ゼロの使い魔~真心~   作:へドラ2

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お待たせしました。続きです。新生活、新体制が始まる時期ですね…。それに向けての準備が忙しくて忙しくて…本当はもっとお話書きたいんですよ。チクショウ…(´;ω;`)


ゼロの使い魔~真心~第55話

 風呂場でうっふん大パニック(!?)から数日後、トリステイン上空にて。コスモスは一路港町を目指して飛んでいた。シェルターが以前出現した港町とは少し離れた所にある港町で、先日長い冒険から帰ったばかりだという行商人の一団が滞在しているらしい。

(おう相棒…大丈夫かい?ここ何日か飯と運動と授業以外何もしてねえけどよ…)

 デルフリンガーの問いかけにコスモスは首を振る。

(大丈夫だよ…今は目の前の問題だろ?…変な心配すんな…)

 コスモスは先日のトラウマレベルの出来事を胸の奥にしまい込む。今はそれよりも大事な事があるのだ。

(にしても、手紙には例の行商人が今回の一件を王宮に伝えて来たらしいじゃないか…何か変なの連れて来たんじゃないだろうなぁ…?)

 過去に才人のいた地球でも人間が自己の利益の為に何かをやらかし、怪獣を呼び覚ましたり、連れてきたりといった事案が数多くあるのだ。

(見えて来たぜっ!相棒っ!)

 そうこうしている内に現場が見えてくる。今回ミシェルから依頼されたのはこの町に現れた大亀…亀砲兵の十倍以上の巨大な化け物を何とかして欲しいという物だった。突如港町に現れ、大暴れしているとミシェルからの手紙には書いてあった。…最後に『この間はすまなかった、今度埋め合わせをする』とも書かれていたが。

(懲りてねぇな…いたっ!)

 遂にコスモスは港町で猛威を振るう存在に出くわす。それは怒り狂い、手当たり次第に家に頭を突っ込んでいた。

 

 

 

 

 

 

「キィェェェェェッ!」

『大亀怪獣・キングトータス』

 

 

 

 

(あれはっ!キングトータスッ!?)

 そこには正に巨大な亀がいた。口腔から飛び出るほどに長い牙、頭頂部の角が特徴的な亀の怪獣だ。

(本来大人しいはずのキングトータスが…何か人間がやらかしたか?)

 しかし、今はキングトータスを止める事が大切だ。コスモスはキングトータスの前に降り立つと、間髪入れずに右腕を突き出す。

「デアァッ!(フルムーンレクトッ!)」

 光の粒子がキングトータスに全て吸い込まれる。コスモスはこれで大人しくなってくれる事を期待したが、そうはいかなかった。

「…ッ!キィェェェェェッ!」

 一瞬、大人しくなったキングトータスは身震いをすると、コスモスに敵意を向け襲い掛かってくる。キングトータスはその強靭な肉体で体当たりを仕掛けてくる。コスモスは受け流そうとするが、突然キングトータスがふわりと浮かび上がり不意の一撃を浴びせてくる。

(ぐあぁっ!?…そうだ…キングトータスは飛べるんだった!)

 キングトータスは回転しながら何度もコスモスに体当たりをする。コスモスは読めない軌道に翻弄されなすがままだ。

「デァァァ!」

 吹き飛ばされ背中から海に突き落とされるコスモス。キングトータスはコスモスの前に降り立つと大口を開ける。首元に迫るキングトータスの噛みつきをコスモスはバックステップで躱すが、キングトータスは躱されると同時に喉の奥から赤い球体を吐きかける。

(あれはっ!)

 コスモスは体をねじり躱そうとするが、かわし切れず背中に幾つか付着してしまう。コスモスの背に戦慄が走る。

(やば)

 

 

 

 

 ドゴォォォンッ!

 

 

 

 

「デアァァァッ!」

 赤い球体は突如として大爆発、コスモスを爆炎で包み込む。背中を吹き飛ばされたコスモスはその場に膝をついてしまう。慌てて立ち上がろうとするコスモスだが、キングトータスはその隙を見逃さない。

「キィェェェェェッ!」

 再び放たれる赤い球体。これは赤い卵のようにも見えるが、実際には卵ではなく『火炎玉』というキングトータスの武器である。これが今度はコスモスの全身に付着、大地を震わす爆音とともにコスモスを吹き飛ばし爆炎の中に沈める。

「キィェェェッ!」

 天を仰ぎ勝利の咆哮を上げるキングトータスだが、それは瞬間、戸惑いの鳴き声に変わる。

「キィェッ!?」

 突如として爆炎の中から伸びて来た二本の腕、キングトータスの右肩と左脇腹に掴みかかったそれは凄まじい握力でキングトータスの甲羅を軋ませる。その腕に持ち上げられたキングトータスは背中から地面に叩きつけられる。

「ドアァァッ!」

 

 

『ウルトラマンコスモス・コロナモード』

 

 

 コスモスは火炎玉の爆発直前、コロナモードに変身し火炎玉の爆発に耐えたのだ。コスモスはキングトータスに向けて構えを取ると、再びつかみ上げようと手を伸ばす。キングトータスは何度もやられてはたまらないと飛び上がり逃れると、高速回転しながら全速力で体当たりを仕掛ける。

「キィェェェェェッ!」

 コスモスは両腕を広げ、腰を落とし力強く構える。

「デアァッ!(来いっ!)」

 高速回転し、円盤に見える程にまでに速度をあげ迫るキングトータス、コスモスは全身にエネルギーを行きわたらせ、迫る衝撃に備える。

 

 

 

 ドゴォォォォォォォォォッ!

 

 

「ドアァァァァァァッ!」

「キィェェェェェッ!」

 

 

 

 空気を揺らし、衝撃波をまき散らした衝突は轟音を響き渡らせる。キングトータスは勢いのままコスモスを吹き飛ばそうとする。コスモスはそれに耐えようと踏ん張り、地面をズルズルと滑っていく。コスモスは港町から2㎞以上離れた山に背中から叩きつけられるが、これ幸いと山に背中を預け全身に力を入れ直す。

「デアァッ!」

 気合一発、キングトータスの回転を完全に制止させると甲羅の上から拳を一撃叩きつける。その一撃でキングトータスはコスモスの足元に叩きつけられる。

「デアァァァッ!(うぉおおおおおっ!)」

 コスモスはキングトータスの体を持ち上げると、全力で投げ飛ばす。背中から叩きつけられたキングトータスは苦痛の鳴き声を上げる。

(よし、もう一度フルムーンレクトをっ!)

 その時、コスモスの視界が港の倉庫から出てくる物を見つける。何か大きな物を人間が巨大な台車で運びだしている様だ。布を掛けられていて何かは分からないが、コスモスはそのシルエットに気が付き背筋が凍る。

(あれは…まさかっ!?)

 コスモスはすぐさま飛び立つと倉庫の前に降り立ち台車の前に立ちふさがる。

「デアァッ!(待てっ!)」

「「「うわぁぁぁぁっ!?」」」

 人間達は目の前に現れたコスモスに腰を抜かす。が、キングトータスに止めを刺さずに来たコスモスを睨みつけると口々に叫び出す。

「何やってんだウルトラマンッ!怪物をぶち殺せっ!」

「お前それでもウルトラマンかっ!怪物を殺すのが存在意義だろぉっ!」

「早く殺してこいっ!そうすりゃ俺たちは安全に『商品』を運べるんだよぉっ!」

 コスモスは人間達の叫びを無視すると、無言でしゃがみ込み台車から布を引きはがす。人間達は罵詈雑言を浴びせかけてくるがコスモスはその全てが右から左へと流れていた。…何故か?…それは怒りに震えていたからだ。

(こっ、これは…っ!)

 

 

 

 

 

 

「キュゥゥン…」

『大亀怪獣・クイントータス』

 

 

 

 

 

 そこには手足を巨大なモリで撃ち貫かれ台車に縫い付けられ、首に大きな穴がいくつも開いた痛々しい姿のクイントータスがいた。首元の穴は麻酔薬を流し込むために開けられた穴だろうか?ろくな止血もされず少し血が流れ出している。クイントータスはコスモスを見上げるとその大きな瞳から大粒の涙を流す。

「キュゥゥ…」

 コスモスがその涙を拭うと、クイントータスの記憶が…感情が流れ込んでくる。

 

 

 

 

 

 ハルケギニアのどこか…外敵もおらず平和な島。卵を産みに砂浜にやってきて、苦しみ、激痛に耐えながら、大切な夫との愛の結晶を産み落とし…六個の卵を産み終えた時、突如首元に突き刺さる鋭い何か。それと同時に大勢の人間が駆け寄りよじ登ってくる。そして、首元に突き刺さった何かを通して流し込まれる冷たい物…そこで一度意識が途切れる。

 

 

 

 次に目覚めたのは大きな木の板の上、動こうにも手足に激しい痛みが走り身動きが取れない。前を見ると人間達が木で出来た何かの上で大騒ぎしている。その中に見た、確かに見た。見てしまった。半分に割られその中身を貪る人間達。半分に割られていた物…それは…それは…大切な夫との…愛の結晶。

 

 

 

 

 

 

「ダアァァァッ!」

 コスモスはその場でよろめき、膝をつく。人間達が貪っていた物それは…『卵』

(喰ったのか…子どもを…親の見ている前で…母の見ている前でっ!)

 人間が鳥の卵を食べるのと何が違う?肉を食べるのと何が違う?そう問われればそこまでだ。何も変わらない、只の食物連鎖。お前が普段食べている物は何だ?そう言われればそこまでだ。コスモスだってそんな事は分かってる。理屈も分かる。だが、そんな偉そうな理屈を並べて相手を黙らせ、ふんぞり返れるコスモス…才人では無かった。

(アァァァァァッ!)

 コスモスはクイントータスの怒り、憎しみ、恨みの感情を理解すると人間達に向け拳を振り上げる。人間達は恐怖に震えるが、結局拳が振り下ろされる事は無かった。

(クッ…イメージの中で喰ってたのは五人…)

 コスモスはクイントータスを乗せた台車を運ぼうとしていた人間達を数える。丁度五人だ。よく見ると亀甲状の蕁麻疹が全身に出ている。…昔、聞いたことがあった。怪獣の卵を食べた人間は全身に蕁麻疹が出て、それを目印に怪獣の親に殺されるという。都市伝説のような物だとばかり思っていたが、それはキングトータスとクイントータスの卵の事だったのだ。

「ダアァッ!」

 コスモスはクイントータスの腕を台車に縫い付けているモリを一本ずつ引き抜く。それを見た人間達はどよめきを上げる。

「何すんだっ!俺達が半年かけて捕まえたんだぞっ!」

「これからそいつに芸を仕込んで、そいつの卵を売っ払って大儲けすんだよっ!」

「ウルトラマンは人間の味方じゃねぇのかよっ!」

 コスモスに石を投げてくる者もいる。コスモスはそんな人間の言葉を全て無視すると刺さっていたモリを全部抜き取る。立ち上がったコスモスは両腕をクイントータスに向ける。

(やるぞ、デルフ)

(おうよ、今回は俺っちも頭に来てるからな)

「デアァッ!」

 コスモスの両腕から暖かい光流が放たれ、クイントータスに注がれる。傷ついた腕、足、首とクイントータスの傷口に光流が吸い込まれると、吸い込まれたところから傷口が塞がっていく。

 

 

 

 

 

『ヒーリングシャワー』

 

 

 

 

 

 人間達は自分の目を疑った。あれだけの酷い怪我が瞬く間に治っていく。その時、後ろから地響きが聞こえる。人間達は後ろを振り向くと、力を振り絞ってクイントータスの所までやって来たキングトータスがいた。

「うわぁぁっ!化け物だぁ!」

 一人が叫ぶと五人はその場に集まりガタガタ震えだす。そんな人間達の頭上を突如光流が通り過ぎていく。何事かと一人が振り向くと、コスモスが『ヒーリングシャワー』をキングトータスに向けても照射していたのだ。

「なっ!?ウルトラマンッ!怪物を助けるってのかっ!?」

 そう言う頃には二匹の怪我は完全に治り、二匹の怒りの咆哮が響き渡る。

「「キィェェェェェッ!」」

「「「ギャァァァアアァァアアアッ!」」」

 同時に響く五人の悲鳴。しかし、それはキングトータス、クイントータスの咆哮に容易くかき消され霧散する。クイントータスの腕が振りぬかれ、一人を腕にこびり付いた血の染みに変える。キングトータスの足が踏み出され二人を血だまりに変える。二匹はその場で手足を引っ込めると、高速回転し少しずつ二人の人間に近づいて行き二人の人間を追い詰めていく。

「「うわぁぁぁっ!助けてっ、助けてぇーーーウルトラマーーーーンッ!」」

 二人の人間が泣き叫ぶが、コスモスは見ているだけで何もしない。助けようとしない。

「何でっ、なん」

 そこまで言ったところで、二人の人間は高速回転するキングトータス、クイントータスに挟まれ、文字通りひき肉にされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 才人は一度人間の姿に戻ると、クイントータスが押し込められていた倉庫の中を漁っていた。少しすると小さな木箱が五つ見つかり、中からトータス夫婦の卵が見つかった。

「良かった、残りの卵は無事だったんだ…」

 才人は慎重に卵の入った木箱を持ち上げると、トータス夫婦の前に置いていく。トータス夫婦は卵の無事を知ると涙を流して喜んでいた。互いに抱きしめ合い嬉しそうな鳴き声を上げていた。

「よいしょっと…」

 最後の卵を運び終えた時、唐突にデルフリンガーが話しかけてくる。

「よくやった」

「急にどうしたんだよデルフ?まだ全部終わってないぜ?これから卵をキングトータス達の故郷に返さなきゃいけないのに…」

「そっちじゃねぇよ」

 デルフリンガーは静かに才人に語りかける。

「復讐を最後まで見届けた事さ」

 その一言で才人の動きが止まる。

「相棒…お前さんはあの亀達を殺して、あの人間達を守れたはずだ。だが…それを助けず、亀達の復讐を遂げさせた」

 才人はデルフリンガーを背中から降ろすと、胸の前に抱き寄せる。

「…俺は、復讐を正当化しようとは思えない。でも、人間がやった事の責任は取らせなきゃいけない」

「それはお前さんがすべき事かい?」

 才人は首を振り即答する。

「違う」

「そうさね、違う。でも、誰かがやってくれるわけでもない。誰かがやんなきゃいけない事なのさ…あの人間達にも家族がいたのかね?」

 デルフリンガーが呟いたと同時、才人の体が震える。

「あの人間達の家族からしたら俺たちゃ仇だ。間違いなく『罪』だろう。だが、俺達が責任を取らせる役割をするなら、それをする俺達はそれを背負わなきゃならねぇっ!今回目を背けなかった事、これはその第一歩だ。人に言えるこっちゃぁねぇし、恨まれ…憎まれる事だろうが、最後までやりとおそうぜっ!」

 才人はより強くデルフリンガーを抱きしめる。デルフリンガーは『達』と言ってくれた。これから先も一緒に戦ってくれるという意思表示だろう。その事が何より嬉しかった。だが、デルフリンガーが言った『役割』…自分に出来るのだろうか…?今回の戦いでも怒りを抑えられず人間に向け拳を振るい…そして、人間という存在に一つの考えを持った。持ってしまった。持ちたくなかった。デルフリンガーに聞きたくなる。その答えを教えて欲しくなる。

「…ありがとよ、デルフ。気が楽になったよ」

 だが、聞く事が出来なかった。その答えは自分で見つける事が大切だとも思ったし、仮にデルフリンガーから正解を聞けるとして…それを聞くのが怖かったからだ。

「よし、行くぜっ!」

 才人はデルフリンガーを引き抜き、頭上に掲げる。

「コスモーーースッ!」

 再び巨大化したコスモスはトータス夫妻の卵を丁寧に抱きかかえると、トータス夫妻の住む島に向けて飛び立つ。島の位置はクイントータスの記憶から特定してある。コスモスは後を付いてくるトータス夫妻の心配をしながら飛行するが、コスモスの心の中にはデルフリンガーに問いたかった一つの言葉が鳴り響いていた。

 

 

 

 

 

 

『人間を守る価値はあるのか?』

 という言葉が。

 

 

 

 

 

 トータス夫婦及び卵を送り届けたその日の夕方、才人はテントの中で横になって休んでいた。キングトータスとの戦闘は予想以上にエネルギーを消耗したのだ。

(このところ色々あったからなぁ…俺自身、疲れてるのかも)

 僅か短期間に自分の醜さ、人間の醜さをまざまざと見せつけられたせいもあるのだろう。いくら励まされても、体を休めても、精神的な疲れは取れていないのだ。

(明日は朝早いし…もう眠ろう…)

 体を大の字に投げ出してもう眠ってしまおうとした時、テントの前に人の気配を感じる。

「ルイズの使い魔~?…いますか~?」

 才人は起き上がると、聞きなれない声に首をかしげる。キュルケでも、マチルダでも、シエスタでもない。ましてやルイズであるはずが無い。

「誰?」

 急に声を掛けられた相手は驚いていたが、咳ばらいをするとコソコソとテントの中に入って来た。ロールの金髪にそばかすが特徴的だ。才人はその相手が何度かルイズをからかっているのを見た事があるが、実際に話したことは殆どない。

「え~と…モンモンモンラララーシュ…?」

「おしいっ!…わけ無いわよっ!そんなふざけた名前なわけないでしょっ!モンモランシーよっ!」

 才人は言われてやっと思い出す。そう言えばギーシュとの会話でよく出てくる名前だ。…確かギーシュがよりを戻したくて四苦八苦していた相手だ。

「で、モンラシーが俺なんかに何の用?」

「モンモランシーーーーッ!…もういいわ。それより本題に入らせて。実はね…頼みがあるの。貴方にしか出来ない事よ…」

 モンモランシーが言うには以前学院で起きたギトーの事件での事だ。捕らわれた女子が乱暴されそうな中に颯爽と助けに来たギーシュ。結局最後に解決したのがマチルダ、キュルケとは言えそのギーシュの活躍は『ヒーロー』と呼ぶものにふさわしい物だった。これを聞いて才人はモンモランシーが何を頼みたいのか大体わかった。

「そう言えばギーシュの奴最近女の子を何人も侍らせてるっけ」

「そうっ!そうなのっ!あいつ調子に乗ってるのよっ!私にした浮気の事なんか反省してなかったのよっ!お願いっ!ギーシュともう一度決闘して?そこでコテンパンにしてあいつの目を覚まさせて欲しいのよっ!」

 ギーシュがよりを戻したがっていた時には拒んでいたのに、ギーシュがモテ始めると嫉妬心が湧き出す。女心は分からないなぁと思いながら才人はキッパリと言う。

「ダメだ」

「どうしてよっ?!」

 怒気を孕んだ大声を上げるモンモランシーに才人は冷静に伝える。

「俺明日からマチルダ達とちょっと出かけなきゃいけないんだ」

 そう言うと才人は再び横になる。

(そう…明日から俺たちはタルブの村に向かう…前に一度だけ行ったことがあるけど、のどかで自然が豊かな良い所だ…休むにはピッタリかもしれない。それに…)

 才人はルイズの部屋がある方向に視線を送る。

(ルイズも誘った。ああいう落ち着けるところなら、詔もはかどるかもしれないし)

 そう、才人はルイズも誘ったのだ。ルイズは今でも詔に苦戦しているようなので、助けになればなと思ったのだ。

(明日に備えないと…)

 そう思った所で才人の疲労はピークになり、深い眠りに落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ、いやいやいやっ!急に寝ないでよ?!私放置ッ!?」

「お休み…モンモン…」

「お休みなさ~い…じゃないわよっ!ちょっと?ねぇ、起きてよっ!起きてよっ!起きてってばぁっ!」

「娘っ子、あんまり悠長にしてると他の女に見つかっちまうぜ?」

 デルフリンガーが呟くと同時、モンモランシーは全速力でその場から駆けだしていた。

 

 

 

 

 

 

 




続きます。なるべく早く次回を投稿したいです。本当に。
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