ゼロの使い魔~真心~   作:へドラ2

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続きです。今回は怪獣の設定を見て少しいじくってます。


ゼロの使い魔~真心~第7話

 才人は燃え盛る市街地を走っていた。ベムラーの尻尾の一撃を辛くも逃れたが依然変身することが出来ない。この間にベムラーは段々と王宮の方に進んでいた。

「ルイズ達、大丈夫か?」

 才人は煙でむせながらご主人様の心配をする。はぐれてしまってから合流できていなかった。気が付くと才人は元居た武器屋に戻ってきていた。もう見る影も無いが。

「ひでえなぁ…あの店主大丈夫か…?」

 見ると店の瓦礫の下に手が見える。才人はあの店主が下敷きになっていると思い助けようと瓦礫を持ち上げる。大きな瓦礫だが今の才人なら簡単に持ち上げられる。

「お…りゃあああ!」

 ドスン!と瓦礫を遠くに投げ捨て、店主を助け起こそうとする。が…

「えっ…」

 そこには手しかなかった。肘から上には何もなかった。

「そっそんな…嘘だって…言ってくれ…誰か…」

 虚しく風に消えるはずだったそのつぶやきに答えた物がいた。

「よっ坊主!無事だったか?」

「えっ…」

 それは武器屋で才人の正体を見抜いたデルフリンガーだった。

 

 

 魔法衛士隊隊長ワルドは部隊を一時王宮に下げ体制を整えていた。衛生兵に手当てをしてもらっている。

「ちっ、こんなところでくたばって…たまるか…!」

 ワルドは立ち上がると部下のメイジたちに喝を入れる。

「皆!このままあの怪物の好き勝手させてはいけない!俺たちの国を守るのは俺達自身だ!」

 しかしそれを聞いて「まだ戦うのか」と怯えるメイジがいた。中には走って逃げ出す者までいる。

「貴様ッまて!」

 だがワルドは追いかけなかった。どちらにせよ考えてはいた事だ。そんなワルドを衛生兵が抑える。

「貴方もまだ無理です!少しでも寝て傷の回復をしなければ!」

「くっ…ん?あれは?」

 寝かせられたワルドが見たのは突如として歩みを止めたベムラーだった。

 

 

 突如歩みを止めたベムラー。その場で息を吸い込むと口を開ける。

 

 

「下等な虫けらどもぉぉぉ!」

 

 

 それは低く相手に威圧感と恐怖を与える声だった。しかしそれ以上に聞いた誰もが驚いていた。それを代表したような感想が王宮のテラスに飛び出たトリステイン王女アンリエッタからでた。

「かっ怪物が…しゃべった!?」

 慌ててマザリー二卿が下がるように言う。

「いけません姫様!」

「いえ、私はこの国と最後を共にする義務があります!」

 そんな時ベムラーの目が王宮に向く。

「よくキケェッ!虫けらぁ!生贄を差し出せぇ!お前らは俺の飯だぁ!…それとも…まだ俺様の力を味わいたいかぁ!」

 

 

 ベムラーは人間に対して脅しをかけていた。その様子を見て才人はある事を思い出した。かつてベムラーが地球に飛来した時、同時に飛来したウルトラマンと接触した化学特捜隊ハヤタ隊員の証言にこんな物があった。「犯罪者の怪獣」と。もしかするとベムラーは知能が高い生命体で宇宙規模の犯罪者だったのかもしれない。

「なんて野郎だ!人間を喰い物としか思ってないのか!」

 怒りに拳を震わせる才人を見てデルフリンガーは問いかける。

「なぁ坊主、おめぇさんの力が使えればあの怪物倒せるって本当かい?」

「ああ、だけど上手く制御が出来ないんだ」

「おでれーた、さてはなり立てで慣れてねーな?」

 それなら、とデルフリンガーは一呼吸置く。

「俺っちが手伝ってやるよ」

 手伝う?才人はいまいち話が読み込めなかった。「だーかーら!」とデルフリンガーは繰り返す。

「俺様が力を引き出すのを手伝ってやるってんだよ」

 軽々と言うデルフリンガーに才人は食いつく。

「どっどうやって!?」

「簡単だよ、俺っちを握って気合の出るよな言葉を叫べっ!それでお前さんの力が沸き上がりかけた時に後押ししてやる」

 才人はいくら異世界とはいえ、喋る剣とはいえ、こんな事ができるなんて普通じゃないと思った。

「お前…何者なんだ…」

 デルフリンガーは刀身を震わせると突如光り輝く。光が収まるとそこには光り輝く美しい刀身の大剣があった。

「俺っちは初代ガンダールヴの剣デルフリンガー様だ!」

「ガンダールヴ?」

「おでれーた…お前さん自分のルーンの力も知らなかったのか?」

 才人は左手のルーンを見る。ガンダールヴ?…そういえばギーシュとの決闘で剣を握った時、身体能力が強化された事を思い出した。それの事かと納得する。

「要は伝説の剣って事か。そんなにすごけりゃ納得だ。よしっ力を貸してくれ!デルフリンガー!」

「デルフでいいぜ!」

 才人はデルフリンガーを左手で持ち、腰元に構える。そして全力で剣を頭の上まで振り上げ自身のもう一つの名を叫ぶ。

 

 

 

「コスモーーース!」

 

 

 燃え盛る町の中、突如として光の柱が立ち上がりその中から青い巨人が現れた。その様子を避難所で火傷の手当てをされながらルイズ達は見ていた。

「なっなによ!あれ!」

 その問いにキュルケが答える。

「ああ、そう言えばあなた見てないんだっけ?あれが学院を救った巨人よ…名前は確か…ミス・ロングビルが報告してたわよ、ウルトラマンコスモス、だって」

「ウルトラマンコスモス…」

 ルイズはその姿に魅入っていた。しかしコスモスの登場を一番驚いたのは誰でもなくベムラーであった。

「げげぇ!ばかな!この世界にゃうざってえウルトラ野郎はいねぇはずだぁ!」

「ジェアッ?!(この世界?!)」

 今の発言からしてこのベムラーはどうやら元は才人の世界からやって来たようだ。

(ウルトラの父が言ってた奴らの一人か!)

「やろぉ!死にさらせぇ!」

 コスモスはベムラーが放った炎を右に跳んでよ避け、走り出すと飛び蹴りを浴びせようとジャンプする。その蹴りは寸分たがわずベムラーの顔面に直撃する、が…

「デュアァァ!?」

 その足はベムラーの強靭な顎で受け止められ、逆にベムラーから噛みつかれてしまった。そのダメージにコスモスは苦痛の声を上げる。ベムラーはさらに追撃にとコスモスを背中から地面に叩きつける。

「おめぇ…ウルトラ野郎にしちゃぁ弱っちいな!ビビッて損したぜ!」

 コスモスが立ち上げれない内にベムラーは次々と攻撃を叩き込む。炎、蹴り、尻尾による殴打が連続で続く。ベムラーはコスモスの首に噛みつき持ち上げると首を大きく振り投げ飛ばし炎を当て撃ち落す。

「そんな!あの怪物強すぎる!」

 ルイズは驚嘆の声を上げるが、王宮の医務室で見ていたワルドはその戦いを見てイライラしていた。

「受け身も取れていない!あれじゃ素人じゃないか!」

 コスモスはベムラーのパワーになすすべが無かった。脳裏には初代ウルトラマンがベムラーと戦った時の資料映像が流れていた。

(やっぱりウルトラマンはすげぇ…こんな強い奴をやっつけたのか…いや、俺が弱いだけか…)

 その時もう一人の声がする。

(やれやれ、だらしねぇもう諦めたのか?)

(デルフ…へっそんな訳ねえだろ…こいつは皆を苦しめて、悪魔だ…許せねぇ…許せねぇ…!)

(その調子だ坊主!やりたい技をイメージしろ!アシストしてやる!)

 コスモスは尻尾の一撃を避け転がると尻尾の射程から逃れる。そこから攻撃したいとイメージをする。

(さあっ、今ならビーム出るぜビーム!)

 コスモスは右手の手のひらをベムラーに向け突き出す。

「デュアァァ!(ルナストライク!)」

 青く輝く光線が放たれベムラーに直撃する…がベムラーはすんでのところで避け肩口を掠るだけに終わる。

「やりやがったなぁ!…さぁて…お楽しみだぁ!」

 ベムラーは突如王宮の方に向かって炎を吐き出す。それはテラスにいたアンリエッタ王女に直撃するコースだった。アンリエッタは突然の事に目をつぶるしかなかった。アンリエッタが蒸発するかと思った時…影が差す。コスモスが間に入り盾となっていた。

「あっ、ありがとう…ございます」

 アンリエッタはコスモスの吸い込まれるような透き通った瞳に魅入る。しかしそこでピーオン、ピーオンという音が聞こえる。よく見るとコスモスの胸の水晶が点滅していた。

(まずい、そろそろ限界か…)

 コスモスはその場に膝をつく。ベムラーは再度炎を吐こうとしている。コスモスは身を守りながら攻めたいとイメージする。

(それなら盾を作りながら行きゃいいぜ)

 ベムラーが炎を吐き出した時、コスモスはバリアで受け止める。そしてそのままベムラー向けて飛び出す。瞬間的に音速を超えるスピードを出し一気に肉薄、バリアをまとった掌底をベムラーの腹部に叩き込む。それは肉を潰し深く突き刺さり、これまでで一番のダメージを与える。

「ギャァァ!まいった!お願いだ!助けてくれぇ!」

 コスモスは倒れたベムラーの命乞いを聞き、後ろを向き星から出ていくようテレパシーで伝える。

 

「へっへっへ…馬鹿め!」

 

 ベムラーが背後から炎を吐きかけた時そこにコスモスはいなかった。

「どっ…ぶげぇ!」

 いつの間にかベムラーの頭上に飛んでいたコスモスはベムラーの頭頂部に掌底を叩きつける。

(不意打ちには一回痛い目見てるからな)

 ゼロ距離で放たれたルナストライクがベムラーの体を駆け巡り、その体を粉砕した。

 

 

 

 夕刻、火災が収まったころにキュルケ達は才人を探していた。

「ダ~リ~ン!こんなお別れなんていやぁ~!生きてたらへんじして~!」

「キューイ!」

 タバサもシルフィードと共に探して回る。ルイズはその中でも必死になって探していた。

(こんな、こんな最後?…私を助けてそれで自分は…?ダメ!絶対ダメ!)

「バカ犬~!ヒック、ヒッ…サイト~!生きてないと承知しないんだから~!」

 ルイズの瞳に涙が溜まり始めたころ…

「お~い!」

 才人が手を振りながら駆けてくる。その様子にルイズは思わず駆けだす。

「ッ!サイッ「ダ~リ~ン!」グベッ!」

 先に抱き着いたのはキュルケだった。二つのメロンに挟まれ才人は幸せそうだった。

「ちょっとキュルケ!離れなさい!」

「嫌よ!感動の再会だもの!」

「あんた部外者でしょうが!あんたもデレデレしない!」

 騒いでいるとタバサが才人の持ってる剣に気が付く。

「それは?」

 才人はようやくキュルケから離れると紹介する。

「俺の新しい相棒デルフリンガーさっ、こいつのおかげで助かったんだ」

「俺っちの事はデルフって呼んでくれ!よろしくな!」

「へ~?インテリジェンスソード?珍しいわねぇ~」

 そんなことより!とルイズが才人に食って掛かる。

「バカ犬の分際で心配かけて~…お仕置きよ~!」

「ちょっと待って勘弁してくれよ!」

 

 

 才人は怪我もあるのに、と必死で逃げていたが追いかけるルイズは心なしかいつもより笑顔だった。

 




次回へ続きます。ベムラーの大元の設定って結構変わってますよね。
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