ベル君に憑依して英雄を目指すのは間違っているだろうか? 作:超高校級の切望
「ほな行くでー! ベルっちのランクアップと無事全員帰還のお祝いやー!」
「かー! またかよ!」
「負けねーぞ兎ぃ!」
「次こそ俺が!」
「はん。吼えんならダンジョンに潜って来やがれ」
「「「はい! ベートさん!」」」
「………………」
ベルのランクアップを悔しがる冒険者達にベートが吐き捨てると満面の笑みで返してきた。そんな反応に固まるベートにロキがクククと笑い他の面子は唖然としていた。
「あの面子ってベートと行動してた奴らだよね? ベート、なんか洗脳したのかな?」
「きっと、ベートさんの良いところに気付いたんですよ」
「いやいやベートに良いとこなんて無いでしょ」
リーネの言葉をあっさり否定するティオナ。そんな事無いと思うんだけどなぁ、と呟いて不意にベルを見る。
「あ、あのベルさん………ベートさんの好みって解ります?」
「強い女」
「精進しろって事ですね解ります」
あはは、はぁ……とため息を吐くリーネ。と、そんなリーネの頭をベートがペシリと叩く。
「あの時も、俺に付いていくとか吠えてたろうが。んな情けねー顔で後ろチョロチョロされても目障りなんだよ、強くなる自信がねーなら二度と吠えんな」
「ちょっとベート何その言い方!」
「もう少しリーネの気持ち考えなさいよ!」
「うるせぇぞ雑魚共が!」
と、早速女団員に責められるベートを見ながらリーネは叩かれた箇所を撫でる。
「良かったな」
「はい!」
ベルの言葉に紅潮した顔を笑みに変えるリーネ。
そのままニコニコとベートの後ろ姿を眺めた。
「そうそう聞いたか皆~、ミア母さんの所に可愛い子が増えたんやって!」
「「「うおおおおお!!」」」
「はん、くだらねー」
「男って本当単純。あ、団長は別ですよ!」
「むむむ。ベル君、またたらしたりしないだろうね」
「誑し込んでるつもりはない………いや、思い返せば」
プレゼントとかそうかも、と考え直すベル。まあ新入りなら会ったことなど無いのだし、誑すも何も………
「ちわー、来たで~」
「いらっしゃいま────」
【ロキ・ファミリア】を出迎えた新しい店員の
「ベル様ぁぁぁぁぁぁ!」
「んな!?」
「へ?」
「ふえ!?」
「………………」
ヘスティアが叫びティオナが唖然としてカサンドラが涙目で叫びアイズが無言で見る中、男性団員の殆どが同時に叫んだ。
「「「またお前かぁぁぁぁぁぁ!?」」」
ポカンとしていたレフィーヤも飛びついた
「…………あ、貴方はあの時の」
「あ、ベル様を迎えに来た奥さん」
「んみゃ!?」
ベルの奥さんという単語に顔を赤くして狼狽えるレフィーヤ。奥さん? と首を傾げる者達。
「な、何で私がベルの奥さんににゃってるですか!?」
「え!? あ、あの………アイシャさんが潔癖エルフが歓楽街にまで来るぐらいだからそういう関係なんだろう、って……」
「ちちちち違います! アレは、その、【ロキ・ファミリア】の名に傷が付くと思って!」
「ラウルは良く行ってるぜ?」
「それとベル君は【ヘスティア・ファミリア】だい!」
「黙っててください!」
レフィーヤに睨まれ押し黙る
「あの、つまり貴方様はベル様の妻ではないと?」
「はい!」
「ではベル様はまだ独り身なのですか?」
「はい! …………はい?」
レフィーヤはあれ、と首を傾げ春姫は意を決したような表情を作る。
「ベル様、助けていただき、それ以上を望もうなどと欲深いのは解っております。ですが、どうか───」
「だめ~!」
「こん!?」
と、カサンドラが春姫を吹っ飛ばす。
「だ、だめです! ベルさんは、その……とにかくだめ~~~!」
と、ベルを守るように抱き締め涙目で睨むカサンドラ。そこへヘスティアも加わる。
「そうだそうだ! だいたいウチは不純異性交遊禁止だよ!」
「で、ですがベル様の気持ちだって!」
「落ち着きなさい春姫。相手はお客様ですよ? それと、大丈夫ですかベルさん」
と、春姫を叱りベルに声をかけるリュー。
「春姫、ここに保護されてたのか」
「ええ。歓楽街から響いた爆音に地震、確かめに行くと彼女に出会い………まあ色々ありまして」
「そうか。春姫を見つけてくれたのがリューで良かった」
「私で?」
「ああ、お前は優しいからな」
「………………」
ベルの言葉にリューはふい、と顔を逸らすと店の奥に引っ込んでいった。
「ベルさん、師匠と呼ばせてくださいっす!」
「何を教わる気だよ」
「女の子にちやほやされたいんっす!」
淀みないラウルの言葉にいっそ尊敬すら覚える。ベルはふむ、と顎に手を当てる。
「まあまず、オラリオ一女にモテるのはフィンだ。それは解るな?」
「はいっす」
「んで俺もモテる。これは解るな?」
「はいっす」
「つまりまずは顔だ」
「どうしようもないじゃないっすか!?」
「冗談だ。取り敢えず相手を誉めて見ろ。あと強くなればアマゾネスにモテる」
と、そこでベルはん? と首を傾げる。アマゾネス、何かを忘れている気がする。
「聞いたぞベル! 目を覚ましたようじゃなあ!」
『起きたのか旦那!』
「フィン! 居るカ?」
「ベル、目を覚マシて、良かっタ」
入ってくるカーリー。それに続くアマゾネス達。
そういえば彼女達はイシュタルが天に送還されたら此方に来るとか言っていた。
「てめえコラアルガナ! 団長に近づくんじゃねーって言ってんだろうが!」
「どケ、ティオネ!」
と、アマゾネス2人が乱闘を始め【カーリー・ファミリア】のアマゾネス達が自分を下したであろう【ロキ・ファミリア】の男達に近寄っていく。
ラウル? 言わずもがな。アキはほっとしているが騒がしい。そろそろミアがキレ追い出されそうだ。ベルははぁ、とため息を吐いて魔力を迸らせる。
「───?」
魔法を使う者達が魔力の流れを感じ警戒する中ベルは口を開く。
「
ピリッと体内に魔力の流れを感じた彼等彼女達は反射的に魔力の流れを作る。
「【ひれ伏せ】」
「─────!?」
器用値と魔力値が上がったため行えるようになった周囲の生体電気操作。殆どの者がその場に跪く。
「───なる程、魔力の流れを操れる魔法使いや魔法を武器にする者には効かないか」
後ガレスが無事だからLv.差も関係ありそうだ。
レフィーヤやリューなどは魔力の流れを操り無効化していた。
「これはまた、凄いね………魔法の応用かい?」
「ああ……」
「良いですよね。ベルの魔法は応用が利いて」
「
「あー、こないね~【ロキ・ファミリア】」
「やっぱり『鍵』手に入れた訳じゃねーんじゃねーの? バルカの奴暗くて気持ち悪いから普通に嫌われてたしそいつ等に殺されたんじゃねーの」
クノッソスの中に佇む二つの影。片方は死を司る神タナトス。
「だとするとイシュタルの奴にやってた『鍵』見つかるとやべーんじゃねーか?」
「ま、そうだねー………ヴァレッタちゃん今なんか悪いこと考えてるでしょ?」
「ヒヒヒ。悪いことぉ? んなもんじゃねーよ。ただ、あんたが好きな『死』がたっくさん見れるぜえ」
ヴァレッタはそう言って邪悪な笑みを浮かべた。