ゼロの使い魔~真心~   作:へドラ2

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続きです。お待たせいたしました。楽しんで読んでもらえればうれしいです。


ゼロの使い魔~真心~第13話

 アトラー星人、かつてウルトラセブン、ウルトラマンレオが地球に滞在していた時代に地球に二度襲来したことのある宇宙人。(別名 宇宙の蝋人形師と呼ばれる)一般人、防衛隊、双方に甚大な被害を出した宇宙人だ。

「うちゅーじん?」

 ギーシュは聞きなれない単語に疑問符を浮かべるが、青髪の女性は気にせずに才人に問いかける。

「どうでもいいが奴の目的は何なんだ!無意味に人殺しをしているのか!?」

 才人もそこまではわからず考え込む。侵略なのか?ただ殺すだけでは根本的な侵略にはならないはずだ。しかしあまり考える時間はない。今は瓦礫に隠れているがいつ見つかるか…

「ゲームだよ?」

「えっ?」

 誰かが言うが、三人とも喋っていない。

「ゲーム」

 三人は上を見上げる。そこには…

 

 

「キヒヒッ、ミーツケタッ♪」

 

 

「「「ギャァァァーーー!」」」

 才人は青髪の女性を抱えたまま、ギーシュはワルキューレにおんぶされたまま全速力で走り出す。狭い路地の中後ろから飛んでくる光線を右に、左にと壁ギリギリに跳躍しながら避けていく。

「ギーシュ!後ろはダメだ!前にしろ!光線に当たるぞ!」

 才人に怒鳴られ気付いたのかギーシュは慌ててワルキューレの前面に回りお姫様抱っこの体制になる。

「全く、皆して「何が君なら大丈夫」だ!超やばい奴だったじゃねぇか!」

 そんな時光線が一発当たりそうになる。才人は盾になる物をとっさに思いつかず、抱えている青髪の女性の胸当てを引きちぎり光線に向けて投げつけ盾にする。

「きっ貴様~~!何をするか~~!」

 顔を赤くしている青髪の女性に怒鳴られるが才人は謝るしかない。

「ごめんなさい!お叱りは生き残った時に!」

 才人はとんでもない奴に手を出そうとしていたギーシュに恨み言を言いたい気持ちだったがそんな余裕が無い。変身しようにも女性を抱えたままでは…

「おいギーシュ!ワルキューレもう一つ作れ!」

「え!?」

「早く!」

 才人の指示に一瞬固まるが催促に合わせて一体ワルキューレを作る。

「よっ」

 才人は青髪の女性をワルキューレに持たせアトラー星人に向き直る。

「早くいけ!振り返るな!」

 ギーシュは振り返ろうとしたが青髪の女性を抱えてる事もあり、才人を信じて走り出す。

「死なないでくれたまえよ!」

 才人は無言でうなずくとアトラー星人に切りかかる。振り下ろされたデルフリンガーを避けると才人目掛けアトラー星人の拳が飛んでくる。体を回転させ紙一重で避けると今度は回し蹴りを叩き込む。

「キヒヒ♪イタクナイ♪」

「なっ!?」

 今度はアトラー星人の張り手が才人の腹部を撃ち貫く。

「ぐぼぉっ…」

 才人は壁に叩きつけられてしまう。アトラー星人はレオと張り合えるほどの格闘センスを備えている。それには才人のガンダールヴもウルトラマンの力も及ばなかった。

「カーワイイ♪タベチャオウカナ?」

 アトラー星人が才人に馬乗りになり腹部に次々と拳をめり込ませる。才人の骨と肉がつぶれる音が響く。

(このままじゃ…やべぇ…)

「コッ…ス…モース…!」

 才人の体が淡く輝きコスモスに変わる。アトラー星人の拳を受け止めると掌底、ミドルキック、裏拳を連続で叩き込む。たまらずアトラー星人は吹き飛ばされる。

「キヒッ、イッターイ…アナタ、トクベツテン?コノウチュウニモ、イタンダ?」

「特別点?!何のことだ!」

 アトラー星人はゆっくり立ち上がりにたりと笑う。

「ゲーム、ダカラ」

 そう言うとアトラー星人が巨大化しその本来の姿を露わにする。町に突如現れた巨大な怪物にトリステインの市民たちはパニックを起こし逃げ惑う。そんな中青髪の女性とギーシュは青髪の女性の仲間と思わしき女性達と合流する。

「副長!ご無事ですか!?あの怪物は?!」

「私にもわからない。だが彼らの話によると別の星から来た奴らしい。とにかく、今の私

達にできるのは避難誘導だ!急げ!」

「「はっ!」」

 指示された女性たちはテキパキと行動を始める。ギーシュは事態が飲み込めずうろたえる。

「きっ君たちは何者なんだい?」

「私たちは銃士隊、アンリエッタ姫様直属部隊だ」

 その時コスモスもアトラー星人に合わせて巨大化する。それを見て青髪の女性はアトラー星人が巨大化した時よりも驚いていた。

「なっあれは?!」

 

 

 巨大化したアトラー星人は胸の花から次々と光線を放ち町や逃げ遅れた人々を蝋に変えていく。コスモスは避けながら反撃のチャンスを伺うが中々チャンスが無い。一瞬光線が止んだ時に踏み込んで懐に入り込む。

「セアァ!」

 拳を叩き込むが、簡単に受け止められる。

「デァッ!?」(なんてパワーだ!?)

 今度はアトラー星人に腕を掴まれたコスモスが地面に叩きつけられる。脱出しようと試みるがそのパワーに抵抗できず何度も家屋や街道、商店に叩きつけられる。そのまま空中で振り回され頭から地面に落とされる。

「デァァ…」(うぅ…)

「トクベツテン、モラッタ」

 アトラー星人は光線を乱射しながら進んでいく。それは避難誘導していた青髪の女性のところにまで及ぶ。

「急げ!早く逃げろ!」

 ギーシュも自ら避難誘導をかって出ていた。ワルキューレを使って盾にしているのだ。だが、その様子をアトラー星人に見られてしまう。

「こっ、こっちに来る?」

 アトラー星人はギーシュと青髪の女性の方へ歩いてくる。ギーシュは急いで走り出す。

「うわぁ!」

 しかし青髪の女性はその場から動かない。

「何をしているんだ君!早く逃げるぞ!」

「…終われない」

「え?」

「こんなところで終わるなんて…まだ…まだ…」

 よく見ると頭に怪我をしている。瓦礫がぶつかったのだろうか?意識が朦朧としていて動かない青髪の女性を必死に連れて行こうとするギーシュだが、アトラー星人は目前に迫っていた。光線が寸分たがわず二人に向けて放たれる。

 

 

 

「ダァ!」(やらせない!)

 

 

 コスモスは間に割って入り瓦礫で防ぐ。二人を手でかっさらうとそのまま跳躍し距離を取る。

(どうすれば…)

(相棒!分かったぜ!)

 コスモスの中にいるデルフリンガーが何かに気が付いたのかコスモスに語る。

(奴の光線は当たった物全部に吸収されてそれを蝋に変えている!何かを盾にしろ!)

 コスモスは二人を瓦礫の中に下ろして隠すと瓦礫を一握りする。そして一気に駆けだし、アトラー星人が光線を放つと同時に瓦礫を投げつけ、光線を防ぐ。

「デェァ!」(今だ!)

 コスモスはルナストライクを放つ!…が、アトラー星人が間髪入れずに連射した光線でルナストライクが蝋と化す。

(バカなッ!)

 コスモスの狼狽したスキを狙いアトラー星人の猛攻が襲う。顔面に幾度となく拳があたり瓦礫の中に沈められる。コスモスのカラータイマーは警告音を放ち始め、タイムリミットを伝える。

(このままじゃ…)

 コスモスは再び立ち上がろうとするが、力が入らない。その場に崩れ落ちる。朦朧とする視界の中、アトラー星人の勝利の笑みが見える。

 

 

 

 このままじゃまずい、やられてしまう。しかし自分には何も出来ない。…いや、待て。今の自分にはこの杖がある。これがあれば、全力を尽くせば変わるのではないか?と、「そいつ」は思った。

 

 

 コスモスに迫るアトラー星人、その足元。突然黒い水が広がっていく。アトラー星人は何が起きたのか分からないままその場で転倒、全身黒色になる。

(この匂い…油…と、石油!?何で…いや、チャンスだ!)

 コスモスは残りのエネルギーで最後のルナストライクを放つ。それは油と石油の混合物に着弾、引火し巨大な火柱と爆炎を作り出す。火中のアトラー星人は女性のすすり泣くような断末魔を上げ吹き飛ばされてしまった。

(やった…)

 そこでコスモスは意識を失い、その体は虚空に消えてしまう。そこには一人、本来の姿に戻った才人が残った。

 

 

 才人が目を覚ましたのは野戦テントの中だった。目を覚ますなりマチルダとルイズが抱き着いてくる。

「まっマチルダ!?ルイズ!?」

「良かった…目を覚まさないかと…」

 二人はその目に涙を溜めている。マチルダは涙を拭うと気を引き締める。

「何無茶してるんだい!死ななかったから良かったものの、危なかったんだよ!」

 事情を知るマチルダの心配は計り知れない。今回の事件を聞いて飛んで来たんだろう。よく見ると近くにいるギーシュの頭に二つたんこぶが出来ている。自分にゲンコツが落ちてこないのは才人の怪我への気遣いか。

「全くこのバカ犬!無駄な心配かけて!」

 ルイズは小さく「無事で良かった…」と呟く。

「皆…ありがとう…」

 そんな再会を喜んでいると包帯を頭に巻いたあの青髪の女性が入ってくる。

「そろそろよろしいですか?」

「あっ!」

 才人は彼女の鎧の胸当てを引きちったのだ。その事を思い出して怒られると思うが青髪の女性は冷静に自己紹介する。

「私は銃士隊副隊長ミシェル、先ほどはご協力ありがとうございました。今私の命があるのはあなた達のおかげです」

 ミシェルは才人の耳に口を寄せる。

「あのことは内密に」

 才人は絶対に漏らさないと約束する。するとそこへ新たに金髪の女性が入ってくる。

「遅めの挨拶はすんだか?ミシェル」

「はい」

 では次は私が、と咳払いをする。

「私は銃士隊隊長アニエス。副長を救っていただきありがとうございます。ご協力ありがとうございました」

 才人はこんなにも連続でお礼を言われた事が無く「まぁ…どうも…」くらいしか答えられない。その後二人はまだ救援活動があるからと行ってしまった。マチルダは見届けるとルイズ、才人、ギーシュに向き直る。

「さっ、早く帰るよ!明日も授業だ!」

 才人はギーシュに肩を借りて歩き出す。帰り道、目に入るのは蝋に変えられた町の様子。コスモスが叩きつけられ崩れた家々。それを見て心が痛む。

(俺がもっと強ければ…それにしても…)

 才人が気になったのはアトラー星人の足元が変わった事。あれは恐らく『錬金』の魔法だ。しかし誰が?

(ギーシュ…だったら自慢してるだろうし…)

 考えても答えは出ない。しかし一つだけ確かな事がある。

 

 

 

(強く…ならなきゃ…!)

 

 

 

 




次回に続きます。ミシェルはアニメオリジナルで登場少ないのですがお気に入りです。アルビオンの話はもう少し後になります。お待ちい下さい。
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