ゼロの使い魔~真心~   作:へドラ2

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続きです。なんだかんだでもう40話です。長いような短いような…。40話で原作二巻の話が終わってないって…。予定では終わってるはずだったんですけどね!(無能)


閲覧注意が続きましたが、今回は何もないですよ。期待してる人…いないよね?


ゼロの使い魔~真心~第40話

 ベル星人の異次元空間から脱出し、空の旅を再開した才人達。船はアルビオンの港目指して一路進んでいた。

「なあ相棒?こんな隅っこで何してんだい?」

 才人はワルドに「ルイズと二人きりになれるようにする」と言い、一人離れて甲板の端の方に座り込んでいた。

「いや、ちょっとな」

 才人は腕輪に指を当てると少し撫でる。

「ところで体は大丈夫かい?」

 デルフリンガーの心配に才人は笑って答える。

「ああ、大丈夫さ。折れてた腕も治って調子いいよ」

 才人も最初ルイズの介抱をしようと思ったが、ワルドに任せた方がいいかなと思い、譲ったのだ。そして、自分自身も一旦落ち着けるようにしたかったのだ。

「『ウルトラブレスレット』…こんな物がこっちの世界に来てる何て…」

 確かにマルス133、科特隊隊員がこの世界に来ているという事は、どこかに行き来するような出入り口があるのだろう。しかし、まさかウルトラマン二世の超兵器が来ているとは思いもしなかったのだ。

「ん?」

 腕輪を撫でる指が、クリスタルの部分に触れた時、突如才人の脳内に映像が流れ込んでくる。

「何でいこりゃぁ!?」

 どうやらデルフリンガーにも見えているようで、驚いて慌てふためいている。才人の視界には緑色の光が広がり、そこに赤い光が集まり巨人の姿を形作っていく。

「これは!ウルトラッ…マン?」

 そのシルエットは確かにウルトラマンだが、才人の知る中ではどのウルトラマンにも該当しない姿をしていた。

 

 このブレスレットを手に取っているのが同族である事を願いたい。私は宇宙警備隊、量産型『ウルトラブレスレット』試験隊員、シャプランだ。

 

 シャプランと名乗るウルトラマンは才人を見て話してはいなかった。どうやら記録映像の様で、自動で再生されている様だ。

 

 私はブレスレットの運用試験の為の任務中、巨大な次元震に遭遇。空間が裂け、その次元の狭間に引きずり込まれてしまった。当初ヤプールの復活かと身構えたがそうではないようだ。しかし、そこで私は『やつ』に遭遇してしまった。

 

 そこまで話したところでシャプランの姿にノイズが走る。どうやら古い映像の様で、上手く再生できないようだ。

 

 『やつ』は今まで見た事も無い…な巨大な怪獣だった。本部の怪獣のデータベースにも乗って…いだろう。私は…に…われた。そして…体を…粉砕された。腕輪の…活能力で蘇る事は…が、私は一人では絶対に勝てないことを確信した。そ…この情報をブレスレットに残し、同胞の手に渡…を願う。

 

 どうやら、シャプランは既に亡くなっている様だ。一人異次元で散ったのはどれ程悔しかっただろうか。考えるだけで才人は胸が痛んだ。

 

 何としても本星に…持ち帰…しい。『やつ』を野放しに…いけ…い。ブレスレットを手にした者よ…頼んだぞ。…から友よ最後に会い…った。メビウス…。

 

 そこで映像は終わり、才人達は現実に戻ってくる。どうやらシャプランはあのウルトラマンメビウスの友人であったようだ。

「ありがとうございます。貴方のおかげで俺は助かりました。いつか戻れたら…必ず渡しに行きますから…」

 才人は後の人の為にブレスレットの再生能力をあえて使わなかったシャプランがどれ程の覚悟を決めて死を選んだのかを考えると、「自分には真似できないな」と自嘲した。

「それにしてもブレスレットを持っていたシャプランが勝てないなんて…『やつ』…どんなに恐ろしい奴なんだろう?」

 才人は図らずも知れた強大な存在に一抹の不安を覚えるのだった。

 

 

 

 

 

 アルビオンの港まであと30分という距離にまで来た時、鐘楼に上っていた見張りの船員が大声を上げる。

「右舷上方の雲中より船が接近!」

 才人は船?と思いながらその方向を見てみると、確かに船が一隻近づいてくる。それは才人達の船より一回り大きかった。船体に装備された武装を見て才人は眉をひそめる。

「大砲…こっちに向いてる?」

 ワルドは見張りの声を聞いて船長のいる操舵室までやって来る。

「反乱勢…貴族派の軍艦か?」

 船長はワルドの問いに青ざめた顔で振り返る。

「副長の報告によると、旗を掲げていないようです。恐らく…内乱に乗じて活動が活発になっている空賊かと…」

 「逃げろー!」誰からという訳では無いが、叫び声が上がる。恐らく普通の反応だろう。責めようもない。しかし、時すでに遅かった。

「無理だろう」

 ワルドが呟くと、タールで黒く塗られた空賊の船はこちらの船と並走し、20数個も並んだ砲門をこちらに向けている。

 

ドゴン!

 

 空賊の船から才人達の船の進行方向に一発の砲弾が放たれた。脅しの一発だろう。しかし、才人達の船には自衛用に用意されている移動式の大砲が3門甲板にあるばかり。戦力差は歴然。才人達の船は停船するしかなかった。

「空賊だ!抵抗するな!」

 空賊の船からメガホンを持った男が叫ぶ。

「空賊ですって!?」

 何事かと驚いて甲板に出たルイズが驚きの声を上げる。他の乗客も驚いて、狭い甲板を逃げ惑うばかりだ。空賊の船の甲板にはフリント・ロック銃や弓矢を構えた男たちが狙いを定めている。更には手に斧や剣を持った男たちが乗り込んでくる。才人はルイズをかばう様にデルフリンガーを構える。しかし、いつの間にか来ていたワルドに肩を叩かれる。

「無理だ。戦場で生き残りたかったら敵との戦力差をよく考えるんだ。しかも、僕はまだ魔法が使えない。ここは耐えるんだ」

 その時、甲板につながれ、空賊に吠えていたワルドのグリフォンの頭が青白い雲で覆われる。その瞬間すぐにグリフォンは倒れ寝息をたて始める。

「眠りの雲…確実にメイジがいるな」

 才人は全員を庇いながら戦うのは無理だと判断した。結果的に才人達の船は降伏、空賊に従うしかなかった。

 

 

 

 

 空賊に捕らわれた才人達乗客は船倉に閉じ込められた。武器をとられ、鉄球のついた足かせと手錠を掛けられている。船長達乗組員は船の曳航を手伝わされているらしい。才人はふと呟く。

「ベル星人に今度は空賊…今日は厄日だな…」

 その時、ルイズの息が荒い事に気が付く。二人は慌てて駆け寄る。ベル星人の時にあれだけ嘔吐したのだ。まだ体調がいいはずがない。才人は見張りの男に駆け寄る。

「おい!医者はいないのか!?病人がいるんだ!」

 それを聞いた男は一言、「いねぇよ」と呟き無視を決め込む。才人がどうしようか悩んでいると、別の男達が現れ船倉を開ける。

「おい、女は出ろ!」

 仕方なく女性の乗客たちは従い船倉を出る。

「お前もだ!」

 男の一人が乱暴にルイズを立たせる。ワルドは「病人だぞ!」と叫ぶが男はワルドを突き飛ばすとそのままルイズを連れて行ってしまった。

「何て野蛮な奴らだ!」

 ワルドは憤り壁を叩く。女性だけを連れて行った、これが意味する事を男性なら大体は予想が付く。ワルドもその考えに至っているのだろう。妻や娘を連れて行かれた男性陣は悔し涙を流している。才人はワルドの肩を寄せ耳打ちする。

「子爵、奴らは今油断しきってる。今なら奇襲のチャンスだ」

 ワルドはとてもそうは思えない、という表情だ。

「考えてくれ子爵、男は全員拘束してあるとはいえ、誰一人始末してないんだぞ?それで女をだけ連れて行く何て油断しきってるぜ」

 それに、と続ける。

「このままじゃルイズが危ない。なりふり構ってらんないだろ?」

 この一言がワルドの背中を押した。

「で、どうやるんだ?策でもあるのかい?どうやるにしてもこの枷をどうにかしないといけないぞ」

「大丈夫さ」

 才人は船倉の出入り口まで来ると、見張りの男に声をかける。

「すいません」

 男はうっとうしそうに答える。他の連中のお楽しみに参加できなくてイラついているのだろうか?

「何だ!」

 

 

 

「伸びててもらえます?」

「は?」

 

 

ドガン!

 

 ワルドは何が起きたのか一瞬分からなかった。突然船倉の扉が吹き飛び、見張りの男が壁と扉に挟まれて気絶しているのだ。

「第一関門クリア」

 才人は冷静に呟く。何と才人は扉を蹴り壊して見張りの男を無力化したのだ。才人は軽く手を横にひき、手錠を破壊する。

(俺からデルフをとったのがまずかったな、抑えきれないエネルギーが溢れてきやがる)

 才人はデルフリンガーにウルトラマンの力の制御を手伝ってもらっている。デルフリンガーがいなければ完全に抑える事は出来ない。

(ま、いても抑える気無いけどな、今は)

 才人は他の乗客の手錠や足かせを全て力任せに破壊する。

「使い魔くん。分かってはいたが…いやはや、君は凄いな」

 ワルドが驚くのも無理はない。

「さあ、行くぜ!」

 才人達は勢いよく駆け出した。

 

 

 

 

 

 船長室、ルイズはそこに乱暴に通される。やたら豪華なそこにはこの船の頭が大きな水晶のついた杖をいじりながら、ドカっと派手な椅子に腰かけている。どうやらこの頭、メイジのようだ。周りにはガラの悪い連中がニヤニヤ笑ってルイズを見ている。

「なあ嬢ちゃん?お前さん貴族だろう?名前は?何しにアルビオンに行く?まさか今のアルビオンに旅行はねぇよなぁ?」

 頭はからかうような口調でルイズを見下す。ルイズは答えようとも思わなかった。こんな下賤な者に話すことなどない、という態度だ。

「もしかしてアルビオンの貴族派かい?ならこっちは手荒な真似できねぇんだよな~。なんせ、クライアントだからな。もしそうだってんなら、送ってやるよ?まぁ…楽しませてもらってからだけどぉ?」

 空賊たちは下卑た笑いを上げる。元々沸点の低いルイズ。頭にきてつい本当のことを口走る。

「バカ言っちゃいけないわ!誰が薄汚いアルビオンの反徒なもんですか!私はトリステインを代表してアルビオンに向かう大使よ!」

 やってしまった、とルイズは焦るが、それを見せてはいけないと言葉を続ける。

「それ相応の処遇を要求するわ!」

 その時、空賊たちの顔から笑みが消える。頭は深呼吸するとルイズに問いかける。その顔に先ほどの下卑た笑みは無かった。

「…何しにいくんだ?今は多少盛り返してはいるが、明日には消えちまうぜ?奴ら」

 ルイズは毅然とした態度で答える。

「アンタらに言う事じゃない」

「貴族派につく気は…」

「そうするくらいなら死を選ぶわ」

 ルイズは男にも負けない気丈さをもって話していた。しかし、体は細かく震えている。本当は怖いのだ。頭からの再度の誘いもきっぱり断る。

「そうか…」

 頭は呟くと、部下たちと目くばせする。その瞬間、周りの空賊たちは一斉に直立した。ルイズは戸惑う中、頭は立ち上がりルイズに向き直る。

「失礼した。貴族に名乗らせるならこちらから名乗らなければな」

 その時、頭の黒髪が落ちる。どうやらかつらだったようだ。顔の変装を外すと、そこには凛々しい金髪の若者が立っていた。

 

「私はアルビオン王立空軍大将、艦隊司令長官アルビオン王国皇太子ウェールズ・テューダーだ」

 

 ルイズは口をあんぐりと開けたまま動けなくなってしまった。しかし、慌てて自分の名を名乗る。

「とっ、トリステイン王国大使、ルイズ・フランソワーズ・ド・ラ・ヴァリエールです!」

「アルビオン王国にようこそ。大使殿、敵をあざむく演技とはいえ、失礼した。さて、御用を…」

 言いかけたところで、突如船内から轟音がする。駆け付けた船員に何事かとウェールズが問うと、船員が叫ぶ。

「ほっ捕虜の男たちが逃げ出して、こちらの船員を奇襲!今そのほとんどが戦闘不能に!」

「何だって!?」

 そんなことをしでかす人間に二人ほど心当たりのあるルイズは顔を青くする。

「くっ!手荒な真似はしたくなかったが致し方ない!鎮圧に!」

 

ドゴン!

 

 ウェールズが変装をし直した時、突如床から何かが付きあがってくる。テーブルを下から吹き飛ばし、天井にめり込んだのは船員の一人だ。

「見ーつけた…」

 続いて穴から人影が二人、飛び上がってくる。ワルドと才人だ。二人はルイズを見つけると、空賊たちを睨みつける。

「へー、か弱い女の子をこの大人数で寄ってたかってってか?」

 と、才人。

「男のくずだな」

 と、ワルド。

「「覚悟できてるだろうなぁ!(だろうねぇ!)」」

 ルイズは変装を直したばかりのウェールズを見る。

 

(タッ、タイミング最悪~!?)

 

 そう考えている間にも戦闘は始まってしまう。ルイズを守るためにと戦う二人は鬼のように強く、ワルドは才人からでも教えられたのだろうか?次々と迫る船員にローリングソバット、サマーソルトキック、サマーソルトドロップを決め昏倒させていく。才人は敵の攻撃を体術で全て受け流して掌底、正拳突き、飛び蹴りを決め屈強な男たちを沈めていく。

(こっ、このままじゃウェールズ様が!?)

 ルイズはこの二人の強さをよく知っている。誤解だという事を早く伝えなければウェールズの命が危ない。ルイズは慌ててウェールズの前に立ちふさがる。

「落ち着いて二人とも!話を聞いて!この人は…」

 戦いの騒ぎの中でルイズの言葉は二人には届かず、逆にあらぬ誤解を与えてしまう。

 

「「人質にする気かぁ!」」

 

 もう完全に頭に血が上っている。ウェールズは仕方なく杖を構えようとするが、それを見た才人がまだ外していなかった自身の足かせの鉄球を引きちぎり、杖を狙って投げつける。

「うわぁ!てっ、鉄球だぞ!?」

 杖を弾かれたウェールズにワルドが肉迫、ルイズをかっさらうと素早く後ろに回りウェールズの体に両腕を巻き付け抑え込む。

「くらえぇ!」

 そのままワルドは上半身を逸らせウェールズの頭を床に叩きつける。室内に響き渡る床にめり込む音、才人は綺麗なジャーマンスープレックスだと喜んでいるが、ルイズは自身の血の気を引く音を聞いた。

 

 

 

(うぇっ、ウェールズさまーーー!)

 

 

 

 

 

 




続きます。最後酷いギャグ展開になってしまった…でもずっと書きたかった所なので、書いてて楽しかったです。
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