いずれ刃が届く日を……   作:ケツアゴ

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取りあえずコカビ決着まで

騎士のキャラクター募集中です

今回、原作キャラがセリフ無しでフライング登場? します 主人公達の影響があった

アイリスの投稿者さんが消えてて名字を忘れたのに困った


第三話

 一人の少女が今、屈辱に身を震わせていた。自由に身動きすることを禁じられ、高い矜持を抑えつけられて歯を食いしばって上目遣いに睨み付ける。

 

「憶えておきなさい。この屈辱は百万倍にして返してあげる」

 

 それでも声は彼女のプライド故か優雅さと余裕があり、上から押さえつけられ身動ぎもままならぬ状況でさえ上から目線、自分が上位者だと語っていた。

 

「いや、今の君の姿じゃ迫力無いよ?」

 

 

 ただし、『私は無断侵入した駄目な子です』と大きく書かれたプラカードを首から下げた状態で正座させられているので色々と台無しであったが。そんな彼女の肩を時折押さえつけつつ、先程からお説教を続けるエルゥは呆れ顔だった。

 

「君には前に言ったよね? 親しい人の家でも勝手に入るものじゃないって」

 

「あら、そうだったかしら? 憶えてないわね。……そんな事よりさっきから君って呼んでるけど不快だわ」

 

 呆れた様子でお説教を続けるエルゥに対して開き直った少女は意に介さず、逆にある事に文句を付ける。この時になって彼女は少女らしい拗ねたような表情を見せた。先程までの氷の仮面を思わせる冷たい表情が嘘のようである。

 

「はいはい、ごめんね、メルト」

 

 仕方ないなと、保護者のような表情で名を呼ぶと少女の口元が僅かに緩み、慌てたように顔を逸らして傲慢な笑みに戻るも時既に遅しである。第一、そのような姿何度も見られている。

 

「ええ、それで良いの。第一、私の方が立場は上よ? 年齢とか駒の価値なんてくだらない基準は認めないわ。ほら、お説教が終わりなら立つ手伝いをして。誰かさんのせいで足が痺れてしまったわ。きゃっ!?」

 

 あくまで優雅に傲慢に自らの欲求を突き付ける少女だったが、エルゥが一切の前置きも遠慮も躊躇も無しにお姫様だっこで持ち上げると途端に可愛らしい悲鳴が上がった。

 

「メルトは軽いね。ほら、アズリィさんがお茶の用意をしているから行こうか、世界一美しいプリマドンナ」

 

「言っておくけど、当然過ぎて誉め言葉になってないし、その程度で私が喜ぶと思ったら大間違いだから。それとリップと比べる自体が間違いよ。この無駄のない体と駄肉塗れの体を一緒にしないで欲しいわ」

 

 口説き文句かと思う言葉を投げかけられてもメルト、本名メルトリリスはさも当然のように表情を崩さない。この言葉から分かるようにリップとは姉妹で顔もよく似ているが浮かべる表情が大違いだ。リップは気弱でオドオドしているが気は優しく、メルトは自信に満ちているが冷たい印象を受ける。

 

 服装も臍の周囲を露出した袖が長めのコートとビキニアーマーの下部分のような露出度が高いもので、袖をベルトで止めて手が出ないようにしていた。更に印象的なのは足の部分。金属で出来た防具に覆われ、膝には突起物、足の裏には刃物と鋭利な凶器が備わっていた。だから床は傷だらけだが魔力で直せるから問題はない。

 

 後、体型に驚異的な違いがある。何処とは言わないが、凄く驚異の差があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あっ、特に興味はないけど教えて貰えるかしら? 世界一美しいってのはプリマドンナの中で? それとも世界一美しい且つプリマドンナって事?」

 

「どっちかはメルトの想像に任せるよ」

 

 興味がないと言いつつも興味津々なのは見え見えであり、エルゥはこうなる事を予想して先程の言葉を言ったのか実に楽しそうに笑う。完全に手玉に取られているメルトであった。

 

 

 

 

 

「アステリオス君やリップちゃんを見ていても分かるけど、貴方達は本当に仲が良いわね」

 

「あら、それは見当違いよ。エルゥは私の所有物だもの。こうして私を膝に乗せて私の口に食べ物を運ぶのは当然の事よ」

 

 アズリィが用意したアイスティーとアップルパイを食べる二人だが、メルトは異形の腕故に食べさせて貰っているリップと違って腕は普通だが、研究の影響か神経障害によって指先を中心に触覚の低下が生じているメルトもエルゥが食べさせている。膝の上に乗るのは別の話と思われるが。ちなみにリップは自らの体重を考慮し自重していた。

 

 パイを切り分けて口に運び、飲み物を所望されればストローを近付ける。甲斐甲斐しく世話を焼いていたエルゥはふと思い出した事を口にする。

 

「それで急に来た理由は何だい? またガレージキットでも買った?」

 

「ええ、そうよ。貴方は私専属のガレキ職人なのだし、面倒な仕事を終えて帰った私を出迎えて通販で届いたガレージキットを造りなさい。……ちゃんと私の命令を聞いて所有物としての役割をこなすなら私が極上の快楽で満たしてあげる」

 

 向きを変えて甘く囁くメルトとエルゥの顔は近距離で、少し動けば唇が触れ合う。キスをしたいならしても良いと、怪しく微笑みながら目で語るメルト。だが、誘惑に負けて向かう先には全てを溶解(とか)す甘い(どく)であるとエルゥは知っていた。

 

(若いって良いですねー)

 

 そんな遣り取りを間近で見せられながらアズリィは紅茶を飲んでしみじみ思う。年齢を指摘されるのは嫌いだが、別に年寄りだと自覚していない訳でもなく、二人のことは他の面々も合わせて幼い頃から見守っているので微笑ましく感じていた。

 

 

 

 

「はいはい。前向きに検討しておくよ。君の姉妹達にも同じ様な事を言われたし。……皆、少し僕に依存してるよね」

 

「……ふん。答えなんか待つまでもないのだけど特別に待っていてあげるわ。感謝して今すぐ平伏しなさい」

 

「今平伏したらメルトが落ちると思うけど?」

 

 だから最後にエルゥが台無しにするのも予想がついていた。彼のスルースキルのランクは非常に高いようだ。

 

 

 この数日後、レーティング・ゲームに負けたリアスが結婚することになるも兄である魔王サーゼクスが余興として開いた決闘で一誠が勝利、報酬としてリアスの婚約破棄を成し遂げた。伝説のドラゴンを使って我が儘姫が好き勝手したと関係する貴族達は眉を顰めるも、派閥が違うグシャラポラス家には特に影響がないのでスルーである。

 

 そんなこんなで更に日が経ち球技大会も控える頃にはエルゥも日本の学校に慣れていた。合間合間に冥界に帰ってゼファードルを殴ったり、屋敷の事務仕事を取り仕切ったり、リップの足の指にマニキュアを塗ってあげたり、ゼファードルを蹴り飛ばしたり、剣の師である陥れられて追放された伝説級の元悪魔祓いに稽古を付けて貰ったり、ゼファードルを片手で締め上げたり、メルトとフィギュアの発表会に行ったり、アステリオスと一緒にアイリスの歌を聴いたり、と平和で何気ない日常を送っていた。

 

 

 

 

「失礼するわ。頼まれていた物を……あら、力比べだなんて随分と仲が良いのね」

 

 そんなある日の事、同じ学園に通う悪魔としてソーナが新人眷属を連れてリアス達の拠点である旧校舎にやって来たのだが、アーシアに馴れ馴れしく接して手まで握った匙の邪魔をした一誠は握手に見せかけて相手の手を握り潰さんと互いに力を込め合う。主二人が呆れて止めようとした時、響いたアイリスの声に皆の意識は奪われた。

 

 魔性、魅惑、彼女に相応しい賞賛の言葉はこういった物のようで、不足しているように思える。見た目は幼くも美の女神を思わせる美を持ち合わせ、完成された偶像と呼ぶべき妖艶なる少女。その姿に一誠達男性陣だけでなくアーシアや匙と共に連れられてきたソーナの兵士の少女でさえも見惚れてしまう。

 

「えっと、確かアイリスだったわね?」

 

「ええ、社交界で会ったばかりね。エルゥが急用で冥界に戻ったから代わりに私がこれを持ってきたの。アズリィ謹製のマジックアイテム『魔眼殺し』。例の子と同様に魔眼のコントロールが出来なかったアナという子も使っているし効果は保証できるわ」

 

 スカートの端を摘まんで優雅にお辞儀をしたアイリスが差し出したのは一見何一つ変哲のない眼鏡。度は入っていないようだ。

 

「そう。これを使えばあの子を出してあげられるのね」

 

「でも、道具に頼りっきりじゃ意味がないわ。落としたり壊れたりはするもの。アナだってそれを使いつつコントロールの特訓をしてたわ。……エルゥが言うには過剰な力を吸い取る能力や神器の持ち主が必要だそうけど、ウチの所のは忙しくって手伝えないわ。……黒い龍脈(アブソープ・ライン)の所有者でも居れば手伝って貰えるのだけど」

 

 アイリスの言葉に対し、ソーナは匙に視線を向ける。彼が宿す神器こそがその黒い龍脈(アブソープ・ライン)であった。




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今月はfate関連コミック出過ぎ 月末って正気ですか!?
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