ゼロの使い魔~真心~   作:へドラ2

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続きです。書いてて、後半だれてしまっているかもしれませんが、どうぞ読んでいってください。


ゼロの使い魔~真心~第25話

 才人は双月の明かりを頼りに、モット邸に向かう。馬は眠っていて、無理に起こせない為、ガンダールヴとウルトラマンの力、二つ合わせての全力疾走だ。

「相棒、体力持つかい?」

 デルフリンガーは少し心配そうだが、才人は至って平気だった。

「大丈夫さ、それよりもシエスタが心配だ!」

 デルフリンガーは、少し焦っているように見える才人に、再度問いかける。

「何て書いてあったんだい?あの手紙にはよ?俺っちは読めなかったが…」

 才人は叫ぶ。

「脅迫だよ!シエスタを返してほしければって!しかも俺の世界の言葉で書かれていたんだ!敵は俺たちを狙ってるんだよ!」

「おでれーた!宣戦布告とはなぁ!相手さん、よっぽど自身があるとみえる」

 デルフリンガーはあまり緊張感を持っていないようだ。余裕綽々という感じだ。

「おいおい、デルフ!少しは焦れって」

 デルフリンガーは少し黙り込むと、尋ねるように聞いてくる。

「なぁ、相棒?お前さん、真正面から乗り込むつもりかい?」

 え?、才人は質問の意味が分からない。

「やっぱりね。その気満々だったろ?いいか、こういう時は人質かっさらって、ハイさよなら。これが一番だ」

 その後向こうから攻めて来たら?と才人に問われたデルフリンガーはケラケラ笑って答える。

「そんときゃ、返り討ちにしてやれ」

 

 

 

 数分後、モット邸。才人は、門番がいる入り口を遠目で見る事の出来る木の上で息を整えていた。

「はぁ…はぁ…あそこが、入口か…」

 見ると、入り口は見張りが厳重だが、その他は比較的薄い。横の高い壁の所には人は一人もいない。

「まっ、あんな壁よじ登ろうって奴はいねぇな!」

 デルフリンガーの考察が正しいだろう、と考えた才人は、回り込み、壁の所まで来ると、一気に壁を飛び越えて侵入する。花壇の花の中に隠れると、デルフリンガーの力を借りて透視能力を使いシエスタを探す。

「…いたっ!二階のあの部屋だ!…横にいるのは…あいつが敵か」

 透視で見たシエスタの影の隣に、人間とは大きく違う頭を持った影が映る。間違いなくこの星の住人では無い。異星人だろう。シエスタのすぐ近くに敵がいる、このままではシエスタに危害が及ぶのも時間の問題と才人は考える。

「デルフ、お前の案はダメみたいだ」

「…らしいね」

 才人は他にも仲間がいないかと探すが、どうやら一人の様だ。才人はその場で踏ん張ると、一気に二階の部屋目掛け飛び上がる。窓をデルフリンガーで細切れにすると、シエスタと異星人の間に割って入る。

「サっ!?サイトさん?」

 才人はシエスタの前に立ち、かばう様にデルフリンガーを構える。デルフリンガーを突きつけられた異星人は見た目は完全に人間だった。身なりからしてモットだろうか?入れ替わっているのかもしれない。

「やっ、やあ!待っていたよウルトラマン!」

 腰を抜かしていたモットは、ハハハと笑いながら立ち上がると杖を構える。

「言いたい事も有るだろうが、すまない。まずは君の実力を試させてもらおう!」

 こっちに来い!そう叫ぶとモットは扉に飛び込み大広間に出る。

「大丈夫か?シエスタ、何もされて無いか?」

「いっいえ、何も」

 きょとんとしているシエスタに隠れるように言うと、才人はモットを追い、大広間に飛び出る。そこではモットが待ち構えていた。

「行くぞ!」

 モットは大きな水球を作り出し投げつけてくる。才人はデルフリンガーで吸い込むが、その隙にニ撃目、三撃目が飛んでくる。才人は二階への階段まで飛び上がり躱すと、モット目掛けデルフリンガーを構え、飛び降りる。

「おりゃぁぁ!」

 モットは身を引いて躱すが、鼻先をかすめて足元に突き刺さるデルリンガーにたじろぐ。

「うわぁっ!?…流石に強いな!…だが!」

 モットは水で竜を作り出すと、才人に喰いつかせる為に打ち出す。しかし、才人はあえて竜の口の中に飛び込み、内側から切り裂き四散させる。モットに肉迫した才人は、首筋にデルフリンガーを叩きつけようとする。

「おりゃぁ!」

「うわぁぁぁ!?」

 モットはギリギリで水の壁を作り防ぐが、衝撃を受け止めきれず吹き飛ばされる。才人が止めに心臓を一突きしようとした時、モットは両手を上げる。

「待った、待った!実力を試すような事をして悪かった!降参だ!」

 突然の降参、才人は戸惑うが、相手が人質をとる卑劣な相手だと、戸惑いを捨てる。

「降参…?シエスタを攫っておいて!ふざけるな!」

 才人はモットの心臓目掛けデルフリンガーを突き刺そうよする。制止を求めるモットは必死に才人を説得しようとする。

「おっ、お願いだ!話を聞いて…」

 才人はモットの話を聞かず、全力で振り下ろす。

 

 

 

「まっ、待ってください!」

 

 

 

 そんな時、どこで隠れて見ていたのだろうか?メイド服の少女がモットをかばう様に立ちふさがる。才人は咄嗟に剣を引き、後ろに下がる。少女は力強く才人をにらんでいた。

「君!どいてくれ!そいつの正体は異星人!君の知っている本当のご主人じゃないんだ!」

 才人は少女に退くように怒鳴る。何も知らない人を巻き込む訳には行かない。しかし、返って来たのは思いもよらない一言だった。

「知っています!」

 その叫びに一番驚いたのはモットだった。なんだって!と大声を上げる。すると、その声を聴いて、他の使用人が駆け付け、あっという間に才人とモットの間に人垣を作ってしまう。

「ご主人様を守れ!」「誰だお前は!」「近づかないで!」

 メイド、衛兵、執事等がモットをかばう様に立ちふさがる。

「まさか!操られているのか!?」

 才人は身を守るために、デルフリンガーを盾のように構えながらモットに怒鳴る。しかし、モットの行動は想定外の物だった。

「お前たち!この人は悪い人ではない!落ち着け!落ち着け!」

 何と人垣を押しのけ、使用人たちから才人をかばう様に前に出たのだ。才人は意図が読めず混乱する。その時…

「才人さ~ん!」

 シエスタが奥から走ってきて才人の前に躍り出る。

「お願いです才人さん!お話を聞いてください!」

 才人は攫われていたはずのシエスタにまでこう言われてしまい、訳が分からないまま、デルフリンガーを下ろした。

 

 

 

 才人は少し広い部屋に通され、モット、シエスタ、一番にモットを助けようとしたメイド、老齢の恐らく執事長であろう男性と一緒に丸いテーブルを囲んで座る。後者二人を使用人代表として、他の人たちは扉の向こうにいる様だ。

「…先ずはいきなり襲い、実力を試すような事をした非礼をお詫びしたい」

 モットが立ち上がり深々と頭を下げる。この光景は本来なら絶対にあり得ないことだ。才人は先ずは一番知りたいことから問いかける事にした。

「…聞かせてくれ、あなたが…何者なのかを、何が目的なのかを…」

 モットは使用人代表の二人の方を向き、知っているのだな、と問いかける。二人が頷くと、シエスタにも問いかける。

「…先ほどお見せしたが、一応確認させてくれ。…大丈夫かい?」

 シエスタも頷く。それを見てからモットはその場でクルリと回る。それでようやくモットの正体が明らかになる。モットの姿の時とは正反対のスレンダーな体、小さないが牙のあるおちょぼ口、そして…特徴的な頭。

 

 

 

「私はバド星人…この星に侵略しに来た、バド星人侵略隊の一員だ」

 

 

 

 モット、いやバド星人は重々しく言うが…才人はその頭にしか目がいかない。どうしてもその割れ目に視線が行ってしまう。才人はボソッと呟く。

「…尻」

 瞬間、シエスタが吹き出す。バド星人はその反応で顔を真っ赤にしてうったえる。

「ええい!先ほどシエスタ嬢にお見せした時もそうだが!こういう骨格なのだ!理解して頂きたい!」

 よく見ると使用人代表の二人も笑みをこらえている。そして、扉の向こうの使用人たちからも小さな笑い声が聞こえてくる。

「ええい!本題に入らせてくれ!」

 バド星人は咳ばらいをして、仕切り直す。

「んっ、んん!私は、この星の政治状況等を探り、本体に報告するためにこの星に来た。しかし、侵略行為は嫌いでな…まぁ、兵役で軍に入っただけだし…それで、この『モット』という人物と融合して潜伏したのだ」

 才人はミシェルとピット星人の事を思い出す。何処の星でも無理に軍隊に入れられたり、兵役があったりするんだなぁと、故郷の地球に思いをはせる。

「しかし、この星に来て、バド星で失われた自然を、オゾン層を見て分かった!この星の美しい自然を奪い取ろうなんて、侵略なんて、何と野蛮な事か!」

 侵略なんて許してはいけない。とバド星人は言い切る。

「あいつらは自分たちを『宇宙の帝王』などと言っているが、やっている事はこの星の『貴族』がやっている非道な事と何ら変わらない!」

 あいつら、とはバド星人侵略隊の事だろうか?

「その中でも!『モット』は酷い領主だった!税金を領民から搾り取り、国には虚偽の報告で収入を偽り私腹を肥やす!そのせいで領民たちはバド星の最低賃金の半分の収入も無い!こんな状況ほっておけ無い!」

 一気にしゃべり切ったバド星人はなおも続ける。

「一番許せなかったのは、女性の人権無視だ!無理やり連れて来て!乱暴して!子を孕んだら処分する!こんな『モット』を私は許せなかったが、この星の『貴族』の中では『よくある事』だと言う!認められない!認められる物か!」

 話を聞いていた才人は分からない事がある。何故、狂言誘拐してまで自分を、ウルトラマンを呼ぶことになったのかだ。しかし、それはすぐに分かった。

「そこで私は『モット』となり、この星の貴族社会を!人を!変えなければならない!と言う考えに至ったのだ!同時にあいつらの蛮行を許すわけにもいかない!そこで!」

 バド星人は才人に向き直る。

「君に、ウルトラマンに協力して欲しいんだ!君の力を借りれれば、絶対にこの星の罪の無い人々を救える!だから、頼む!協力して欲しい!」

 一度に話し終えたバド星人は息切れを起こしながら、才人をまっすぐな瞳で見ている。才人は立ち上がると、おもむろにデルフリンガーに手をかける。一瞬、場に戦慄が走る。才人の内側から光が生まれ、それが消えるとそこには才人はいなかった。シエスタと、使用人二人は、目の前の光景に息を飲む。

「本当に…才人さんが、ウルトラマン!」

 そこには等身大に変身したコスモスがいた。

「君のこの星への想い、同胞たちを撃つことになる覚悟、全て伝わった」

 コスモスは右手を差し出す。

「俺にも是非、協力させて欲しい!」

 それを聞いたバド星人はコスモスの手を取り固い握手をする。

「ありがとう、ウルトラマン!ありがとう!ありがとう!」

 

 

 

 この日、モット邸でバド星人侵略隊に対抗するための共同戦線が組まれた。

 

 

 

 




続きます。私、この宇宙人好きなんです。私の中でのあだ名は「宇宙のおいど」です。

意味 (おいど=尻)
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