ゼロの使い魔~真心~   作:へドラ2

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大変長らくお待たせいたしました。続きです。…これから書く内容は本編と関係ありません。全くの無関係、私の只の溢れ出る感情を書きなぐった物です。興味のない方はお話へどうぞ。




私事でお話と全く関係ない話ですが、体調不良で暫く臥せていました。その間、仕事から離れていたので時間が出来ました。それで、録画していたSSSS.GRIDMANを見て、全て見終わりました。(二か月遅れ)元々のグリッドマンが世代じゃないので見た事が無かったんです。なので原作DVDを借りて細々見ながら予習をしていました。結論から言うと原作のグリッドマン見なきゃ良かったです。あれ見たせいで最終回に凄い興奮して発狂しちゃいました。(体調悪いのに)「カッコイイイイーーー!マジかマジかマジか!ここで原作ОP!?」ってなっちゃいました。普段使わないし、俗っぽい言葉なんですけど、これでしか言い表せません。神アニメでした。


…以上!見てない人、興味ない人にはなんのこっちゃな話でした!すいません!お話へどうぞ!


ゼロの使い魔~真心~第52話

 朝靄の中、才人は目を覚ます。太陽がまだ登り切っていない、薄暗い学院のヴェストリの広場の片隅、そこに張られたテントの中に才人はいた。

「起きたか相棒、おはようさん」

「あぁデルフ、おはよう」

 才人はかけていた毛布をどけるとテントから飛び出し、一回転して腕から着地。続けて腕のばねだけで飛び上がり、体を空中で回転させながら静かに着地をする。

「ふぅっ…よし、行くか」

 軽く体を動かしウォーミングアップした才人は学院の外壁にそってランニングを始める。300周程走るとデルフリンガーの素振りを始める。これを15000回。その後はマチルダから習った拳法の基本の型を繰り返す練習。これを二時間。以上が才人の朝の運動だった。

「はぁ…はぁっ…」

「よし、そんくらいでいいだろ相棒。お疲れさん」

 才人は流石に疲れてその場にへたり込む。…以前までの才人はここまで朝の運動は激しくなかった。しかし、ルイズが自力で起きるようになり、着替えに洗濯まで自分でやるようになった為、才人は朝の時間が大幅に増えたのだ。それに伴い、運動量も増やしたのである。

「そろそろ行こうか」

 才人は洗濯物を持つと水場へ向かい洗濯をする。服はパーカーを一着しか持っていないが、シャツは使用人のおさがりをシエスタに頼んでいくらか貰っている。汗をかいて濡れたシャツと一緒にそれらを洗濯しに行くのだ。

「おはようございますっ!サイトさん!」

「おはよう!シエスタ」

 この時間、シエスタも洗濯をしにやって来る。使用人達に洗濯を任せている生徒たちや、使用人の服を洗うためだ。才人は洗濯する時はいつもシエスタと一緒にしている。これはルイズの洗濯物を洗っていた頃から変わらない毎朝の光景だ。

「おはよう…サイト…シエスタ…ふわぁ…」

 そこに可愛くあくびをしながらやって来るのがルイズだ。頑張って朝起きてはいるが、やはり眠たいらしい。瞼がほとんど閉じている。

「おはよう、ルイズ」

「おはようございます!ミス・ヴァリエール!」

 ルイズは冷水が効いたのか、ビクッと体を震わせ完全に目を覚ます。

(っ!…これを私は毎朝『ウルトラマン』にやらせてたのね…ホント、打ち首ものよ)

 才人はルイズの様子を見て少し笑いそうになるが、頑張ってるんだから笑っちゃダメだと自身の頬をつねると、ルイズに明るく問いかける。

「なぁルイズ?『例の』は出来たのか?」

 『例の』?シエスタは疑問に思うがそこまで詮索して良い物では無いだろうと察し、洗濯に集中する。…何分、シエスタの洗濯物の量は二人のそれより遥かに多いのだ。

「…う~ん、少し出来たんだけど…聞いてくれる?」

 才人が頷くと、ルイズは静かに呟く。

「え~とね、『炎は熱いので気を付ける事』」

「事は詩的ではないだろ」

「あと、『風が吹いたら、樽屋が儲かる』」

「それことわざ」

「…こんな感じで…」

 ルイズはため息をつく。どうやらあまり進んで無いらしい。才人も、もうちょっと何とかならないものかと考え込む。

(でも、ぱっと見なにこれ?ってなるけど、実は奥が深いウルトラマン二世のウルトラ五つの誓いに通ずるものが…無いか…)

 才人はウルトラマンジャックが地球を去る際、坂田次郎少年に残したとされる五つの誓いを思い出していた。

 

 

 

 

 …ところで、何故才人は一人ヴェストリの広場で寝起きしていたのだろう?それは、数日前にまでさかのぼる。

 

 

 

 

 

 アルビオンから帰った翌日の朝食後、ルイズは学院長に呼び出されていた。学院長室ではオスマンが一冊のボロボロの本を見ながらぼんやりと髭を捻っていた。

「おおミス・ヴァリエール。旅の疲れは癒せたかな?…思い返すだけで辛かろう?」

 ルイズは途端に青くなり顔を伏せる。どうやら一番辛かった『才人の解体』を思い出してしまったようだ。

「私をお呼びと聞いたのですが…」

 オスマンは優しくルイズに語りかける。

「おぬし達の活躍で同盟が無事締結されるじゃろう…トリステインの危機は去ったのじゃ。そして、来月にはゲルマニアで無事王女とゲルマニア皇帝の結婚式が執り行われる。全て君たちのおかげじゃ胸を張りなさい」

 それを聞いてルイズは悲しくなる。幼馴染みのアンリエッタが政治の道具として好きでもない男と結婚する…アンリエッタの悲しむ表情が脳裏に浮かび胸が締め付けられる思いだった。ルイズが黙って頭を下げると、オスマンがボロボロの本を差し出してくる。

「これは?」

 ルイズは突然渡された本を怪訝な表情で見つめる。

「始祖の祈祷書じゃ」

「始祖の祈祷書!?これが!?」

 始祖の祈祷書といえば伝説の書物。国宝である。それが何故こんなところに?

「トリステイン王家の伝統で、王族の結婚式の際には貴族より選ばれし巫女を用意しなければならんのじゃ。選ばれた巫女は始祖の祈祷書を手に式の詔(みことのり)を詠みあげる習わしになっとるんじゃよ」

「はぁ…?」

 ルイズは王宮の礼儀作法にそこまで心得が無いため、気のない返事をする。

「姫様はの、その巫女にミス・ヴァリエール、そなたを指名したのじゃ」

「姫様が!?」

「その通り。巫女は式の前より始祖の祈祷書を肌身離さず持ち歩き、読み上げる詔を考えねばならぬのじゃ」

 ルイズは突然大役を任された事に戸惑いを隠せない。

「姫はミス・ヴァリエール、そなたを指名したのじゃ。これは大変名誉な事じゃぞ?王族の式に立ち会い、詔を読み上げるなど一生に一度あるかどうかじゃ」

 本当の所、ルイズは、アンリエッタが幼馴染みである自分を巫女に選んでくれた事が嬉しかった。しかし、やはり戸惑いの方が大きい。

「わっ、分かりましたっ!?謹んで拝命いたします!」

 ルイズは震えながら始祖の祈祷書を受け取る。オスマンは目を細める。

「快く受けてくれるか?良かった良かった。姫様も喜ぶじゃろうて」

 ルイズが退出すると、オスマンはため息をつく。

「どうしたんですか?」

 オスマンは、ルイズがいる間席を外してもらっていたマチルダが差し出した紅茶をすする。

「ふぅ…いや、あの始祖の祈祷書じゃが…偽物が国中にある事はおぬしはよく知っておろう?」

「…?えぇ、まぁ」

 マチルダは元盗賊。そういった事情には人一倍詳しい。

「あれは全くもって酷い出来じゃ…文字一つ書いとらんかったわい…」

「へぇ…(いやぁそうとも限らない…かな?まぁ、あくまであたしの感だけどね…)」

 夜、ルイズから話を聞いた才人は凄い、良かったじゃないかとルイズを褒めたたえた。しかし、ルイズは難しそうな表情を崩さない。

「どうしたんだよ?もっと嬉しそうにすればいいじゃないか」

「ううん…こんな大役、私に出来るのかしら…いえ、出来はしないわ…」

 才人はこんなにも落ち込むものなのだろうかと思うが、結婚式と言えば一生に一度しかあってはならない大切な物。詔一つで台無しにしてしまう訳にはいかない。しかもお姫様の物となれば重圧も計り知れない物だろう。下手をすれば姫様が一生の内に二回目の結婚式を計画しなければいけない事態になりかねない。

「…もう寝ましょう。何だか疲れちゃった」

 布団に入ったルイズを見て、才人も藁の上に寝ころぶが直ぐにルイズの慌てた声が聞こえる。

「そっ、そんな所じゃ体に悪いわっ!?こっ、こっちで寝なさいよ!」

 才人は瞬間、顔を引きつらせ飛びのきルイズにデルフリンガーを向ける。

「っ!やっぱお前ニセも」

「違うわよ!」

 才人の言葉を遮りルイズは顔を真っ赤にして反論する。才人も透視能力を使ってまでルイズが本物か探ろうとしたところで止めた。

「…そうだよな。そんなわけ無い…どうしたんだよルイズ?朝から変だぞ?」

 ルイズは正直に言ってしまう事にした。自分が『ウルトラマン』に今までしていた事、それに気が付いたこと。それについて気を使っていた事を。

「おいおい、そんな事気にしてたのかよ?」

「サイト…もうちょっと自覚持った方がいいわよ?自分がウルトラマンだって」

 その時、ルイズはふと以前から才人の正体を知っていた面々の事を思い出す。

(皆も自覚なさすぎよ!)

 才人は気を使わなくていいと言うが、ルイズは頑として譲らなかった。

「ともかく、ウルトラマンを藁の上で何てそんな…サイトには布団に寝てもらうわ」

 才人はルイズの肩に手を置くと首を横に振り、きっぱりと断った。

「っ!?どうしてっ!?」

「…ワルドに、不義理だ…」

「あっ…」

 ルイズは改めて思い出した。自分の想いが才人にばれている事、ワルドが才人に自分を守るよう約束したことを。

「あいつと約束したんだ。帰って来るまでルイズには手を出さないって…俺がルイズと一緒の布団で寝た何て知ったら、相当悔しがるぞ?」

 ルイズは才人がワルドとの約束を守ろうとしている姿を見て、自分が恥ずかしくなった。そもそもの原因を作ったのは自分なのに、自分を愛してくれる人の想いを踏みにじろうとしたのだ。

「…ごめんなさい」

 才人は少し考え込むと何か思いついたのか指をパチンと鳴らす。

「そうだっ!俺がこの部屋出るよ」

「…えぇ!?」

 ルイズは何か才人を怒らせてしまったのではと取り乱すが、才人はルイズを落ち着かせながら説明を始める。

「なぁルイズ?今日一日見てて思ったんだけどさ、いくら何でも気を使いすぎて無いか?」

「そんな事…」

 無いとは言えない。

「でもって、姫様の為の詔を考えなくちゃいけない…俺に気を使ってちゃ集中できないだろ?」

 才人の考えはこうだ。詔を作っている間だけでも離れて生活し、ルイズが気を使うことなく最高の詔を作れるように配慮したい。その間に、才人…『ウルトラマンコスモス』との付き合い方も少し考えてみてはくれないか?という物だ。

「それに、大切な幼馴染みの結婚式だ。…たとえ政略結婚だったとしても、最高の思い出にしてやれるかもしれないだろ?」

 それを聞いてルイズは胸が少し苦しくなる。そうだ、自分が姫様に出来る事は…。

「分かったわ。私、頑張るっ!姫様に最高の詔を献上するためだものっ!」

 

 

 

 

 

 この様子を見守っていたデルフリンガーはある事に気が付く。

(相棒が部屋を出る…それはそれでいいとして、一人になった相棒を他の娘っ子共が狙わないとは限らねぇんじゃねぇかい?…娘っ子共は心で砥いでた爪を剥き出しにするかもな。あの姐さんも…これは面白くなりそうだぜっ!)

 

 

 

 

 

 こういった経緯があり、才人は一人ヴェストリの広場で寝起きしていたのだ。勿論ルイズと一緒に授業には出るが、ルイズと一緒に授業に出なくていい間は才人はマチルダの花壇の修理に勤しんでいた。

「はぁ…はぁ…土が…足りない…はぁ…はぁ…」

 才人は汗を流しながらその場にへたり込んでしまう。実はマチルダの花壇の修理はここに来て手詰まりになってしまっていた。チグリス一匹分、5万8千tもの質量が抜け出たのだ。穴を埋める土が全く足りないのだ。

「…これが…さ、い…ごぉ…っ!」

 麻袋に詰まったシエスタの故郷の不思議な土。これを一気にぶちまけるが、大きすぎる穴を前にしては虚無感しか無かった。

「今度シエスタに頼んで故郷から土を送ってもらわないとだな…それとも俺が取りに行くか…?嫌ダメだ。場所が分からん」

 恐らくシエスタから教えてもらっても駄目だろう。飛べば直ぐだろうが…この世界に土地勘のない自分では聞くだけでは迷子になるのがオチだ。案内してもらえればいいが、日々仕事を真面目に頑張るシエスタを無理に連れ出す訳にもいかない。

「はぁ~あ…今日はここまでにするかなぁ…ん?」

 その時、教室の窓からルイズがさりげなく手招きしているのが見えた。またかな?と最近になって新しく日々の生活の中に増えたある事だろうとあたりを付ける。

「よっと」

 才人は手早く壁の凹凸や窓の冊子に手足を引っ掛けルイズのいる教室の窓の下まで来ると、ルイズから手紙を受け取る。ルイズは軽くため息をつくと、小声で才人に話しかける。

「また副長さんからよ。何て書いてあるかわかんないけど、まさか…こっそり逢引してんじゃないでしょうね?」

「違うよ。何なら読もうか?『海岸に怪獣が現れた。銃士隊は出動できない為、事態を収拾してもらいたい』だってさ。丁寧に学院からの地図付きさ」

 手紙はミシェルの伝書鳩が持ってきた物で、才人にも読めるように日本語で書かれていた。トリステイン国内には以前から怪獣の被害があり、それは才人がこのハルケギニアにやって来る以前からだ。アルビオンから帰って以来、被害の拡大を防ぐためにと頼まれたのだ。ミシェルとリムが行ける範囲の怪獣はミシェル達で何とかしているらしいのだが、流石に遠い所までは手が回らないからだそうだ。

(まぁマンティコア隊をボコった責任あるしな…)

「じゃ、行ってきます」

「気を付けなさいよ」

 ルイズが声を掛ける頃には既に才人の姿は無く、学院から見える遠くの空にコスモスの後ろ姿が見えるばかりだった。…その姿を生徒の一人が見つけてしまい教室中が大騒ぎになったのは別の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 コスモスが空を飛んでいるとデルフリンガーが気味悪く笑いながら語りかけてくる。

(へっへっへ、なぁ相棒?娘っ子に最後の所言ってねぇだろ?何て書いてあったんだい?お礼は私の体で~とかでも書いてあったんだろ?娘っ子に読めない文字で書くとは、あの副長さんもやるねぇ~!)

「デァァッ!?(バッ!?ちげぇよっ!)」

(じゃあなんだよ~?誰にも言わないから俺っちにだけ言ってみな?な?)

 少ししつこいデルフリンガーに仕方なくコスモスは白状する事にした。

(怪獣倒したら一緒に食事でもどうだって…帰りに王宮の近くでも飛んでテレパシーで断りでも言っとくよ)

(え~何でぇもったいねぇなぁ)

(次の授業使い魔が一緒に出ないといけないんだよ…ほら、もう着いたぞっ!)

 デルフリンガーのからかいを聞き流しながら山を越えると、向かいから飛んできた小さな竜にぶつかりそうになり慌てて身をよじる。

(あぶねっ!…ありゃタバサか?)

「キューイッ!キューイッ!」

(っ!?ウルトラマン!?…こちらを見ている…?)

 どうやら学院を離れていたタバサが帰ってきたようだ。…キュルケの様子を見てどう思うだろうか?コスモスが考えていると直ぐに海岸線が見えてくる。

(いたぞっ!)

 そこには緑色の体色に体の各部の体毛、角の様な物が生えた甲羅を持った巨体が口を地面に叩きつけながら暴れ回っていた。

 

 

 

 

「グシャァァァァァ!」

『虫歯怪獣・シェルター』

 

 

 

 

 

 『虫歯怪獣・シェルター』かつてウルトラマンタロウが地球を守っていたときに宮崎県に現れた怪獣で、ZATの作戦及び訓練の不備について世論が厳しく追及した一件の中心となった怪獣だ。別名で虫歯とあるが、別に当時のシェルターが虫歯であったわけでは無い。ZATの水中ロケットが歯の間に挟まってしまい、それを取ろうとして誤って関係のない歯を無理やり抜いてしまったのだ。

(あいつは…俺のいた世界じゃ人間のせいで暴れちまってな…また人間の都合で殺してしまった怪獣なんだ…)

 デルフリンガーは先程までのおどけた様子では無く、真剣な声色で呟く。

(っていう事は…元は大人しい奴なのかい?)

(あぁ、きっと今暴れているのも何か理由があるんだ!)

「デァァ!」

 コスモスは海岸沿いの家々の上に倒れ込むシェルターに飛び掛かると羽交い絞めにして何とか住宅街から引き離そうとする。

「グシャァァァァ!」

「デァァ!?」

 しかし、暴れるシェルターを抑えられず背中の大きな角で海中にまで弾き飛ばされてしまった。コスモスは再度シェルターに近づこうとするが、シェルターが振り向いたと同時に火炎放射を放ったため慌ててバク転で躱す。

「デァァァ!(しょうがない、『赤』だ!デルフ!)」

 コスモスは右腕を掲げると全身を赤い光で包み込み『コロナモード』に変わる。改めてシェルターに構え直すと今度はシェルターの前に立ちふさがり、真正面から抑え込む。

「デァァァ!」

 シェルターも負けじと押し返してくるが、コスモスはより腰に力を入れ一気に押し返し家々から距離を取る。

「グシャァァァァ!?」

 シェルターはその強靭な腕でコスモスを激しく打ち据えるが、コスモスは顔色一つ変えずシェルターを持ち上げて投げ飛ばし、背中から地面に着地させる。シェルターは少しダメージが大きかったのか起き上がれずもがいている。

「デアァ!(今だ!)」

 コスモスは透視能力でシェルターの全身をくまなく探し、何処か異常が無いかを探る。すると口元に何かが刺さっている事が分かった。

(あれかっ!)

 コスモスはシェルターの口を開かせようと掴みかかるが、触られるだけでもシェルターは苦しいようで先ほどとは比べ物にならない程に暴れ出しのたうち回る。

「グシャァァァァ!?」

 シェルターはコスモスに馬乗りになると、何度も殴りかかり火炎放射を吐きかける。コスモスはシェルターの背中を蹴り飛ばして脱出するが、状況は振り出しに戻ってしまった。この時、同時にコスモスのカラータイマーが警告音を鳴らし始める。

「デァァ!(くそっ!時間が…ん?)」

 その時、コスモスはシェルターの瞳から零れ落ちた物がはっきりと見えた。

(涙…そうだよな、辛いよなぁ…待ってろよ!)

「デァァァ!」

 コスモスはウルトラ念力を使いシェルターを抑え込むと何とかその口をこじ開ける事に成功する。

「デァァァ!(見つけたっ!)」

 それは船のいかりだった。鋭い部分がシェルターの奥歯の一本に突き刺さり、いかりに付いていた錆がシェルターの歯を腐食させていた。腐食具合から見るに相当古い物だ。恐らくずっと昔に人間が海に捨てた物を口にしてしまい、それが歯に刺さったのだろう。このシェルターは本当に虫歯だったのだ。

(今取ってやるからなっ!)

 コスモスはシェルターの口の中に手を入れる。シェルターが本能的に噛みついてくるがコスモスは狂い無くシェルターの奥歯を掴むことに成功する。

「デァァ!」

 

 

 

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「グシャァァァァ!?」

 シェルターは力づくで歯を抜かれた痛みで大粒の涙を流してその場にうずくまるが、コスモスはすぐさま『ルナモード』に戻り、右の手のひらにエネルギーを溜める。

「デァァァ!」

『コスモフォース』!

 コスモスの腕から放たれた光はシェルターの口に注ぎ込まれ、抜かれた歯の部分の痛みを取り除いていく。シェルターは痛みが治まった事に気が付くと途端に大人しくなる。

「キュ?キュキュッ!」

 シェルターは先ほどまで暴れていたのがウソのように穏やかになると、スキップでもするかのように海の中に帰って行った。コスモスはそれを見届けると、安堵のため息をつき虚空の中に消えていった。

 

 

 

 

 

 

 十分後、才人はコスモスに変身し帰り道についていた。

(ふ~、何とかなったなぁ…風呂にでも入って、ゆっくり休みたいなぁ…)

 以前、コスモスは厨房で使わなくなった大なべをマルトーたちコックからもらいヴェストリの広場に自分用のふろ場を作ったのだ。学院では平民の風呂は地球で言うサウナの様な物だったので才人は一日で入るのを止めている。

(風呂ってあれかい?裸でお湯につかるあれかい?)

 デルフリンガーが喰いついてきたことにコスモスは不思議そうにする。

(あぁそうだけど…それがどうしたんだよ?)

(いや、別に)

 デルフリンガーの素っ気ない返事に疑問を隠せないコスモスだが、タバサ達のようにまた前を見ないでぶつかりそうになるかもしれない。コスモスは飛ぶことに集中する事にした。

 

 

 

 

 

 

(相棒が裸で一人っきり…こりゃぁ娘っ子共が黙ってねぇな)

 

 

 

 

 

 

 

 




続きます。シェルターの回知らない人がいたらぜひ見てください。…ネットではコスモスブチギレ案件何て言われてます。






追伸・皆さんイン●ルエ●ザには気をつけましょう。
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