たないグリムはオーラを使うことはできない。それはハンターの間では、授業でも習う常識とも言うべきものだ。しかし、グリムに関してはまだまだ未解明な点が多いのも事実。ラグナのソウルイーターが、グリムから生命エネルギーを吸収することが出来る事を考えると、グリム独自の言うなれば「闇のオーラ」と呼ぶべきものがあっても、なんら不思議ではない。

 ラグナはそのことを話そうとしたが、留まった。

 

 この仮説を話すためには、ラグナのドライブ能力である「ソウルイーター」とその源泉たる「蒼の魔導書」について話さなければならない。オズピンの話から、どこに敵の手先が潜り込んでいるか分からない以上、オズピンにすら話していない自身の能力について、易々と話すのは憚れたのである。

 

「また一つ、あのグリムを捉えなければならない理由が増えたな。

よし、今日の話はここまでだ。ラグナ、明日からは捜索範囲が広がる故、お前の案内に頼る場面が増える。

休める時に休んでおけ」

「了解だ、じゃあ、また明日」

 

 アイギスがパンッと一つ手を鳴らし、話を切り上げる。ラグナが返事をし、天幕を出ると辺りはすっかり暗くなっており、家々や店の灯りが灯っていた。一旦、孤児院へと戻ろうと道を歩く。

 

「ラグナ~!」

 

 自身を呼ぶ声が聞こえ、声の方へと顔を向けると、それぞれ手を振っている孤児院の子ども達と穏やかに笑う神父の姿があった。ラグナが歩み寄ると、子ども達は満面の笑みでラグナを取り囲む。

 

「お仕事、終わった?」

 

 アイリの問いに「ああ」と返事をすると、子ども達は各々で喜びを露わにする。

 

「よっしゃー!ラグナ、また剣の特訓付き合ってくれよー!」

「アレン!今日は私が勝ち越したんだから、先に見てもらうのは私よ!」

「ラグナ、僕も剣の稽古してみたい」

 

「みんな、ラグナ君もお仕事終わりで疲れてるでしょうし、あんまり我が儘を言うものではありませんよ」

 

 思い思いにラグナに甘える子ども達を、神父はニコニコしながら宥める。ラグナも穏やかな顔で、子ども達の頭を撫でながら問いかける。

 

「お前ら、飯は?」

『まだ!』

「じゃあまずは飯にするか。酒場でいいか?」

 

 子ども達はラグナの問いに元気よく頷くと、酒場へ向けて走り始める。ラグナは神父と共に子ども達の後を追いかけるように、酒場へと向かうのだった。

 

 

 





少し短いですが一旦ここまで。書きたいことが多すぎて、1話にまとめると話がごちゃっとしそうなので。

PS5、修理中です…

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私自身のキャラ理解向上の為、コミュニティにて皆さんのRWBYの推しキャラと推しポイントを書いて頂けると嬉しいです。同時に、皆さんの交流の一場所になれば幸いです。

では、恒例の謝辞を。
今回もお読みいただきありがとうございました。
また次回。
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