ゼロの使い魔~真心~   作:へドラ2

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大変長らくお待たせいたしました。続きです。オチ滅茶苦茶悩みました。頑張ったので見ていって下さい。


腕、治りました。






ゼロの使い魔~真心~第58話

 才人達は村長に話を通したシスター・ドーラとシエスタの案内で村の裏山にやって来ていた。

「はぁ…はぁ…まだなの?…はぁ…」

 ルイズは懸命に歩いたが、途中で疲れてしまいシスター・ドーラにおんぶされていた。おんぶされている間に息を整えようとするが、ある事に意識が集中してしまい中々整えられない。

(シスター・ドーラには悪いけど…おいくつなのかしら?お年からは考えられないくらい物凄い筋肉…)

「もうすぐですよ~」

 シエスタが言ってから暫くしている内に才人達は山の中腹までやって来る。その時、才人は木々の間から漏れる光に視界を奪われる。才人は開けた場所に出ると思い歩を進めるが、後ろからシエスタの慌てた声が聞こえる。

「あぁっ!才人さん止まって~っ!」

 遅かった。才人は既に歩を進めてしまっていた。その時、才人は突然の浮遊感に襲われる。何故か?本来力強く踏みしめるはずの地面がそこには無かったからだ。

「っえ?」

 素っ頓狂な声を上げながら才人は下を見る。そこには大きく削られた山の側面が見れた。村から見れば裏山の、更に裏側だ。

「ぅぉおおおおおお!?」

 次に才人の体は重力の力を受け落下を始めた。迫る地面には木の根や岩の様な物が見える、才人ならば死ぬ事は無いが…ぶつかれば只では済まない。マチルダ達の悲鳴が聞こえる中、才人は慌てて拳を山の側面に向けて打ち込む。それは深々と突き刺さり才人の体を釘付けにする。

「イテテ…助か」

 

 

 ボコンッ!

 

 

「てねー!」

 才人の腕の周りの土が大きく崩れ、結局また落下してしまう。マチルダはゴーレムを作って才人を受け止めようと慌てて杖を抜くが、それよりも先に才人は受け止められていた。マチルダが杖を抜くよりも早く行動し、才人のいる所まで移動してきたのだ。

「シスター・ドーラッ!」

「まずは落ち着きなお兄ちゃん。落ち着けばこれくらい、どうって事無いだろ?お兄ちゃんなら?」

 シスター・ドーラは空中で才人に肩を貸すと、崩れていた才人の体勢を整えてやる。そのまま二人は体を前方に何回か回転させ勢いを殺し、ゆったりと着地する。

「ありがとうございます。助かりましたシスター・ドーラ」

 シスター・ドーラは才人の頭を撫でながら豪快に笑う。

「ハハハハハッ!いいって事さ。助かればそれで良しっ!…まぁ何が起きても平常心を忘れないこったね」

 才人は心底驚いていた。シスター・ドーラからは底知れぬ実力を感じていたが、まさかこれ程とは思わなかったのだ。

(いったい…何者なんだ?)

 驚いていたのは才人だけではない。マチルダ達も目を見開いている。タバサやキュルケはその動きを追えず目が点になっていた。

「凄い…タバサ今の目で追えた?」

「無理…(見た目からは考えられない…)」

 

 

 

 

 

「あの~、…私がいる事、忘れないで…おぇっ…」

「「あ」」

 

 

 

 

 

 シスター・ドーラに忘れられていたせいで、目を回し酔ってしまったルイズだった。

 

 

 

 

 

 

 才人が落ちた崖、そこには登り降りする為に縄と重しで作られた原始的なエレベーターが付いている。それで降りて来たマチルダ達は真っ先に才人に飛びつく。

「才人っ!怪我は無いかいっ!?」

 才人は抱きしめて来たマチルダの幸せな感触に飲み込まれそうになるが、すんでの所で正気を取り戻し、全員に怪我も無く大丈夫だと伝えた。それを聞いたシスター・ドーラが手をパンッ!と叩く。

「良しっ!それじゃ改めて。土堀を始めようじゃないかっ!」

 こうして才人達の土堀が始まった。才人達はそれぞれ分かれるとシャベルで土を掘り始める。しかし、今回必要なのはとんでもない量だ。とてもでは無いが直ぐに終わりはしない。チグリス…アストロモンス一匹分。5万8千トンもの質量が抜け出たのだ。その全てを栄養土で賄わなくても良いと言っても、とても人力だけで掘り出せる量じゃない。

「なぁキュルケ…」

「何?才人?」

 才人はキュルケの隣に来るとシスター・ドーラとタバサに聞こえないように小声で話しかける。

「なぁ、シスター・ドーラとタバサをどうにかしてここから離せないか?そうすれば俺が変身してやれるから手っ取り早いんだけど」

 キュルケは即座に首を振る。

「駄目よ。こんな事にウルトラマンの力を使う訳にはいかないわ。それより、何でチグリスを呼んじゃダメなのよ?」

 才人も即座に首を振る。

「それこそ駄目だよ。チグリスには帰りに土を持って帰ってもらわなきゃならないんだ。ここで体力を消耗させる訳にはいかないよ」

 シエスタが持ってきてもらうように頼んでいたときは少量を送ってもらっていた。今回、元々は才人がコスモスに変身して土を持って帰って来る予定でいたのだが、キュルケとタバサが一緒に来ることになった為予定を変更したのだ。いかにタバサと言えどむやみやたらにコスモスの正体をばらすわけにはいかない。その為にチグリスに土を持って帰ってもらおうとしたのだが…。

(あの肉食の怪獣だけじゃなくて『ドクロ怪獣・レッドキング』までこの村に現れていた何て…)

 タルブ村には短時間で2匹も凶暴な怪獣が現れている。例の『天の使い』という怪獣が守ってくれているという状況とはいえ、ここでまた怪獣が現れれば村人の恐怖を煽る結果になりかねない。その為、チグリスに土を掘ってもらう訳にはいかなくなったのだ。

「どっちにしたってもうしばらくはこのままっていう事ね。頑張りましょう」

 才人は仕方ないか…と思いながら手を動かす。どれくらい時間がかかるだろう?それまで持つだろうか?…ルイズが。

 

 

 

 

 

 

「もう無理疲れた~っ!何でこんな事しなきゃいけないの~っ!」

 もう無理だった。

 

 

 

 

 

「ルイズッ!もう休んでていいぞ。詔を作る方を頑張ってくれっ!」

 ルイズは元々落ち着いた静かなこの村で集中して詔を作るために連れて来たのだ。村が天の使い騒ぎでうるさくなってしまっていた為に仕方なく土堀を手伝ってもらっていたが、ここらが限界だろう。むしろ頑張った方だ。

「そうするわ…」

 ルイズはそう言うと岩の上に座り込んで『始祖の祈禱書』とにらめっこを始める。それを見届けた才人はまた土堀に精を出す。なるべく早く作業を終わらせる為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 才人達が土堀に精を出している最中、村の入り口では大騒ぎが起こっていた。何と、タルブ村のある土地の領主が突如訪問してきたのだ。村長は『天の使い』グッズを売り込む村人たちを落ち着かせると村の代表として挨拶をする。

「お久しゅうございます領主様。今日この日に領主様にお会い出来ました事、幸福の極みでございます」

 村長は深々と頭を下げるが、領主は意にも介さず歩を進め、領主の一団を不思議そうに見つめる『天の使い』の前までやって来る。

「ほう…こやつが噂の…」

「はい。我らが『天の使い』様でございます。我らの危機にご降臨し、我らを救済してくださったお方にございます」

 領主は興味無さそうに聞いているが、ふと村長に問いかける。

「おい、こやつは暴れたりはしないのか」

 脈略の無い突然の質問。村長は訳が分からず疑問符を浮かべる。

「はぁ?」

「答えろっ!」

 突然の領主の激昂。村長は怒らせてしまったと焦り、慌ててその場に跪いて額を地面に擦り付ける。

「もっ、申し訳ありませんっ!はいっ、『天の使い』様は我らを見守っていて下さり、絶対に我々村の者や旅の者には危害を加えませんっ!」

 それを聞いた領主は静かに呟く。

「そうか…」 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 作業を始めて2時間程、流石にキュルケやタバサ、シエスタに少しずつ疲労の色が見えて来た。ここいらで休憩をとった方がいいだろう、そう思い才人が提案すると満場一致で決まった。

「はぁ~、この年で力仕事はやっぱり堪えるねぇ…」

 シスター・ドーラがそう呟くと全員から驚嘆の声が上がる。

「なっ、何だいあんた達っ!これで平気だったらあたしゃバケモンだよっ!?そこまでじゃ無いさっ!」

 そんな面々をよそに才人はルイズの隣に腰掛ける。才人はルイズの詔が進んだかどうかが気になったのだ。

「よっ!ルイズ、ちょっとは出来たか?」

「サッサイト!?」

 ルイズは急に近くに座ってきた才人に驚き、顔を真っ赤にする。

(ちっ近っ!?…サイトったら、私の気持ち忘れてるんじゃ…)

 今のルイズは二人の男の間で揺れ動く不安定な存在。片方はワルド子爵だがもう片方は才人だ。そんな相手に密着されれば照れもする。しかし、才人はそれが分からないわけでは無い。その証拠に才人はルイズの耳元で小声で囁く。

「すまん。これが一番平和なんだ」

 ルイズは言われてそうか、と気づく。周りを見ると他の女性陣の視線は自分に突き刺さっている。皆余程才人の隣になりたいらしい。が、それで起こる争いを回避するのはこれが一番だろう。

(そっか、私の気持ちは皆まだ知らないんだものね…)

 それにしてももう一回囁いて欲しいなと心の片隅で思いながら、ルイズはこの事について考えるのを止めた。しかし、この二人の考えには一つ誤算があった。二人は気づいて無いのだ。ルイズの才人への気持ちがバレバレだという事に。

(相変わらず分かりやすいわね~ルイズの奴…まぁあの二人なら、ね…)

 そう考えるキュルケは才人の隣を狙うのを止めた。マチルダやその他面々も同じ気持ちだった。ルイズならそこまで積極的に迫れはしないだろう、と。

「お茶が入りましたよ~」

 シエスタが用意してくれたお茶で喉を潤したルイズは、改めて書けた詔を才人の前で読もうとする。最初の一言を口にした瞬間…。

 

 

 

 

 

 

 ドゴオォォォォンッ!

 

 

 

 

 

 大砲の爆音が響いた。

 

 

 

 

 

「なっ!?何だ!?」

 その場にいた面々は突然の事に驚くが、素早く行動しシエスタとルイズ、シスター・ドーラを守るように取り囲みそれぞれの武器を取る。

「落ち着け相棒っ!それにお前さんたちもっ!着弾点はここいらじゃない」

 その時、続けて二発、三発と響く大砲の爆音。それに続く悲鳴。

「ポロロロロロロロッ!?」

 シスター・ドーラは何が起きたのか直ぐに分かった。

「『天の使い』様が攻撃されてるんだっ!」

 突然の事にシエスタは驚きを隠せない。

「なっ、何で急にっ!?」

 誰もが返答に困る問いかけに才人は一つ心当たりがあった。

「そうだっ!ここに来る前、村の入り口辺りがやけに騒がしかったけどあれって!」

 言われてシスター・ドーラは気が付く。

「そうだっ!そういえばさっき村に領主が来たっていう話を村長から聞いたっ!まさかあいつらがっ!」

 その時、その場に口笛の音が鳴り響く。

「乗って」

 タバサが呟くころにはタバサの横にシルフィードが降り立っていた。背中には直前までお昼寝をしていたであろう、寝ぼけまなこのチグリスが欠伸をしている。

「良しっ!」

 キュルケ・シエスタ・ルイズ・タバサはシルフィードの背中に乗り、マチルダと才人は飛び上がったシルフィードの足に捕まる。シスター・ドーラはチグリスの背中に背負われていた。

「へ~、ちびちゃん力持ちなんだねぇ」

「ぴきゅっ!」

 シルフィードは力強く飛び上がるとあっという間に山を越え、村の教会の上空にまでやって来る。そこから見えたのは悲惨な光景だった。

「ポロロロロロロッ!?ポロロロロロロッ!」

 大勢の兵士が並び大砲を『天の使い』目掛け打ち込んでいた。大砲は弾道が緻密に計算され、その全てが『天の使い』の目玉に直撃するコースに設定されていた。完全に無抵抗な『天の使い』に対し人間からの一方的な攻撃が絶え間なく続いている。

「何て事しやがるっ!」

 才人が怒りに震えた時、その視界の端に縄で縛られた村人たちを見つけた。村の入り口で商売をしていた村長や村人たちだ。村人たちは必死に抗議の声を上げ続けている。

「止めろーっ!」

「『天の使い』様に何と罰当たりなっ!」

「うちの村の守り神様だぞー!」

 その時、一発の火球が村人の一人の頭を吹き飛ばす。あの自称、シエスタの婚約者だ。どうやら後ろで攻撃の指揮をとっている領主のメイジが『フレイム・ボール』を撃ったのだ。シエスタはあまりの光景に手で顔を覆う。

「黙れたかが平民どもめ!こやつは『天の使い』などでは無いっ!只の化け物だっ!この私が直々に怪物を成敗してくれるっ!」

 領主の腹からの声に委縮し、村人たちは途端に大人しくなる。しかし、それに比例して才人達の怒りが高まっていった。

「何て奴らだっ!」

 才人は激昂するとシルフィードの足から手を放し飛び降りる。そのまま大砲の真上に着地して踏み砕き、完全に使い物にならないようにする。領主の私兵は何事かと戸惑っているがその隙にマチルダの作り出したゴーレムが残りの大砲をその剛腕で破壊していく。

「何事だっ!何故ゴーレムが…っ!?」

 領主がゴーレムに気を取られている間にシルフィードから飛び降りていたシスター・ドーラは、短剣を素早く引き抜き村人たちを縛り上げていた縄を切り裂いていく。その間0.01秒。領主の目には何が起きたのかまるで理解できなかった。

「くそっ!何者だっ!」

 領主が叫んだ時、領主の私兵の頭上に氷のつぶてが降り注ぎ、大砲を打ち出すための火薬の備蓄に巨大な火球が直撃、大きな爆発を引き起こす。

「「「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!」」」

 上空からの奇襲の効果もあり領主の私軍は瞬く間に陣形を乱され、壊滅させられた。地面に降り立ったシルフィードから降りたシエスタは村長たちに駆け寄る。

「村長さんっ!大丈夫ですか!?お怪我は!?」

「『彼』以外は…何とか…」

 シスター・ドーラとシエスタ、ルイズに助け起こされる村人たちと『天の使い』を領主たちから庇うように立ちふさがる才人達。それを見た領主は怒りを露わにする。

「貴様ら何者だっ!この私を誰か知っての狼藉かっ!」

 領主は杖を構え才人達を威嚇するが、才人達は顔色一つ変えずに領主を睨み返す。その怒りの表情に領主は腰が引け震えだす。

「大体分かるよ。あんたこの辺の領主だろ」

 才人はデルフリンガーを領主に向けると、冷静に呟く。その領主に言いたい事があったのに全てが喉元から出てこない。

「あんた…この前この村に怪獣が出た時、兵を出したか?」

 才人の問いかけに領主はバツの悪そうな顔をする。才人はなおも続ける。

「その後にレッドキングが暴れた時…この『天の使い』がこの村を救った時!お前はこの村を救おうと兵を出したのかっ!」

 領主は黙ったまま何もしゃべろうとしない。そこへシスター・ドーラが怒気を含んだ声で領主に問いかける。

「まさか…この『天の使い』が大人しい事を知って兵を出したのかいっ!?」

 領主はなおも無言だ。しかし、この沈黙は完全に肯定だった。それが何を意味するのか。キュルケが呟く。

「敵いもしない化け物の時は見捨てて、簡単に殺せそうな大人しい生き物を殺そうっていう事ね!」

「てめぇぇぇっ!」

 才人は完全に怒りに囚われていた。抑えきれない程の憎しみの感情にその身を包み込まれ、才人はデルフリンガーを突きの体勢で構えると領主の喉元にピタリと狙いを定めた。デルフリンガーは気が付いた。このままではマズイ、と。

「相棒落ち着けっ!このままじゃお前さんの力を抑えきれないっ!暴走しちまうぞっ!」

 才人が領主を突き殺す為に駆けだそうとした時、領主の後方から大勢の兵士が現れる。どうやら領主が用意した第二陣のようだ。領主の危機に駆け付けた兵士が領主を押し倒し、才人の突きは空を貫く。

「今だっ!」

 領主が叫ぶ。攻撃後の才人の一瞬の隙、その隙に領主の『フレイム・ボール』が放たれ才人の腹部に直撃。才人をはるか後方まで吹き飛ばしてしまった。才人は民家の上に墜落、その民家は『フレイム・ボール』の炎が引火、火災が発生する。

「撃てぇー!」

 マチルダ達が才人を心配する声を上げる暇も与えず響く領主の号令。それと同時に兵士たちの大砲が轟音を上げる。

「隠れてっ!」

 第一陣が使っていた5倍の数の大砲。この量の砲弾に対しマチルダは巨大なゴーレムを作り砲弾から村人やキュルケ達を守るための壁にする。しかし、砲弾はマチルダ達だけでなく『天の使い』にも着弾していた。苦痛の鳴き声が再度村に響き渡る。

「ポロロロロロッ!」

「撃て、撃て、撃てぇーっ!奴らは反乱者だ、怪物の手下だーッ!殺してしまえーっ!」

 どうやら領主は歯向かってきたマチルダ達もろとも『天の使い』を殺そうという魂胆らしい。先ほどまでの計算された砲撃とは違い、領主の命令でただばらまかれるだけの砲弾。どうやらタルブ村にも何発か着弾している様だ。

「なんて野郎だっ!滅茶苦茶だっ!」

 マチルダの叫びを聞いたキュルケは胸元から縮小光線銃を取り出す。

(こうなったら…チグリスに汚物共を燃やしてもらうしか…)

 その時、領主とマチルダ達の間に巨大な光の柱が立ち上る。それは徐々に収束し、中から赤い巨人が現れ『天の使い』を庇うように立ちふさがる。

「ウルトラマンコスモスッ!」

 ルイズは才人が無事だった事に喜ぶが、それ以上の歓声が領主の私軍から上がる。

「見ろっ!」

「ウルトラマンだっ!」

「我らを救うために、化け物と手下を成敗するために来てくれたぞーっ!」

 各々好きな事を言う兵士達。そんな事はあり得ないと知っているマチルダ達からしたら心底腹が立ったが、マチルダは先ほどのデルフリンガーの一言を思い出す。

 

 

 

 

 

(暴走しちまうぞっ!)

 

 

 

 

「最初から『赤』…まさか…マズイッ!やめろコスモスーーーッ!」

 マチルダの叫びの意図が分からないタバサとシスター・ドーラは不思議そうにしているが、意味の分かったルイズとシエスタは戦慄する。

「まさかっ!?」

「やめてーーーっ!ウルトラマーーーンッ!」

 その時、コスモスの右腕に『天の使い』の太い蔦が絡みつく。蔦が離れるとコスモスは優しく『天の使い』の頭を撫で、領主の私軍に向き直る。その時、コスモスの右腕には凄まじいエネルギーが溢れ出していた。コスモスはその手をゆっくりと持ち上げる。領主は何が起きるか直ぐに分かり、恐怖で顔を歪め、一目散に逃げ出す。

 

 

 

 

 

 

 

「うわああああぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 コスモスの手は勢い良く振り下ろされ、激しい光の奔流が領主たちに降り注いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




続きます。そう言えば、もう直ぐ一年たつんですよ。「ゼロの使い魔~真心~」時間が経つのって早いですね。


一周年記念に何かしたいと思ったんですが、何も…思いつかない。



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