そういえばレオ、前回は無言で念力使ってました。書き忘れたわけではありません。
お願いです信じてください。
赤く光る何処までも続く空間、そこに才人はいた。上も下も無い、不思議な空間、しかし不思議と不安や恐怖といった物を何も感じない。
「ここは…どこだ…?」
才人の周りにぼんやりとした影が現れる。目を凝らして見ようとする前に段々と濃くはっきりと見えるようになる。
「うっ…嘘だろ…まさか、そんな…」
そこに浮かんだ影は完全に形になる。才人がよく知っている姿が露わになる。
「うっウルトラマン!セブンに二世にエースにタロッ…ウルトラ兄弟勢ぞろいだ!ウルトラの父も居る!」
セブンが才人に話しかける。
「君にこのテレパシーが届いているか、それを私たちが知ることは出来ない。しかし届いているのならば君は生きているという事だろう」
「すっすげぇ…夢みたいだ」
その感想には誰も答えずウルトラの父が語り出す。
「君に伝えなければならない事がある」
伝えなければならない事。それはなんだろう?それもウルトラの父が自分に?才人は訳が分からなかった。
「今、君が向かっている次元には壁がある。君が意図して向かっているようではないが、そのまま向かえば君は死んでしまうところだった」
才人は冷や汗をかいた。自分が死ぬかもしれなかった?しかし驚く暇もなくウルトラの父が続ける。
「我々ウルトラ戦士がその次元に助けに行くことは出来ない。その代わりに…」
一呼吸置きウルトラの父が衝撃の事実を伝えた。
「君にはウルトラマンになってもらった」
「えっ…え…」
「えええっーーー!?俺がウルトラマンに?!」
あまりの一言に才人は度肝を抜かれた。そんな才人には気にも留めずウルトラの父は話を続ける。
「君を救うにはこれしか無かった。それに君の向かっている次元には多数の侵入者がいる。罪の無い人々が苦しめられるかもしれない。そんな人々を救う存在が必要なのだ。君には重い重責だろう!だが、苦しむ人々の為に立ち上がって欲しい!」
ウルトラの父の話を惚けて聞いていた才人だが、ここでウルトラ兄弟達の姿がかすれ始めた。
「まっまま、待ってっ!」
「君一人に押し付けてしまうことを恨んでくれっ!だが、その世界を邪悪の魔の手から救守ってくれ!」
ウルトラ兄弟達は皆右手を掲げ叫ぶ。
「「「異次元の兄弟に栄光あれ!」」」
「待ってそんなっ…わあぁぁーー!」
景色が急に遠のいていく。赤い空間が消えていくと同時に才人の意識も薄れていく。才人は消えゆく意識の中で「これは夢なんだろうか」と自問していた。
石造りの城が遠くに見える開けた草原、そこで才人は眼を覚ました。今まで見ていた物は夢だったのだろうか…そう考えた所で…。
「あんた誰?」
才人とあまり年の変わらない桃色がかったブロンドの髪をした少女が覗き込んで来た。
「誰って…俺は平賀才人」
才人は何となく質問に答えたが、すぐに疑問が生じた。自分は秋葉原にいたはず。自分はいつの間にここに来たのだろうか?よく見ると才人たちの周りを少年少女が囲っている。
「ルイズっ!サモン・サーヴァントで平民を呼び出してどうするの?」
平民…?なんのことだろう…?すると目の前の「ルイズ」と呼ばれた少女は鈴のような上品な声で怒鳴った。
「ちょ、ちょっと間違っただけよ!」
赤毛の褐色肌の少女はそれを聞いて笑い出す。
「間違いってルイズはいっつもそうじゃないのよ、さっすがはゼロのルイズね~」
それを皮切りに人垣がどっと爆笑する。
「ミスタ・コルベール!」
ルイズは中年の男性に何かを話しに行く。才人は状況が飲み込めず大人しくしているしかなかった。
「あの……させてください!」
「…メだ。ミス…エール」
「どうし…」
少し遠いせいか才人は話がよく聞こえない。魔法という単語が聞こえた気がする。
「でも!平民を使い魔にするなんて聞いたことがありません!」
そう言うとまた周りが爆笑する。才人は使い魔とは何だろう?と疑問に思う。すると話が終わったのかルイズが戻ってくる。
「あんた感謝しなさいよね。貴族にこんな事されるなんて一生ないんだから」
そう言うとルイズは何か呪文を唱え始める。
「な、なにするんだよ!」
「いいからじっとしてなさい」
ルイズの顔がどんどん近づく。ついに唇が重なり合う。恥ずかしいのかルイズは顔が真っ赤になっていた。
「サモン・サーヴァントは何回も失敗したがコントラクト・サーヴァントはうまくいったね」
コルベールが嬉しそうにしていた。才人は「何が嬉しいんだ、こっちはファーストキスを奪われたというのに」と怒りの感情をぶつけようとした。その時…
「ぐあ!ぐぁあああああっ!」
才人の左腕にすさまじい熱と激痛が走る。
「熱い!俺の体に何した!」
「すぐ終わるわよ、ルーンが刻まれるだけっ」
ルイズは他人事のように言い放つ。そして、「それに…」と続ける。
「平民が貴族にそんな口利いていいと思ってるの?」
平民、貴族、ここで才人は気付いた。これは身分だ、ここには身分制度があるんだと。現代日本で育った才人には受け入れがたいものだった。
数分後、珍しいルーンだとスケッチをするコルベールがスケッチを終え教室に戻るように言うと周りの少年少女は飛んで行ってしまった。
「お前ら、マジの魔法使い…?」
「はぁ?あんた何言ってんの?」
その場で才人はルイズにトリステインの事、春の使い魔召喚の事など様々な情報を知ることができた。
「なぁ……ルイズだっけ?」
「はぁ?あんた呼び捨っ…」
「殴ってくれ」
「え?」
「殴ってくれ」
「何…言ってん…の?」
「全部夢なんだ…使い魔も異世界もウルトラマンも…いい加減夢から覚めたい…」
ルイズは拳を握り振り上げる。同時に表情が険しいものになる。いろいろな感情がこみ上げて来たようだ。
「契約方法なんて誰が決めたのよ…ファーストキスだったのよ…このヴァリエール家の三女が…それを、夢ですってぇーーー!」
ドゴォ!
威力がありすぎた拳は才人の意識を一瞬で刈り取った。
才人は薄れゆく意識の中、現実逃避をしながらも現状をある程度受け入れていた。ああ自分はとんでもない所に来てしまったと。
次回に続きます。次回は変身するかも?