ゼロの使い魔~真心~   作:へドラ2

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続きです。武器屋行きます。


ゼロの使い魔~真心~第6話

 ロングビルは今学園長室の扉の横に寄りかかっていた。というのもコルベールが慌てた様子で学園長室へ入っていき「人払いを」と言われ締め出されたのだ。

(ちっ、いつ入れと言われるかわからない以上、下見ってわけにもいかんしねぇ…)

 そうして聞き耳を立てていると声が少しだけ聞こえてくる。コルベールは興奮しているのか声が大きくなっていた。

(召喚された平民…才人の事か…えっ?何?ガン?ガンダー?…っち、聞き取れない…)

 ロングビルが耳を壁に押し当ててまで聞こうとしている時、突如シュヴルーズが走ってくる。

「ミス・ロングビル!大変です生徒が…何をしているんです?」

「いっいえ、何か?」

 シュヴルーズの報告を聞いてロングビルは眼を丸くした。

「才人が決闘!?学院長に報告してからすぐ行きます!」

 

 ロングビルが到着するとヴェストリの広場は大騒ぎになっていた。その人垣になんだこれはと驚く。しかしこのままでは才人が危ない。何とか止めないと、そう考えた所で人垣が「おお~!」と大きく動く。

(手間かけさせやがって!才人の奴!)

 才人の身に良くないことが、と思い人垣を超えると目に入ったのは信じられない光景だった。才人が一瞬でワルキューレを切り裂いてしまったのだ。しかしこれで謎が解けた。オスマンとコルベールが話していたのはこの事だったのだ。

「ガンダールヴ…伝説の使い魔…」

 

 

 才人は剣をギーシュの目の前に突き立てていた。ギーシュは恐怖で震えている。そのギーシュに言い放つ。

「もう終わりだ」

 才人はそう言うと剣を離し踵を返す。才人は一刻も早く戦いを止めたかった。これ以上やるとウルトラマンの力とルーンの力を抑えられず暴れ出してしまいそうだからだ。

 

 ドスッ!

 

「え」

 才人は痛みを感じた。胸元が熱い。よく見ると自分の胸から光の刃が生えている、いや、正確には背中から貫かれていた。

「きっきみがっ君が悪いんだ!…後ろを見せるから!…え?」

 才人を背中から「ブレイド」で突き刺したギーシュは震えながらも勝利の笑みを浮かべるが振り向いた怒りと憎しみを混ぜた目をした才人を見て怯え始める。

「嘘だろっ何で…うあ…ぁ…うわぁぁ!」

 才人が地面に突き立てていた剣を一瞬で引き抜きギーシュの首をはねようとした時…。

「「やめなさい!」」

 ロングビルとルイズが慌てて間に入り込む。

「止めて!ギーシュを殺す気?!」

「才人君しっかりして!あなたはこんなことをする人じゃない!」

 二人の言葉が届いたのか才人は今度は剣をへし折りギーシュに向け投げ捨てる。

「もう一回言う、もう終わりだ」

 その一言で才人は力尽き倒れてしまった。ギーシュは恐怖で泡を吹いて失神していた。

 

 

 才人はコスモスの花壇の前でロングビルから治療魔法を受けていた。

「まったく無茶しやがって!才人!危うく殺されてたんだよあんた!」

 ロングビルは自身の口調を偽る事も忘れ才人に説教しながら胸の傷を治療していた。横で見ていたルイズはその変わりように言葉を失っていた。

「ごめんなさいロングビルさん、助けてもらってばかりで…」

「しゃべんない!傷が開くよ!」

 才人は少しうれしかった。ロングビルが素の口調になるくらい自信を心配してくれている事に。

 

 

 オスマンとコルベールは『遠見の鏡』で一部始終を見ていた。

「間違いない、ガンダールヴじゃ」

 コルベールは興奮した様子でまくし立てる。

「これは大発見ですよ!現代に蘇ったガンダールヴ!これは王宮に報告しなければ!」

 しかしオスマンが一括する。

「待て、王宮のボンクラに知られれば戦に使われるのは目に見えてる。この件は私が預かる!」

「はい!」

 オスマンは空を眺めながらつぶやく。

「巨人に続いてガンダールヴ…頭が痛いのぅ…」

 

 

 

 

 決闘のあった週の虚無の曜日、才人とルイズは城下町に繰り出していた。理由は剣を買うためだ。何故かというと、決闘の一件でキュルケが才人に惚れてしまったのだ。キュルケは恋多き女。それが一人の平民に固執していると知って他の男が黙っていない。身を守るために剣を欲しがったのだ。

 もちろんそれを見逃すキュルケではない。物静かな親友を呼びに行く。ドアをいきなり開け小柄な親友「タバサ」の首根っこを掴みひょいと持ち上げる。

「タバサ~!今から出かけるわよ~!」

「虚無のよう…」

 言いかけたが「虚無の曜日なのだから好きな読書がしたい」らしいタバサ、しかし半ば強引に連れていかれる。小脇に抱えられながらキュルケの話を聞く。

「タバサ!私恋しちゃったの!恋よ、恋!なのにヴァリエールに連れてかれちゃったのよ!しかも馬で!あなたの使い魔じゃないと追い付けないわ!」

「わかったから…おろして…」

 タバサ達は窓から飛び降りるとタバサの使い魔風竜「シルフィード」に乗り才人達を追いかけた。その様子をロングビルは窓から見下ろしていた。青春か…私には…と思ったところで止めた。自分にはすることがある、と考え直し宝物庫に向かっているコルベールの後をつけた。

 

 ゴミや汚物が散乱する裏路地にその銅の看板はあった。

「この辺よ…あ、あった」

 中に入ると50くらいの男性の主人がパイプをくわえていた。

「貴族の旦那ぁ、うちはまっとうですぜ、目を付けられることなんざ…」

「客よ」

 途端に機嫌が良くなりルイズにおべっか使い始めた。こりゃあ鴨ネギだ、ふんだくってやろうという魂胆だろう。

「最近は貴族の方々の間で下僕に剣を持たせるのが流行ってましてねぇ」

 何故かとルイズが尋ねると主人が語り出す。

「いえ近頃ねでかい化け物やらが出て物騒でしょう?そんな混乱に乗じてメイジの盗賊『土くれのフーケ』が荒らしまわってんでさぁ」

「ふーん…」

 ルイズは興味なさげに聞き流す。いくつか主人から剣を見せてもらうが中々気に入る剣が無いのか、未だに他の剣を見せてもらっている。その間才人は樽に入った剣を物珍しそうに物色していた。するとどこからか声がする。

「やい娘っ子!お前さんに剣の良し悪しがわかんのかよ!」

「なんですって?!」

 ルイズは反射的に怒鳴るがそこには誰もいない。剣が積んであるだけだ。

「ちょっとあんた!」

 ルイズの怒りは才人に向かうが才人には身に覚えがない。すると主人が怒鳴る。

「やい!デル公!失礼すんじゃねえ!」

「デル公?」

 才人があさっていた樽から声がする。なんと錆びた剣の一本がしゃべっていた。

「珍しいじゃない、インテリジェンスソード?」

「俺はデルフリンガーってんだ!」

 才人は興味津々で手に取る。

「へぇ~すげえぇ!しゃべんのか!おもしれえぇ!」

「いてて!強く握んじゃねぇ!…なる程…おでれーた…」

 最初は不平を漏らしていたデルフリンガーがおとなしくなる。そのままルイズと主人は話を続けるがデルフリンガーは小声で才人に語りかける。

「おめえさんの中にすげぇ光が渦巻いてやがる、何者なんだ?」

 才人は驚愕する。

「わかるのか?!」

「ああ、ビンビン感じ…」

 その時、突如として空気を切り裂く轟音が響く。

 

 ゴゴゴゴゴゴゴ!

 

「なっなんだ!?」

 慌ててルイズと才人が外に出ると空から青い球体が降ってきて町の中央の広場に着地する。青い球体が割れると中から爬虫類のような肌、鋭くとがった牙を持った怪物が現れる。才人はかつて怪獣の資料で見たことがあった。

 

 

 

「宇宙怪獣、ベムラー!」

 

 

 ベムラーは一声咆哮すると町に向かって次々と青い炎を吐き出し破壊、燃やし尽くしていく。その太い尻尾を振り回し密集している家々を次々と破壊していく。その攻撃は才人達がいた武器屋にも及ぶ。

「「「うわぁぁぁ!」」」

 武器屋の母屋は半壊してしまう。才人はルイズを抱え逃げ出す。

「まさかこの次元にもいるなんてっ!」

 宇宙怪獣ベムラー、かつてウルトラマンが地球で初めて戦った相手だ。ベムラーが破壊活動を続けると王宮の方からグリフォンに乗ったメイジたちが飛んでくる。

「あれはわるどワルド子爵の魔法衛士隊よ!」

 ルイズは興奮した様子で見ているがその表情はすぐに落胆に変わる。魔法はベムラーの体に傷一つつけられない。逆に炎で次々と撃ち落される。

「そんな!そんなのって…」

 このままでは被害が広がる変身するしかない。才人はそう思うがルイズを抱えていてはばれてしまう。そんな時…

「ダ~リ~ン!」

 キュルケとタバサが空から降りてくる。

「大丈夫!?さっ早く逃げましょう!」

 キュルケが手を伸ばしてくれたのでまずルイズを預ける。キュルケの力を借りる事に不平があったようだがタバサに無表情で見つめられ、落ち着かせられる。才人も乗って安全な所で変身しようと考えた時、巨大な炎がキュルケ達と才人を分断する。

「ダ~リ~ン!」

「うわぁぁ!」

 激しい炎で合流できそうにない。仕方なくその場で変身しようとする。

 

 

 しかし…

 

 

「変身できない?!」

 才人は体の中でくすぶる力が上手く制御出来ず、力を表に出せない。

(こんな時にまた制御出来ないなんてっ!)

 

 才人の頭上には巨大な尻尾が迫っていた。

 




次回に続きます。投稿は安定したペースで書けていないので不定期ですが1~3日以内に投稿できればなと思っています。
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