窪塚 泳太という人物に憑依した俺が、パートナーの魔物、ハイドと一緒に初めて魔物と戦ってから数日が経った。
あれから俺はこの世界での、彼の両親に会った。
最初は両親から色々言われたが、俺は二人に土下座して謝り、多少のいざこざはあったが何とか和解し、ハイドも家で住むことになり、しばらくしてから学校に行くことにした。
まぁ、その際に不良達に喧嘩売られたが相手をボコボコに、勉強も難なく追い付いた。
どうやら特典のおかげで身体能力も少しは上がっているらしく、学力もどうやら俺の分も上乗せされているらしい。
あと、この前ハイドの服買いに行ったら、あいつ驚いた顔をしていたのは、すごく面白かった。
そんなある日の夜。
「なぁ、ハイド。一つ聞きたいんだけどよ。お前は王様になりたいのか?」
「ん?それは……この戦いに参加しているなら、当たり前だろ。」
「じゃあ、どんな王様になりたいんだ?」
俺の質問にハイドは少し考えこんで、ベッドに入ってしまった。
「あ!おいこら、ハイド!お前無視す―」
「泳太、すまないが1人にしてくれ。少し考えたいんだ。」
「……そうか。分かった、なら気が向いたら話してくれ。俺風呂入るから後で入れよ。」
「あぁ……。」
ハイドはそう返事をして、俺はそのまま風呂に入りに行った……。
―――
あいつは……あいつは俺の知ってる泳太なのか?
俺の知ってるあいつは、チャラチャラしててそれでいて怠け者、それでいて、格好つけたがりで女好きでバカだった。
そんなあいつと会ったのは、あいつが不良と呼ばれてる奴らから暴力を受けている時で、泳太はその時に言った。
"俺を強くしてくれ"と。
その願いを聞いた俺は、あいつのパートナーとなったがあいつはチャラチャラしてて、俺の力で盗みをしたりしてた。
その時にガッシュと再会し、奴と戦ったが俺は負けた。
その後、泳太はまたフラフラしだしたが、あいつが頭を打ってから変わってしまった……。
「(あいつは……本当に泳太なのか?いや、パートナーの俺が疑ってどうする!?あいつは変わろうとしてるんだ、だったらそれで良いじゃないか。それなら、それで……。)」
何か心に不安のような物が拡がる中、俺は眠るために目を閉じた……。
――――
ハイドと泳太がそれぞれの思いを持ちながら過ごしていたある日、泳太はハイドと一緒に学校の帰り道を歩いていた。
泳太が学校に行っている間も、ハイドは泳太から離れないようにするために学校にある木にいる。
いつ魔物が来ても戦えるようにする為であり、そして、帰りになると少し後から彼の側に現れる。
「はぁ、疲れたぁ……。」
「勉強は苦手なのか?」
「いや、そうでもないんだが。どうにも頭を使うのはなぁ……お!」
泳太は何かを見つけると、まっすぐに走りハイドもその後を追う。
その先には"たい焼き"という暖簾がある屋台があった。
「うはぁ!旨そう!おっちゃんたい焼き5個くれ!」
「はいよ!」
泳太はそういうと、代金を渡して出来立てのたい焼きを受け取る。
「泳太、それは何だ……って、魚か!?」
「こいつはたい焼きってんだ。中にアンコが入ってて旨いんだぞ……一つ食うか?」
「コクコク……!!」
ハイドが凄まじい勢いで首を振る。
泳太は熱々のたい焼きを渡す。すると、その熱さにハイドは熱そうにしながらも、少しずつ冷ましてたい焼きを凝視する。
何故かハイド達、魔界の魔物は魚が好きだ。
勿論魚以外に有るのだろうが、ハイドも好んで魚を食っている。何故魚が好きなのかは、誰にも分かっていない。
「頂きま……?」
「ん……!?お前は!!」
2人が視線を感じて、その先を見るとそこには……
「……!!」だらぁぁぁぁ!
「おい、ガッシュ!?勝手に先に……!?お、お前らは?!」
2人の視線の先にいたのは、滝のように涎を流す金髪の子どもと肩で息をしながら追い掛けてきた同い年くらいの少年だった……。
次回バトります。