いずれ刃が届く日を……   作:ケツアゴ

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最近某動画サイトで英雄の証の歌詞付きや替え歌のオトモの証を聞いてPS3のモンハン3を再開……適当に選んだボルボロス上位亜種に三落ち モンハンは久々だし下位にすれば良かったよ


第四十話

 ルチルの朝は早い。日の出の時刻(と言っても冥界に太陽はないのだが)と共に高級猫用ベッドから起き、器用に猫用の櫛でブラッシングを行った後で庭に出る。目指すのはルチル用に誂えられた修行場だ。

 

「ウニャー!」

 

 先ず、木に吊した丸太を前足で強く押し、勢いよく戻ってきたのを受け止める。この丸太だが硬度は鋼鉄を遙かに凌ぎ、重量はトンを越えている。其れが大きく押し出され、勢いよく戻ってくるもルチルは僅かに後退しただけで臆しも慌てもせず平然と受け止めた。生半可なドラゴンの一撃にも匹敵する威力の丸太を何度も受け止め、今度はまたしてもトンを超える重量の斧を振るって丸太を割る。

 

「そろそろ行きますニャ」

 

 訓練メニューをこなした後、予め用意してあった装備に身を包んだルチルは単身森の中に転移し、魔獣蔓延る深い森の中を突き進む。直ぐに遭遇したのは金属に匹敵する硬度の外皮を持つ猪。涎をだらだらと垂れ流し、突進の動作を取っているこの魔獣は中級悪魔では少々手こずる強さだ。

 

「えいニャ!」

 

 だが、突進を始めたタイミングでルチルが手にした斧が脳天に叩き込まれ刃が脳に達するともんどりうって倒れ込む。その首に短刀を突き刺して血抜きを行ったルチルは猪を引きずりながら次の獲物を探しに行った。

 

 

 

 ルチルの種族であるアイルー族は猫に似た小さくか弱い生き物だが、時にハンターを志し武具を纏って人間のハンターと共にモンスターを狩る者が居る。アズリィでさえも原理が解析不可能で本人達もよく分からずに使う不思議な道具とモンスターの素材で作られた武具防具を装備してハンターの元で学んだオトモアイルーはやがて一人前のハンター、ニャンターとなり、時に伝説級のドラゴン、国すら滅ぼしうる古龍をも打ち倒す者すら居るという。

 

 

「あっ! 良さそうなの発見ですニャー!」

 

 ルチルが見つけたのは翼を持たない地龍と呼ばれるドラゴン。全身が鉱石のような鱗に覆われていて上級悪魔にすら匹敵するのだが臆さずに向かっていく。食いでがないと無視して後ろを見せのそのそと立ち去ろうとする地龍の興味はルチルに一切向いておらず、左右に振られる巨大な尻尾に何かを投げられても反応もしない。……その投擲された巨大ブーメランで尻尾が切りとばされるまでは。

 

「また生えた頃に来ますニャー!」

 

 慌てて逃げ出す地龍に対して前足を振って恐ろしいことを嬉しそうに告げながらルチルは左右に飛び跳ねる。これがルチルの日課であった。

 

 

「旦那さん、喜びますかニャー?」

 

 基本的にルチルは武器を持っての戦いは好まない。性質ではなくニャンターとしての誇り故にだ。だからこの様に狩りで見せる強さを知る者は少ないのだった。尚、キレた時もかろうじて武器は使わずに爆弾や爪を使っての戦いしかしないのだが、最上級悪魔クラスに有効なダメージ量を必ず与えられるのだから脅威には変わらないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

「見つけた……」

 

 そんなルチルを木の上から伺う人影が一つ。豊満な肉付きの身体に着崩した着物からはみ出た尻尾、そしてネコミミと未だに爆弾の影響でチリチリになった黒髪。SS級はぐれ悪魔の黒歌だ。彼女は何かを企んでいるかの様に笑みを浮かべ木の上から軽快な動きで飛び降りる。

 

 

 

 

 

「あっ、何か居るから肥やし玉投げときますかニャ」

 

「あぎゃっ!?」

 

 瞬時、大リーグのエースも真っ青な速度で投擲された物体が顔面に直撃、破裂と共に悪臭漂う物体が黒歌の顔面に粘り着く。肥溜めからする臭いをゼロ距離で嗅いだ彼女は見事に体勢を崩して顔面から地面に落下し、激突と同時にオマケとばかりに投げられた小タル爆弾が連続で爆発した。糞だり蹴ったり……いや、踏んだり蹴ったりである。

 

 

「これ、連れて帰った方が良さそうだけど、臭いから触るの嫌ですニャ……」

 

 

 再びアフロになってピクピク痙攣しながら気を失っている黒歌に風上から近寄りながら呟くルチルであった……。

 

 

 

 

 

 

「あっ、そうそう。君に勲章を授与するのが決まったよ。最上級悪魔に一歩近づいたかな?」

 

「主の家への忠義など諸事情により辞退……は無理ですよね」

 

 不定期にゼクラムに呼び出されているエルゥだが、今回の話の内容は嫌だったのか何とか顔に出すのを堪える。武勲を讃えて授与される勲章など貰っては出来レース有りとは言え武を競い合うレーティングゲームに王として出場しないという選択肢が取りづらくなる。諸々の事業に関わる身としてはごめん被りたかった。

 

 

「悪いが無理だな。下が喜ぶ明るい話題が欲しいし、プロパガンダを担うのも勤めの内だ、諦めなさい」

 

 そんなエルゥの内心を理解しながら切り捨てるゼクラム。彼自身、先日の王の駒の一件で忙しいので八つ当たりが籠もっているのかも知れない。あれはエルゥの予想通り昔から存在し、大王家に忠誠を誓った者へ極秘の褒美として渡していた物だ。……だが、リゼヴィムが得意の煽動に利用しかねないので最近作られた事にし、今後は適性検査をしている様に見せかけて渡すことにしていた。

 

 

 

 

 

「ふむ、例の話も進んでいるし、アビゲイルの件も視野に入れた方が良いかな?」

 

 エルゥが去った後、既に王の駒を使用している数人のゲームトップランカーから届いた問い合わせ状を一瞥して灰皿に乗せて火をつける。権威向上の役に立ちはしたものの、王の駒の存在と同時に彼らの使用が広まる事態が起きるよりは、もしかしたら程度の押さえ込むのは簡単な噂程度で済ませた方が良いと分からない者には適当な対処で十分だと考える。隠していた場合、リゼヴィムが利用するのは明らかだったからだ

 

「さて、万が一にでも暴露する者が出た場合に備えて醜聞を用意しておこう。裏切り者のデマ工作と切って捨てるのも楽ではないな、まったく」

 

 老獪な悪魔は暴露に至る動機がありそうな者のリストに目を通す。旧魔王にかしづきそうな者の他にゲームを神聖視して不正に対して騒ぎそうな者達。無論、社会的影響力が大きい者に限るが、その中には不動のチャンピオンの名前もあった。

 

 

 

 

 

 

「うむむ! 相変わらず見事な腕前だナ。これなら三日後の酒池肉林の準備などアタシに掛かれば朝飯前だと断言しよう! まさにキャットにゴールデン猫缶である!」

 

 ルチルが持って帰った獲物の山を目にした料理長のキャットは感心したように山を見上げ、最後に足に縄を巻き付けて引っ張って連れてこられた黒歌に視線を送った。

 

 

 

「猫系の和服とは……不倶戴天、キャラ被りである!きっとキャット同様にブレブレで意気投合しそうな気がするゾ!」

 

「意味が分かりませんニャ……」

 

 恐らくキャット自身にも分かっていない。

 

 

「あっ、そうそう。エルゥだが、メルトに部屋に連れ込まれたから暫くは探さない方が良いゾ? 馬に蹴られて三千里は勘弁だからナ」

 

 

「そうそう。ちょっと気になってたから答えなさい。ちゃんと答えたらご褒美をあげるわ」

 

 キャットの言葉の通りエルゥはメルトリリスの自室のベッドの上で仰向けに寝転がり、部屋の主である彼女は上に跨がって楽しそうに彼を見下ろしていた。

 

 

 

 

 

 

「第二婦人って誰にするの? ヴァイオレット? リップ? まあ、長女だし顔を立ててBBで良いんじゃないかしら?」

 

 まるで自分が第一夫人なのは決定事項の様に語る彼女に対してエルゥは返答に困る。多分何を言っても面倒な事になるからだ。




感想お待ちしています」


聞いた話じゃ古龍を倒すニャンターの設定が有るらしい
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