ゼロの使い魔~真心~   作:へドラ2

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長らくお待たせいたしました。続きです。はい、風呂本番。(閲覧注意)え?デルフリンガーの設定がわけわからん?それはまた今後ですね。


ゼロの使い魔~真心~第54話

 才人は震えていた。今のシエスタとの状況は誰かに見られて良い物では無い。しかも、その相手がマチルダなら尚更だ。

「マッマッ、マチル…ダ…これはその…」

 マチルダは無言で近づいて来ると、目にもとまらぬ速さでシエスタの両頬を掴み上げ、全力でつねりあげる。

「…シエスタ?…抜け駆けは無しだって約束は…協定はっ!?ドウナッタ~~~!?」

 グニョングニョンとこねくり回されるシエスタの両頬。シエスタは必死に手を振りほどこうとするが、かなわずされるがままだ。

「ふへぇ~っ!ふびゅっ、むにゅむ~っ!?」

 シエスタが何と言っているかは分からないが、謝っているんだろうか?そうこうしている内にシエスタはマチルダの手を振りほどく。

「ふんっ!そう言うミス・ロングビルだってそのタオルと桶は何ですか!?才人さんがここでお風呂してるって聞いて入りに来たんでしょう!?抜け駆けする気満々じゃないですか!」

 マチルダは言い返そうとするが押し黙ってしまう。空を仰ぎ、ふう…と一息つくと突然その場で足のバネだけで飛び上がる。と同時に全ての服を脱ぎ、空中で一回転すると同時に全ての下着を取り去り風呂に静かに着水する。お湯が殆どはねない程綺麗な着水だ。

「ふぅ…これが才人の世界の風呂…気持ちいいね…」

「なっ、マッマチルダ!?」

 突然目の前に入ってきた全裸のマチルダに才人は顔を覆うが、マチルダはお構いなしに才人に密着する。

「ミス・ロングビルッ!?何をっ!?」

 マチルダは驚くシエスタに不敵にほほ笑む。

「なぁに、今回は全面対決と行こうかなと思ってね…」

 才人の顔を覆う手を両手で開き抑え込むと、自身の裸体に才人を押し付けるマチルダ。才人は幸せな感触に包まれるが、同時に全身の熱い流れが一点に集まりつつある事に気が付き離れようともがく。

「は、離して…マチルダ…あ、ありがひっ!?」

 マチルダは拘束していた才人の両手を離した瞬間、両足で才人の全身を抑え込み完全に密着させる。才人が最後の砦にと閉じていた瞼に触れると優しく押し開く。

「見て…才人…」

 才人の視界にマチルダの優しい微笑みが飛び込んでくる。いつの間にか髪にタオルを巻いていたマチルダは胸を寄せ、才人の顔を押し付ける。

「ミス・ヴァリエールから聞いたけど、ここんとこ怪物を追っ払うの手伝ってるんだって?アルビオンから帰ってきたばかりだってのに…無理しないでおくれ、心配して待ってる女がいる事を忘れんじゃないよ…?」

 才人は優しく囁かれ、幸せな感触に包まれ…ふっと全身の力が抜ける。今までの疲労を一気に引き出されたような感覚だ。才人は思考が出来なくなる程ぼうっとし、全てをゆだねてしまおうという気持ちになる。

 

 

「才人さんっ!しっかりしてくださいっ!誘惑に負けてはダメッ!」

 

 

 ぼやけた思考を爆散させる良く通る声。その声を上げたシエスタは才人の顎下に手を滑り込ませると、才人を引き抜く。自身の胸で才人の頭を挟み込むと、両方から押し付けたり擦り付けたりして才人の意識をマチルダから逸らそうとする。

「才人さ~ん?どうです?私の胸の感触…ミス・ロングビルにだって引けを取りませんよ…うふふ、このハリと弾力は私の自慢ですよ~?」

 才人はまたも幸せな感触に包まれるが、その表情はにやけ顔から一変し引きつっている。何故なら目の前にいるマチルダが恐ろしい顔をして睨み付けてくるからだ。

「ほ~…才人?気持ちいいかい…?なら今度はこうさ」

 才人は気配でマチルダが何をしようとしているかを察知する。才人はダメだ、してはいけない、と言おうとするがシエスタが力強く胸を押し付けてくるせいで口を開けない。そう考えている間にマチルダは既に才人の体にまたがり、覆い被さってくる。

「よっと…」

 マチルダは才人の太腿の所に腰を下ろすと、才人の顔の正面から胸を押し付け包み込む。才人はシエスタとマチルダ、二人の胸に挟まれる形になる。

「ッ!?!?!!」

 才人は言葉にならない悲鳴を上げる。本来なら世の男性が才人を妬み殺しそうな程の体験をし、幸せなはずの自分。しかし、シエスタから放たれる凄まじい執念の感情が才人の背筋を凍てつかせ、先ほどまでの優しかった雰囲気は何処へやら、マチルダから放たれる殺気により全身を引き裂かれそうな感覚になる。

(ここは天国か…いや逆だ…)

 先ほどまで全身を駆け巡っていた熱い流れは完全に鎮静化し、今にも全て止まってしまいそうな感覚すらする。

「…ん?元気なくなってるじゃないか…」

 マチルダの体には触れまいと必死に離していた『それ』。しかしマチルダにはその存在が分かっていたらしく、その変化に瞬時に反応してくる。

「まさか…私が相手だからかい…?」

 寂しげに呟くマチルダだが、その表情は寂しさとは全く関係ない感情で塗り固められ、貼り付いている。才人は恐怖で涙を流しそうになるが必死にこらえる。

(…その顔が怖いからだよぉ…)

 シエスタとマチルダ、二人のドス黒い感情が渦巻くその場所に置いて唯一冷静で、十中八九この状況を楽しんでいるでる存在・デルフリンガー。

(うへぇ…想像以上さね…こりゃあちょっとやべぇな…どうするぅ?相棒?…)

 カタカタと小刻みに揺れながら状況を楽しんでいると、突如この二人に匹敵する、いや凌駕すらしそうなどす黒い情念をまとった魔力を察知する。瞬間、デルフリンガーは鞘を飛び出し才人達が入っている釜の前に立ちふさがる。

 

 

 ゴォッ!

 

 

 それと同時にはじけ飛ぶ巨大な火球。デルフリンガーは全て吸い込もうとしたが急な事に対応できず、吸い切れなかった分がはじけてしまったのだ。

「うわぁっ!?」

 その場の空気を一変させた者、三人は慌ててその方向に向き直る。いったい誰が何故急に攻撃を?しかし、シエスタとマチルダは振り向いた瞬間納得し、才人は胃に穴が開いたような感覚に襲われる。そこにいたのは美しい赤毛を持つ女性…。

 

 

 

 

「へぇ~…楽しそうなことしてるじゃない、シエスタに、マチルダ?」

 

 

 

 キュルケだった。声は極めて明るいが、口元に小さく笑みを浮かべるのみで感情が表情に現れていない。可愛く首をかしげているつもりだろうが、その様には狂気を伴う。そんなキュルケの手にはしっかりタオルが握られている。考える事は誰も同じ…そういう事なのだろう。シエスタとマチルダとキュルケ、三人の視線が合わさる。その瞬間、キュルケの目に感情が宿る。互いに相手を睨め付け合い、静寂がその場に訪れ…才人の心臓を少しずつ締め上げていく。

「はっ!」

 キュルケはタオルを上に放り投げるとその場で跳躍、それと同時に衣服を全て脱ぎ全裸になり空中でタオルを手に取り髪をまとめ上げる。釜の直前で体を回転させ勢いを殺すと、静かにお湯に着水する。シエスタとマチルダを押しのき、才人の目の前に綺麗にだ。

「へ~っ!これがサイトの世界のお風呂なのね~、貴族のお風呂とはまた違ったものがあるわぁ~」

 言いながらキュルケは才人の口元に顔を近づける。勿論それを黙って見ている他二名ではない。マチルダはキュルケを羽交い絞めにし、シエスタはキュルケの下腹部に掴みかかり少しでも体から離そうと全力で持ち上げる。

「これがほんのちょっと前まで男にビビってた女の行動力かいっ!?」

「猫被ってたんじゃないんですかっ!?」

 当のキュルケは巧みな体重移動で尚も才人に近づき行動を続けようとする。

「あら?そんな私を助けてくれたのは皆じゃない。皆のおかげよ?私がここまで元気になれたのは?その事に関しては心の底から感謝してるわよ?」

「恩を仇で返してんだよツェルプルトーッ!」

「そうですっ!私の気持ち前に聞いてましたよねっ!?その上でのこの行動ですかっ?!というか、チグリスちゃんはどうしたんですっ!」

 キュルケはあっけらかんと言い返す。

「あら、それとこれは別よ?男の取り合いに恩も正義も無いわ。あなた達がこうして取り合っていたのがその証拠じゃない。それに、チグリスはもう疲れてお眠よ」

 シエスタとマチルダは図星なので言い返せないが、キュルケの考えと同じ考え方でキュルケを止めにかかる。

「「くそっ!だったらっ!」」

 同じく才人の唇に顔を寄せる二人。才人は三人の女性が殺意の形相で目の前で互いに押し合いながら自分の唇をめぐって争いを繰り広げる状況を震えながら見守るしかなかった。自分が入り込める余地が何処にあろうか?今逃げ出そうとしたところで逃れることなどかなうはずが無い。一人を選べば、残る二人に命を刈り取られるだろう。考え方を変えるんだ、楽しもうじゃないかっ!…何度もそう考えたが、何処にも楽しさを見出すことが出来ない。

「ひゃふぃっ?!」

 そんな時才人の『それ』に誰かが手を触れる。優しく包み込み、激しい感覚を才人に与えてくる。才人にとって初めて他人に触れられる感覚、それを抑えきる事が出来ず全て表情に出てしまう。

 

 

 

 ザバァッ!

 

 

 

 瞬間、シエスタとマチルダとキュルケは立ち上がり全員で手を組み合い額を叩きつけ合う。今までの比較的静かな争いから一変、怒号交じりの争いに変わる。

「やりましたねミス・ロングビルッ!」

「ロングビルあなたそれでも教育者ッ!?」

「ふっ!あたしゃ学院長秘書ッ!教師じゃないんでねっ!ついでに言うと才人も生徒じゃないっ!悪いが小娘どもには負けないよっ!」

 才人は自分の忍耐力の無さを激しく後悔した。自分がもう少し耐えることが出来たら…そう思う事もおごりなのだろうか?自分ではない誰かならこの状況を回避、もしくは解決できただろうか?…まぁそんな人間をこの三人が気にいるかどうかは別の話だが。

(マズイ…マズイ…)

 マチルダとキュルケはいつ杖を抜いてもおかしくない程興奮し、シエスタはデルフリンガーを片手で振り回し始めそうな勢いだ。このままでは誰かが怪我をする。才人は死を覚悟して三人の間に割って入り、争いを止める為に手で三人を制する。

「待」

 言いかけた時、突如として地面が大きく揺れる。水面が振動で波打ち、四人の意識を一気に集める。振動は比較的近くで発せられたようだ。才人は慌てて辺りを見渡すと、直ぐ近くの学院の外壁から見上げるほどの巨体が才人達を覗き込んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

「キィィィィッ!」

 

『宇宙怪獣・エレキング・超特異個体(要はリム)』

 

 

 

 

 

 才人は最初エレキングに襲われると身構えたが、直ぐに巨大化したリムだと気が付き安堵のため息を漏らす。

「何だ…リムか…びっくりした…」

「「これがリムちゃんっ!?」」

 普段のちんちくりんしか知らないシエスタとキュルケは驚きの声を上げまじまじとリムを見上げている。才人は無理も無いだろうと思っているととても重要な事に気が付く。

(リムがここにいるって事は……あ)

 『そいつ』はリムの肩の所に乗っていた。普段来ている制服とは違い、薄紫色のドレスに身を包んでたたずんでいる。

「ナニヲシテイルノカナ~~~?サ~イトッ?!」

 あからさまに怒りの感情をぶつけてくる『そいつ』…銃士隊副隊長ミシェル。

「ミシェルッ!?あっいやこれは」

 ミシェルは肩を震わせながらぽつりぽつりと呟く。

「授業があるからと誘いを断られ…なら明日は非番だから今夜食事でもどうかと誘いに来てみれば…張りきって初めて化粧をしてみたのに…っ!」

 よく見るとミシェルは化粧をしていた。恐らく自分一人で全てやったのだろう、不慣れなのが一目でわかる。明らかに顔におしろいをつけすぎ、真っ白になっている。頬にはチークが厚く塗られ凄まじく濃いピンクに、さらにそれに被りそうな程口紅がはみ出ていた。シエスタとマチルダとキュルケは吹き出しそうになるのを必死にこらえていた。

「そんな事…そんな事…」

 ミシェルは顔を真っ赤にしながらスッ…と右手を上げる。才人は何をしようとしているか直ぐに察しシエスタとマチルダとキュルケをつかみ上げ風呂の外に放り投げる。

 

 

 

 

 

 

「結婚前にしちゃ、いけないんだぞーーーーーっ!」

 

 

 

 

 

 

 下ろされるミシェルの右手、同時にリムが口から放つ雷のように激しく輝く電撃。ワルドの『ライトニング・クラウド』とは比べ物にならない威力のそれが正確に才人に直撃する。

「ギャァァァァーーーー………」

 才人は一瞬で意識を刈り取られ、湯舟の中に沈んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 数分後、シエスタ、マチルダ、キュルケ、ミシェルは一緒に才人の風呂に入っていた。ミシェルはその酷い化粧を落とすため、他三名は才人に放り投げられた際に泥だらけになったためだ。しかし、そこに会話は無い。只静かに時が流れる。唯一声を発しているのは四人に囲まれた真ん中で腹を上にして浮かんでいる縮小光線銃で小さくなったリムだけだ。

「ピキィー…」

 リムは気持ちよさそうに手足を伸ばしぷかぷか浮かんでいる。しかし、女性陣には静寂が訪れていた。

「…あのう、副長さん?」

 一番に静寂を破ったのはシエスタだ。おずおずとミシェルに話しかける。

「誤解して欲しくないのは…今回のはあくまで」

「サイトは悪くない、だろう?」

 今、才人は服を着せられテントの中に寝かされていた。流石にリムの電撃はこたえたらしい。ふと、キュルケが口を開く。

「副長さんもですか?」

 具体的に何がとは聞かない問い。それにミシェルは只頷いて見せるだけ。再び場に静寂が訪れると、マチルダは深く深呼吸して話し出す。

「全く、才人も罪作りだねぇ…」

「「「その通り」」」

 全員の意見の一致、誰からとは言わずその場から笑いが漏れ始める。

「ふっ、フフフ…」

「「はははっ…」」

 それは段々と広がり、最後には全員で笑い出してしまう。才人を巡ったギスギスとした争いは終わり、いつもの彼女たちに戻っていた。何の気なしに世間話が始まり、女子会のような雰囲気が生まれる。

「それでその時マルトーさんが…」

「えぇ!?あの人がー!?…」

「そう言えばそのお化粧は…」

「あぁ、実は…そう言えば縮小光線銃の調子は…」

「えぇ大丈夫よ…」

「あれは決められた個体しか…」

 そんなふうに楽しく語り合っている時、マチルダがふっと思い出したのか、シエスタの肩を叩く。

「なんでぶにゅ」

 振り向いたシエスタの頬にマチルダの指が沈み込む。シエスタは怒ってむくれるが、マチルダは笑ってやり過ごし話の本題を振る。

「ごめんごめん、実は花壇の事なんだけど…」

 チグリスが出て来た為に大穴が開いたマチルダの花壇、そこにシエスタの故郷のタルブ村の特殊な栄養土を入れたいという相談だった。

「そうですねー…あぁそれなら、今度久しぶりに帰郷しますからその時にでも貰いに行きましょう」

 シエスタ達使用人にはアンリエッタ姫のおめでたい結婚ということで特別に休暇が出るのだ。マチルダは休みの日を聞くと、自分もその日に休みを取ると約束する。

「…実は、才人さんにも来てほしかったんですよね…私の故郷、タルブ村って言って何にもない辺鄙な村ですけど…とっても綺麗な草原があるんですよ…」

 他三人の目が一瞬で敵意のこもった物に変わるが、次の言葉を聞いて落ち着きを取り戻す。

「人ずてに聞いたんですけど…この間そこに怪物が出たらしくて、才人さんがやっつけてくれたらしいんです…少しでもお礼が出来たらなって思って…皆さんもどうですか?」

 ミシェルは難しそうな顔をする。流石にシエスタの休みの日に非番が被るという偶然は無い。悔しく思うがタルブ村の件に関しては自分が才人に頼んだ事なのでなんとも言えなかった。

「う~ん私は…」

 キュルケは胸の下で腕を組み、少し考え込んでいる。少しすると何か思いついたのか、パッと笑顔になる。

「私もついていくわ、チグリスを育てた土がどんなものか、少し気になるもの。あっ、タバサも誘っていい?」

 言われてミシェルはハッとする。

(そうだ…本来とても凶暴な『宇宙大怪獣・アストロモンス』が人間になつくなんておかしいと思っていたが…もしやその土に秘密が?くっ気になる…気になるっ!)

 しかし、銃士隊の仕事がある。歯がゆい気持ちのミシェルだった。

「よし。じゃあ才人が起きたらあたしから伝えておくよ」

 マチルダが言った時、同時に三つの口が開き、言葉を発する。

「「「いやいや、私が」」」

 今度は四人で立ち上がり手を組み、額を叩きつけ合う。

「この後に及んでまだ抜け駆けしようとする気かい!?」

「一番に言い出したのは貴方ですよミス・ロングビルッ!?」

「ええい信用ならんっ!お前たちはさっきまで散々だっただろうがっ!私から伝えておくっ!」

「そんな化け物みたいな顔サイトに見せられないわよっ!」

「化粧は落とすわっ!というか、遂に本音が出たなっ!」

 再び始まった、一人増えた女の戦い。姦しく騒ぐ女性陣の中、ひときわ大きく…わざと聞かせようという意思が込められたため息が聞こえる。全員が誰かが見ているのかと警戒するが、ため息の主はほんのすぐ近くに居た。

「なぁお嬢さんがた…そろそろ…止めようや…」

 デルフリンガーだ。ミシェルが来た頃から静かにしていた為全員その存在に気が付いていなかった、忘れていたのだ。デルフリンガーの冷静な一言に頭が冷えたのか皆一様に腰を下ろす。

「まぁそのお誘いの事なら俺っちから相棒に伝えておくから…お前さんたちは早く風呂から上がんなさい。皆揃ってのぼせるぜ?」

 冷静に言われた全員はそそくさと風呂から出るとサッと着替えを済ましてしまい、風呂の後片付けをパッパと終わらせてしまう。

「出来ればテントまで連れてってくれない?」

 無言の全員にテントまで送ってもらったデルフリンガーは才人の横に寝かせてもらうと「あんがと」と一言礼を言う。何となくその場で解散する雰囲気が漂い、全員はアイコンタクトするとその場から去ろうとする。…その背中に、デルフリンガーが呼びかける。

 

 

 

 

 

 

「今日の事が相棒の悲痛なトラウマにならなきゃいいなっ!」

 

 

 

 

 

 

 全員の肩がビクッとするのが気配で分かる。まぁ、フォローしとくよとデルフリンガーは続けるが、誰からの返答もなかった。

(すまん相棒。途中助けようとも思ったんだが…俺っちとしたことが、完全にビビっちまった…楽しもうとして済まんかった。反省する)

 

 

 

 

 

 次があったら全力で止める。助ける。そう誓ったデルフリンガーだった。…次が無いのが一番だとも思ったが。

 

 

 

 

 

 

 




続きます。…皆様ならどうでしょう?この状況羨ましいですか?怖いですか?


私は怖いですね。



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