ベル君に憑依して英雄を目指すのは間違っているだろうか?   作:超高校級の切望

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番外の章 正史クロス③

「………本当に、すげえ食うな」

「もうデザートに入りましたよ。うぷ、見てて胸焼けが……」 

「体型はベル殿と大差ないのに、向こうの『ベル』殿はどこに入っているんでしょう」

 

 『ベル』の喰いっぷりにヴェルフ、リリ、命が呟く。春姫もベルもヘスティアも同じように驚いてたが。

 

「こんくらいで一々驚いてんじゃねぇよ。此奴、数日寝込むと起きてすぐ黄昏の館の食料食い尽くすからなぁ」

「この前も凄かったですからね………戦争遊戯(ウォーゲーム)の後、パーティーに備えて買っていたのに延期になりましたし……」

 

 『ベート』の言葉に『レフィーヤ』がちょっと前のことを思い出す。彼が目覚めた後直ぐに祭りで、街の食料はほとんどそちらに使われたからパーティーはさらに延期になった。

 

「ん? でもいくら祭りに使ったからってなくなったりはしないんじゃ………」

「祭りの主役が特別無料だったからな……」

「ああ、アステリオスはよく喰うからな。ウィーネも……つーか異端児(ゼノス)達が基本初の人間の料理に夢中になりすぎてたから……」

「いや、『ベル』君も食いすぎだったからね?」

 

 さらっと他人の行ったこと扱いしようとしている『ベル』に呆れる『ヘスティア』。

 

「………ん? え、異端児(ゼノス)!?」

 

 ベルが思わず叫び、周りの客がなんだなんだと此方に視線を向ける。フィンは目を細めると懐から大量の金貨が入った袋を取り出す。

 

「ミア、すまないが今日は貸し切りにしてもらいたい」

 

 

 

「最初の質問だ。君たちの世界でも、異端児(ゼノス)は確認されたのかい?」

「ああ」

「おう」

「うん……」

「「はい」」

「そうさ」

「したよー」

 

 『ベル』『ベート』『アイズ』『リリ』『レフィーヤ』『ヘスティア』『ティオナ』は迷いなくフィンの言葉に同意する。先ほど半年で、と言っていたことから、『ベル・クラネル』が『オラリオ』に来たのはそれぐらいなのだろう。こちらのベル・クラネルも似たような時期に来た………なるほど、つまり似たような流れをたどっていると言うことか。そもそも『ベル』とベルぐらいしか違いがなさそうだし、しゃべり方こそ違えど先ほど漏らしたウィーネという名……人間性がそこまで大きく変化しなければそんなものだろうか?

 

「しかし祭りの主役、か………つまり彼等が地上に住むことが許され、その式典と言うことかい? 君自身もと言うことは、君が手を回して………」

 

 フィンの言葉にベルは『ベル』を見る。その目に映るのは、羨望。話を聞き、町並みを思い返す。異端児(ゼノス)は何処にも居なかった。つまり、此方では認められていないという事。

 

「すごいんだね、『僕』は……僕には、出来なかったのにな」

「俺はただ、娘と一緒に暮らしたかっただけだよ」

「娘……? そっか………え、娘!?」

 

 さらりととんでもない情報が暴露された。娘が居るのか向こうの自分は!? ん?でもそれと異端児(ゼノス)に何の関係が?

 

「ウィーネの事だよ。神に嘘は通じないからな……俺を父と呼ばせて『俺を父と呼ぶ娘が現れた。ファミリアに迷惑もかけられないから少し離れる』って言ったんだ」

「な、なるほど………」

「え、でもそんなの『娘出来る心当たりがあるの?』って僕かロキが聞けば終わりなんじゃ………」

「あるからな。心当たり………」

「…………へ?」

 

 ヘスティアの言葉に視線を泳がせながら言う『ベル』。神の視点から見て、嘘は………ない!?

 

「えええ!? ぼ、『僕』って、子供が出来るような事したの!?」

「傭兵やっててもガキじゃ雇われないことも多いからな。金が必要な時、年下好きの女に体売ってた…………」

「うおぉう、そんな……同じ見た目なのに向こうの『ベル』君は、そんな………ぼ、『僕』としてはどうなんだい!?」

「うーん。まあ、オラリオに来てからはせいぜいデートぐらいしかしてないし、子供が傭兵で生きてくのは大変だろうし……」

 

 処女神である『自分』に別世界の『眷属(ベル)』がそれで良いのかと問うヘスティア。『ヘスティア』は迷いながらも愛する我が子(眷属)のあり方を良しとした。

 

「まあ『僕』が良いって言うなら、僕からは何もないけどさ………」

「こ、こここ……子供なんて、不潔です!」

 

 そう叫んだのはレフィーヤだ。エルフらしく、高潔な精神を持っているらしい。

 

「そ、それも、お金とか……そんなことのために───!!」

「そうしなきゃ生きてけなかったからなぁ。まあ、平穏に生きようと思えれば良かったんだろうが………あの頃の俺に『強くなる以外』の選択肢がなかったからなぁ………」

「…………どうして?」

 

 アイズが尋ねる。何故強くなりたいのか、と。チラリと『アイズ』を見たのは、自分の中にある感情を再確認したかったのだろう。それが『ベル』にもあるのか気になったようだ。

 

「守れなかった奴がいて、この先守れる力が欲しかった………俺が奪ってしまった場所にいた奴なら、きっとたくさん救えたのにと思っていた………」

 

 そう言って遠くを見つめる『ベル』は、微笑を浮かべる。

 

「まあ、好きに生きろって怒られたけどな………」

「なら、これからどうするの?」

「もちろん好きに生きるさ。恋して、愛して、新しいものを見て、喜んで、誰かを守って誰かを助けて誰かを救う。そのために力が必要だから強くなる。それも俺の、俺自身の願いだから」

 

 『ヘスティア』『リリ』『レフィーヤ』『ティオナ』『アイズ』が微笑み『ベート』がふん、と鼻を鳴らす。

 

「そっか………君は、強いね」

「お前も強いさ。何せ同じ【アイズ】なんだしな」

「そっちの私、強い?」

「強いぞ。なんせLv.7だからな」

「…………え?」

 

 Lv………7? と『アイズ』を見る一同。

 

「『ロキ・ファミリア』じゃ『フィン』、『リヴェリア』、『ベート』がLv.7の超一級冒険者だな。あ、傘下の俺は7だ」

「私はまだ5ですけどね……」

「5!? そっちの私は、5なんですか!?」

「ああ、『リヴェリア』に勝ったのが大きかったんだろうな。ランクアップした」

「リヴェリア様と!?」

「ほう、私に………」

「ま、まあ……『ベル』が居なければ勝てなかったでしょうけど………」

 

 『レフィーヤ』が『自分』を倒したと聞いて興味深そうに『レフィーヤ』を見るリヴェリア。『レフィーヤ』は照れくさそうに言うがエルフの女王であるリヴェリアと何故争うことになったのかと呆然とするレフィーヤ。

 

「なんで『リヴェリア』様と争うことになってるんですか!?」

「えっと……『ベル』が異端児(ゼノス)達のために【ロキ・ファミリア】に敵対したから!」

「というか世界に喧嘩売ってましたよね、『ベル』……」

「本当にね、僕がどれだけ心配したか」

「とか良いながら、『ヘスティア』様実は喜んでましたよね? 『ベル』が初めて自分の心の底からやりたいことを選んだ、って…」

「むう……」

「ま、その結果負けたけどなぁ………温情で願いを叶えてもらって、恥ずかしいったらありゃしねぇ」

「『ベート』だって俺に負けたろ」

 

 レフィーヤの叫びに『ティオナ』が応え『レフィーヤ』、『ヘスティア』、『リリ』が呆れたように肩をすくめ『アイズ』も過ぎたこととはいえ、発端を思い出したくないのか微妙に眉根を寄せ、『ベート』がはん、と鼻で笑う。ムッとした『ベル』の言葉にああん? と睨み付け『ベル』も睨み返す。

 

「ありゃ俺に魔法のブランクがあったからだ。次やりゃ俺が勝つに決まってんだろ兎ぃ」

「負けた言い訳してんじゃねーよ。訓練であれ以来負けた数のが多いが何でもありなら俺のが強いんだよ犬っころ」

「はいはいそこまで。全く君達は本当に負けず嫌いだなぁ……」

「『ベート』が突っかかってくるからな」

「ああ? あの後白星多いのは俺だろうが『ベル』……」

「君達それが発端で本気で勝負して鍛錬場ふっ飛ばしたの忘れてやいないかい?」

「「………………」」

 

 『ヘスティア』の呆れたような視線に無言で顔を逸らす二人。

 

「くそが。こうなったら明日はダンジョン潜んぞ…………」

「あー、モンスター撃破数で競うのか」

 

 この二人仲良いのだろうか、悪いのだろうか? そんな疑問を持つ一同。

 

「『ベル』、『ベル』……私もいって良い?」

「あたしもいくー!」

「リリは残りますよ。勉強したいので……あ、でもこっちのリリは【ヘスティア・ファミリア】でしたか……」

「ああ、『リリ』君は【ロキ・ファミリア】の書庫で兵法書とか読んでるんだっけ……」

 

 『アイズ』が付いていきたいと言えば『ティオナ』もついて行くと言い出し『リリ』は地上に残ると言うも此方の自分の所属を思い出し迷う。

 

「あの……出来れば向こうの世界で何があったか詳しく教えてもらいたいんだけど」

 

 フィンの言葉に『ベル』達はあ、と思い出したように呟き、『レフィーヤ』がそんな一同の様子に溜息を吐いて語り出した。向こうで起きた、世界最大規模の『戦争遊戯』(ウォーゲーム)についてを……。




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アルテミス様とフィルビスをどうしよう

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