ゼロの使い魔~真心~   作:へドラ2

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続きです。仕事が大変でしたが、何とか最新話です。楽しんで行って下さい。

※一部修正しました。最後の所。


ゼロの使い魔~真心~第27話

 翌朝、ルイズは才人抜きでトリステイン城に向かっていた。

「何よ!使い魔のくせに!どうしてもついて来れないってどー言う事よ!」

 ルイズが起きると、才人は既に外出しておりいなかったのだ。マチルダが事情を教えてくれなければ、人さらいかと騒ぐところだった。今は学院長の指示で、一緒にコルベールがついてきてくれている。

「何でも使い魔君の剣の腕が必要だとか。まぁ、大丈夫でしょう。ミス・ヴァリエールの自慢の使い魔でしょう?」

 ルイズは複雑な心境だったが、城下町の入り口で待っていた出迎えのアニエスと目が合う。

「お待ちしておりました。ミス・ヴァリエール」

 そこからは案内されるがままついていく。復興しかけのトリステインの街並み、そこで強く生きる住民たちの様子が目に入る。

「だいぶ復興してきたのね…」

 ええ、とアニエスは感慨深く答える。

「色々ありましたが、何とかここまで来ましたよ」

 ルイズは青い空を見上げて呟く。

「まっ…暫くは平和でしょ。その間に復興しちゃうわよ!この町の人たちならね!」

 

 

 

 

 平和は長く続かない。トリステイン城にもバド星人のスパイがいる以上、アンリエッタ姫が予定より早く帰って来る事はバド星人侵略隊本隊に伝わっているだろう。才人はルイズの話を聞いてから、モットの屋敷にとんぼ返りしたのだった。もう疲労困憊である。時間が少しあるので仮眠をとっていたが、アイが起こしに来る。

「才人さん!ご主人様が来てくださいって!」

 才人は飛び起きると、アイに連れられモットの待つ大鏡の前に来る。モットは何か機械を操作している。

「…よし、時空が安定した。これで移動できる」

 どうやら準備が出来たようだ。バド星人は才人の方に向き直る。

「ウルトラマン、ついに奴らがこちらの次元に出てきた。準備はいいね?」

 才人が頷くと同時に、突然後ろからアイが縄で縛りつけてくる。

「「え?」」

 バド星人と才人がハモる。アイは自慢げに解説する。

「捕まえたふりをして相手を油断させる作戦です!」

 バド星人はいきなりの提案に固まっているが、「あっ、ああ…いい作戦だな」とアイの提案を受け入れる。才人はいきなり縛られた事より、アイの押しの強さに面喰っていた。

(こりゃ、将来尻に敷かれるぞ…敷かれる方も尻じゃねぇか…)

 どうやら縄はすぐに切れるように切れ込みが入っている様だ。これなら奇襲にぴったりだろう。

「よし、行くぞバド星人!」

「あっ、ああ!行くぞ!」

 二人は鏡に飛び込む。才人はバド星人に誘導され、空間の出口に到着する。

「出るぞ!」

 二人が出るとそこには四人のバド星人が待ち構えていた。

「おお!来たか、潜入官1967221!予定より早いが作戦開始だ!…ん?そいつは…?」

 相手のバド星人は、才人の顎を掴み顔を覗き込む。1967221ことバド星人(モット)は静かに言う。

「そいつは我らの一番の懸念材料、ウルトラマンだ」

 バド星人達はどよめく。

「落ち着け、皆!変身する力は奪ってある。こいつは役立たずさ」

 それを聞くやいなや、四人は才人をその場に押さえつける。

「へっ!そういう事なら、気兼ねなくやれるな!」

 その中、女性のバド星人だろうか?一人が才人の胸を足で踏みつける。

「ねぇ、私に頂戴よ。こいつ。ウルトラマンを玩具に出来るなんてすごくない?」

 歓喜に満ちた声で、女性のバド星人は周りに問いかけている。

「…いいね、遊んでもらおうか」

 才人の呟きに女性のバド星人は疑問符を浮かべる。しかし、その時はすぐに訪れた。

「ふん!」

 才人は縄を引きちぎると、女性のバド星人を股下から真っ二つに切り裂く。

「な!?どういう事だ!1967221!」

 モットは懐から杖を取り出すと、『ブレイド』で二人続けて切り裂く。

「馬っ馬鹿な!裏切ったのか!」

 その時、最後のバド星人の姿が虚空に消える。おそらく透明化能力だろう。才人は身構えるが、どこから来るか分からず緊張で心臓が鳴る。その時、何かに気付いたデルフリンガーが叫ぶ。

「右だ!相棒!」

 才人は即座に振り向き、一気に突き刺す。消えた刃先から血が流れ、少し上から血のあぶくが溢れてくる。

「後四人!」

 その時、突如全てのドアにロックが掛かる。それと同時に響く高笑い。

『ハハハハハ!ウルトラマン、裏切り者め!毒ガスで死ぬが良い!』

 残りのバド星人だ。ここで二人纏めて始末する気だろう。モットは水泡を作り出し、その中に二人で顔を入れ、その場しのぎの安全地帯を作る。

「すまないウルトラマン!この水泡は毒の濃度が上がれば持たない!直ぐにドアを開けるから時間をくれ!」

 モットは電子パネルを操作してドアを開けようとする。

「このドアはバド星最強の光線銃でも貫けない!何とかロックを解除する!」

 どうやらこの仕掛けの事はモット本人も知らなかったようだ。慌てて入り口を開けようとしている。しかし、才人は気にせず拳を握りしめる。

「下がって。てりゃぁ!」

 才人は全力で拳を振りぬいた。分厚い扉はその一撃で粉砕される。すごい…と、呟くモットはあっけにとられている。

「まぁ…これでも鍛えてるんでね!大丈夫!行くぞ、モット!」

 才人がドアを吹き飛ばしたせいで、毒ガスが船内に広がる。モットが水泡を二つに分けると、二人で船内を見て回る。才人達を閉じ込めたバド星人であろう死体が通路に倒れている。

「…毒ガス何か使うから…」

 才人が手を合わせていると、モットは急いでコンピューターを操作して、他のバド星人の行方を探す。

「くそ!遅かった!自爆装置が動いてる!しかも三人とも、既に爆弾を持ってトリステインにワープしてるようだ。後を追うぞ!残り5セコンド、急げ!」

「あっ!おい引っ張るなって!」

 才人はモットに連れられ急いで鏡に飛び込む。しかし、鏡の中にも爆炎が入り込んでくる。このままでは間に合わない。モットは、他のバド星人達が出た出口より手前で外に飛び出る。出てきた先は暗く狭い空間、どこかのロッカーだろうか?

「狭い…」

「早く…出よう…」

 その時、後ろの鏡が爆発して炎が噴き出す。どうやら、通路を閉じるのが間に合わなかったようだ。二人は一気に押し出される。

 

 

 

「何故…私のロッカーが爆発して、お前が出てくるんだ?…えぇ?、サイト…?」

 

 

 …半裸のミシェルの前に。

「待って、いきなりであれだけど事情があるの。お願い剣と杖を収めて。待って!待って!待って!」

 

 

 

「なる程な…そういう事なら協力しよう」

 ミシェルは才人をボコボコにした後、二人から事情を聴くと、モットとお互いに自己紹介をし、協力を快諾してくれた。

「ところでここは?トリステイン城のどこらへん?」

 ミシェルは大体の位置を教えてくれた。どうやらここは謁見の間の数階下らしい。才人はモットに確認する。

「なぁモット、奴らが爆弾を仕掛けるのはどのあたりだ?」

「場所は分かるが、その前にアンリエッタ姫を保護するんだ。奴らに人質に取られる可能性がある」

 三人はアンリエッタ姫がいる謁見の間に向け、全力で走り出した。

 

 

 

 

 謁見の間ではルイズとアンリエッタが顔を合わせていた。コルベールは別室で待機である。久方の友との再会を邪魔されたくないアンリエッタは、最低限の護衛を部屋の外に待機させ二人きりで談笑していた。

「あら…?ところでルイズ?あの使い魔さんは?」

 ルイズは、一国の姫との謁見よりも、用事を取ったなんて口が裂けても言えない。

「あっ、あんな汚い生き物を姫様の前につれて来る等…」

「駄目よルイズ、使い魔は一心同体。常に傍におかなければ…」

 アンリエッタが言いかけた所で、部屋の外が騒がしくなる。何かあったのだろうか?二人が音の方に視線をずらすと、謁見の間の扉が勢いよく開かれ、男性二人と女性一人が駆け込んでくる。

「ミシェル!それにサイト!あなた達なんでっ…その人は、モット伯爵…?」

 ルイズは突然現れた面々に、驚きよりも怒りの感情が湧いてくる。

「あなた達!姫様の御前で…」

 ルイズが言い終わる前に、何事かと人が流れ込んでくる。その時、アンリエッタに近づいた一人のメイドにモットが指を指す。

「ウルッ…才人君!奴がスパイだ!」

 言うがいなや、才人はデルフリンガーを抜きメイドに向かって投げつける。それはメイドの心臓を貫き、アンリエッタの後ろの壁に縫い付けてしまった。

「っ!貴様!姫様に刃を!」

 駆け付けていた人の中にいたワルドは、杖を抜き構えるが、間にミシェルが入り込む。

「待って下さい!ワルド子爵!私は銃士隊副隊長ミシェル!そこのメイドの姿のよく見て下さい!」

 その時、謁見の間にいた人全てがメイドの姿を見る。既にメイドではなく、バド星人の姿になっていた。その光景に動揺が走る。

「こっこれは!?」

 才人はアンリエッタの前でひざまずく。

「お姫様!話を聞いて下さい!今この城を爆破しようと工作員が侵入しています!安全な所に避難をしてください!」

 それを聞いたアニエスは即座に銃士隊に指示、アンリエッタの周りを固め、安全を確保する。ワルドや他の人たちはモットがいた事が大きかったのか、すぐに信じてくれて手早く動いていく。

「ちょっと、どういう事なのよ!」

 ルイズは突然の展開についていけず、才人に詰め寄る。するとセニカがやって来る。

「ミス・ヴァリエール、姫様とこちらに」

 ルイズは少し待つように言うと才人に向き直る。

「今回も何かヤバい事の手伝いさせられてるの?」

 才人は誤魔化そうとせずに、はっきりと危機的現状を伝える。

「そう…なら、必ず帰って来なさい」

 ルイズはセニカについていくが、振り向いて一言、言い残す。

「あんたならどうにか出来る。だから、絶対守りなさいよ?」

 そう言うとルイズは行ってしまった。残された才人はモットとミシェルに向き直る。

「…期待には応えなきゃな!先ずはバド星人と爆弾を見つけなきゃ!」

 分かれて探そうとすると、突然ワルドがやって来る。

「待ちたまえ、ミシェル、モット伯。それと、少年。私も協力しよう」

 才人はワルドの実力が、ルイズから聞いた通りなら役に立ってくれると思い、共同戦線を張る事にした。モットは爆弾の形状を三人に伝える。

 

 

 

 

「頼んだぞ三人とも!今この国を救えるのは我々だけだ!行こう!」

 四人は爆弾排除、バド星人の一掃の為に一斉に駆けだした。

 

 

 

 

 

 




続きます。次回、バド星人戦決着。
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