ベル君に憑依して英雄を目指すのは間違っているだろうか? 作:超高校級の切望
祈祷の間に3柱の神々が集っていた。
何時も通りヘラヘラとした顔を崩さないヘルメスと、そのヘルメスを睨み付けるロキとウラヌス。
「………弁明を聞こう」
「必要ないやろ。さっさと天界に送り返そうや……」
ウラヌスの言葉にロキが吐き捨てるとヘルメスは肩をすくめる。
「おいおい、確かに神がダンジョンに潜るのは重罪だが、強制送還程ではなかったはずだぜ? 俺のファミリアのランクなら。ある程度は上げておいて助かった」
「けどお前、意図的に神威放ちよったな?
「彼処は18階層、それに【ロキ・ファミリア】もいた。万に一つも負ける可能性はないだろう? 後
「ミノタウロスの件だけは信じたる。ベルっちが言っとったしな……せやけど、マジックアイテムの貸し出し、階層主の召喚、これを行った理由はなんや」
嘘は許さんと睨みつけてくるロキ。その威圧感は並の人間なら気絶するほど。
「実力を見てきてくれって頼まれたんだよ。聞けばオッタルとやり合ったらしいじゃないか。なら、マジックアイテム渡した冒険者一人じゃ足りないと思って数を増やして、それでも不足だったから」
「ふざけとんのかお前」
「しかしウラヌス、貴方はある意味喜んでいるのではないか? あのミノタウロスを見たろ? 明確な理知を宿しかけていた! あれは間違いなく『彼等』になるぞ!」
「彼等? おい、何の話をしとる」
「……貴様。私を脅す気か?」
「まさか。私と貴方の仲だろう。ただ、私は『彼等』より彼の方を優先したいだけさ」
「…………良いだろう。今回の件は不問としてやる。後はロキと話すが良い」
今回の騒動をウラヌスが不問にした。あのウラヌスが、だ。相当知られたくないらしい。これはどうあっても口を割らないだろう。自分の知らない何かがあるというのは気に食わないが時間の無駄だろう。
「ロキにはそうだな。ベル君に干渉している何かが干渉できなくする方法を教えるから勘弁してくれ」
「………………あ?」
ビキリと青筋が浮かぶロキ。ヘルメスの言い方が確かなら、ヘルメスはベルを評価しながらも、そのベルを蝕む何かを放置すると言っているのだ。理由として思いつくのは、『ナニカ』とヘルメスの目的が一致しているという事か。
そして方法を教えると言っているがその方法がロキに出来ないとは言っていない。
「もちろん今回の件を不問してくれるならだけどね。実際俺が呼んだゴライアスは君の
今すぐぶち殺してやりたいが、ベルの件に関してはロキも知りたいのでグッと堪える。
「どんな方法でも今回の件で何も言わないと約束してくれるなら教えてやるよ」
「何時か絶対潰したる。アスフィたん改宗させる準備しとけや………で、方法は?」
「Lv.を上げることさ。
「ランクアップやと………! お前、マジで何時か殺す! ちゅーか………成る程。あの時のあれは………おい、後一つ聞かせろ」
「なんだい? 情報は出来るだけ小出しにして交渉に取っておくのが俺のポリシーだけど。まあやりすぎた自覚はある。一つだけね」
「ベルの祖父は……彼奴か?」
「………今まさに君が思い浮かべている神物で間違いないよ」
「さよか………」
だからベルは【アリア】に娘が居ることも知っていたのか。しかし外界の神に悪神である自分、ヘスティアに加えヘルメスと色ボケ女神……そしてあの大神。
「ベルっち神にモッテモテやなぁ………」
そして今回のランクアップ。更に多くの神がベルを欲しがる。弱味となるものは見せていないつもりだが、果たしてどうなるか。
「後ベルについてアポロンと話したいんだけど良いかな?」
「あん? あの変態にか………まあ彼奴なら
「ベル君の祖父の情報も上げたしさ、アポロンの奴がどんな反応しても許してくれよ?」
「まあ、彼奴がどんだけ喚こうとも潰せるしなぁ………けど駄目や。余計なことをアポロンが知ったらお前んとこ共々潰す」
残念と肩をすくめるヘルメス。
「じゃあアポロンが知ってることを祈るよ」
「何か言う気だった事隠す気なしかい。夜道には気をつけるんやでー……特に背中」
「おーい、団長君、副団長君、ロキ~、ベル君のステイタス持ってきたよ~」
『Lv.4
力:I0
耐久:I0
器用:I0
敏捷:I0
魔力:I0
耐異常:C
精神安定:A
技能習得:S
鍛冶:E
精癒:G
幸運:G
思考加速:G
狩人:G
火傷無効:H
《魔法》
・
・発動対象は術者限定
・発動後、半日の
・詠唱式【呪われろ呪われろ偽りの英雄。救えもしない無力な力で試練に抗い煉獄へ堕ちろ】
【エルトール】
・
・雷属性
・速攻魔法
【アンチ・カース】
・解呪魔法
・呪詛、結界魔法の破壊
・詠唱式【砕け散れ邪法の理】
《スキル》
・早熟する。
・向上心の続く限り効果持続
・力を欲する理由を感じるほど効果向上
・敵対時に於けるチャージ実行権
・自己ステイタスの閲覧可能
・討伐モンスター図鑑自動作成
・マップ表示
・索敵
・アイテム収納空間作成
・肉体の修復
・体力、魔力を消費する
・精神への干渉を拒絶する
・術者との実力差によって変動
・受ける、受けない選択可能 』
「発展アビリティ一つか。てっきりもっと増えるかと思ったけど」
と、フィンが言うとロキはんー、と頭をかく。
「本来発展アビリティってのは経験から形作られるもんやしなぁ。こないな急激なランクアップやとなぁ……」
「火傷無効というのは何度も焼け爛れたからだろうな」
発展アビリティに成るほど短期間で火傷を負ったという事だろう。あの技を頻繁に使っているという事だ。
「ん? というかスキルが減っていないかい? 一つは名前変わってるし」
「スキルは感情によって生まれる。なら、その逆もまたしかり。スキルの変化も同じように、ってこと何だろうね……ベル君の中から嫉妬が消えたという事さ」
フィンの言葉にヘスティアがふふん、と胸を張る。
「相変わらずベルっちはおもろいステイタスしとるなぁ。そういやレフィーヤもだいぶ変化しとったで?」
と、ロキが羊皮紙を取り出す。
『Lv.3
力:I86
耐久:H184
器用:G240
俊敏:G271
魔力:B797
魔導:H
耐異常:I
《魔法》
【アルクス・レイ】
・単射魔法
・照準対象を自動追尾
【ヒュゼレイド・ファラーリカ】
・広域攻撃魔法
・炎属性
【エルフ・リング】
・
・エルフの魔法に限り発動可能
・行使条件は詠唱文及び対象魔法効果の完全把握
・召喚魔法、対象魔法分の
《スキル》
・魔法効果増幅
・攻撃魔法のみ、強化補正倍加
・早熟する
・対抗心の続く限り効果継続
・対象が近くにいるほど効果向上
・詠唱の終わった魔法の保管
・発動の際の
・Lv.に合わせて保管数変動 』
「ベルっちに続く二人目の成長速度補正スキル持ちや」
と、ケラケラ笑うロキ。
「急速に成長しているベルっちに対抗心燃やしたんやろうな。いやー、皆話聞いてもアイズたん達以外はみーんな憧れるだけやったからなぁ。レフィーヤみたいに向上心持ってくれる子おって良かったわ」
彼処までの戦い。多くの者が彼のようには成りたいと願っても、憧れるだけで対抗心を燃やす者は居なかった。ただレフィーヤだけは追い抜かれたくないと、追い抜こうとしている。その証拠がこのスキルだ。
もう一つは魔法を即座に発動するベルを羨ましがって習得したのだろう。
「対抗心、ね………二人でダンジョンに潜らせるか?」
レフィーヤはベルが近くにいれば早熟するし、ベルだって守るという理由が有れば強くなれるはずだ。二人を組ませれば早熟する事間違いなしだ。
「ちょっと待ってくれ! ベル君と女の子を二人きりにだって!?」
「……………せやな。その方が良いかもしれん」
「ロキ!」
「お前がベルっち大好きなんは知っとる。けど、ベルっちは強くならなあかんねん。彼奴に対抗するためにな」
「う………」
事前にヘルメスからの情報を伝えられていたヘスティアはその言葉に詰まる。ベルには早く強くなって貰いたい。イヤだけど………
「ううー! 分かったよ………あ、そうだ僕ベル君と水辺に行こうと思うんだけど確か許可が居るんだよね? どうするのか教えてくれないかい?」
「んー? ドチビの所はベルっちだけやし許可は簡単におりそ───や、待てよ? ベルっちのスキル物運びに便利やったな………うん。ウチが代わりにやっといてやるわ」
「本当かい!? ありがとうロキ! 僕は君のことを胸も器も小さな奴だと思っていたよ!」
「ははは。ぶち殺すぞドチビ」
と言うわけでレフィーヤ強化